荻上チキのレビュー一覧

  • いじめを生む教室 子どもを守るために知っておきたいデータと知識

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    いじめについてかなり冷静にたくさんの統計を用いて分析。誠実な本。

    ー学校の教室というのは、他人に時間を管理されている環境なのでなかなか自分好みのストレス発散ができません。一方、いじめというのは「それなりに面白いゲーム」なのでそういうかたちでストレスが発露してしまうのです。
    マウンティングとラベリング。もともとマウンティングは動物の行動において使われる言葉。自慢したりダメだししたり、人間関係上どちらが優位なのかを探りあいながら立場の安定性を確保していくのが目的なのでしょう。
    ラベリングは「この人はいじめられていい存在である」「この人は他の人よりも劣っている」とラベルを貼る行為。子供たちがラベリ

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    2019年01月29日
  • いじめを生む教室 子どもを守るために知っておきたいデータと知識

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    いじめ関連の本は、独りよがりのものや、やたら難解な理論を構築したものなどが多い中で、この本はデータに基づいた冷静で分かりやすい分析ができている。いじめを被害者と加害者の個人間の問題ではなく、教室の環境(雰囲気)の問題だと捉えるのが重要で、これはほんとうに広く知ってほしいところだ。

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    2018年12月19日
  • ブラック校則

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    ネタバレ

    学校は社会の縮図。人間が絶対的権力を握ると酷いことになるというのが学校だったというだけ。実際、軍隊と同じ。
    P22 低学年児童のランドセルの重さが平均7.7kg
    P25 体罰 教員の優位性を考えると、単なる暴行より悪質。教員が暴行すると体罰という教育の一環みたいな体は報道でも止めて欲しい
    P28 「結果としてスポーツや文化活動を嫌うことになっては意味がないだろう」 美術、音楽なんかも同じ思いです。
    P51 民主主義 学校には存在しない。あるのは絶対的権力のもとでのなんちゃって民主主義
    P98 アルマーニ監修制服 教師もそれなりの服装で教育にあたる覚悟はあるんですよね?学校指定服は、卒業したらゴ

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    2018年11月19日
  • 経済成長って何で必要なんだろう?

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    若干刊行から時が立ってしまったが、今だに現状把握になくてはならない一冊。貧困側と経済学者とのまともな対談は期待してもなかなか実のあるものにはしにくそうだが、コーディネーターの手腕か、うまく噛み合っている。

    以下注目点
    ・70年代のはじめに先進国のキャッチアップが終わりと地方の余剰労働力の供給が途絶えた。
    ・好景気になるとダメな企業が淘汰される。高給が出せる優秀な企業に人を取られてしまうから。

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    2018年11月12日
  • 日本を変える「知」~「21世紀の教養」を身に付ける~

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    献本PRで当選し、頂いたもの。,,これはセミナーの議事録に近い。そのセミナーに参加しているような感覚でスイスイ読み進められる。ただ、専門用語がわからない…。普段なじみのない分野だからだろう。一番おもしろかったのは教育の話。

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    2018年10月11日
  • 日本の大問題―――残酷な日本の未来を変える22の方法

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    日本はこれから、どこに向かえばいいのか?
    を考えるための簡単な解説と、日本の未来を変えるための著者の提案が書かれている本です。
    主に6つの分野を取り上げています。

    政治、経済・福祉、外交、メディア、治安、教育

    なるほど、確かに腐ってると思う大問題たちです。

    本書ではこれらを各章ごとに整理して、日本の現状を軽く歴史を振り返りながら解説した後、「日本の・・を変えるには」を提案しています。

    うーん、この人どっちかというと左?・・・と思ったところが時々ありましたが、特に経済の章では右派・左派の問題点と弱点についてどっちに対してもけっこう厳しいところを突いていたので思わずうなづいてしまいました。

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    2018年09月18日
  • ブラック校則

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    規則を厳しくすればするほど違反が目立つ

    子供のためというより、学校がいかに画一的に管理していか、地域社会からの批判を避けるための校則になってしまってる。

    僕自身、中学校の、生徒会は一期生だったので自分たちで校則を作った覚えがあるけど、あれは画期的だったなぁ、今思えば。
    高校も緩い規則だったのであまり不自由に感じなかったけど、昔から異様な校則はたくさんあり、今も残ってる。学校や先生のために。しかし、管理するための負荷が高すぎて、先生や学校の負荷を自ら高めてしまって本末転倒。
    閉めた帯は緩めると落ちて行く気がして自分の責任では緩められないんだろうね。
    しかし、内田良さんがあんな風貌だとは知らな

