荻上チキのレビュー一覧
-
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
宮台真司なんかが盛り上げてしまった「性的自己決定」vs「女性に対する暴力」論からここ20年、売春に関する議論は、ひどく不毛な状況が続いてきた。「被害者」への同情論か、フェミニズムをまったく理解してない風俗ライターばっかりの中で、実態調査にもとづいて現実的提言をおこなう、たいへんにまっとうな本。はっきりいって、自分の業績のために体裁をととのえ適当な分析を披露してみせるそこらの学者の本よりは、よっぽど役に立ちます。
出会い喫茶やテレクラを利用する100人以上の「ワリキリ」女性とのインタビュー調査からうかびあがってくるのは、貧困、精神疾患、暴力被害、自己尊重感や安定感の欠如・・・正直、読んでいて辛 -
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
これは、現代の日本社会にとってかなり有意義な本やと思う。
荻上チキさんが数年前から全国の売春、「ワリキリ」をおこなっている女性に取材し、その内容をまとめた本。
まず、内容が厚くて、データ量が半端じゃない。筆者の信念と覚悟がうかがえる。
往々にして批判されがちな売春をする女性。しかし彼女たちには彼女たちの論理がある。
それは「今よりマシ」になるための行いであるから、もっとよいかたちで、「もっとマシ」になるための社会を提示することが大切である。
売春という引力だけではなく、そこには社会からの斥力も同時に働いているのではないか、と筆者は問いかける。
そういうのを踏まえて、このタイトルも秀逸です。社会 -
-
Posted by ブクログ
ルポから思想まで豪華布陣だが、宮台さんの激憤しながらの筆致が鮮やか。『「ファストフードからスローフードへ」と同じく「原子力から自然エネルギーへ」も日本的に勘違いされるでしょう。〈食の共同体自治〉の問題が、食材選択の問題に短絡したように、〈エネルギーの共同体自治〉の問題が、電源選択の問題に短絡するでしょう。(略)原発災害からの学びがその程度で終わってしまうのですか。』pp.384-385. まさにそこなのだ。設計の悪い世論調査と内閣支持率に翻弄されて愚昧な二択に落とし込んではいけない。そこで一般意志2.0の登場なんだろうな。東さんと宮台さんと津田さんは全く方法論が違うけど、震災をきっかけに議論が
-
-
Posted by ブクログ
#社会問題のつくり方
#荻上チキ
#翔泳社
#読書記録
世の中のおかしいこと、理不尽なことを
そのままにしておくのではなく
ちゃんとした段階をふんで
変えていこうとするにはどうしたらよいか。
そんな内容の本。
確かに
あきらめて過ごしていては
社会は変わらないし
権力者の思いのままに
なってしまう。
今はとりあえず物価高を
なんとかしてほしいなあ。
誰かを傷つけずに
変なことは変だと
意思表示していけたらいいなあ。
#HowToCreateSocialProblems
#ChikiOgiue
#Shoeisha
#ReadingLog
Rather than leaving the st -
Posted by ブクログ
選挙に興味を持ち始めたものの、分からないことだらけで読んでみた本。
なぜ自民党は強いのかや、なぜ野党は勝てないのか、なぜ女性政治家は少ないのかなどをテーマに。
前半はデータに基づいた話しをしているので、ウッとなるが、分かりやすく書いてくれているので、初心者でも全然分からないということはなく読めた。1からと言うよりは、近年の選挙に絞られていて、そこも身近に感じられて良かった。
最後は哲学対話で締められている。
興味を持ったのに、具体的に話すのはタブーみたいな風潮でより分からなくなってく「選挙」。生活の中で感じている「選挙」のことが話されていて、もっと身近にみんなで考えてみたいと思えた。
-
Posted by ブクログ
この本を手に取ったきっかけは、情報番組で「自民党がなぜ強いかをデータで分析している」「選挙とは何かを座談会形式で考えている」と紹介されていた点に惹かれたからである。
本書によれば、自民党が強い理由としては、①小選挙区制において効率的に議席を獲得できる制度構造、②公明党との選挙協力、③野党が候補者を統一できず票が分散すること、④非都市部で組織団体や保護政策を通じて基盤を固めていること、⑤政治に不満を抱えながらも与党に投票する層が一定数いること、などが挙げられている。
また、(本書の説明を踏まえつつ私の理解を交えて言えば)投票率の低さも自民党に有利に働いている。特に「選挙に行かない層の中には野