荻上チキのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
現在の結婚制度について考え直すきっかけとなる本だった。以前から異性愛規範に対する批判等があるということは知っていたが、それに加えて本書は「なぜ二人でなければならないのか」ということを考えることができる。
そもそも今まで「浮気」と「ポリアモリー」を混合して考えていたが、この本を通してそれらをしっかり自身のなかで定義づけして、理解することができたように思う。
ポリアモリーは当事者間の合意形成が鍵となるが、本書に登場人物のなかには合意ができていないまま、多少の不満を抱えながらも関係性を継続するような事例も取り上げられていた。合意形成がない状態で他のパートナーと関係を持った場合、それは不貞行為に該当してしまうのだろう。そこにポリアモリーを実践する困難が見えたような気がする。しかし、合意形成が重要というのは、ポリアモリーに限らず、現在の規範とされているものに則ったカップルにも言えることでもある。
「ポリアモリー」という概念を通して、結婚制度への違和感、人間関係における「合意」の重要性を確認することになった。 -
Posted by ブクログ
第2段。
以前よりもより多様性という視点からの話が増えた印象。
多様性の話ってとても難しいなとつくづく感じる。
マイノリティと思われる位置に立っていても、また別の立場・カテゴリーから見れば、
他の多くの人と同じステレオタイプであるかもしれず。
その人が属するもの(持って生まれたものや価値観や環境などなど)によって、
多様性で語られることはさまざまに広がり、
全方向へと気を配るのは至難の業で、
でもその気くばりすら持たずにいては、いつまでも世の中変わっていかないという難しさ。
「道具の魔力」という章が身に染みた。
言葉という道具を、何の代わりとして使うのか。
「心の歯磨き」、「脱皮の後に」では、
自分の気持ちよさのために相手を使うのではなく、
相手がハマりこんでいる穴から引っ張り出すためのヒントが語られる。
ヨシタケシンスケさんのページでは「趣味外来」の話が好き。 -
Posted by ブクログ
一冊目とチキさんが明らかに変わっていた。
傷つきやすい、共感的な、優しそうで不安そうな青年から、飄々として、周りとピントがずれていて、自分で楽しんでいる大人に変わった。
文体にも迷いがなくなっている。エッセイ口調のようなふわふわした文体が混ざらなくなり、ラジオのチキさんの語り口がそのまま再現されている。それがチキさんの本来のリズムなんだと思う。
肩の力が抜けていて、詩的なリズムを模索したり、読者をうかがうような仕草がない。不安でどきどきしながらチューニングしている様子があった一巻にも良さがあり、自分の世界を真っ直ぐに示す本書にも良さがある。
自虐の落とし穴
耐えると変える
フレーミング
ここのあたりの流れがとても良かった。
自虐の攻撃性やお笑い芸人がエンターテイメントの全面にいることの悪について考えていたので、はっきりと言ってくれて気持ちが良かった。現在の日本でクリエイティブな意欲が強い人が向かう場所となっているお笑い。才能と知性のある人がこの加害性を意識した上でその先の笑いを提示する時代が来ることを願っている。
それでもチキさんが、自分も笑う側だったと認めることを忘れないことに好感を持った。アップデート出来ていることが今の時代当たり前に求められていると思ってしまって、アップデートなんて簡単に出来ないと開き直って言う人と距離を実感して孤独な気持ちになるが、私だって何年か前は一緒に笑っていた側だった。
自虐を乗り越えたら、日本の社会は劇的に変わると思う。
料理に時間をかけてこそ生活の質という圧力を家族に世間にかけられていることに、拒否反応があった。料理に優先順位を置かないことはジャッジされて来た。娘はママの料理で一番好きなのは何とことあるごとに聞かれた。以前は好きだった料理がいつからか苦痛になった。料理にこだわる人の料理話をイラつきながら聞いていた。私も、この価値観をアウティング出来るようになるだろうか。シングルマザーという世間からのジャッジメントを受けようと離婚を決心出来る日が来るだろうか。チキさんがずっと先を歩いているようだ。
コロナは戦いのメタファーだらけだった。自然災害には戦わないのに。自然災害と共に生きる。
マーヴェル関連の話は、1つも見てない私にはハードルが高くて、一旦そこで読むのが止まっていた。趣味はないと言っていたチキさんがずっと先を歩いている。 -
Posted by ブクログ
ヨシタケさんの絵に釣られて読んでみた。
ひとつのエッセイが終わるたびにヨシタケさんの視点での漫画?が付いてくる。
エッセイも再認識させられることが多くて面白かった。
学校の校則とかね、本当誰の為?みたいなのあるよね。
娘の中学校では昨年靴下の色が白一色だったのが、白黒灰色紺と緩和された。
一年経って黒の子が多くなったなぁと思う。
だって…汚れが目立たないしね!!!
母たち大喜びよ♡
今年は半袖体操着がインからアウトOKになった。
熱中症対策には大切よね、これ。
まだまだ変えた方がいいところは沢山ありそうだけど、まぁひとつずつね。
下の娘が卒業するまでにはもっと色々変わるんだろうと期待してる。
あとね、昔おばあちゃん家で出た素麺は大きな器に水と氷が入ってて、その中に素麺とミカンの缶詰って書いてあって、私が子供の頃それだったー!!!って懐かしかった。
なんで素麺とミカンの組み合わせだったんだろうね?
ミカンは箸休め的なポジションで食べてたけど、今思うと謎だわー。 -
Posted by ブクログ
(2025/01/20 2h)
装丁が素敵なので、久しぶりに本を買ってしまった。カバーを外すとメガネが外れる仕様。楽しい。
個人的に気になる存在だった荻上チキ氏がエッセイを出している、しかもヨシタケシンスケ氏のイラスト付きというのも魅力だった。
ヨシタケシンスケ氏の漫画は各話終わりに付いてきていずれもコミカルで楽しいのだが、特に127頁の「健康ゲームに目覚める」のSF的シニカルさが面白い。
荻上チキ氏の考え方、オタクにはなれずスノッブ止まりとか、人の悪口がこわいとか、「最近の若者は」って言いたくないとか、自分と被る部分が多くあって共感できた。
不登校の親としての考え方も、元不登校児として共感した。子どもは肯定すべきだが自分自身の考え方は肯定するなという旨、自問自答や葛藤を繰り返す育て方は良い親だなと思う。