長岡弘樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ毎回着眼点に唸らされる、長岡弘樹さんの短編ミステリ。今回の探偵役の職業は、ベテラン俳優。長岡作品としてはひねりがない気もしないでもないが、内容はやはり長岡流ミステリであった。
スクリプターを探偵役に据えた前作『つながりません スクリプター事件File』と、空気感は似ている。どちらも映像業界を描いているのだから、当然といえば当然だが、裏方と役者で立場が違えば、違う風景が見えてくる。俳優もまた、スクリプターとは違う意味で、観察力が必要な職業ではあるだろう。
前作同様、トラブルが多い現場ばかりで苦笑するが、ミステリ性は薄いだろうか。本作収録の各編に、明確な解決編はない。探偵役たるベテラン俳 -
Posted by ブクログ
長岡弘樹『血縁』集英社文庫。
家族という特殊な社会の中で起きる犯罪をテーマにした7編から成るミステリー短編集。
『文字盤』『苦いカクテル』『オンブタイ』『血縁』『ラストストロー』『32-2』『黄色い風船』を収録。
苦しい設定や無理な展開の短編もあるが、最後まで読ませる短編が並ぶ。しかし、気になるのはこの著者の文章からは犯罪は悪だというメッセージが1つも伝わってこないことだ。著者が余りにもミステリーとして犯罪を描こうと躍起になる余り、人間が本来持つべき犯罪に対する嫌悪感や憎悪が文章から欠如してしまっているように感じる。そのためか、ミステリーとしては面白いが、読後に嫌な感覚だけが強く残る短編