あらすじ
コンビニの店員が男にナイフを突きつけられるなか、電話の音が響いた。【でていいか】店長が差し出したメモを見ても、男はなぜか何も答えなかった──(「文字盤」)。自首という言葉を聞くと、あの出来事が芹沢の頭をよぎる。刑務官が押さなければならない3つのボタン──(「ラストストロー」)。など全7編。家族とは、いったい何か? 短編ミステリーの名手が放つ、情感豊かな犯罪小説集。
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Posted by ブクログ
通勤電車内で読む時は、乗り過ごしに注意!
短編小説の面白さは、手早く結果(満足感や感動、ちょとした恐怖やスッキリ感など)が得られること、それが実感できる本。
だからこそ、ラスト近くで読み止まらない。
この作家の短編は、小説のアイデア“そのもの”であって、描いた物語たちがキレキレなリズムに乗って一つ一つミステリーの醍醐味となって、読者を夢中にさせる。
7つの短編は「血縁」ということに何某か関わったストーリーで、親子、兄弟姉妹のちょっとした絡みがミステリーを盛り上げる。
(最後のお話「黄色い風船」はちょっと遠いが)
けっこう重い話ばかりなんだけど、読後は軽い。
Posted by ブクログ
親の介護、姉妹の葛藤、婿の反乱、等などの話が詰まった7編の短編集。
日常的に起こりそうな内容だが、多少無理もあるが考えさせられるストーリーばかりです。
印象に残っているのは
オンブダイ、血縁、32-2、黄色い風船。
どれもおもしろいが特にこの4編が後に残った。
「傍聞き」もおもしろかったが、流石、短編小説の巧者である長岡弘樹さんの短編は読みやすく内容が濃い。
次は何を読もうかなぁ?
Posted by ブクログ
オンブタイがお気に入り。題名だけでもなんかいやーな感じがするけど、ぞわぞわして、最後はこわーとなった。
短編だから、サクサク読めて世にも奇妙な物語的面白さ。
Posted by ブクログ
父の本棚から拝借した一冊。
長岡さんの作品は恐らく初めて読みますが、教場の作者と知りなるほど納得。
短編集は久しぶりでしたが、ゾクリとする人の怖さを描いたもの、ほっこりと心が温かくなるもの、それぞれにレベルが高く、全体のバランスもよいと思います。
文体も好きだったので、他の作品も読んでみたいです。
2020年17冊目。
Posted by ブクログ
切っても切れない絆
血縁をテーマにした短編犯罪集
コンビニ強盗はなぜ手書きのメモを読んで何も反応しなかったのか…「文字盤」
介護する父親を殺したのは…「苦いカクテル」
交通事故を起こした男の話…「オンブタイ」
姉の嫌いな妹と妹の嫌いな姉…「血縁」
3人の警察官の…「ラストストロー」
完全犯罪工作…「32-2」
犬に懐かれる男と死刑囚…「黄色い風船」
個人的には「オンブタイ」が一番面白かった。
視覚のない世界の恐ろしさ
そして最後にわかる恐怖
小説だからこそ描ける究極の推理小説だと思う!
Posted by ブクログ
家族や血縁が関係する作品7つから成る短編集。
なんとなくオチが読めてしまう展開も中にはあったけど、それでも最後まで一気に読んでしまった。
「オンブタイ」が、良い、これはとても良い。
話の展開も終わり方も、ジトっとしたミステリーがお好きな方におすすめ。
Posted by ブクログ
どれをとっても失望しない犯罪小説集と書かれた帯に惹かれ購入。
いやいや、怖い話が多くないですか?
でも、ほんとに内容は秀逸。なんか読まされたぁと思った。
家族なのに、家族だから?どちらもありかもしれないけど、妹を殺そうとするなよ。とか。血縁
32-2 はこのままの運命?つらい。
ラストストローと最後の黄色い風船は、後味が良くて、最後はすっきりしたかな。
Posted by ブクログ
長岡弘樹『血縁』集英社文庫。
家族という特殊な社会の中で起きる犯罪をテーマにした7編から成るミステリー短編集。
『文字盤』『苦いカクテル』『オンブタイ』『血縁』『ラストストロー』『32-2』『黄色い風船』を収録。
苦しい設定や無理な展開の短編もあるが、最後まで読ませる短編が並ぶ。しかし、気になるのはこの著者の文章からは犯罪は悪だというメッセージが1つも伝わってこないことだ。著者が余りにもミステリーとして犯罪を描こうと躍起になる余り、人間が本来持つべき犯罪に対する嫌悪感や憎悪が文章から欠如してしまっているように感じる。そのためか、ミステリーとしては面白いが、読後に嫌な感覚だけが強く残る短編が多いように思う。
本体価格660円
★★★★
Posted by ブクログ
「血縁」ということからもわかる家族をテーマにした短編集。
ちょっとした部分に巧妙な細工がある感じがする。
家族にも親子、兄弟、姉妹…色々ある。
そして、それに関わる様々な事象。
血縁関係であるからこその付き合いの難しさがある。
家族だから…家族なのに…それぞれの色々な立場で感じ方は違ってくるかもしれない。
2024.1.18
Posted by ブクログ
短編集
既読もあったけど、それ以外にインパクトがあったな。苦いカクテルって、非現実ではあるものの姉妹の親への想いが伝わって来て良かったし、ラストストローのどんでん返しも鮮やか。
逆に、32-2の意味がわからなかったり、黄色い風船のアクロバチックさは少し好みでは無いな。
でも、どれもキレの良い作品だ。アイデアが光るね。
Posted by ブクログ
ちょっといまいち
読後感がよくない(笑)、設定に納得いかない(笑)
家族をテーマに、7つの物語からなる短編集。
■文字盤
コンビニ強盗が店員にナイフを突きつけていた時に、電話が鳴り、店長が「でていいか」と書いたメモを見せながらも、強盗が答えない。
その理由は?
そして、その犯人は?
という展開。
しかし、動機がちょっと納得いかない。
■苦いカクテル
老父の介護に疲れた主人公の女性と妹の物語
父の死の犯人として、法廷で裁かれる姉。その弁護を務める妹。
そして法廷で明らかになる真実
これはよかった
■オンブタイ
酒を飲んだ後の自動車事故で同乗者を死亡させ、視力を失った男の物語。
男の末路はということですが、こんなことってある?
いまいち
■血縁
幼いころから姉に虐げられてきた妹の物語。
過失で老女を殺めてしまった妹、しかし姉がそれをかばう形に
ことの真相は?
ということですが、これ、かなりいまいち。
こんな姉妹関係ってあるの?
動機もよくわからない。
■ラストストロー
死刑執行を担当した退役刑務官の物語。
当時、死刑執行ボタンを押した二人と合わせて、毎月7日に集まって近況を語り合うが、今月は3人で集まれないかもという展開。
これは、重い話ではあるけれど、よかった
■32-2
一代で財を築き上げた母親に対して、その娘、婿、妹の物語。
とてもブラックな話ですが、これも現実感があまりない。
妹も変..
いまいち
■黄色い風船
これも刑務官の物語
死刑囚がガンのようだが、診断結果は健康。
その理由は?ことの真相は?
といった展開
これもちょっといまいち
ということで、読後感がいまいちです。
残念。