【感想・ネタバレ】僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか 絶望から抜け出す「ポジ出し」の思想のレビュー

あらすじ

ここ二十年の経済停滞からくる個人の生きづらさを反映し、益のない個人叩きや、意見・提言へのバッシング合戦が横行する日本。でも僕らには時間がない。一刻も早く、“ポジ”ティブな改善策を“出し”合い、社会を少しでもアップグレードさせなくては――。注目の若手評論家が、政治・経済、社会状況のバグ(問題)を総チェックし、解決のためのフレームを提示。誰かを採点し続けるのではなく、自ら当事者として社会を変えていくための実効性ある方法を提言する。

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2014年09月04日

Posted by ブクログ

(2013/3/13)
digなどでお馴染みの荻上チキ氏の新書。
若者向けに「社会」を考えさせようとしている。
ポジ出し、とは、ポジティブに社会を考えてよくしていこう、というような意味。

「心でっかち」という言葉が面白かった。
もちろん「頭でっかち」との対照語。
頭でっかちがやたら論理が先に立つのに対し、心でっかちは、「皆がやさしくなればいじめはなくなる」、とか、
皆が問題に気づけば前に進む、とか、気合根性系?の、現実離れした考え方。
どこかの会社で聞いたような、、。

決めつけず冷静に物事をとらえ、うまくいく方向を考えていければいいのだがなかなか難しい。

「スマートデモクラシー」ということばもいい。
スマホでも参加できる民主活動、というところか。
チキさんは「シノドス」という活動をしていて、私もtwitterでフォローなどしているが、
社会問題をとらえて発信している。「困ってるズ」の難病者大野更紗さんの活動なども応援している。
まだ私は弱者に対する考えが出来ていないが、情報を追いかけて、考えようと思っている。

今の社会に絶望している人は、こういう本を読んで、まず自分に何ができるか、考えてみるのもいいのではないか。
私も2019ラグビーワールドカップ成功のために何ができるか、ゼロから考えてみようかな。
この本の趣旨から外れるようだけど、インスパイアされたんだから、まあよしとしてもらおう。

第1章 僕らはどうして、「ここ」に流れ着いたのか(シビアの時代のタイムリミット
「清貧の思想」の罠 ほか)
第2章 僕らはどうして、間違えた議論をするのか(問題だらけの消費税法案
埋め込まれた問題 ほか)
第3章 僕らはどうして、「国民益」を満たせないのか(政策の是非を問う3つの視点
政策の是非を費用対効果の視点で眺める ほか)
第4章 僕らはどうやって、バグを取り除くのか(対立軸のスライド
対立軸に生じた「縮退モデル」という変化 ほか)
第5章 僕らはどうやって、社会を変えていくのか(僕らは動き出さなければいけない
政治参加へのハードルの高さ ほか)

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2024年09月04日

Posted by ブクログ

社会問題をどう解決するかということを平易な言葉でコンパクトにまとめている良書だと思う。
著者の荻上チキさんがパーソナリティを務めるTBSラジオのsession22というニュース番組をよく聴いていたが、荻上さんがどのような考えを持つ人なのかに興味をもって読んでみた。
・みんなが今よりもっとキリッとすればいいのだと考える「心でっかち」
・個人の問題ではなく、社会の側の構造を、多様な個人が困らない形で設計することで、障害を取り除こうとする「社会モデル」
その他、有意義な概念、ツールが紹介される。
「脱経済成長」を掲げることがなぜ危険なのか等、なるほどと思う指摘もたくさん出てくる。

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2020年01月10日

Posted by ブクログ

ラジオSession22でパーソナリティとしての著者は知っていたが、著作を読むのは初めて。
とても冷静に論理的な視点から、社会問題への考え方、関わり方などを教えてくれる。ここまでバランスを保ちながら鋭い切り口の文章をかける人はなかなか居ないのではないか。
ラジオでは、パーソナリティに徹してそこまで自分の主張を全面に押し出さない印象であったが、かなり熱い人であることが判明した。
制度を議論するときには、社会全体の中にその制度がきちんと組み込まれているかという「構造要因」、その制度の設計が適切になされているかという「制度要因」、制度がうまく行くかどうかは景気にも大きく左右される「景気要因」、これら3つの要因を複合的に考えないといけないのである。

