長岡弘樹のレビュー一覧

  • 幕間のモノローグ

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    【収録作品】沈黙のスピーチ/一拍遅れのプロローグ/殺陣の向こう側/汚れ役の歌/黒い代役/白紙の応援歌/湿った密室/歪んだ凶弾/一拍早いエピローグ/ヘッドボイスの行方 
    *業界ものとしては突っ込んだ内幕が書かれているわけでもなく、ミステリとしては比較的素直。南雲の立ち位置も微妙で、「教場」シリーズのようなキレは感じられない。

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    2021年04月15日
  • 白衣の嘘

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    短編医療ミステリ6編。
    医者、患者など視点は様々で、描写文体はとても静か。
    なのに、ものすごく激しい葛藤を感じて息苦しささえ覚える。
    伏線を回収してバッサリ解決するというミステリ要素よりも人間ドラマの色合いが強く感じた。

    誰しも間違えることがある。迷うことがある。踏み出せないことがある。悔いることがある。
    「その先」に何を為すか、を見送るような物語たちだった。

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    2021年04月14日
  • 幕間のモノローグ

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    これまで警察官、消防士、救急救命士、弁護士、医師などを題材に、仕事の矜持と現場ならではの臨場感をミステリ仕立てで描いてきた作者が、「芸能」の現場で起きる事件やトラブルを描いた作品。

    俳優志望者が売れっ子俳優になることの難しさ、大物と言われる人の凄さ、裏方の苦労など日頃知ることのない世界は興味深いが、主人公のベテラン俳優・南雲草介が探偵よろしく謎を解いていくミステリとしてはちょっと弱い。
    ひき逃げ、引ったくり、暴行、シャブ中と限られた人間関係の中でこれだけの犯罪が起こるのもリアリティにかけるし、何より解いた謎がショボい。

    やっぱり、個人的な趣味かもしれないけど、いつものように警察官や消防官の厳しい世界での仕事への矜持を読みたいな〜。

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    2021年03月31日
  • 赤い刻印

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    病気や介護など、テーマがいつにも増して重い。
    そして羽角親子。啓子さんはクールで、菜月ちゃんは物分かりがいい。。

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    2021年03月27日
  • 幕間のモノローグ

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    プロ俳優・南雲が講師として勤めるアクターズスクール。その卒業生達それぞれに襲いかかる事件やトラブル。役者である前に一人の人間として、目の前に直面する出来事にどう対応していくのか。南雲の推理が冴え渡る。

    「教場」で有名な長岡さんの作品ですが、大きく括ってみると、「教場」の役者版のような雰囲気がある印象を受けました。

    ・影の主役がいる。
    ・教え子が主人公となって事件に関わる。
    ・短編ミステリー

    といった共通点はあるのですが、異なっている点も多くあります。「教場」では警察学校の内部を舞台にしていますが、この作品は主にアクターズスクールを卒業した教え子たちがそれぞれの現場を舞台にしています。

    同期の教え子たちが主人公なのですが、一つの章で終わるのではなく、随所随所に「その後」として再登場します。
    その末路が何とも・・・言葉を失うほどの結果だったり、苦さのある結果だったりと複雑な気持ちになりました。
    もちろん、伏線のあるコンパクトなミステリーとしても楽しめました。あまり関係ないと思っていた出来事が後に大きなキーワードとなって登場するので、そういった意味では面白かったです。

    「教場」では、歪んだ正義を正当化しているケースが多く見受けられましたが、こちらは後ろめたさのある正義を正当化しようとするケースが多く見受けられました。
    同じ空気感でしたが、違った陰湿さを味わえた感覚がありました。

    この作品で一番要となる人物がプロ俳優の南雲の存在です。どの章にも、時には主役として、時には影の主役として登場します。その推理力は鋭く、ジャブを入れてくるかのように響いてくるので、重厚感のある存在でした。
    その南雲も秘密を抱えています。それを知った後に映る南雲は、さすが名俳優と思うくらいの演技力・存在感でした。

    ミステリーや人間ドラマだけでなく、役者あるあるも散りばめられていて面白かったです。役者をかじっていた方には、より楽しめるのではと思いました。

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    2021年03月07日
  • 群青のタンデム

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    警察の同期でライバルの話。時系列の短編。
    淡々と話が進む、意味がわからなくて、もう一度読み返して、ああこういうことだったのかて感じ。
    こういう作風なのか、感情描写がないので、冷たく感じる。

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    2021年02月23日
  • 血縁

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    ちょっといまいち
    読後感がよくない(笑)、設定に納得いかない(笑)
    家族をテーマに、7つの物語からなる短編集。

