【感想・ネタバレ】NHK「100分de名著」ブックス 三木清 人生論ノート 孤独は知性であるのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

・文庫本というスタイルを発案したのが三木清!

・「欲しがりません勝つまでは」というスローガンに表れるような、自己犠牲や滅私奉公を美徳とする風潮が人々の心に影を落とし始めていた。
・幸福を求めることに良心の呵責を覚えるようなことがあってはいけない。

・成功と幸福は別物。その違いを三木は次のように対比しています。成功は「直線的な向上」として考えられるが、幸福には「本来、進歩というものはない」。また、幸福が「各人のもの、人格的な、性質的なもの」であるのに対し、成功は「一般的なもの、量的に考えられ得るもの」であり、純粋な幸福は「各人においてオリジナルなもの」だが、近代の成功主義者は「型としては明瞭であるが個性ではない」。

・幸福はオリジナルなものなので、誰も真似することはできない。他方、成功は一般的で量的なものなので、模倣されたり、追随する人が出てくる。

・感覚的、情緒的なものに訴えて人々を行動に駆り立てようとする、社会は非常に危険
〜〜
・楽しむためには、傍観するのではなく、当事者として参加し、自ら作っていくことが必要

・教養あるディレッタントの中には専門家以上に豊富な知識を持っている人もいますが、鑑賞したり知識を蓄えたりするだけではいけない。自ら創造することが重要。

・多くのことを諦めたけれど、最後の最後に残ったものについて「これこそ自分が本当に希望していたものだ」と思えるのなら、どれほど多くの夢を諦めたとしても、夢を叶えた人生だといえるでしょう。逆に「あれもできなかった」「これもできなかった」と、いつまでも後悔する人は、今という時間や人生を棒に振っていることになります。諦めることが放棄することだとしたら、三木のいう「断念」は真の希望につながります。たとえ長く続けてきたことであっても、それが自分に向いていないと分かった時は、きっぱりと断念し、違う道を選ぶ勇気を持ちたいものです。

2章
・虚栄は人間の存在そのものである。人間は虚栄によって生きている。
つづく

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2023年09月30日

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