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    2018年09月13日
  • いじめを生む教室 子どもを守るために知っておきたいデータと知識

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    荻上チキのラジオ聴くようになって、本書購入。
    確かなデータから感情論ではなく具体的な論調に進めていくまとまり方。
    いじめは個人的な要因よりも環境的な要因から生まれ、外的なポジションの先生や保護者がストレッサーになって加害者にいじめを誘発させている。
    中学、高校生の時は学校さらに限定したら教室が世の中の大半を占めてしまう。そこから弾かれたり、疎外感を感じてしまったらほんと暮らしにくい毎日だよ。個人的に本書で定義されたいじめらしいことはちょくちょくあったけど、個人間じゃ解決できないよな。先生、教育委員会、保護者が介入するべきだし、ヘルプを出してもいいんだよという認識を子供に持ってもらうよう教育が必

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    2018年09月04日
  • 社会的な身体-振る舞い・運動・お笑い・ゲーム

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     ヒトの行動や思考の在り方(に対する期待)がいかに環境に影響されて変容されていくかが分析されている。新しいメディアが批判されながらも「教育」と結び付いて浸透していく過程、お笑い芸人が「キャラ分け」されて消費されていく過程、「社会運動が」が本来の目的と外れてその行為や反応自体を楽しむために参加する人が現れる様子、などが具体的な事例とともに考察されている。ネットの「サイバーカスケード現象」(雪崩のようにある言説が一気に流布していく現象)が印象的だった。「〇〇自体はどうか」というメタ的な視点が多い。

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    2018年09月03日
  • いじめを生む教室 子どもを守るために知っておきたいデータと知識

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    親としてはとても気になるテーマ。

    感情に訴える方法ではなく、数々の調査データをもとに、どんな条件が重なるといじめが発生するのかを考察している点に期待をもてる。

    データからは、いじめは誰にでも起こりうる、ということが再認識させられる。
    では大人はその前提のもと、何をしておくべきかの提案もあるので、身近な子どものためにも読んで備えておきたい1冊だろう。

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    2018年08月16日
  • 日本の大問題―――残酷な日本の未来を変える22の方法

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    とても良い本だった。

    全体的に、課題の説明>解決方法の提案
    どういうところが良いかというと、

    ○切り口が色々あって俯瞰的
    ○これまでの流れと現在の流れが簡潔にまとめられていて、知っている問題は復習に、あまり知らないところは端的に勉強になる。
    ○解決案も中々網羅的で地に足をつけた感じ。

    これらをなるべく公正に、丁寧に議論を進めている。

    それぞれの課題について、これまでの議論をひと段階掘り下げて新しい前提となるような感じ。

    おススメ。

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    2018年08月13日
  • いじめを生む教室 子どもを守るために知っておきたいデータと知識

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    ネタバレ

    いじめを感情論で話し合うのはもうやめよう。データに基づいてひとつひとつ有効な施策を試していこう。

     やっぱりいじめ問題ってのは、加害者の問題なんだよ。どうして加害者が不適切行為に走ったのか、それを解決しないとダメなんだよね。

     いじめという形の八つ当たり、ストレス発散で他者が傷つくのをふせぐ世の中を作ろう。

     そしてみんな理解しなきゃいけないのは「人間は他人を傷つけるのが楽しいと感じる生き物」だという事実。
     自分の中にもその他人を傷つけて快楽を得る思考回路が備わっていて、うまくそれをコントロールできているだけなんだということ。攻撃は簡単に自己有用性を感じられて、それに依存してしまうのだ

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    2018年08月13日
  • すべての新聞は「偏って」いる ホンネと数字のメディア論

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    既存の引用できるものはできるだけ、それでも無いものは自らリサーチする徹底したデータによる論は石橋を叩いて漸くコミットするので、信頼度が高い。終わりつつある新聞に寄せるだけでなくさらなる現在のメディア論を展開してほしい。このデータ第一主義をもって。難しそうだなあ!

