【感想・ネタバレ】NHK「100分de名著」ブックス 三木清 人生論ノート 孤独は知性であるのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

・文庫本というスタイルを発案したのが三木清!

・「欲しがりません勝つまでは」というスローガンに表れるような、自己犠牲や滅私奉公を美徳とする風潮が人々の心に影を落とし始めていた。
・幸福を求めることに良心の呵責を覚えるようなことがあってはいけない。

・成功と幸福は別物。その違いを三木は次のように対比しています。成功は「直線的な向上」として考えられるが、幸福には「本来、進歩というものはない」。また、幸福が「各人のもの、人格的な、性質的なもの」であるのに対し、成功は「一般的なもの、量的に考えられ得るもの」であり、純粋な幸福は「各人においてオリジナルなもの」だが、近代の成功主義者は「型としては明瞭であるが個性ではない」。

・幸福はオリジナルなものなので、誰も真似することはできない。他方、成功は一般的で量的なものなので、模倣されたり、追随する人が出てくる。

・感覚的、情緒的なものに訴えて人々を行動に駆り立てようとする、社会は非常に危険
〜〜
・楽しむためには、傍観するのではなく、当事者として参加し、自ら作っていくことが必要

・教養あるディレッタントの中には専門家以上に豊富な知識を持っている人もいますが、鑑賞したり知識を蓄えたりするだけではいけない。自ら創造することが重要。

・多くのことを諦めたけれど、最後の最後に残ったものについて「これこそ自分が本当に希望していたものだ」と思えるのなら、どれほど多くの夢を諦めたとしても、夢を叶えた人生だといえるでしょう。逆に「あれもできなかった」「これもできなかった」と、いつまでも後悔する人は、今という時間や人生を棒に振っていることになります。諦めることが放棄することだとしたら、三木のいう「断念」は真の希望につながります。たとえ長く続けてきたことであっても、それが自分に向いていないと分かった時は、きっぱりと断念し、違う道を選ぶ勇気を持ちたいものです。

2章
・虚栄は人間の存在そのものである。人間は虚栄によって生きている。
つづく

0
2023年09月30日

Posted by ブクログ

岩波文庫の巻末「読書子に寄す」の草稿を手がけたのが、三木清だった。
各章の表紙の写真はいろいろと語りかけてくるようだ。

0
2021年08月22日

Posted by ブクログ

人生論ノート再読前テキストとして。
2017年が、三木清生誕120年にあたり、NHKで取り上げられたようです。その時解説された岸見さんの著書。ということは、後5年で130年ですねえ。
著者と同じく高校の時の何かの課題として手にしたことがあります。読みきれず、興味も持てずという思い出しかないような。
ネットなどなく、情報が少なかった当時、戦争中であるため、言論弾圧をさけ、発禁処分を受けないように、わざわざ晦渋な書き方をしているだけで、一般向けの作品なんだよって、誰か私に教えてくれたかなあ。知ってたら、もう少し読んだと思うのだけど。
それでも、やっぱり読みにくい「人生論ノート」これは、優しい語りで良きテキストです。
そして、岩波書店で編集顧問をしていた三木清様が、日本に文庫本スタイルを導入されたと知れば、それだけでも、尊敬に値する業績ではありますまいか。
本書は、三木の人生、人生論ノート各項目、そして死について解説し、特別章として、「孤独は知性である」が寄稿されています。最近では、斉藤孝さん等が孤独の力を書かれてます。一人でいることは孤独ではないけれど、孤独に近づく手段ではあると。
孤独は町にあり、人と人の間にあると。

0
2022年12月07日

「学術・語学」ランキング