【感想・ネタバレ】交番相談員 百目鬼巴のレビュー

あらすじ

交番相談員が見抜く、警察官たちの闇と罪。
2025年度最注目の連作ミステリ短編集!

警察を定年退職し、非常勤の「交番相談員」として働いている百目鬼巴(どうめき・ともえ)。
見た目は普通のおばさんで、性格も穏やかだが、彼女には妙な噂があった。

「彼女には県警本部の刑事部長でも頭があがらない」
「現役時代には、未解決事件の捜査にあたってほしい、と熱烈なお呼びが掛かっていた」
「なぜか科学捜査の知識も豊富に有している」

半信半疑で一緒に働いていた若手警察官は、
しかしすぐにその噂が真実であることを知る。
彼女は卓越した洞察力で、目の前で起こっていることの
真相・裏側を立ちどころに見抜いてしまうのだ――。

『教場』シリーズの著者であり、
当代きっての短編ミステリの名手による、
新「警察小説」シリーズ、開幕です!

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Posted by ブクログ

読んで感じたことを一言で言えば百目鬼巴氏の洞察力と云うか著者の博識またひ企画力と云うかに感心した!但しこんな酷い警察官は実際にはいないよね!と思ってしまう。特にびっくりしたのは最後の 土中の座標だった。いやーしかし星五つだ❗️

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2025年09月07日

Posted by ブクログ

この本を読んで一番に感じた事は、
嘘は必ずバレると言うことでした。
バレていないようでも、分かる人には分かると
いった具合に表面化していないだけなのだと
痛感しました。
やはり、悪い事はするものではないなと改めて思いました。

0
2025年11月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 今年4月の刊行を見落としていた、長岡弘樹さんの新シリーズだそうである。警察物ではあるが、キーパーソンは、警察を定年退職し、非常勤で働く交番相談員。百目鬼巴(どうめきともえ)という名前とは裏腹に、見た目は普通で温厚だが…。

 「裏庭のある交番」は珍しいが、交番での警察官の自殺は時々耳にする。最近この手段はあまり聞かなくなった気がするが、その裏の真相とは。正直、百目鬼さんの説には少々無理があるが、それ以上に幕引きに突っ込みたくなったぞ。

 「瞬刻の魔」。ある事故の後、警察学校時代からのライバルが、列車に身を投げた。百目鬼が語った説は、隅々までごもっとも。彼に警察官として何の落ち度もないが、それでも苦い思いは残る。生涯、あれは食べられないでは…。

 「曲がった残効」。女性警察官が思いを寄せる相手が、勤務中に事故死した。どうしてたまたまそんな体験をし、どうして話してしまったのか…。彼女に直接の責任はなくても、生涯自身を責めるのでは。百目鬼よフォローして。

 「冬の刻印」。交番の近所の外科クリニックに、しょっちゅう世話になっていた彼が、骨折して手術を受けた。体調が悪化して亡くなった医師が残した、メッセージとは。百目鬼はわかっていたから急かしたのか。彼はこの後どうする。

 「嚙みついた沼」。彼が僻地の駐在所に異動を希望したのは、切実な理由があった。涙ぐましい努力は報われず、結局百目鬼があっさりと県警を動かしたのだが…。彼女は果たして何者か? 利用された「彼ら」も犠牲者だよなあ。

 「土中の座標」。彼が応援に行っていた駐在所に、土砂が流れ込んできた。ちょうどその時訪問者もいて…。その機器を使う機会はほぼなくなったが、なるほどねえ。百目鬼はとっくにわかっていて、こんな演出をしたわけである。

 罪を犯す警察官の多さに苦笑するが、ひねりが効いたシチュエーション数々は、初期の長岡作品を彷彿とさせる。百目鬼巴という元警察官に、風間と匹敵する凄みを感じた。『教場』シリーズに並ぶシリーズになるかもしれない。

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2025年08月28日

Posted by ブクログ

百目鬼巴=どうめきともえ
が、キーパーソンの連作短編集。
これは、シリーズ化や、ドラマ化するでしょうか?

