長岡弘樹のレビュー一覧
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「教場」シリーズの5冊目。
物語の時系列的に言うと「教場0」と「教場」の間となり、右目が義眼となった後にも続く“風間道場”での6つのお話。
もはやキムタクの顔を思い浮かべることなく読むことが出来ず、ドラマのほうはやや低調みたいだが、こちらはまずまず面白く読むことが出来た。
「教場0」の感想に『どのお話も風間が最初から全てお見通しのところがなんだが』と書いたがそこは相変わらず、捜査の進展も証拠が見つかるのもちょっとうまく行き過ぎというところはあるが、撒かれたネタの回収はフェアでそれぞれのお話は良く練られていたとは思う。
最終話では、みたび平優羽子が登場したり十崎の存在が仄めかされ続けたりで、最 -
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警察学校教官になる前、刑事指導官・風間公親。
新人刑事の指導にあたる風間。
風間は新人刑事にヒントを与えるだけ。
わからなければ、『交番勤務に戻るか』と。
新人刑事が事件の謎をとき、犯人を追い詰めていく。
厳しくも、常に新人刑事に寄り添う風間。
『硝薬の裁き』娘を苦しめている相手を刑務所におくってやりたい。娘のアレルギーの原因は…
『盲信の果て』不純物の一致で証明するカンニングの法則盲信は命取り。それくらいのことで…
だろうなと…
『橋上の残影』犯罪の現場での予想外のハプニング。そんなことある?被害者が…
『孤独の胎衣』産まれたばかりの赤ちゃんに火傷痕が。そんなタイミングで…
『闇 -
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初読みの作家さんです。
まことさんのレビューから読みたいと思い、順番待ちしていました。
読み始めてすぐに引き込まれ、先へ先へと急ぎたくなるストーリー展開。
脳外科医の尾木敦也と、妹で看護師の菜々穂は、同じ病院に勤務している。
二人の距離感にちょっと戸惑いを感じたが、6年前に両親を失う事件があったので、同じ悲しみを持つ者同士なのでしょう。
クモ膜下出血で運び込まれた患者は、冤罪を主張する死刑囚。
執刀するのは、主人公の尾木敦也。
手術後のリハビリ担当である理学療法士の村主と共に、無言のまま目をギラギラさせ、リハビリに打ち込む死刑囚。
この様子はなんとも不気味で恐ろしい。
読み進めるうちに次 -
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「教場」シリーズの4冊目。で、にして初の長編。
とは言え、37名の学生の内、名前が振られているのは5名だけで、話の作りはあまり変化なし。
第102期短期過程の学生を迎える中、新任校長の久光から風間が命じられたのは「退校者ゼロ」の教場を作ることで、一人でも落伍者が出れば責任者の風間もクビだという。
これまで警察官として見込みのない者を容赦なく篩にかけてきた風間だが、さあ、どうなる?というお話。
洞察力に優れ数歩先を見据えて学生たちを導いていく姿はこれまで同様。授業や面談の場で次々と小ネタが披露され、それぞれが結構面白いのでサクサクと読める。
が、あまり深みはなく、実は私が一番印象に残ったのは