荻上チキのレビュー一覧
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いじめについてかなり冷静にたくさんの統計を用いて分析。誠実な本。
ー学校の教室というのは、他人に時間を管理されている環境なのでなかなか自分好みのストレス発散ができません。一方、いじめというのは「それなりに面白いゲーム」なのでそういうかたちでストレスが発露してしまうのです。
マウンティングとラベリング。もともとマウンティングは動物の行動において使われる言葉。自慢したりダメだししたり、人間関係上どちらが優位なのかを探りあいながら立場の安定性を確保していくのが目的なのでしょう。
ラベリングは「この人はいじめられていい存在である」「この人は他の人よりも劣っている」とラベルを貼る行為。子供たちがラベリ -
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ネタバレ学校は社会の縮図。人間が絶対的権力を握ると酷いことになるというのが学校だったというだけ。実際、軍隊と同じ。
P22 低学年児童のランドセルの重さが平均7.7kg
P25 体罰 教員の優位性を考えると、単なる暴行より悪質。教員が暴行すると体罰という教育の一環みたいな体は報道でも止めて欲しい
P28 「結果としてスポーツや文化活動を嫌うことになっては意味がないだろう」 美術、音楽なんかも同じ思いです。
P51 民主主義 学校には存在しない。あるのは絶対的権力のもとでのなんちゃって民主主義
P98 アルマーニ監修制服 教師もそれなりの服装で教育にあたる覚悟はあるんですよね?学校指定服は、卒業したらゴ -
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日本はこれから、どこに向かえばいいのか?
を考えるための簡単な解説と、日本の未来を変えるための著者の提案が書かれている本です。
主に6つの分野を取り上げています。
政治、経済・福祉、外交、メディア、治安、教育
なるほど、確かに腐ってると思う大問題たちです。
本書ではこれらを各章ごとに整理して、日本の現状を軽く歴史を振り返りながら解説した後、「日本の・・を変えるには」を提案しています。
うーん、この人どっちかというと左?・・・と思ったところが時々ありましたが、特に経済の章では右派・左派の問題点と弱点についてどっちに対してもけっこう厳しいところを突いていたので思わずうなづいてしまいました。 -
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規則を厳しくすればするほど違反が目立つ
子供のためというより、学校がいかに画一的に管理していか、地域社会からの批判を避けるための校則になってしまってる。
僕自身、中学校の、生徒会は一期生だったので自分たちで校則を作った覚えがあるけど、あれは画期的だったなぁ、今思えば。
高校も緩い規則だったのであまり不自由に感じなかったけど、昔から異様な校則はたくさんあり、今も残ってる。学校や先生のために。しかし、管理するための負荷が高すぎて、先生や学校の負荷を自ら高めてしまって本末転倒。
閉めた帯は緩めると落ちて行く気がして自分の責任では緩められないんだろうね。
しかし、内田良さんがあんな風貌だとは知らな -
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荻上チキのラジオ聴くようになって、本書購入。
確かなデータから感情論ではなく具体的な論調に進めていくまとまり方。
いじめは個人的な要因よりも環境的な要因から生まれ、外的なポジションの先生や保護者がストレッサーになって加害者にいじめを誘発させている。
中学、高校生の時は学校さらに限定したら教室が世の中の大半を占めてしまう。そこから弾かれたり、疎外感を感じてしまったらほんと暮らしにくい毎日だよ。個人的に本書で定義されたいじめらしいことはちょくちょくあったけど、個人間じゃ解決できないよな。先生、教育委員会、保護者が介入するべきだし、ヘルプを出してもいいんだよという認識を子供に持ってもらうよう教育が必 -
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ネタバレいじめを感情論で話し合うのはもうやめよう。データに基づいてひとつひとつ有効な施策を試していこう。
やっぱりいじめ問題ってのは、加害者の問題なんだよ。どうして加害者が不適切行為に走ったのか、それを解決しないとダメなんだよね。
いじめという形の八つ当たり、ストレス発散で他者が傷つくのをふせぐ世の中を作ろう。
そしてみんな理解しなきゃいけないのは「人間は他人を傷つけるのが楽しいと感じる生き物」だという事実。
自分の中にもその他人を傷つけて快楽を得る思考回路が備わっていて、うまくそれをコントロールできているだけなんだということ。攻撃は簡単に自己有用性を感じられて、それに依存してしまうのだ -
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以前は著者に対して新進気鋭の論客というイメージでいたのだけど、不倫騒動があってそのときの言い訳とかから「ブルータスよ、おまえもか」的な印象に変わった。といいつつ、著作を読むのはこれが初めて。もう少し考察にページを割いてもいいんじゃないだろうか。余計な解釈をいれずに変遷を追ったり現場のレポートを入れているともとれるんだけど、興味本位でまとめただけみたいな感じもしちゃう。
白眉は現場の人たちへのインタビュー。特に、ワクワクコミュニケーションズ代表取締役、芳賀書店社長・芳賀英紀氏、株式会社典雅・松本光一社長、オリエント工業・林拓郎氏は、志あるイノベーターという感じ。セックス関連産業という日陰のイメー -
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GDPのG、つまりGROSSには、資本減耗が加味されていない。一人当たり実質GDP額が420万円だとすると、これは生産活動による額だが、年収はここから減価償却を1割減らし、370万円が平均という事になる。これは計算を単純化した図式であって、GDPは、本来付加価値、つまり仕入れと売りの差益である。差益は、給与と内部留保になり、経済成長しても、企業が儲けるだけで、賃金が上がらない事もある。
中盤、経済学を切り口にっていう事で期待したが、湯浅誠や赤木智弘の人選によるものか、貧困を如何に減らすかという格差是正に対する政策論が目立つ。この手の話の究極は、自己責任論をどのように設定するかだ。
マクロ経