作家ではなく編集者の書いたミステリ入門。
小説を楽しむ立場から客観的に見たら、という内容。自身が作家でないぶん、余計な思い入れや主観が少ない。また、読書家らしく大量のミステリを読破しているため、面白い本の共通点など参考になる点が多い。
ミステリ小説を書こうと思っている人は読んでおくと良いと思った。
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<アンダーライン>
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謎、伏線、論理的解決
★★★★「幻想味」に関しては、ミステリーのセンスからはずれない限り、ともでもないものであればあるほどよい。
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ダブルミーニングな伏線が望ましい
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「世界が反転する」という表を読んだことがあるかもしれないが、まさしくそれで、見えている事象は変わらないが、それらの持つ意味が変化することにより、世界がひっくり返るのである。
★★★★(伏線は)はっきり因果関係が示されない限り、どれだけ「バレバレ」に思えてもまず見破られることはない。
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クイーンもクリスティーも、解決の論理性に差はない。クイーンが論理的だと言われる理由は、十の可能性の中から、九つを潰したあとに、真相を示すからだ。他のあらゆる可能性を潰して、唯一の真相に到達したように見えるからだ
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特殊な動機ほど、多くを説明してはいけない。
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連城三紀彦の中には「一方通行だと思い込んでいる矢印を、逆に向けてみる」という発想があったのではないか
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凄い絵画を表現するのに、その絵に「インパクトがあった」と書くのは、「インパクトのある絵」と記された色紙を額に入れて壁に飾るようなもの