長岡弘樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日常生活の中で、心の弱い部分に触れる短編ミステリー。
人間の弱さ、ぬくもり、保身、欲望、誰も身に覚えのある心情をたくみに描き出した5編となっています。
■陽だまりの偽り
物忘れが多くなってきた老人が、嫁から預かったお金を紛失。どこで紛失したのか?
保身のために彼が付いた嘘
そして明らかになる真実
といったところで、結果嫁さんの温かい気持ちが最後浮き彫りになり、ほっこりします。
■淡い青のなかに
自宅前でおこしてしまった人身事故。不良のレッテルを貼られている息子は母親の事故の身代わりを画策。
会社の出世が絡む母親は保身を図りたいが、息子の提案を受け入れるのか?
どう隠すのか?口裏合わすのか -
Posted by ブクログ
おもしろい!
Why が弱い感じだが、主題はそこにはないんだろうなぁ。とにかく、それぞれの短編にはキチンとオチがあるし、それらをつないだ連作としてもピッタリおさまる精緻さがたまらない。
特に第一話の「談合」は、伏線がピッタリ決まる爽快感が最高だなぁ。最後のエピローグで明かされる微笑みの謎も、残酷ではあるもののいいなぁ。
偉そうにいうようで恥ずかしいが、強いて言えば人物が少しばかり薄っぺらい印象があるのが残念。短編におさめるためには仕方ないのだろうか? 今後はこの辺に厚みが出てくることを期待したい。
今回は文庫本だが、オリジナルも読みたい。ぜひとも借りることにしようっと。
20