荻上チキのレビュー一覧

  • 僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか 絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想
  • 夜の経済学
    フーゾクやワリキリの実態をフェルミ推計を用いて数値化する好奇心をそそるところからスタートし、貧困や幸福など社会問題にまで踏み込んでいく。データを見ることで逆張りが溢れるメディアに惑わされないなど、読む前の期待がいい意味で裏切られた。
  • 彼女たちの売春(ワリキリ)
    出会い喫茶を介した個人売春(ワリキリ)の実態を著者のフィールドワークを通して明らかにした本。

    実際に出会い喫茶に来た女性を毎年100人にインタビューをして、彼女たちの属性を調べる。こういった風俗は移り変わりも激しいので貴重な情報だ。インタビューをした女性の中から選んだひとりの女性に女性ならではの調...続きを読む
  • 夜の経済学
    ○ノンフィクションライター荻上チキ氏と明治大学教授の飯田泰之氏の著作。
    ○フーゾクの経済状況といった、社会の裏側に存在する大きな市場について、そのスケールや活況を、具体的な数値にて表し、分析している。また、そこから見える“真の社会的弱者”について、その実態を明らかにしている。
    ○まず、自分の身近な出...続きを読む
  • 検証 東日本大震災の流言・デマ
    実用的な良書。「コスモ石油の黒い雨」に始まり、東日本大震災で流れたデマが、どのようなメカニズムで流れたのかを検証した一冊。要は、「情報に飛びつかずに、ウラを取ろう」という話だが、以下の側面によりとても面白かった。
    (1)【拡散希望】とか「○○から聞きました」のようなデマの典型を示してくれているので、...続きを読む
  • 夜の経済学
    この手の本としてはかなりのヒット。

    本文にも書いてあるとおり Inspired by 「ヤバい経済学」で、公式統計がない風俗などの分野について、なんとかして統計データを作った上でクロス統計で分析を行う、というのを読みやすくまとめてある。人々はなんで風俗産業で働いているのか、とかね。

    「ヤバい経済...続きを読む
  • 夜の経済学
    多くのメディアでは語られない、もし語られたとしても根拠の乏しい、夜の経済について、生真面目にデータを用いて分析している本。

    こういうサブカルチックな本は面白い。ただ、こういう本はよく、筆者の主観が多分にはいってしまうものだと思うが、この本はかなりの調査量に基づいたデータをもとに議論が進むので、現実...続きを読む
  • 夜の経済学
    よくぞここまで調べた。また、東スポを過去20年さかのぼって登場の多い源氏名を調べるなど、役に立たないと思われる情報も、本当に時間と手間をかけて調べた。この点だけでも敬意を表す。アンケート調査データの分析方法だけでも経済学の手法がわかり、勉強になった。
  • 検証 東日本大震災の流言・デマ
    デマに踊らされないために、情報を丸呑みしない心構えが大切。
    世の中のことを斜めから眺めるくらいの方が、これからの時代、いいのかも…さみしいけど。
  • 夜の経済学
    統計学を用いて社会を評論するライトな社会評論と言ったところ。統計に関する著書も複数ある飯田が関わっていることから調査・分析のデザインはなかなか。ただ本書で着目すべきなのは「幸福な若者」及び生活保護に関する分析だろう。いずれも誤解や偏見の多い分野に対して、どのような条件から、いかなる認識が形成されるか...続きを読む
  • 彼女たちの売春(ワリキリ)
    読んでいて非常に辛い内容。
    ここまでの調査を行った著者に敬服する。

    貧困や精神疾患などによって、ワリキリという名の売春をしなければならない女性たちがいる。この本はそんな女性たちへのインタビューをまとめたものである。

    ただ、留意が必要なのは、ワリキリを行う女性たちは、必ずしも困窮している人ではない...続きを読む
  • 僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか 絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想
    新書らしく読みやすくコンパクトにまとまっていてよかった。
    政策問題についてファクトベースで議論が進んで行き、問題解決手法についての考え方もとても参考になった。
  • 僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか 絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想
    現状を把握した上でしっかり前を向いていらっしゃって、色々学びになりました。幾つか引用↓

    "社会疫学視点にしっかり立脚し、生み出される解決策"/"「クレクレ型」ではなく「コレヤレ型」"/"今あなたに求められているのは、「誰かを採点し続ける側」という、無敵だけど非生産的な場所に留まることではありません...続きを読む
  • セックスメディア30年史 ──欲望の革命児たち
    めちゃくちゃ面白いのに、絶対に電車内で読めないタイトル。内容が真面目な分、余計に恥ずかしい。マジ何とかしてください。

    前半は電話・インターネットといった情報端末の進化を軸に出会い系サービスの変遷を辿っており、興味深かったんだけど、後半の各業界の社長インタビューが、どれも力強くて素敵すぎる。芳賀書店...続きを読む
  • 僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか 絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想
    強くて優しい社会を作る。

    凄い覚悟だと思うし、
    それに伴う、凄い努力を感じさせる内容の本でした。
  • 彼女たちの売春(ワリキリ)
    宮台真司なんかが盛り上げてしまった「性的自己決定」vs「女性に対する暴力」論からここ20年、売春に関する議論は、ひどく不毛な状況が続いてきた。「被害者」への同情論か、フェミニズムをまったく理解してない風俗ライターばっかりの中で、実態調査にもとづいて現実的提言をおこなう、たいへんにまっとうな本。はっき...続きを読む
  • 僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか 絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想
    より良い社会を作る。強い社会を作る。そのためにまず大事な事は、自分がやること。小さなことからでも初めて、背中を見せて、ついてこさせる。「コレヤレ型」に、俺はなる!ありがとう!
  • 彼女たちの売春(ワリキリ)
    これは、現代の日本社会にとってかなり有意義な本やと思う。
    荻上チキさんが数年前から全国の売春、「ワリキリ」をおこなっている女性に取材し、その内容をまとめた本。
    まず、内容が厚くて、データ量が半端じゃない。筆者の信念と覚悟がうかがえる。
    往々にして批判されがちな売春をする女性。しかし彼女たちには彼女た...続きを読む
  • 僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか 絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想
    デフレ問題、バラマキ政策、生活保護論争、財政問題、いじめ問題(本書帯より抜粋)を歴史とデータを交えながら、噛み砕いた物言いで分かりやすく紐解いてくれる。

    TVや新聞などの既存メディアの言葉に踊らされ、諦めの混じった短絡的な精神論を解きほぐし、冷静な議論を通して前向きで具体的な解決策を打ち出そうと訴...続きを読む
  • セックスメディア30年史 ──欲望の革命児たち
    セックスメディアの世界といえど、熱意があって企業努力しているところが儲かる。
    これがわかっただけで、読んだ僕は満足です。
    顧客(ヘテロ男性)の心理、供給側(女性)の心理の変化まで書いてくださっていれば素晴らしかったのですが、それはまた別の方のお仕事でしょうか。