荻上チキのレビュー一覧
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稼働店舗と1店舗あたりの在席女性の数から、日本全国の
風俗嬢の人数を30万人と推測。
風俗嬢の平均月収は49万円、首都圏と地方のワリキリの
平均金額の違いなど、まあ、風俗関連の数字について
よくぞここまで仮説を立てたと、好きな人には面白い夜の経済学。
ただ、ただのエロ経済の話ではなく、光ったのが後半部分の
貧困・生活保護に関わる考察。
それなりの所得を得ている人たちは、生活保護を受けている
人たちに対して厳しい評価を下している、これはすなわち
”貧困を想像できていない”という指摘。数字が物語っているだけに
間違いなく事実。
(別のことでも触れて、著者は”自分にやや厳しく、他人には
超厳しい”傾向と表現しています)
そして、この結果が今の日本を覆っている、息苦しさにもなっているの
ではないでしょうかね。 -
彼女たちの売春(ワリキリ)
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ネタバレ出会い喫茶や出会い系サイトを利用しての非管理買春である「ワリキリ」を行う女性たちについてのフィールドワークをまとめた本
虐待やネグレクト、貧困、DV、精神疾患や依存症、身体障害、母子家庭・・・読んでいて胸が痛む境遇がほとんどで,どうしたらいいのかと考え込まざるを得ない。
というわけで、非常に有益な本なのだが、欠点が2つ
1 文章。冷静な描写や分析が続くのに、各章の最後が突如ポエム的になるので面食らった。
2 専門用語(?)の説明がなくて不親切。「セクキャバ」「バンギャ」等の用語にについて、巻末に五十音順の解説がほしかった。
特に印象に残った点
・ 最近の「貧困問題」は男性も貧困に陥ったので慌てて騒ぎ出した側面がある、との指摘
・ 「ワリキリ」は「風俗」等に比べて搾取が少ない、という事実 -
彼女たちの売春(ワリキリ)
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試し読み
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Posted by ブクログ
本書は興味本位で(半ばネタとして笑)買ったのですが、あまり馴染みの無いテーマだったこともあり、新鮮でした。
統計学と経済学の手法を使って、所謂フーゾク産業を分析しているのですが、読むと日本の問題が見えてきます。
「『売春相場の地域差』は、印象だけのものではない。価格の平均値・最頻値に加え、『経済状態』を表す変数として、完全失業率、有効求人倍率を用いて回帰分析も行ったのだが、いずれの場合でも『経済状態が悪い地域では売春価格は安い』という結果が得られた。そう、『売春は経済問題』なのである。」(p.81)
そういうお店を利用して、極端に値段が低かったら、その地域は経済状態が悪い、景気が悪い、ということなんですね。
まあ、行きませんけどね。 -
Posted by ブクログ
人は自ら欲望し、また、社会からの「このようにコミュニケーションしろ」という要請に応じて、つど新しいメディアを取り入れ身体機能を拡張する。社会における身体のありかたを「社会的身体」とし、その観点から「メディアとは何か」を観察・考察していく。新しいメディアが登場すると、必ずそのデメリットが取りざたされバッシングを受けるのは何故か、現在のお笑いがリアクションまでも内包しながら成立するようになるまでの変遷、ゲーム性を帯びたネット世論の構造などの指摘に興味が尽きない。コミュニケーションへの究極の欲望が、「相手が思っていることがすべて自分にわかる」なら、メディアはまだまだこの先進化していくのだなあ、と思ってしまった。
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彼女たちの売春(ワリキリ)
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そうそう「個人問題を社会問題する力」が大切なのに「社会問題を個人問題化」する力がここずーっとこの国は強いのだ。
チキさんの湛然な聞き取りから彼女たちの顔が見えたり、見えなかったりした。若い男性っていうポディディションだからこその記録というのはあるだろうな。
でもどおしても自分に引き付けて考えてしまうことだから後でまたゆっくり書きます。
てか男性より女性の貧困のほうがずっと昔から大変でそんなこととっくに分かってたんだけど、この本を読んで改めてそうだよってがつんってされた。
なのにおかしい。見えないから。ホームレスさんとかある意味分かりやすく見えるし、日常の風景に溶け込んでしまってる男性の貧困。でも女性は「女性の貧困は深刻だ」と言われて、言われ続けているけれど、二の次でいやもっと後ろかもなんだけど、最後には女性は体を売ればいいからなーとか言われる始末。
おいおいおい。
あと割と「気持ち悪い」、「つらい」って言ってる割り切り女子が多いのに驚いた。
臭いのとかはもちろん嫌なんだけど、気持ちいいってのは別に好きは関係ない。向こうが穴と思って利用しているのと同じで、棒。まーバイブとかと変わんないと思う。
男の性欲は穴を求めるもの、恋愛感情とは違うところで本能なんだから仕方ないって開き直ってそれが通念になってるけど、女性はまだまだ開き直りきれない。
開き直ったやつらからいやいやいやと責めらめる。
買う側の男たちがワリキリの彼女たちにそういうことを言ってくるのが普通っていうこの状況のほうが冗談としか思えない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレつい先日も、「朝まで生テレビ」で集結したネット世代の論客たち。ゼロ年代などともいわれるジャーナリストの一人、荻上チキの最新本。
