長岡弘樹のレビュー一覧
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猫にもいろいろ居るように。
アリス目当てで珍しく猫短編集など読んでみたけれど(『猫は見ていた』に収録のエア・キャットを他で読んで気に入ったのもある)、猫好きにもいろいろ居ますなぁ。
にしても短編というのはどうにも、良いところも悪いところもはっきり出ちゃうよね。いまいちかなぁと思っていた作家さんのはやはりいまいちだし、反対に思わぬ出会いもあったりで、まぁほんとに肌が合うかどうかなんだけど…
そうねぇ。結局のところキャラクタ、或いは物語そのものにさえ、生命性を感じてしまうタイプなのよね。極端に云うなら作家の仕事は、生まれてきた物語を伸びやかに世に放ってあげるブリーダー的なも -
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ネタバレベテラン俳優でアクターズスクールの講師も務める南雲草介と、元警察官という異色の経歴を持つマネージャー・友寄栄支のコンビが謎を解く、8章の連作短編集。
カメラの前でいくつもの顔を演じるには、人間の生々しい感情の動きと、無意識に取る身体の動きを知って演技に活かす能力が必要なのだろう。
マネージャーで元警察官の友寄が推理担当、謎解きの答えをアウトプットするのは表現に長けた南雲が担当というのも面白い。
コンビ誕生のきっかけが脳梗塞で、高性能眼鏡を通して手がかりを得るというのは、ちと無理やりな気もするけれど…
「殺陣の向こう側」「汚れ役の歌」「黒い代役」「白紙の応援歌」が良かった。
『つながりま -
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短編集。「波形の声」、「宿敵」、「わけありの街」、「暗闇の蚊(モスキート)」、「黒白の暦」、「準備室」、「ハガニアの霧」の7編。
どの作品にも謎があり、最後にはそれが解明されるのだけれど、謎自体よりもそこに至るまでのストーリーが面白いかな。
「波形の声」と「黒白の暦」はトリックがこの辺だろうなと少しわかってしまいながら読んだけれど、それでも先が気になるので楽しんで読めた。
「わけありの街」はあまりぴんと来なかった。なぜ日記が入ってくるのかよくわからなかったし。
「黒白の暦」、動機の部分でちょっと現実味がないように思ったけどどうかな。当事者になったらそうしようって思うんだろうか。
「ハガニア -
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2021/07/28 08:10
よく読んでたベスト本格ミステリーの2019年の文庫版なんだな。
前のノベルズはもっと収録されてる本数が多かったから、面白いのに当たる可能性も高いし、逆に趣味に合わないものに会う確率も高いのだけれど、これは文庫版になって6篇だけになったから、さてどうかなと思ったが、とびきりのものはひとつもなかったけれど、5篇はそこそこ、ちびまんとジャンボという話だけ、ミステリとしては多分面白いのだろうけど、カメムシを食うだのゲロだの、読んでて気分悪くなる話だったので残念だった。
中で1篇、時代劇のミステリがあるが、宮部みゆきも、まぁ、あれはミステリとは言わないのかもだが、書いて -
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アクターズスクールの生徒たちに起こる事件やトラブルを講師である現役プロ俳優・南雲草介が独特の手法で解決していく連作集。
南雲の言動は一見奇異に思えるが、実は鋭く核心をついている。しかも生徒に寄り添う気持ちも込められている。
南雲に「教場」の風間教官と重なるものを感じたが、あちらは厳しい規律で統一行動を目指す警察学校が舞台で、こちらは個性で競争するアクターたちの世界となっている。一方は、警察官を目指す者にしか体験できない閉鎖的空間、他方は俳優を目指す者に必要な資質、発声練習、それに業界用語など裏舞台が描かれ、一般人がなかなか知り得ない世界が垣間見られる点で共通したものがある。
しかし、主人公の言 -
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これまで警察官、消防士、救急救命士、弁護士、医師などを題材に、仕事の矜持と現場ならではの臨場感をミステリ仕立てで描いてきた作者が、「芸能」の現場で起きる事件やトラブルを描いた作品。
俳優志望者が売れっ子俳優になることの難しさ、大物と言われる人の凄さ、裏方の苦労など日頃知ることのない世界は興味深いが、主人公のベテラン俳優・南雲草介が探偵よろしく謎を解いていくミステリとしてはちょっと弱い。
ひき逃げ、引ったくり、暴行、シャブ中と限られた人間関係の中でこれだけの犯罪が起こるのもリアリティにかけるし、何より解いた謎がショボい。
やっぱり、個人的な趣味かもしれないけど、いつものように警察官や消防官の -
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プロ俳優・南雲が講師として勤めるアクターズスクール。その卒業生達それぞれに襲いかかる事件やトラブル。役者である前に一人の人間として、目の前に直面する出来事にどう対応していくのか。南雲の推理が冴え渡る。
「教場」で有名な長岡さんの作品ですが、大きく括ってみると、「教場」の役者版のような雰囲気がある印象を受けました。
・影の主役がいる。
・教え子が主人公となって事件に関わる。
・短編ミステリー
といった共通点はあるのですが、異なっている点も多くあります。「教場」では警察学校の内部を舞台にしていますが、この作品は主にアクターズスクールを卒業した教え子たちがそれぞれの現場を舞台にしています。