荻上チキのレビュー一覧
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ポリアモリー・ノンモノガミーを実践する人の実態を記した一冊。
日本社会において複数愛を実践する人がほとんど不可視化されているという問題意識の中で、多くの当事者にインタビューしてその実相が書かれている。
新たに知ることが多々あり、とても興味深かった。
・モノ規範の中で、当事者が抱える自責やスティグマ、罪悪感について。ポリアモリーであるがゆえの苦しみではなく、ポリアモリーを不可し化し、異端として扱う社会システムゆえの苦しみが多い。
・ポリカップルの離別要因は、複数愛者でも単数愛者でも変わらない性的問題、金銭問題など。しかし破局すると周囲からは「当然」と思われる。
・性的なものとして見る社会と、 -
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最初に
実は伊達眼鏡だったという著者の告白があり、かなり驚いた。衝撃的。ここから始まる。
「会話の作法」 書かれていることに思い当たる。 他人を嗤うような表現や性的な表現には嫌悪感を覚えるが、過去には自分もそれらの表現で笑ってもいたことを思うと すごく気持ちが悪い。
その中で
非モノガミー(一対一の恋愛関係ではないこと)、うつなどここまで書くのはすごい。
ラジオを聞いても、自分をうまくコントロールできる、冷静な方だと感じ、本でもやはり落ち着いて俯瞰して自分を見ていると思う。会話は苦手、とのことだったが、滑舌よく頭の回転が速いことがわかる素晴らしいパーソナリティー。滑舌悪く、どもり気味なの -
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現在2023年4月末。先日、まもなく新型コロナが5類になることが正式決定されたとニュースで流れた。
この本に掲載されているインタビューや手記は2020年。コロナ禍がいよいよ始まり、おそらく世界中の誰もが、今まで非日常と思ってきたことを日常的なものとしなくてはならないという不安に覆われはじめてきた、そんな時期の発言だ。そのような意味では、更に数年後、コロナ禍を振り返るための格好の史料となりうると思った。
この本の中で多くの識者たちが言及していたと思うが、人間にとって一番厄介なのは、人間の心の中に生じる差別、偏見、批判なのだ。どのような状況下にあっても生じるこの心の動きに、私たちはどのように打ち勝 -
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「荻上チキ・Session」ラジオを聴いていて、特集「シリーズ・宗教2世」に興味を持ち読んだ本。
親が信者でその両親のもとに産まれた=宗教2世。
カルト2世、ではなく宗教2世なのは、もともと存在している古くからの宗教でも親の信仰と子の信仰は違うこともあるため。
この本は、チキラボでアンケートをとり、宗教2世の生の声を載せてあるところが他の本とは違うところだと思う。外から見ただけでは理解できない、壮絶な事実がアンケートから見え隠れする。
自分の家はよそと違う、おかしい、と気づき、飛び出せた人はまだましなのだ。
飛び出してもその後、フラッシュバックに悩まされたり。何度も家まで来られ勧誘されたり。 -
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ネタバレいじめに関しては、皆がただの感想や経験則で語りがち。その中で学術的な研究結果に基づいた論説を繰り広げるこの本はとても貴重であり、評価できる。自分は「いじめは犯罪なのでどんどん警察を介入させるべし」という意見だったがそれは根本的な解決にはならないというくだりは「確かに」と唸らされた。数年後に各種データをアップデートした改訂版の発行を期待したい。
結論として生徒の親ができることは多くなく教員に委ねざるを得ないのいうのはなかなか厳しい現実だった。残念ながら本書が提案するような「ゴキゲンな教室」が政策的に実現されるのは当分先だと思うので、それまでは学校ガチャ、教員ガチャでハズレを引かないための自衛を