荻上チキのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「少子化」「福祉」「失業」「格差」「貧困」そして「生存」という,バックグラウンドにあるテーマ.
私は,個人的にもこれらの問題の早期解決を望んでおりますが,
いわゆる「日本」という体質が今後,
日本の景気回復・経済成長,
利益の適切な再配分,
適切公正な制度改善,
企業や社会の体質改善・・・
を
阻みつづけてしまうのか,
本当にこれらの問題を解決しようという意思はあるのか.
支持されない層,数が少ない層の声は無いように扱われてしまうのか
「個人の問題」に落とし込まれてしまうのか.
ともすれば,「希望は戦争」になってしまうのか,
すこし古い本なのですが,
社会経済(またはそれに近い思考法)の入門書として,十分読める本だと思います.
日本の経済学者さんには,実践派より理論派が多い,という指摘があります.
お国柄なのでしょうが,確かに,学校で教えられる経済学の内容は,大部分理論でしたよね.
もちろん,基本は大事ですけどね.
が,応用も楽しいです. -
Posted by ブクログ
ネタバレ学生の自分には、ツーショットダイヤルなどの旧コミュニケーションツールの話が理解しにくかった。でも、人々がどのようにしてコミュニケーションをしていこうとしたかは理解できた。アダルト産業界で働いている人のインタビューがあったのが一番良いと思う。
アメリカ法学者
ローレンス・レッシグ「CODE」
「四つの制約」
市場、法、道徳、アーキテクチャ
4つの力が対象に規制をかけ、特定の「あるべき形」に留まるようにコントロールをしようとしている。
例
風俗店利用者を減らしたい
法:風営法 条例
市場:課税 価格釣り上げ
道徳:呼びかけ
アーキテクチャ:風俗店そのものが繁栄しにくい都市環境をつくる
「より良い秩序をつくるためにはどのようにコントロールをすればいいのか」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ出版されたのが2011年5月20日。震災発生から2ヶ月後という、かなり早い段階でこれぐらいの内容を本としてまとめて出版できたことそのものに対して、まずは評価すべきでしょう。内容はやや少なめながら、論そのものはそんなにペラくなく、しっかり読ませてくれます。
「流言やデマを信じた人たちの行動が「善意」に基づくものであっても、そえrが「善行」として機能せず、むしろ救命活動のためのチャンスロスを生んでしまう」という論はごもっとも。そういったことを理解し、自分自身で情報を咀嚼し、理解して吟味する必要を感じます。
震災発生直後は忙しかったからTwitterなんて全く見なかったから、この本を読んで改めて、地震発生直後のつぶやきのデタラメさにちょっと驚きました。 -
Posted by ブクログ
恐ろしい。
流言やデマが流されることが、ではない。自分がそういったデマを流す側になってしまう可能性があることだ。
この本のデマのいくつかは、僕もTwitter上で見かけた。
○○で爆発が起きた。○○で助けを求めている。被災地で犯罪が多発している・・・。
RTはしなかったと思うが、いくつかは、信じていた。何も考えずにRTすることは、デマを広め人の命を奪う可能性もあるということだ。
デマを広めないためには、
情報を疑うことが必要。
不確かな情報にも関わらず、拡散を希望するような内容や、マスコミが報じていないが、などの枕詞があるものにも注意、とのこと。
東日本大震災を同じ日本の当事者として、もう一度振り返る一冊。オススメです。 -
Posted by ブクログ
昔,吉村昭の『関東大震災』を読んだ。当時は,デマに惑わされる人々の過剰反応で,人命が失われる悲劇があちこちで現出。だいぶ様相は異なるものの,今回の震災でもやはり一時的にデマが広がり問題となった。
著者はブログで震災デマの検証をやってたそうだ。流言やデマが広がる集団心理や情報環境に注目して,デマに強い社会を目指すにはどうすればよいか探る。デマには基本的パターンがあるので,そういうのに既視感を抱いて盲信してしまうことのないように耐性をつけるのが肝要。
情報が人から人へ伝えられる連鎖的コミュニケーションでは,情報の一部だけが強調されたり,一部が削られたり,人々の思いに沿うよう変形されていく。コスモ石油流言も,後から時系列で並べたりして分析してみると,その傾向が濃厚。
