新井久幸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
書く人にとって全員読んで欲しいミステリの基礎学習本。
ミステリを描きたいって思っていてもミステリってどんな構成なの?叙述トリックって?推理ってどう書くの?
そんな作品の構成が他作の紹介もあり、読めばミステリの変遷や形式がわかるありがたい入門書。自分が描きたいミステリがわかるヒントになります。
また作家ではなく編集者、新人賞の審査員が解説しているので文学賞の裏側や求められること、佳作に入らない人の作品に関する特徴なども語られており、応募する前に手を止めて読んでみることもお勧めします。
画期的なことはあまりなく基本を抑えた内容になりますが、そうでこそ必要になる知識だと思います。 -
Posted by ブクログ
作家ではなく編集者の書いたミステリ入門。
小説を楽しむ立場から客観的に見たら、という内容。自身が作家でないぶん、余計な思い入れや主観が少ない。また、読書家らしく大量のミステリを読破しているため、面白い本の共通点など参考になる点が多い。
ミステリ小説を書こうと思っている人は読んでおくと良いと思った。
<アンダーライン>
★★★★★
謎、伏線、論理的解決
★★★★「幻想味」に関しては、ミステリーのセンスからはずれない限り、ともでもないものであればあるほどよい。
★★★★★
ダブルミーニングな伏線が望ましい
★★★★★
「世界が反転する」という表を読んだことがあるかもしれないが、まさしくそれ -
Posted by ブクログ
小説家や海外のライティングスクールの講師が書いた創作本はいろいろありますが、編集者が書いたミステリ入門&創作本は珍しいかも。
内容としては創作の話はもちろんなのですが、前半部ではミステリの種類やトリックなど、様々な先行作品の紹介もされていて、ガイドブックとしても面白い一冊でした。
編集者の書いた創作本ということでいうと、小説のタイトルと作者名に関する話が、この本ならではだと感じました。
凝りすぎた作者名では検索してもらえないし、タイトルだけで物語の雰囲気やジャンルが分からない作品だと敬遠されてしまう。それが新人作家ならなおさらということで、「タイトルに気を配る」「作者名は複雑にし過ぎない」な -
Posted by ブクログ
タイトルに「書きたい人のための」とあるから、関係ない、と手にしないのはもったいない。ミステリ全般について、コンパクトにまとめられた見事な入門書である。
そもそもミステリというのは、妙に約束事が多いジャンルである。フェアかアンフェアか、等という議論が沸き起こるのもこのジャンルならではのもの。ノックスの十戒やヴァン・ダインの二十則なんてものもある。逆に言えば、そのような縛りがあってこそ、ミステリの様式美が完成する。
おまけにコアなミステリ好きは、トリックの本歌取りに妙に詳しく、「ああ、このトリックは〜の〜みたいだね」なんて話で盛り上がったりする。本格、変格、広義のミステリ、雪山の山荘、クローズ -
購入済み
ミステリーの読み方、書き方、
読む側の心境から、書く側の視点、編集者の視点などが、書かれていて面白かった。
ミステリーのお決まりから、編集者だからこそ、言えることなど。
あと、この作者の読んでる本の数が凄そう、さすが編集者。(最後の方の引用ミステリー作品の数がすごかった。マイナーな者から少しマニアックなものまで。全部読んでみたいけど、全部読んでたら、大変なことになりそう。)
(本来私は、ホラーやミステリーは怖い&難しいので苦手ですが、こういった視点で見ると、怖さや苦手意識が薄れるので助かります。)
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Posted by ブクログ
ミステリを書きたい/書きたくないに関わらず、ミステリ作品のブックガイドとしてとてもよくまとまっています。
これからミステリを読んでいきたいという人はもちろん、ミステリを幅広く読んでいきたいという人も新たなミステリジャンルを開拓するきっかけになるかと思いますので、書きたい人のみならず、読みたい人にもオススメできます。
小説の書き方講座としては、ゴリゴリのハウツー本という訳ではありませんので、ミステリをかなり読み慣れていたり、ある程度書いていたりする人にとってはそれほど目新しいことはないかもしれません。
ですが、ミステリというジャンルの特有性について書かれていますので、ミステリを書きたいと思った -
Posted by ブクログ
ネタバレ新人賞の下読みを担当してきた現編集長職の著者が、特にミステリ作家を志す人に向けて基本を解説した本。
謎をつくり伏線を張り回収し解決する、というような「ミステリを書く」という行為を順を追って解説するばかりではありません。キャラクター(人間)の書き方、世界観についてなど、エンタテイメントや純文学など小説一般に通ずる「基本」についてにもプロの編集者の視点で話をしてくれています。素人が気づいていないような重要なポイントをあまさず目に触れさせてくれる内容で、「ミステリを書く行為って、そういうところにまで気を使い心を配るものなんだ」といくつもの驚きがもたらされること必至です。プロの書き手を志す人ばかりで -
Posted by ブクログ
書店でふと見かけても入手したと思うけど、直接のきっかけは新聞書評から。ミステリ界隈の読書ガイドとか、作家の手になる書き方入門とかは、それなりの数を読んできたから、本作で書かれている内容も、それほど目新しい感じはしない。あと、今のところ自分で書いてみようという気持ちもあまりないので、そういう意味での価値も高くはない。でも、個人的に苦手としている、本作でいうところの”人間が書けていない”作品について、また違った読み方で楽しむすべがあるのかも、と思えた点は発見だった。参考作品として挙げられていたもののうち、読みたくなったのは下記。
片眼の猿、人形はなぜ、クロノス・ジョウンター
宵待草夜情:これは読