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2015年03月26日

Posted by ブクログ

新書らしく読みやすくコンパクトにまとまっていてよかった。
政策問題についてファクトベースで議論が進んで行き、問題解決手法についての考え方もとても参考になった。

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2013年07月05日

Posted by ブクログ

現状を把握した上でしっかり前を向いていらっしゃって、色々学びになりました。幾つか引用↓

"社会疫学視点にしっかり立脚し、生み出される解決策"/"「クレクレ型」ではなく「コレヤレ型」"/"今あなたに求められているのは、「誰かを採点し続ける側」という、無敵だけど非生産的な場所に留まることではありません。"

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2013年06月19日

Posted by ブクログ

強くて優しい社会を作る。

凄い覚悟だと思うし、
それに伴う、凄い努力を感じさせる内容の本でした。

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2013年04月30日

Posted by ブクログ

より良い社会を作る。強い社会を作る。そのためにまず大事な事は、自分がやること。小さなことからでも初めて、背中を見せて、ついてこさせる。「コレヤレ型」に、俺はなる!ありがとう!

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2013年02月28日

Posted by ブクログ

デフレ問題、バラマキ政策、生活保護論争、財政問題、いじめ問題(本書帯より抜粋)を歴史とデータを交えながら、噛み砕いた物言いで分かりやすく紐解いてくれる。

TVや新聞などの既存メディアの言葉に踊らされ、諦めの混じった短絡的な精神論を解きほぐし、冷静な議論を通して前向きで具体的な解決策を打ち出そうと訴え掛ける著者の姿勢には共感できる。

自分自身と社会問題を照らし合わせ、架け橋を作るには打って付けな本だと感じた。

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2013年01月26日

購入済み

本質を見極めて、一歩踏み出そう

「ダメ出し社会」「ポジ出し」

慰めを言っても仕方ないという人がいるかもしれないが、それにしても、誰かが誰かを攻め合い続ける社会。
この日本の感じがどうも嫌な感じだ。
日本人一人ひとりはそんなことないのだろうけど、どうも社会とか対組織のようになると、なぜか、日本全体で優しさがなくなってしまうように感じてしかたない。
そこで、本書の名前を見つけて、内容に楽しみを抱いて読んでみた。

もう少し、自己啓発っぽい内容なのかなと思っていた。
見方を変えて、互いに褒めようとか、プラス思考で生きていこうみたいな。
でも、予想したのとはちょっと違った。

どちらかといえば、日本の政治や社会の仕組みを表面やマスコミに踊らされることなく「本質」を見よう、見つけるための本である。
主に、政治に興味を持ってほしい若者に向けて書いたように感じた本に思えるが、わたしのようにとぼけた中年、知っているつもりになっている中年にもいい感じである。

そして、ほんのちょっとでいいから行動に表そう。対したことでなくて構わない。一つの分野でいいからほんのちょっと興味を持って知識を得る努力をしてみよう。
また、それに関して何らかの発信とか、行動をとってみよう。ネットに書いてみるもよし、つぶやいてみるもよし。
ただし、本質をみよう。くだらないスローガン的なものとかに乗るのはやめよう。ほんのちょっとでいいから、前に進めるものい取り組もう。

タイトルの「ポジ出し」という言葉が本文中にはほとんどでてこない。でも、わたしなりに理解したことがある。自分が何らかの一歩をしているとすれば、「ダメ出し」ってできなくなると思うんだよね。たぶん、ダメ出しって、第三者だから、傍観者だから、客観的立場にいるからこそ言える言葉なんだと思う。
自分が主体を持ち、自分なりの思いを持って行動していれば、前に進むための苦労や辛さを知っている。だからこそ、ダメ出しはなくなるんではないかと思う。

負担にならない程度に、わたしなりの「ポジ出し」をしていきたい。
もっと、自己肯定感をアップさせようぜ。日本!

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2013年02月05日

Posted by ブクログ

冷笑主義に陥らず、自分に何ができるのか考える。荻上チキのやっていることは昔から変わっていないなと思った。

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2022年10月25日

Posted by ブクログ

 著者とは同い年で大学も同じということで、勝手に親近感を感じて、ラジオも毎日聴いているヘビーリスナーなので、この本の中での主張は目新しさこそなかったものの、常に一本筋が通っていてブレていないのが凄いと再確認しました。
 流れとしてはざっくりと、ダメ出し社会の現状、問題提起、ダメ出しとポジ出しの解説、ポジ出しの提案というような流れ。
 文章は平易で読みやすいです。
 やや脱線したり、自分の立場からの視点だなと思う事がありますが、全般にはバランス感覚に優れ、よく勉強されているなと思います。同い年とは思えない(^0^;)

