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Posted by ブクログ
『傍聞き』で短編としての完成度に惚れ、デビュー作へ。
やはり心地よい。
ひとつ50ページほど。登場人物が失敗し、隠そうとし、逃げようとする。そんな人間の弱さが物語を動かし、その先に「まさか」を用意する。起承転結をきっちり収める構成が巧い。
けれど、読み終えて残ったのは仕掛けの鮮やかさだけではなかった。
真相そのものにはそれほど驚かなかった「重い扉が」でも、最後に残った父子の絆がよかった。表題作でも、嘘から始まった話の最後に感じたのは人の優しさだった。
『傍聞き』では仕事と人間ドラマが強く印象に残ったが、本作では親子や家族の関係がより強く残る。
人間の弱さをミステリの仕掛けにしながら、それだけでは終わらせない。 50ページほどの中できれいに閉じる、その読後感が好きなんだと思う。
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