長岡弘樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
救急隊員、刑事、消防士、更生施設長。身近ではないが、いつも世の中を静かに支えてくれている人たち。そんな人たちも帰れば子供と喧嘩ぐらいするし、恋もする。失敗することだってある。理不尽なことで傷付いたりも。悩みや辛さ、苦しさはそれぞれでも、仕事に家族に真っ直ぐ向き合う姿がかっこいい。誰かの心の支えとなっている4人が羨ましくもある。
自分の職業に誇りを持つって案外難しかったりする。私もいつ辞めようと思いながら毎日出勤している。大多数の人がそんな風に淡々と日々を乗り越えてるのではないかとも思う。でも、何かもう少し自分に出来ることがないか探してみたくなった。嫌なことがあっても、大きな失敗をしても、筋が -
Posted by ブクログ
ネタバレ毎回着眼点に唸らされる、長岡弘樹さんの短編ミステリ。今回の探偵役の職業は、ベテラン俳優。長岡作品としてはひねりがない気もしないでもないが、内容はやはり長岡流ミステリであった。
スクリプターを探偵役に据えた前作『つながりません スクリプター事件File』と、空気感は似ている。どちらも映像業界を描いているのだから、当然といえば当然だが、裏方と役者で立場が違えば、違う風景が見えてくる。俳優もまた、スクリプターとは違う意味で、観察力が必要な職業ではあるだろう。
前作同様、トラブルが多い現場ばかりで苦笑するが、ミステリ性は薄いだろうか。本作収録の各編に、明確な解決編はない。探偵役たるベテラン俳