長岡弘樹のレビュー一覧

  • 群青のタンデム
    短編集ではあるが、男女2人の同期警察官について、新任巡査の頃から退職までをたどる一種の長編小説にもなっている。個々の短編はそれなりに面白く、最後のオチも衝撃的ではあったが、全体的に説明不足で、なかなか読んでいても情景が思い浮かべられないことが多かった。そもそも誰が話しているのかがわかりにくい箇所もあ...続きを読む
  • 群青のタンデム
    成績を競い合う男女の警察官。友情でも愛情でもない二人の関係を結ぶものは何なのか。異色の警察小説。
    トリッキーな作風が特徴的な著者であるが、今回も一筋縄ではいかない。文体が硬いので、かなり読み手を選んでしまう。もう少し煮込んで柔らかくしてくれればっていつも思う。
  • 群青のタンデム
    警察学校時代からのライバルの2人の警官を主人公にした短編集だが、それぞれの話が長い年月の間に繋がっていき、全体としてひとつの物語になっているという構成。
    ラストは少し予想外の展開で、主人公のうちの一人がいつ真相に気づいていたのか気になる終わり方だった。
  • 群青のタンデム
    同期の男女警官の半生を描いた、連作短編ミステリ。
    キレのある伏線回収と意外な結末、事件の顛末に準えてなんらかのイクスキューズを掲げるスタイルと、デビュー作の頃の良さを器用に貫いている。
    また、30年という長い期間を厚くない短編集で書き通すというのも珍しいが悪くなかった。
    エピローグなんかは、薄々気づ...続きを読む
  • 陽だまりの偽り
    短編5編。「赤い刻印」がなかなか面白かったので読んでみたのですが、初期の作品のせいか今ひとつこなれていない印象を受けました。面白かったのは「プレイヤー」だけかなぁ。
  • 陽だまりの偽り
    長岡弘樹の連作短編ミステリ。
    デビュー作に限りなく近い雰囲気を持った作品集だった。
    悪くなっているわけでもないが、特に良くなっているわけでもない。
    ただ、舞台や人物設定が前作よりやや軟質なこともあり、今回のほうが印象はやや弱いか。
    今後に期待。
    3+
  • 線の波紋
    誘拐事件と刺殺事件が絡み合い真実に向かって動き出すミステリー。

    各事件とそれにまつわる人々の綿密な関係はさすが。

    なぜそんな行動をしたのか、なぜそんな顔をしたのか、全てにきちんと意味を持たせている。

    特にラストの死者の表情についてがそれを良く表現しているように思う。

    ただ、ストーリを含め全体...続きを読む
  • 傍聞き
    どの話も読み応えがありました。2012国内ミステリー部門第1位だそうですが、どちらかというと人間ドラマとして秀逸だと思います。
  • 線の波紋
    「傍聞き」に続いて2作目の長岡作品。

    登場人物のエピソードがややとっちらかったように
    感じられもしたが、「傍聞き」でも思われた、
    物語全体を貫く人間味・優しさのようなものが
    通っている印象だった。

    毒気の無いミステリー、かな。
  • 線の波紋
    それぞれ異なる登場人物の視点から4つの物語が進行して、最終章で幼女誘拐事件と会社員殺人事件の真相が明らかになるという実験的ミステリー小説。
    前半の2作品が非常に面白い。その反動で後半2作品が全く現実的でない。正俊とその母和子、そして恋人の女刑事亜矢子の設定に違和感ありすぎる。何故、サイコっぽくしたの...続きを読む
  • 線の波紋
    おもしろい!

     Why が弱い感じだが、主題はそこにはないんだろうなぁ。とにかく、それぞれの短編にはキチンとオチがあるし、それらをつないだ連作としてもピッタリおさまる精緻さがたまらない。

     特に第一話の「談合」は、伏線がピッタリ決まる爽快感が最高だなぁ。最後のエピローグで明かされる微笑みの謎も、...続きを読む
  • 陽だまりの偽り
    「傍聞き」で長岡さんのファンになり、2冊目を購入。たまたまだが、前回読んだ「陽だまりの彼女」に続き、またまた「陽だまり」のつく作品を読むことになった。最初の「陽だまりの偽り」と最後の「重い扉が」はまぁまぁ良かったが、短編ゆえ仕掛けが弱く、少々物足りない印象を受けた。「写心」は設定がありえにくく△。個...続きを読む
  • 陽だまりの偽り
    それぞれに人の心に隠されている機微とその表出の仕方が絶妙。
    謎解きも全てそこにかかっている。
    登場人物がいかにも現実でも遭遇しそうな”厭な奴”なので
    少々辛かった。
    だが、だからこそ傑作なのかもしれない。
  • 線の波紋
    物事はいろいろな角度から見てみないと、ほんとわからないもんだね。
    初めて読む作家さんでしたが、ほかにも読んでみようかな。
  • 陽だまりの偽り
    ミステリに分類したが、人は死なない系なので正直ここに分類していいのか迷う。
    ただ、小さなミスリードによって、ラストに小さな驚きのようなものを毎回与えてくれる作者だという認識でいる。
    長岡弘樹の本は『傍聞き』から入ったが、こちらも同じテイストであった。
    日常の中の人々のちょっとの不思議を描いている。
    ...続きを読む
  • 陽だまりの偽り
    物忘れがひどくなった老人、中学生の息子と意思疎通が図れない母親、市役所の駐車場を管理する課長、写真館の経営が苦しくなった店主、息子が傷害事件に巻き込まれた荒物屋店主。事件に巻き込まれるのは些細なきっかけだが、その裏にあった勘違いや思い込みや・・・というのが5つの短編ミステリーに共通したストーリー。こ...続きを読む
  • 陽だまりの偽り
    5編の短編集。
    どれも読みやすいが、中でも「陽だまりの偽り」がとても心温まるいい作品。嘘を隠すために嘘を重ねてしまう人間の悲しい性を描きながらも、作品のテーマは別のところにある。
    さらっと読める良い短編集です。
  • 陽だまりの偽り
    短編集。いづれも不慣れな犯罪を犯す主人公が躊躇い、戸惑いの果てに何らかの気づきを得るような内容。キャラもストーリーも差異があって飽きはしないが、すごく残るといったインパクトはない。軽く楽しめる本。
  • 傍聞き

    傍聞き

    初めて聞く言葉で勉強になりました!

    4つの話の中で傍聞きが一番良かったです!
    娘の優しさが伝わりました!