長岡弘樹のレビュー一覧

  • 道具箱はささやく

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    一遍十数ページ、18編のミステリーを収録。枯渇することを知らない泉のように湧き出るそのアイデアには脱帽。読者として、アイデアが惜しみなく短い短編に注ぎ込まれるのでもったいない感も。さらっと読めてどんでん返しも楽しめる。多少無理のある展開も目をつぶれる。

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    2018年09月01日
  • 線の波紋

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    表紙の絵が球体人形の女の子なので、ちょっと気味が悪く、怖い物語なのかなと不安な気持ちで読み始めたが、優しい気持ちになる物語でした。誘拐事件や殺人事件も起きるので平和な物語とは言えないのだが、親と子の思いやりだったり、夫婦の絆だったり人と人との繋がりの物語でした。

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    2018年06月30日
  • 道具箱はささやく

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    18編の短編集。
    短編のミステリーを書かせたら、今一番上手い作家さんだと思うが、今回収められている18編は全て原稿用紙20枚程度。その短さの中に様々なミステリーが完璧に収まっており、本当に「凄い!」としか言いようがない。
    タイトルの「道具箱」はこの本自体のことを示しているのだと、納得の一冊。

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    2018年06月29日
  • 陽だまりの偽り

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    日常生活の中で、心の弱い部分に触れる短編ミステリー。
    人間の弱さ、ぬくもり、保身、欲望、誰も身に覚えのある心情をたくみに描き出した5編となっています。

    ■陽だまりの偽り
    物忘れが多くなってきた老人が、嫁から預かったお金を紛失。どこで紛失したのか?
    保身のために彼が付いた嘘
    そして明らかになる真実

    といったところで、結果嫁さんの温かい気持ちが最後浮き彫りになり、ほっこりします。

    ■淡い青のなかに
    自宅前でおこしてしまった人身事故。不良のレッテルを貼られている息子は母親の事故の身代わりを画策。
    会社の出世が絡む母親は保身を図りたいが、息子の提案を受け入れるのか?
    どう隠すのか?口裏合わすのか

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    2018年04月07日
  • 線の波紋

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    ん〜複雑に絡み合いすぎて解りずらい感じでした。渡さんはなんであんな男を好きになってしまったのかなぁ。
    ただ、『線の波紋』という題名には納得です。

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    2018年03月08日
  • 猫ミス!

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    バラエティ豊かな執筆陣による、ネコをめぐるアンソロジー。新井素子「黒猫ナイトの冒険」、秋吉理香子「呪い」など物語全7編と、そにしけんじのマンガを収録。

    ねこ絡みの短編集。恒川光太郎、長岡弘樹の作品は作者らしさが出ていた。他の作品はテイストがやや甘過ぎるものなどもあったけれども、総じてそこそこ楽しめた。
    (Ⅽ)

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    2018年01月28日
  • 猫ミス!

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    猫目線、人目線といろんなジャンルの作品が収められてて、楽しめました。個人的には最後の漫画にほっこり(^^)。

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    2018年01月03日
  • 群青のタンデム

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    短編集ではあるが、男女2人の同期警察官について、新任巡査の頃から退職までをたどる一種の長編小説にもなっている。個々の短編はそれなりに面白く、最後のオチも衝撃的ではあったが、全体的に説明不足で、なかなか読んでいても情景が思い浮かべられないことが多かった。そもそも誰が話しているのかがわかりにくい箇所もあった。また、30年以上の年月をたどっている割には、(若手警官の頃に携帯電話があるなど)時間の経過が感じにくかった。

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    2017年06月25日
  • 群青のタンデム

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    成績を競い合う男女の警察官。友情でも愛情でもない二人の関係を結ぶものは何なのか。異色の警察小説。
    トリッキーな作風が特徴的な著者であるが、今回も一筋縄ではいかない。文体が硬いので、かなり読み手を選んでしまう。もう少し煮込んで柔らかくしてくれればっていつも思う。

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    2017年02月13日
  • 群青のタンデム

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    ネタバレ

    警察学校時代からのライバルの2人の警官を主人公にした短編集だが、それぞれの話が長い年月の間に繋がっていき、全体としてひとつの物語になっているという構成。
    ラストは少し予想外の展開で、主人公のうちの一人がいつ真相に気づいていたのか気になる終わり方だった。