    ■文字盤
    コンビニ強盗が店員にナイフを突きつけていた時に、電話が鳴り、店長が「でていいか」と書いたメモを見せながらも、強盗が答えない。
    その理由は?
    そして、その犯人は?
    という展開。
    しかし、動機がちょっと納得いかない。

    ■苦いカクテル
    老父の介護に疲れた主人公の女性と妹の物語
    父の死の犯人として、法廷で裁かれる姉。その弁護を務める妹。
    そして法廷で明らかになる真実
    これはよかった

    ■オンブタイ
    酒を飲んだ後の自動車事故で同乗者を死亡させ、視力を失った男の物語。
    男の末路はということですが、こんなことってある?
    いまいち

    ■血縁
    幼いころから姉に虐げられてきた妹の物語。
    過失で老女を殺めてしまった妹、しかし姉がそれをかばう形に
    ことの真相は?
    ということですが、これ、かなりいまいち。
    こんな姉妹関係ってあるの?
    動機もよくわからない。

    ■ラストストロー
    死刑執行を担当した退役刑務官の物語。
    当時、死刑執行ボタンを押した二人と合わせて、毎月7日に集まって近況を語り合うが、今月は3人で集まれないかもという展開。
    これは、重い話ではあるけれど、よかった

    ■32-2
    一代で財を築き上げた母親に対して、その娘、婿、妹の物語。
    とてもブラックな話ですが、これも現実感があまりない。
    妹も変..
    いまいち

    ■黄色い風船
    これも刑務官の物語
    死刑囚がガンのようだが、診断結果は健康。
    その理由は?ことの真相は?
    といった展開
    これもちょっといまいち

    ということで、読後感がいまいちです。
    残念。

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    2021年02月21日
  • にらみ

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    ネタバレ

    表題作が一番面白かった。「刑事は常に二人組のコンビで動く」の一文がこう繋がるとは。「実況中継」「雑草」「百万に一つの崖」も無理やりな展開もありつつ楽しめましたが、「餞別」と「遺品の迷い」は突っ込みしかなかった。さすがにこの結末はないでしょ。ホテルの明かりで「クスリ」とか、同音異義語を言わせるとか、どんなファンタジーかと思う。作品ごとの高低差がありすぎる短編集。

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    2021年02月08日
  • にらみ

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    長岡弘樹『にらみ』光文社文庫。

    『傍聞き』系の短編7編を収録したミステリー短編集。

    いずれの短編もミステリーの土台となるシチュエーションとトリックにかなり無理があるためか、じっくり読まないと意味が伝わって来ないし、面白さが感じられない。唯一評価に値するのは『遺品の迷い』だろうか。

    『餞別』。暴力団の下端が身代りで警察に出頭する前に兄貴分がくれた餞別。じっくり読むと意味が見えて来る。意味が解るとまあまあ面白いが、何で最初にビルに『クスリ』があったのか。偶然なのか……

    『遺品の迷い』。ラストに震えた。乳児の頃に遺品整理業者の父親に拾われ、育てられた息子は家業を手伝いながら、自分を捨てた親の手懸かりを探すが……途中の「倒産」=「父さん」には無理があるし、不要に思う。

    『実況中継』。目の不自由な小学生に草野球の実況中継を買って出た少年。少年の父親が草野球の実況中継中に何者かに襲われる。意外なアリバイ工作ではあるが、無理があり過ぎて現実味が無い。

    『白秋の道標』。まさかそんなというミステリーの結末。これもまたシチュエーション造りと謎解きにかなり無理がある。不妊に悩み、考え方の違いから別れを決意した夫婦……

    『雑草』。ミステリーの謎を解き明かすまで随分と遠回りしたなと思うような短編だった。起承転結の順番を少し変えれば、もう少し解りやすい短編に仕上がったかも知れない。

    『にらみ』。表題作。警察ミステリーなのでシチュエーション造りは不要ということで読みやすかったが、結末は掟やぶり。今の世の中なら、こんな掟やぶりの結末でも不思議は無いが、話が出来過ぎだ。

    『百万に一つの崖』。余りにも確率の低い偶然が重なると、もはやミステリーとは呼べないという短編の典型だ。

    本体価格600円
    ★★★

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    2021年01月20日
  • 道具箱はささやく

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    ネタバレ

    原稿用紙20枚の超短編で18編。あまりに短くて坂木司の短劇のようだった。ワントリックだからオチが分かるのが多かったな。あんま長岡さんらしく感じなかった。読みやすいけど、後には何も残らないな。

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    2020年12月01日
  • 群青のタンデム

    購入済み

    展開が早い!