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2016年03月15日

Posted by ブクログ

○批評家、ブロガーで社会問題に詳しい、荻上チキ氏の著作。
○現在の政治・経済の動静を鑑みながら、暗い印象を持ちがちな社会において、どのように未来を切り拓いていくのかという観点から分析・提言を行っている。
○政治や経済状況の分析が(良い意味で)独特で、まさに一般人の立場や視点で書かれているため、とても実感を持ちやすい。特に”弱者”についての記述は、具体的な経験に基づいて書かれているため、その実態を捉えやすい。
○自分がどう行動していけばよいかの参考になると思う。若い人に読んでもらいたい。

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2014年05月16日

Posted by ブクログ

人を非難するだけではいけない。ネガティブな行動は止めて、ポジティブな方向に議論をしよう。という主張はよくわかるし、正しいと思う。ただ、その上で読み終わった感想は「今ひとつピンと来ない」ものでした。なぜでしょう?もうちょっと考えてみます。

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2013年12月31日

Posted by ブクログ

2013年9月24日 さすが!荻上チキ!
最近私が注目している若き評論家の一冊は、やっぱり参考になる一冊でした!思っていた以上に、『ニッポンのバグ』について書かれてありましたが、仕事を進める上で、必要な思考方法にも十分活かせる内容でしたので、大満足です!

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2013年09月25日

Posted by ブクログ

書いてある内容がわかりやすく、現代の問題を考えるにあたって参考になった本。ただし、喩えのわかりづらさとか片仮名の多さが気になった一冊。

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2013年06月10日

Posted by ブクログ

チキさんのファンで、
タイトルにも惹かれて購入。

何だか人をいじったりたたいたりな昨今の潮流について触れるかと思いきや、
諸々の政策に関する話なのね。
世間で一般論として論じられてたことを、
新たな(というか色眼鏡の無い当たり前の感覚の)切り口で迫り、
紐解いていく。
また、一方的にたたく出なく、このポジ出しって感覚が好きだな~
ただ個人的には期待した、社会全般へのポジ出しの話も読んでみたかったなぁ。

政治の話にあまり触れたことの無い人に、
実はそんな堅苦しくないよ~って入門書で勧めたい一冊。

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2013年06月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

つい先日も、「朝まで生テレビ」で集結したネット世代の論客たち。ゼロ年代などともいわれるジャーナリストの一人、荻上チキの最新本。

荻上チキの特徴は、議論をまとめる能力と、わかりやすい語り口で問題の本質を突く能力。twitterとかでは「ポスト田原総一郎」とか言われてるけど、僕はどっちかというと、「dig」みたいなラジオパーソナリティーとして最も力を発揮するような気がする。

ダメ出しして自分は安全地帯にいることの不毛さから、代案を示すポジ出しへ。これはだいぶ前から彼がさまざまなメディアで訴えていたことだと思う。
 その具体的な方策として、シングルイシューにアンテナを立て、エヴィデンス、エシックス、ソリューションに関心を払い、その分野でのセミプロ化を目指そうと訴える。もともと省庁の白書を読むのが趣味という作者ならではの意見だが、要は、専門分野や興味を持った分野に関しては、できる限り自分の力で確からしい知識を(時間と手間をかけて)入手し、なんとなく雰囲気だけで語るのではなく、勉強しようということだ。

 筆者は、また、個人の心に問題を還元する「心でっかち」な思考法から、倫理的、功利的包摂アプローチ、すなわち社会疫学的思考法の重要性を訴える。このようなものの捉え方は、やはり、知識を得て勉強して、物事の本質やウラの意味を考える、そうして「1つの事象を多面的に視る」ことによって可能になる思考法であると思う。筆者自身は、「困ってるズ」や犯罪者の更生問題に見るように、弱者への再分配を強く意識したリベラルに近い思考のクセの持ち主だと思うのだが、このような思考法を常に意識づけておくことは、自分に見えていなかった世界が、急に自分に身近で理解可能なものとして捉えられることに役立つと思う。
 そしてそのような思考法は、人間は「困っている人」と「いずれ困るかもしれない人」の2種類に分けられるにすぎず、困っていない人が困っている人に対する想像力を正しく働かせることにつながるというわけだ。

 医者も、病人という身体的・社会的弱者と接する職業に身を置いている以上、率先してこのような思考法をすべきだと思うし、そのような困っている人の支援者やサービスを行う人たちとの横断的な連携を率先して図るべきであると思った。