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    2016年08月23日
  • 群青のタンデム

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    同期の男女警官の半生を描いた、連作短編ミステリ。
    キレのある伏線回収と意外な結末、事件の顛末に準えてなんらかのイクスキューズを掲げるスタイルと、デビュー作の頃の良さを器用に貫いている。
    また、30年という長い期間を厚くない短編集で書き通すというのも珍しいが悪くなかった。
    エピローグなんかは、薄々気づいていたものの、きれいに仕上げられていて納得できた。
    3

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    2016年07月28日
  • 陽だまりの偽り

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    短編5編。「赤い刻印」がなかなか面白かったので読んでみたのですが、初期の作品のせいか今ひとつこなれていない印象を受けました。面白かったのは「プレイヤー」だけかなぁ。

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    2016年07月11日
  • 陽だまりの偽り

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    長岡弘樹の連作短編ミステリ。
    デビュー作に限りなく近い雰囲気を持った作品集だった。
    悪くなっているわけでもないが、特に良くなっているわけでもない。
    ただ、舞台や人物設定が前作よりやや軟質なこともあり、今回のほうが印象はやや弱いか。
    今後に期待。
    3+

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    2015年11月08日
  • 線の波紋

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    ネタバレ

    誘拐事件と刺殺事件が絡み合い真実に向かって動き出すミステリー。

    各事件とそれにまつわる人々の綿密な関係はさすが。

    なぜそんな行動をしたのか、なぜそんな顔をしたのか、全てにきちんと意味を持たせている。

    特にラストの死者の表情についてがそれを良く表現しているように思う。

    ただ、ストーリを含め全体としては、やっぱり「傍聞き」「陽だまりの偽り」に比べると1枚も2枚も落ちる。

    それだけこの2作の完成度が高過ぎると言うこと。

    でもそういう意味では、これからもこの2作を凌ぐような作品が出てくるかどうか、この作者の作品追いかけてみるか。

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    2014年09月25日
  • 傍聞き

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    どの話も読み応えがありました。2012国内ミステリー部門第1位だそうですが、どちらかというと人間ドラマとして秀逸だと思います。

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    2023年08月10日
  • 線の波紋

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    「傍聞き」に続いて2作目の長岡作品。

    登場人物のエピソードがややとっちらかったように
    感じられもしたが、「傍聞き」でも思われた、
    物語全体を貫く人間味・優しさのようなものが
    通っている印象だった。

    毒気の無いミステリー、かな。

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    2014年04月30日
  • 線の波紋

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    それぞれ異なる登場人物の視点から4つの物語が進行して、最終章で幼女誘拐事件と会社員殺人事件の真相が明らかになるという実験的ミステリー小説。
    前半の2作品が非常に面白い。その反動で後半2作品が全く現実的でない。正俊とその母和子、そして恋人の女刑事亜矢子の設定に違和感ありすぎる。何故、サイコっぽくしたのか、その必要性はあったのか。

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    2014年01月27日
  • 線の波紋

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    おもしろい!

     Why が弱い感じだが、主題はそこにはないんだろうなぁ。とにかく、それぞれの短編にはキチンとオチがあるし、それらをつないだ連作としてもピッタリおさまる精緻さがたまらない。

     特に第一話の「談合」は、伏線がピッタリ決まる爽快感が最高だなぁ。最後のエピローグで明かされる微笑みの謎も、残酷ではあるもののいいなぁ。

     偉そうにいうようで恥ずかしいが、強いて言えば人物が少しばかり薄っぺらい印象があるのが残念。短編におさめるためには仕方ないのだろうか? 今後はこの辺に厚みが出てくることを期待したい。

     今回は文庫本だが、オリジナルも読みたい。ぜひとも借りることにしようっと。

    20

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    2014年01月02日
  • 傍聞き

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    ちょっといい話な短編集
    救急隊員や消防士や女刑事と、登場人物はハードボイルドなのですけど、間違いなくほっこりする心温まるお話ばっかりだったのです

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    2024年08月11日
  • 陽だまりの偽り

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    「傍聞き」で長岡さんのファンになり、2冊目を購入。たまたまだが、前回読んだ「陽だまりの彼女」に続き、またまた「陽だまり」のつく作品を読むことになった。最初の「陽だまりの偽り」と最後の「重い扉が」はまぁまぁ良かったが、短編ゆえ仕掛けが弱く、少々物足りない印象を受けた。「写心」は設定がありえにくく△。個人的には「傍聞き」の方が良かった。

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    2013年06月05日