ストーリーの初めに、謎解きのヒントが出てくるが、
全然、思いつかないでいると、
ラストで、なるほど~、となる。

それにしても、カミツキガメの役割には、驚いた。

正義の味方の警察官の日常と闇の部分が表現されているような?
その闇を、ズバッと百目鬼さんが、解決!

「土中の座標」が一番印象深かった。

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2025年08月12日

Posted by ブクログ

百目鬼巴…すごいインパクトのある名前ですよね。
名前の強さとは違い、現役を引退して相談員をしているのは初老の穏やかな女性で、彼女の観察眼がお見事です。6話の短編集なのでサラッと読めました。「曲がった残効」は切なかったです。そんな手があるのか!と思ったのは「土中の座標」。
教場もドラマ化で話題になったけど、まだ読んでないので手に取ってみようかな〜。

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2025年08月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

長岡さんの短編6篇、前作たち同様今回も切れ味抜群。

この相談員の切れ者っぷりに暑さも吹っ飛ぶような爽快感を感じます。
「ものごとをほじくり返すとろくなことがない」が信条で実際そのようにスルーしてしまう(いいのでしょうか。でも信条ではなく心情を取ったということか⋯)事件もあり、「この人何者感」が読めば読むほど深まっていきます。
ぜひ交番相談員になる以前の現役の頃の話も読みたいけれどいつか出ることはあるのかな⋯それはないのか。現役引退した相談員という立場で事件に向き合うからおもしろい小説になるということか。

ゾッとする話も結構あり「瞬刻の魔」「曲がった残効」、とりわけ「噛みついた沼」は食欲も暫く失せるほどゾッとなりました。
いやぁもうこの時期うってつけ(笑)

しかし各短編の主人公のような交番職員というか、警察官ばかりだったらタイヘン。現実では警察官の不祥事も最近結構報道されるので、小説で楽しむだけであってほしいですね。

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2025年07月08日

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教場っぽいと思ったら、筆者同じじゃん、と自分で突っ込んだw
後味が悪い、すごく悪いw
「曲がった残効」は切ないが、「噛みついた沼」が希望があるだろうか……
登場人物が百目鬼の他は毎回ちがうので、人名を覚えるのが苦手なわたしにはつらい。

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2025年07月06日

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警察を定年退職後相談員として交番で働いている百目鬼巴。
表立って活躍するわけではないが洞察力と経験で問題を解決していきます。
派手さはないですがとても面白かったです。

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2025年12月02日

Posted by ブクログ

いかめしいタイトルとは対照的に、かわいい装丁と色味。著者の本は初読みだけど面白かった!なんとなく「可燃物」と雰囲気が似てるかなぁと思った。
いろんな町の交番に相談員としてあらわれる百目鬼巴、見た目は普通で柔和なおばさん、という印象だけど推理力や洞察力が高く底知れない。最後まで彼女は何者なのか、ミステリアスなままなのが良い。
どの編も日常の謎的な雰囲気だけどしっかり人が死ぬ。鍵となるアイテムやキーワードも各話バリエーションに富んでいて、短編だけど読み応えがあった。

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2025年08月26日

Posted by ブクログ

定年後交番の相談員になった百目鬼巴が事件の真相を見抜く。が、ものごとをほじくり返すとろくなことがないからと、見抜くだけ。ずば抜けた洞察力でとても優秀で優しくいい人そうな反面、どことなく掴めない雰囲気で読めないところが怖いかも。交番勤務の警察官てこんなに事件ばかり起こすの…?ってくらい嫌な警察官が多くて不穏過ぎる。読みやすく知識が楽しく真相がわかる瞬間ゾッとさせてくれるのでとても面白い。淡々と、自分が犯した罪を暴かれたら恐ろしくなるだろうな。百目鬼さん、怖いです。でもとても頼りになる。シリーズ化してほしい。

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

あまり暑すぎるから、簡単に読めて捻りもあるし、深い考察もいらないから、夏にはぴったり。
悪い警官が多くて嫌になる。

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2025年08月02日

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「百目鬼巴」…その名からは巨漢で強い漢を想像するところであるが、そんなこともない。むしろ人当たりがよく正義感全開と言うこともないという、名は体を表すというが、むしろ真逆ななんとも捉え所の難しい警察OBの女性。
しかし、そんな彼女の推理力や洞察力は恐れ入る。
私が事件を解決しますという探偵的な雰囲気もなく、淡々と何事もなかったように解決する。
淡々とし過ぎてコミカルでもある。笑

是非、続編及び現役時代の百目鬼巴の難解事件などを書いてほしい!