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    2018年05月22日
  • すべての新聞は「偏って」いる ホンネと数字のメディア論

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    この本は日本のメディアについて分析したものだけど,古今東西どんなメディアもそうなんだというのは意識したいよね。
    面倒がって広く流布される支配的な情報ばかりに頼るようではいけない。

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    2018年05月07日
  • すべての新聞は「偏って」いる ホンネと数字のメディア論

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    ‪メディアは透明な道具ではない。偏向報道を批判する声が大きい現状を著者は牽制する。ヨコのリテラシー論やニコニコバイアスなどネット時代のメディアリテラシーの教科書。その上で「一冊の本に触れただけで自分は目覚めた!と気持ちよくなる」第三者効果についての記述も忘れないようにしたい。‬

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    2018年03月04日
  • セックスメディア30年史 ──欲望の革命児たち

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    以前は著者に対して新進気鋭の論客というイメージでいたのだけど、不倫騒動があってそのときの言い訳とかから「ブルータスよ、おまえもか」的な印象に変わった。といいつつ、著作を読むのはこれが初めて。もう少し考察にページを割いてもいいんじゃないだろうか。余計な解釈をいれずに変遷を追ったり現場のレポートを入れているともとれるんだけど、興味本位でまとめただけみたいな感じもしちゃう。
    白眉は現場の人たちへのインタビュー。特に、ワクワクコミュニケーションズ代表取締役、芳賀書店社長・芳賀英紀氏、株式会社典雅・松本光一社長、オリエント工業・林拓郎氏は、志あるイノベーターという感じ。セックス関連産業という日陰のイメー

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    2017年08月27日
  • セックスメディア30年史 ──欲望の革命児たち

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    ネタバレ

    風俗、エロ本、アダルトサイト、出会い系サイト、大人のオモチャ-。現代日本は多種多様なセックスメディアで溢れている。1980年代から2010年代までのセックスメディアを総合的に捉え、その変化と実像を解き明かす。

    ツイッター,ラジオなどでよく目にする荻上チキの本。
    統計や参考図書,インタービューにより,淡々と語られていて興味深い。

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    2017年07月11日
  • 経済成長って何で必要なんだろう?

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    GDPのG、つまりGROSSには、資本減耗が加味されていない。一人当たり実質GDP額が420万円だとすると、これは生産活動による額だが、年収はここから減価償却を1割減らし、370万円が平均という事になる。これは計算を単純化した図式であって、GDPは、本来付加価値、つまり仕入れと売りの差益である。差益は、給与と内部留保になり、経済成長しても、企業が儲けるだけで、賃金が上がらない事もある。

    中盤、経済学を切り口にっていう事で期待したが、湯浅誠や赤木智弘の人選によるものか、貧困を如何に減らすかという格差是正に対する政策論が目立つ。この手の話の究極は、自己責任論をどのように設定するかだ。

    マクロ経

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    2016年09月12日
  • 僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか 絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想

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     著者とは同い年で大学も同じということで、勝手に親近感を感じて、ラジオも毎日聴いているヘビーリスナーなので、この本の中での主張は目新しさこそなかったものの、常に一本筋が通っていてブレていないのが凄いと再確認しました。
     流れとしてはざっくりと、ダメ出し社会の現状、問題提起、ダメ出しとポジ出しの解説、ポジ出しの提案というような流れ。
     文章は平易で読みやすいです。
     やや脱線したり、自分の立場からの視点だなと思う事がありますが、全般にはバランス感覚に優れ、よく勉強されているなと思います。同い年とは思えない(^0^;)

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    2016年03月15日
  • 夜の経済学

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    東大卒の明治大学の准教授が監修しており、なかなかここまでやるか〜という事が書かれている。

    都道府県ごとの風俗の値段の適性値段の式や、東大女は学校で彼氏を作らないとあとが大変など。

    割り切りの女についてもかなり触れている。店舗型より割り切り型で働き女性のほうが低学歴でコミュニケーションを求めない人が割り切りをやるとある。男性も同じで箱型は大卒が40パーセント以上利用するが割り切りは1割を切るなど。

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    2016年01月05日