    教場シリーズが好きで、初めて作者の他のを読んでみましたが、つらつらと読んでしまうと、交番勤務だったのにいつの間にか刑事になっていて、その次には警察学校の教官になっていて。。何度もページを戻って確認しました。とにかく展開が早すぎる印象でした。ラストもこれまでの展開のスピードに脳が追い付かずあまり驚きませんでした。。上下巻にしてもいいからもっとゆっくり物語が進む方がよかったかなと思いました。

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    2020年11月07日
  • 白衣の嘘

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    既読が多かったけれど、プレミアムさは常に新鮮だ

     警察、消防だけではなく今度はお医者さん。

     未読は一作品だけの気がするけれど、それでもすべてが美しい上質なミステリーだった。文庫本で読んだんだけれど、もしかしたらハードカバーで読んだかな?ま、いいか。とにかく真夏の暑さを忘れるすっきり感で満足。

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    2020年08月09日
  • 白衣の嘘

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    短編集みたいな感じで、すべてが医療に関するもの。
    医療業界を知っている人間からすると、小説の内容で「エーッと、こういう事態は現実では起こりえないんじゃないかな・・」っていうポイントがけっこうあったりします。
    まあ、そういう違和感を抜きにすると、お話としては面白い部分も多く、サラサラっと一気に読める感じで、本を読んで気分をリフレッシュしたい、という方にはたぶんヨイです。

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    2020年06月25日
  • 道具箱はささやく

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    2020年4月5日
    短編集。
    種子あかしが鮮やか。
    でもなんとなく小さい感じがする。
    人間の微妙な習性をついていることに、
    なるほどとは思うものの、ちょっと無理ある感じと思ってしまう。
    「色褪せたムンテラ」が好き。
    リバーシブルな秋休みは妙に映像として頭に残っている。
    もう一度話をなぞってみたら、どの話も人物もキャラが立っているし、結構目のつけどころが新しいと思い直した。

    「風水の虹」に悪意はあるの?それとも無いの?
    あるとしたら、それはわたしの悪意?義母の悪意?
    この書き方では、私には通じなかった。

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    2020年04月05日
  • 群青のタンデム

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    二人の警察官

    警察学校から男女はトップを争い続け、お互いの成長を確かめ合いながら一段一段かけ上っていくことに。
    不思議なことに彼女は、難事件と思われた事件を意図も容易く解決し、必ず彼より一歩先を進んでいく。彼女の勘はどこからくるのか?
    入官から退官までをまるでタンデムしているかのように二人で駆け抜けていく。
    そこにある感情は……。

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    2020年03月30日
  • 群青のタンデム

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    ネタバレ

    警察学校の同期の男女1組の定年後までの関係をそれまでのポイントとなる事件を絡めて描くという広大さに反してページ数が薄いのは、極端なまでに無駄を排しているからで、これが面白さに繋がっていればいいのだが、如何せん、読みづらさに繋がっているのが難。最終編にてある事件の意外な犯人が浮かび上がると共にその驚きの動機が分かるという構成なのだが、これがまた分かりにくい。ストーリィ的にもネタ的にも面白いのは確かなので、もっと違うアプローチで書かれていたらとと変に悔やまれるという謎の余韻を心に残すのだった。

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    2020年01月18日
  • 本格王2019

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    毎年ノベルスで出ていた『ベスト本格ミステリ』が、装いを変え今回から文庫になった。序文で「手に取り易いようにした」と書かれているが、結局縮小したって事だよね。収録作品も6編しかなく、創刊からずっと読み続けていたのでとても寂しい。
    尤も、6編に絞り込んだとも言えるので、作品の質は高かった。大山誠一郎さんがベスト。短いページの中で多重解決のフーダニットになっていて、それぞれの解答が納得出来てしまうハイ・クオリティ。大好きだ。白井智之さんのグロさも凄いなあ。フナムシ大食い競技の中での殺人なんて、普段何を考えていたら思いつくのだろう?(^-^)

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    2020年01月16日
  • 陽だまりの偽り

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    巻末の解説にもあるように各話どれも完成度が高くてよかったが、
    私は傍聞きを先に読んでからこちらを読んだので、どうしてもこの本の話のどれも傍聞きよりも劣ってしまうなと思ってしまい評価を☆3にしました。

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    2020年01月09日
  • 本格王2019

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    面白かった

    本格とあったから密室とか?とおもったら、シンプルにどんでん返しミステリーだった。既読もあったし、読みづらくパスした作品もあったけど、冒頭2作は面白かった。満足。

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    2019年12月08日
  • 陽だまりの偽り

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    タイトルの「陽だまりの偽り」が個人的に一番好き。
    毎回思うけど、短い話なのにミステリ的要素もさることながら人間ドラマが描かれていて面白い。

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    2019年12月03日