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2013年05月01日

Posted by ブクログ

かなり大局的な視点から、タイトル通りにポジティブの書かれた本。議論わ進める際の視点という側面からも参考になる。また、筆者の希望をもった語り口には勇気付けられる。

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2013年02月15日

Posted by ブクログ

本書ではアクチュアルな社会問題の数々を取り扱っていますが、口語体で、かつ、ポップな比喩表現をたくさんちりばめて書かれているので、中学生・高校生くらいの若い方でもじゅうぶん理解できます。

ニュースを見て、「なんだかよくわからないけど今の世の中はたいへんなことになっている。なんとかしたい。でもどうすればいいの?」と悶々としている若人にオススメ。

自分も中学生のときに読みたかったなこれは。。。

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2013年01月25日

Posted by ブクログ

ポジ出しという表題を題している割には、
殆どを現状の社会問題に終始していた。
しかし、その社会問題の説明が歴史の流れを汲んでの説明だったので
非常にわかりやすかった。結構勉強になりました。

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2013年01月06日

Posted by ブクログ

荻上チキによる、日本に対する提言。

本のタイトル的に啓蒙書だと思ったら、政治に関する本だった。

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2020年03月08日

Posted by ブクログ

著者の荻上氏の言いたいことはわからなくはないが、あまり共感できなかった。経済成長無しで今後の日本を支えていく考えに批判的。政界への進出も考えているのだろうか。

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2019年08月12日

Posted by ブクログ

ラジオでは現在のSession22の前、Digの時代から、ポッドキャストで聴いていたので、たまには著書も読んでみようでした。

まぁ内容については、自分にとって上述のバックボーンがあるので、これといって目新しい事はなしでしたが。

何方かの書評からのコピペですが、
「文句ばかり言わずにTake Actionしましょ。」
ということです。

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2015年12月09日

Posted by ブクログ

小さな政治参加を目指して書かれていると理解した。
果たしてこれで大きな流れを変えることができる人がどれだけいるかは疑問である。

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2015年02月17日

Posted by ブクログ

一言で言えば、ネガティブな発言をして立ち止まるのではなく、ポジティブに発言して行動に移そうという主張。言っていることには共感できる。特に残念ながら年が若くなるにつれ、ネガティブ思考な気がする。ただ、出張はとてもよくわかるが、当たり前すぎる気も。

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2013年12月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これからの社会にわれわれ一人一人のポジティブな提案が不可欠だ、と主張する。
本書で書かれているとおり、政治参加というのは、かなりハードルが高いという認識を持っていた。そんな私にとって、「シングルイシューでのセミプロ化」という提案は、具体性のある手段として納得できた。

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2013年06月27日

Posted by ブクログ

最近メディアへの露出が多い人だけど、やろうとしている事はとっても地道。
でも、ホントに世の中を変えようとするには、少しでいいから何かやって見ることが必要なんだなと思わせてくれる一冊です。

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2013年06月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

もはや定番の「なぜ/どうして○○なのか」本。そのタイトルから「みんな批判しすぎ!もっとポジティブな提案をしようよ!」なんて精神論が語られるのかと思いきやきちんとした政策提言の本になっていた。
文章はところどころ感情が走るものの基本的にはデータに基づき、冷静な判断の上でひきこもりの問題や政党政治の問題に「こうしたらどうだろう」という提言をしている。ポジティブになる、というか冷静になれる1冊。

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2013年06月03日

Posted by ブクログ

内容は以下のとおり。 ダメ出しをしていても,何も解決しない。
ポジティブな改善策を出し合い(ポジ出し)をしよう。
現状を分析した上で,その具体的な方法論を提示している。

現状分析の割合が多く,ポジ出しの割合が少なかった。
もう少しポジ出しの割合を多くしても良かったかもしれない。

何か事件やニュースがあると,単調な論理展開,
個人攻撃が跋扈している。
思考を単純化せず,視野を広く持ちつつ,実践的な行動も大切。

あれ「か」これかではなく,あれ「も」これも――である。
もちろん,その中で費用対効果,優先順位等の判断は必要。

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2013年05月01日

Posted by ブクログ

タイトルに要点が集約されている感じを持ちながら開いていくと、どうもダメ出しに近いような導入に感じるのだけど、「包摂」をキーワードにすること、「心でっかち」になってないか、というあたりは興味深く読めました。ああ言おうとするとこう言われそう、という感想が、ちょっと残るものの、そういうことも噛み分けながら、絶望から抜け出すポジ出しをしよう、と。はい、できるだけそうします。

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2013年03月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2013年2月10日イオン川口店須原書店で購入。
著者は、NHKの「ニッポンのジレンマ」で2度ほど見たことがあった。書店で著者名に目がとまり、購入してみた。

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2013年03月09日

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