デマの多くは,ソースが挙げられていない。「友人の関係者の話では…」とかいう曖昧な権威付けがなされ,「メディアでは取り上げられないが…」として,情報の稀少性,伝え手の優位性を匂わせる。これだけでかなりデマの可能性が高いとみてよい。
メディアで取り上げられないのは,裏が取れない,そもそも事実無根,という可能性があるのだが,それは無視して「メディアに都合が悪いから隠蔽してるんだ」,「メディアは知らないのだ」と解釈することを好む人が多い。政府やマスコミといった権威への不信感が,このバイアスを助長する。
報道機関は,当事者の話を鵜呑みにせず,記憶違い・誇張を排除するため裏を取り,事実を伝えることが使命。現地入りしたボランティアなど,自分が渦中にいるという高揚感で,自分は重要な情報を持っている,それを伝えたいと思うあまり,デマの発信源になってしまうこともある。
関東大震災では,朝鮮人が井戸に毒を入れた等のデマで,自警団により無実の人が殺されるというようなことが起こった。今回の震災ではそこまでの事例はないが,善意から始まった流言が,情報を錯綜させ,現地のリソースに負荷を与えることで,間接的には人命に関わることも。
「放射性物質にヒマワリが効く」という流言があったが,これは16年前の研究報告を取り上げた,数年前のバラエティ番組(匿名リサーチ200X)の内容を,紹介したあるブログが発信源になっていた。内容を吟味せずに多くの人がこういうのに飛びつくと,有害なデマが拡散してしまう。
また辻元議員に関するデマが種々拡散したが,こういう政治的なデマは,当事者が否定したとしても「隠してる」「ウソついてる」として,受け入れられない場合が多い。特定の人物を叩きたい人に対して,そのデマをいくら否定しても,たいてい聞く耳を持たない。
受け取った情報を虚心坦懐に見つめないとデマかどうかの判断は難しい。内容的な矛盾はないか(内在性チェック),確かな証拠はあるか(外在性チェック)のダブルチェックを行なうことが重要。このことは,1938年の米ラジオドラマ『宇宙戦争』パニックに関してキャントリルが指摘。
それでも自分が流言拡散をしてることを認めない人がいる。この現象を理解するには非行研究の概念「漂流理論」が参考になる。自己の責任・加害を否定し,被害者の責任を主張して,「皆信じてた」「緊急時には許される」「信頼されてない政府が悪い」などと言い訳をする。
結局,全員のリテラシーを上げることは不可能。情報が不足し渇望される災害時に,デマが出現してしまうのもある程度は仕方ない。素早く広く拡散するデマは,インターネットを介して流布していくから,技術的にそれが広がりにくくする工夫も考えられる。 -
Posted by ブクログ
様々な流言に予め触れ、どんなものがあるか知っておくだけでも、自分が広げる側にならない為のひとつの対策になる、ということで、
注意喚起を促すもの、救援を促すもの、救援を誇張するもの、支援活動を論難するもの
を具体例を交えて紹介してある。
自分自身もツイッター上でそうした情報が渦巻く渦中にいた自覚があったので、そのとき自分が考えていたことでも、反省させられることもしばしば。
マスコミを志す者として、非常時の流言に対しても迅速に情報の真偽を確かめ、ソースを提供していくことも、マスコミの役割として今後必要になるのではないかと思う。
現在事実関係を確認中だという形での報道も、非常時には必要なのかなとも思った。 -
Posted by ブクログ
”人はなにもしなくても慣れやコツの会得により2%くらいは年々成長していく。そのままでは従業員100人を必要としていた企業は翌年98人で事足りることになる。だから経済成長をしなければ失業が増えてしまうのだ”
慶応義塾大学で現代社会論を教えている飯田泰之さんが、エコノミストで戦後の成長を見続けてきた岡田靖さん、希望は戦争というフレーズで一躍有名となった赤木智弘さん、反貧困運動の代表格である湯浅誠さんとの対談をまとめた書。
物凄く「分かりやすく」書かれているのは感じるが、私には「分からな」かった。本書に出てくる人はみな経済学を学んでおり(飯田さんは自身を経済ド素人だと言っており謙虚である)、学んだ者同士の会話では、代表的用語や歴史についていちいち説明はしない。
ケインズ・ハイエク・フリードマン、新古典派とニューケインジアンあたりの違いを知る人が読めば、現代社会の問題解決に用いられるべき経済学を深く知ることができる気がする。
とても良い本なのに、自分が系統立った経済学を学んだことがないために良さを認識できないのが残念でならない。かといって簡単な本ばかり読んでいても成長できない。私にとって背伸びの一冊。