長岡弘樹のレビュー一覧
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ネタバレ警察を定年退職した後、非常勤の交番相談員として働く百目鬼巴。有能な警察官だった百目鬼は、行く先々で警察官が起こす事件を鮮やかに解決する‥。
1話目は、先輩からのパワハラが原因で自殺した親友の仇を取った、警官の話。百目鬼は、張本人に推理を披露するも、どうもしないと言う。あ、見逃すんだ、とちょっと引いてしまった。確かに同情の余地はあるんだけど。本当に「教場」と同じ人が書いたのか?とすら思ってしまい、テンション下降。
短編集だから、サクサク読める。でも事件の内容は重いし、短編のせいか百目鬼のキャラクターが立ち上がって来ない。もう少し長めの話で、百目鬼の人となりをもっと深掘りしてほしかった。
唯一 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【収録作品】裏庭のある交番/瞬刻の魔/曲がった残効/冬の刻印/嚙みついた沼/土中の座標
警察を定年退職し、非常勤の交番相談員として働く百目鬼巴は見た目はふつうの優しげなおばさんだが、卓越した洞察力をもっている。
交番内部でのパワハラ、脱法ハーブ、逆さ眼鏡、意外な場所に残されたメモ、カミツキガメ、似顔絵の伝え方と、短編でテーマがはっきりしており、フェアに描かれているので、展開は読めるが、それでも十分面白い。
そして「教場」シリーズと異なり、交番相談員という立場や「ものごとをほじくり返すと、ろくなことがない」という考えから、「見逃す」という選択肢もあるのがいい(もちろん、甘い見逃しではなくて) -
Posted by ブクログ
ネタバレ「傍聞き」シリーズ第4弾で連作集としては第2集目。
「緑色の暗室」
「球形の囁き」
「路地裏の菜園」
「落ちた焦点」
「黄昏の筋読み」
の5編収録。
前作以上に時間の経過が早すぎます。
娘の菜月が高校生から大学生、就職して子持ちになるとは想像していませんでした。
それぞれの物語に著者らしい蘊蓄が使われていて、やはり一流のショーとミステリーテラーだと思いました。
しかし、長年描いている大切な登場人物の時間を駆け足で過ぎてしまうのはリアルかもしれませんが、もったいないし、一度は長編も読みたかったです。
菜月の子供の父親がどうなったかが一番気になるので、そこはぜひ長編で各人の心理描写も丁寧に描いて