荻上チキのレビュー一覧

  • すべての新聞は「偏って」いる ホンネと数字のメディア論

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    とても面白かった。データを提示しての解説はとても分かりやすく、新聞、メディアについて考え直すきっかけとなった。

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    2018年04月11日
  • すべての新聞は「偏って」いる ホンネと数字のメディア論

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    ちょうど昨日の産経新聞の阿比留瑠比の極限御免という記事で「朝日は自社の慰安婦問題直視を」という記事が載っていました。本書は新聞同士の言及を検索によってカウントしていて産経の朝日への言及数は中央5紙の相互言及の中で飛ぶ抜けていて、それを「産経はかまってちゃん」「産経をスルーする朝日」と表現しています。まさに新聞はまったくキャラの違う人間同士のリアリティショー。お互いに反目は止めてフェイクニュースに立ち向かうのである、という主張もありますが、本書は「みんな違ってそれでいい」という金子みすずモードかな?つまりメディアにフェイクの反対のトゥルースがある、という思い込みが危険で、みんなそれぞれに「偏って

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    2018年03月03日
  • すべての新聞は「偏って」いる ホンネと数字のメディア論

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     偏っていることは悪いことという思い込みや前提があるわけですが、逆に偏ってないということがありうるのか、そう問われると確かに自分自身も自信がないことに気付かされました。自分は偏ってない、自分はフラットな判断ができていると思う人ほど、この本を読んでみることをお薦めします。

     新聞は読み比べる必要があるというのは以前から耳にします。実際読み比べてみると同じ事件がまるで別物のように感じることがしばしばあります。読み比べる以前に一面で取り上げられるトップニュースが全く違うことが多くて愕然とします。トップニュースが違うと、今、世の中で何が起きているのか認識が全然変わってしまうからです。

     この本は、

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    2018年01月03日
  • すべての新聞は「偏って」いる ホンネと数字のメディア論

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    最近日本会議を中心とする保守の活動が活発になり新聞界ではいわゆる左右を代表する新聞同士の戦いをの様相を見せている。では実際に5大新聞が取り扱う記事にはどのような違いがあるのか。それを新聞記事のリサーチにより数値で表し違いを明確にした本である。
    荻上チキ氏はデータを駆使した社会分析が得意であり実際この本でも多くのデータを取り扱っている。どちらか一方の立場でカウンターとなって批判を展開するのではなく、冷静な第三者としての視点で分析を進めるので、どちらの側からも納得のいく結果になっていると思うのであるが、いかがであろうか。
    ちなみに私は朝日新聞擁護、産経新聞に対しては批判的な立場で読ませていただいた

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    2017年12月25日
  • 検証 東日本大震災の流言・デマ

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     奇しくも熊本地震が起こった時に読んでいたのがこの本。
     東日本大震災が発生したときに巻き起こった流言・デマの類いをTwitterを中心に分析、類型別にまとめた本です。

     関東大震災や阪神大震災のときに起こった流言・デマも参考にし、混乱時に出やすいものを提示していますが、今回の熊本地震でもやはり同様の流言飛語が出回っていました。
     人間は成長しないというか、混乱時には不安な心理などからそうなってしまうものなのでしょうね。

     この本は、情報リテラシーの相対的向上を狙ったもので、一人でも多くの方がこの本を手に取り、「この情報は流言かな?」と考えられる環境が整えばと思います。

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    2016年05月07日
  • 僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか 絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想

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    ラジオSession22でパーソナリティとしての著者は知っていたが、著作を読むのは初めて。
    とても冷静に論理的な視点から、社会問題への考え方、関わり方などを教えてくれる。ここまでバランスを保ちながら鋭い切り口の文章をかける人はなかなか居ないのではないか。
    ラジオでは、パーソナリティに徹してそこまで自分の主張を全面に押し出さない印象であったが、かなり熱い人であることが判明した。
    制度を議論するときには、社会全体の中にその制度がきちんと組み込まれているかという「構造要因」、その制度の設計が適切になされているかという「制度要因」、制度がうまく行くかどうかは景気にも大きく左右される「景気要因」、これら

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    2015年03月26日
  • 経済成長って何で必要なんだろう?

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    「経済学」が、技術であり道具であるとの主張に目ウロコでした。

    刺激的な話が多く、「新自由主義」なるものの幻想。ケインズとハイエクの親和性。再分配の話。等々。また、所謂論壇に欠けているもの。メディアの無能など、まことに盛りだくさんで面白かった。

    また、自分も全く同感なのは、政治家が票にならない若年層を向いた政策をするはずがないという事。このままでは日本は滅びるね。

    一番いいのは、少子化対策をしっかりやって人口を増やすこと。でも、これが難しい。「経済学」的には処方箋を示せるのだろうか。それが嫌なら、移民を受け入れしかないかな。

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    2014年12月25日
  • 僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか 絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想

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    2014年09月04日
  • 夜の経済学

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    フーゾクやワリキリの実態をフェルミ推計を用いて数値化する好奇心をそそるところからスタートし、貧困や幸福など社会問題にまで踏み込んでいく。データを見ることで逆張りが溢れるメディアに惑わされないなど、読む前の期待がいい意味で裏切られた。

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    2014年11月09日
  • 彼女たちの売春(ワリキリ)

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    出会い喫茶を介した個人売春(ワリキリ)の実態を著者のフィールドワークを通して明らかにした本。

