長岡弘樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
次回の読書会課題図書。
短編のミステリが4作、
表題作は08年日本推理作家協会賞短編部門受賞しているらしい。
短編ミステリは連作だと何作か読んだことがあったけど、完全単独の短編ミステリはあんまり読んだことなかったかも。
まず基本的に、めっちゃ読みやすい。
短編、しかもミステリだから謎の提示から読者が納得できるオチに至るまで、限られたページ数で書くのは凄くスキルがいることだろう。物語の背景をつらつら淡々と説明するわけでもなく、こちらの興味をひきながら自然に物語の世界へ導入する手腕、そしてそこここに散りばめられた伏線を短期間で回収していく構成力は本当に素晴らしいと思った。
ただ、個人的にはどの登場人物のことも好きになれなかった。
共感できないのもそうだけど、単純に、どの登場人物にたいしてもいい印象を持てなかったのだ。
特に「899」の主人公とその同僚。
あとは表題「傍聞き」の主人公の娘。
1番最初の「迷走」の義父もそうだな。
ある程度はしょうがないけど、
ちょっとその人たちの「行動」が、
物語に起きる「謎」のためにですよね感が強すぎて、
そんな回りくどいスタンドプレー現実にする人、いる??
でもまあ小説だしな…とも思いながら、
ただひたすら読みながらイライラした。
そして構成やアイデアは凄いな、と思うけど、結果的にはあまり好きじゃなかったな、という感想に落ち着く。
やっぱり自分の好みの傾向としては、テクニックやアイデア重視が不自然に目についてしまう短編より、登場人物に共感したり、親しみがわいてくる連作短編や、じっくり気長く物語を読ませる長編のほうなんだろうなと思った。
…まあ今後もっと凄い短編に出会えたら、この傾向も変わるかもしれんけど。
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Posted by ブクログ
捻りが効いた医療ミステリ短編、6編!
単なる謎解きではなくヒューマンドラマが盛り込まれて、どれも楽しめました。
■最後の良薬
地方の個人病院に勤める内科医。末期がんを患った女性の担当になります。
しかし、その治療には非協力的。
そんな彼女の過去の犯罪歴が..
ラストの驚く真相が..
これは、びっくり。やられました。
■涙の成分比
大学のバレーボール選手がトンネル事故に遭遇。同乗していた医者の姉は涙を流す彼女のほほにキス。そして、彼女を救いますが、結果、片足切断。
自暴自棄になった妹は入院先で姉に当たり散らしますが..
これも、刺さりました。
■小医は病を医し
相部屋になった二人。それぞれの過去、正体が徐々に明らかになります。
これは、あまり好きじゃない。
■ステップ・バイ・ステップ
うつ病を発症した研修医が病院に来れる様に、病院までの道のりの目標を決めて、徐々にその距離を伸ばしていく。
病院までのルートで明らかになる真相。
いろいろ不自然さが最後に結びつきます。
■彼岸の坂道
医療センター長の退職に伴って、後任のセンター長候補となる二人。どちらが後任となるのか?そんな最中にセンター長が大けが。誰がセンター長を傷つけたのか?
これは、あまり好きじゃない。
■小さな約束
腎不全の女性刑事。警察官の弟は腎臓を提供したいと彼女の主治医に申し出ますが、不一致。一方彼女は主治医とよい仲になりそうな感じ..
しかし、弟と一緒に釣りに行った主治医は海に落ちてしまい..
これはよかった。
真相が明らかになるとともに、そういうこと!?って驚きました。
ということで、
最後の良薬、涙の成分比、小さな約束
が好きな物語。
こうしたベタな展開、わりと好きです。
お勧めです! -
Posted by ブクログ
「傍聞き」「緋色の残響」などシングルマザー刑事・圭子とその娘・菜月を主人公にした5篇の連作短編。
刑事の圭子は仕方ないにしても、今回は菜月の周りの人が事件の関係者であるという確率が高すぎるのは相変わらず。出てきた瞬間に「こいつが犯人だ!」とわかるところもご愛嬌。
今回は大学で理学部に行った菜月の理系脳推理が冴える。トリックは偶然に頼りすぎていまいちかな。やっぱり長岡さんには犯罪を犯す人間の心の内を描いてほしい。
そして高校生の菜月が一話ごとに大学生、社会人(新聞記者)、そして小学生の母になるなど時間の経過が早すぎて戸惑う。
圭子も最終話では定年して再任用、そしてお祖母ちゃんだし、さてはこのシリーズ終わりにしたいのかとちょっと残念。
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Posted by ブクログ
「教場」シリーズの5冊目。
物語の時系列的に言うと「教場0」と「教場」の間となり、右目が義眼となった後にも続く“風間道場”での6つのお話。
もはやキムタクの顔を思い浮かべることなく読むことが出来ず、ドラマのほうはやや低調みたいだが、こちらはまずまず面白く読むことが出来た。
「教場0」の感想に『どのお話も風間が最初から全てお見通しのところがなんだが』と書いたがそこは相変わらず、捜査の進展も証拠が見つかるのもちょっとうまく行き過ぎというところはあるが、撒かれたネタの回収はフェアでそれぞれのお話は良く練られていたとは思う。
最終話では、みたび平優羽子が登場したり十崎の存在が仄めかされ続けたりで、最後まで緊迫感が保たれたが、結局十崎は登場せずちょっと肩透かし。その代わりに一枚の紙が出てきてうまいこと「教場」へと続く、てか。