荻上チキの特徴は、議論をまとめる能力と、わかりやすい語り口で問題の本質を突く能力。twitterとかでは「ポスト田原総一郎」とか言われてるけど、僕はどっちかというと、「dig」みたいなラジオパーソナリティーとして最も力を発揮するような気がする。
ダメ出しして自分は安全地帯にいることの不毛さから、代案を示すポジ出しへ。これはだいぶ前から彼がさまざまなメディアで訴えていたことだと思う。
その具体的な方策として、シングルイシューにアンテナを立て、エヴィデンス、エシックス、ソリューションに関心を払い、その分野でのセミプロ化を目指そうと訴える。もともと省庁の白書を読むのが趣味という作者ならではの意見だが、要は、専門分野や興味を持った分野に関しては、できる限り自分の力で確からしい知識を(時間と手間をかけて)入手し、なんとなく雰囲気だけで語るのではなく、勉強しようということだ。
筆者は、また、個人の心に問題を還元する「心でっかち」な思考法から、倫理的、功利的包摂アプローチ、すなわち社会疫学的思考法の重要性を訴える。このようなものの捉え方は、やはり、知識を得て勉強して、物事の本質やウラの意味を考える、そうして「1つの事象を多面的に視る」ことによって可能になる思考法であると思う。筆者自身は、「困ってるズ」や犯罪者の更生問題に見るように、弱者への再分配を強く意識したリベラルに近い思考のクセの持ち主だと思うのだが、このような思考法を常に意識づけておくことは、自分に見えていなかった世界が、急に自分に身近で理解可能なものとして捉えられることに役立つと思う。
そしてそのような思考法は、人間は「困っている人」と「いずれ困るかもしれない人」の2種類に分けられるにすぎず、困っていない人が困っている人に対する想像力を正しく働かせることにつながるというわけだ。
医者も、病人という身体的・社会的弱者と接する職業に身を置いている以上、率先してこのような思考法をすべきだと思うし、そのような困っている人の支援者やサービスを行う人たちとの横断的な連携を率先して図るべきであると思った。 -
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本質を見極めて、一歩踏み出そう
「ダメ出し社会」「ポジ出し」
慰めを言っても仕方ないという人がいるかもしれないが、それにしても、誰かが誰かを攻め合い続ける社会。
この日本の感じがどうも嫌な感じだ。
日本人一人ひとりはそんなことないのだろうけど、どうも社会とか対組織のようになると、なぜか、日本全体で優しさがなくなってしまうように感じてしかたない。
そこで、本書の名前を見つけて、内容に楽しみを抱いて読んでみた。
もう少し、自己啓発っぽい内容なのかなと思っていた。
見方を変えて、互いに褒めようとか、プラス思考で生きていこうみたいな。
でも、予想したのとはちょっと違った。
どちらかといえば、日本の政治や社会の仕組みを表面やマスコミに踊らされることなく「本質」を見よう、見つけるための本である。
主に、政治に興味を持ってほしい若者に向けて書いたように感じた本に思えるが、わたしのようにとぼけた中年、知っているつもりになっている中年にもいい感じである。
そして、ほんのちょっとでいいから行動に表そう。対したことでなくて構わない。一つの分野でいいからほんのちょっと興味を持って知識を得る努力をしてみよう。
また、それに関して何らかの発信とか、行動をとってみよう。ネットに書いてみるもよし、つぶやいてみるもよし。
ただし、本質をみよう。くだらないスローガン的なものとかに乗るのはやめよう。ほんのちょっとでいいから、前に進めるものい取り組もう。
タイトルの「ポジ出し」という言葉が本文中にはほとんどでてこない。でも、わたしなりに理解したことがある。自分が何らかの一歩をしているとすれば、「ダメ出し」ってできなくなると思うんだよね。たぶん、ダメ出しって、第三者だから、傍観者だから、客観的立場にいるからこそ言える言葉なんだと思う。
自分が主体を持ち、自分なりの思いを持って行動していれば、前に進むための苦労や辛さを知っている。だからこそ、ダメ出しはなくなるんではないかと思う。
負担にならない程度に、わたしなりの「ポジ出し」をしていきたい。
もっと、自己肯定感をアップさせようぜ。日本!
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彼女たちの売春(ワリキリ)
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試し読み
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Posted by ブクログ
ネタバレ題名の通り「経済成長が必要なのはアタリマエだ」という前提で書かれている。この場合の経済成長は、いわるゆ戦後の高度経済成長やバブル景気といったレベルではなく、ゆるやかな、年2%程度の、それこそ普通の先進国が普通に成し遂げているものをさしている。
統計などの数字で裏付けしつつも、読者には「数値を読み取る」といったことを強要せずに、きちんと言葉で説明しているのが好感。
白眉なのは湯浅氏との対談で、同氏の運動の“戦術”である「うしろめたさ票を確実にとりにいく」という言葉を引き出したくだりか。
その一方で、話の内容に出ている経済概念、つまり「新自由主義」の意味やその論者・フリードマンやハイエクなどのバックボーンだけでなく、ケインズ学派やマルクスについての説明がほとんどない。これらの事は知っていることが前提となっているようだ。例えば、マルクス経済学とマルクス主義の違いについて、そこからケインズ経済学との繋がりを知っていないと、本書の半分は理解できないであろう。