    実際に出会い喫茶に来た女性を毎年100人にインタビューをして、彼女たちの属性を調べる。こういった風俗は移り変わりも激しいので貴重な情報だ。インタビューをした女性の中から選んだひとりの女性に女性ならではの調査も依頼した情報も貴重だ。出会い喫茶に来た男性側の情報も集められている。男性と女性が互いに批判している様は悲しく滑稽だ。また、出会い喫茶というシステムを「発明」したという福田氏へのインタビューも印象的だ。

    著者は、女性が個人売春を行う構図について、引力と斥力という言葉によって一面的な説明を避けるこ

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    2014年04月05日
  • 夜の経済学

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    ○ノンフィクションライター荻上チキ氏と明治大学教授の飯田泰之氏の著作。
    ○フーゾクの経済状況といった、社会の裏側に存在する大きな市場について、そのスケールや活況を、具体的な数値にて表し、分析している。また、そこから見える“真の社会的弱者”について、その実態を明らかにしている。
    ○まず、自分の身近な出来事を、統計学等の知識を用いて、数値化し、合理的に分析していることが大変興味深かった。
    ○また、荻上チキ氏の徹底した取材及び文章構成に、つい引き込まれてしまう。

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    2014年03月03日
  • 夜の経済学

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    この手の本としてはかなりのヒット。

    本文にも書いてあるとおり Inspired by 「ヤバい経済学」で、公式統計がない風俗などの分野について、なんとかして統計データを作った上でクロス統計で分析を行う、というのを読みやすくまとめてある。人々はなんで風俗産業で働いているのか、とかね。

    「ヤバい経済学」を読んだ時と、知的興奮という意味ではやっぱり非常に近いんだけど、出てくる分析がフィールドが日本だけあって、特に階層社会の現状については全く他人事ではない頭が痛い分析がバンバン飛び交うので、読後感はちょっと重い。「ヤバい経済学」も重い話題は多いんだけど、やっぱりアメリカの話題だから微妙な対岸の火事

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    2013年12月06日
  • 夜の経済学

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    多くのメディアでは語られない、もし語られたとしても根拠の乏しい、夜の経済について、生真面目にデータを用いて分析している本。

    こういうサブカルチックな本は面白い。ただ、こういう本はよく、筆者の主観が多分にはいってしまうものだと思うが、この本はかなりの調査量に基づいたデータをもとに議論が進むので、現実味があり、とてもおもしろかった。

    正直、ブックカバーをつけて読むべきだったかなぁと今さらながら思っている所存である。

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    2013年12月04日
  • 夜の経済学

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    よくぞここまで調べた。また、東スポを過去20年さかのぼって登場の多い源氏名を調べるなど、役に立たないと思われる情報も、本当に時間と手間をかけて調べた。この点だけでも敬意を表す。アンケート調査データの分析方法だけでも経済学の手法がわかり、勉強になった。

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    2013年11月17日
  • 検証 東日本大震災の流言・デマ

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    デマに踊らされないために、情報を丸呑みしない心構えが大切。
    世の中のことを斜めから眺めるくらいの方が、これからの時代、いいのかも…さみしいけど。

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    2013年10月29日
  • 夜の経済学

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    統計学を用いて社会を評論するライトな社会評論と言ったところ。統計に関する著書も複数ある飯田が関わっていることから調査・分析のデザインはなかなか。ただ本書で着目すべきなのは「幸福な若者」及び生活保護に関する分析だろう。いずれも誤解や偏見の多い分野に対して、どのような条件から、いかなる認識が形成されるかを統計学的に分析しているのは見物だ。このような、「若者」などを世代論によって勝手に規定するのではなく、その形成要因を仔細に明らかにしていく研究・言説が増えることを望みたい。

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    2013年10月01日
  • 彼女たちの売春(ワリキリ)

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    ネタバレ

    読んでいて非常に辛い内容。
    ここまでの調査を行った著者に敬服する。

    貧困や精神疾患などによって、ワリキリという名の売春をしなければならない女性たちがいる。この本はそんな女性たちへのインタビューをまとめたものである。

    ただ、留意が必要なのは、ワリキリを行う女性たちは、必ずしも困窮している人ではないとも著者が記していることである。実際に、それ以外の女性のインタビューも本文中に登場する。

    一方で、ワリキリに頼らざるをえない女性たちも相当数存在する。
    そんな状況は過去のものだという言説は全くの間違いであることを本書は指摘する。

    本書の中で印象的だったのは、女性たちのエピソードもさることながら、

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    2013年09月20日
  • 僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか 絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想

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    新書らしく読みやすくコンパクトにまとまっていてよかった。
    政策問題についてファクトベースで議論が進んで行き、問題解決手法についての考え方もとても参考になった。

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    2013年07月05日
  • 僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか 絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想

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    現状を把握した上でしっかり前を向いていらっしゃって、色々学びになりました。幾つか引用↓

    "社会疫学視点にしっかり立脚し、生み出される解決策"/"「クレクレ型」ではなく「コレヤレ型」"/"今あなたに求められているのは、「誰かを採点し続ける側」という、無敵だけど非生産的な場所に留まることではありません。"

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    2013年06月19日
  • セックスメディア30年史 ──欲望の革命児たち

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    めちゃくちゃ面白いのに、絶対に電車内で読めないタイトル。内容が真面目な分、余計に恥ずかしい。マジ何とかしてください。

    前半は電話・インターネットといった情報端末の進化を軸に出会い系サービスの変遷を辿っており、興味深かったんだけど、後半の各業界の社長インタビューが、どれも力強くて素敵すぎる。芳賀書店社長はブログと語り口が違いすぎて笑えるので見比べてみよう。

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    2013年05月23日