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2025年07月28日

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後味が良くない短編集。ですが、百目鬼さんいいなあ。好きになりました。
百目鬼さんからの視点は描かれないのでどういう人物なのか何を考えているのかまったく分からないけど、私的にはそれが良かったです。
と言ってもやっぱり交通相談員になる前はどんな刑事(?)だったのか気になる。
シリーズものみたいなのでいずれ過去編も出てくるのかな。楽しみです。

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2025年07月23日

Posted by ブクログ

百目鬼巴(どうめき ともえ)
県警本部の各課を渡り歩き、定年後に非常勤で交番相談員として勤務する彼女。名前のイメージとは裏腹に穏やかな性格だが、実は刑事部長ですら頭が上がらない推理力を持つという…

「教場」を読んで以来の長岡弘樹さん。
交番を舞台に起こる事件を綴った連作短編集。
登場人物が少ないので犯人は察しがつくが、ふとしたところから真相にたどり着く百目鬼巴の観察力と洞察力に、読者も“犯人”もただひれ伏すのみ。「教場」では読みにくく感じた場面転換も、今回はスムーズな話運びに寄与しているように感じた。百目鬼巴、シリーズになりそうな予感…

◆裏庭のある交番
酸素×硫黄 混ぜるな危険

◆瞬刻の魔
“魔”の差し方が絶妙

◆曲がった残効
うわーっ!てなる。この後味の悪さが良い

◆冬の刻印
そんなところに○○する!?

◆噛みついた沼
ほんまかいな!とツッコミたくなるが…
その場面を想像するとエグい

◆土中の座標
倒叙もの。この状況下でこの手段を取る○○さんの刑事魂に…敬礼

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2025年07月17日

Posted by ブクログ

県警のOBである交番相談員の百目鬼が、行く先々の交番で起こる事件を解決していくという短編集。
短編って物足りないと感じることも多いが、この本は短編の良さがすごく生かされていて、スピード感がありどの話も面白かった。
短編なのであっという間に事件が解決してしまうんだけど、どの話もわりとヘビーな内容。
間って怖いな…とゾッとするような話ばかりだった。

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2025年07月02日

Posted by ブクログ

”どうめき ともえ”人の名前、読めないわっ。
元警察官、見た目は普通の穏やかなおばさん、でもどんな難解な事件も解決していく只者ではない。
交番にヘルプできてそこでおきる事件を(主に警官が犯人)
彼女の観察力と推理力で解決していくさまはお見事。
最後の「土中の座標」は囲碁の位置の数字で(電話のやりとりで)似顔絵を描き犯人の警察官の顔が描かれていたっていうのはほんまかいなと思ったけど、面白かった。
古典の名画「陽のあたる坂道」を彷彿とさせるストーリーだった。
これシリーズ化して欲しい。

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2025年07月01日

Posted by ブクログ

軽めのイヤミス、とゆう印象ですね。
謎は安楽探偵的な感じで主人公が解いてくれますが、謎も軽めで、先がよみやすいです。ので、読みやすかったです。
好みは分かれそうですが、私的には今の気分に合ってたので、良かったです。

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2025年12月12日

Posted by ブクログ


小気味良いテンポ、次々に暴かれる闇

警察を定年退職し、交番相談員として非常勤で働く彼女、見た目は普通のおばさん、性格も穏やかで、名前のみが怖そうなイメージ(笑)

ただ、彼女は、卓越した観察眼と洞察力で、全てを見ていた…

交番相談員が見抜く、警察官たちの闇と罪

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2025年11月25日

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経験豊富な元刑事(?)の百目鬼さん(女性:60代)の分析力を短編で読ませる。
百目鬼さんの過去が描かれていないので続編があると思わせる。

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2025年11月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これはイヤミスの類に分類すべきなんだろうか。
結末はどれも重い。
さすがにFAXの件はそんな無茶なとは思ったけども。

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2025年11月07日

Posted by ブクログ

読後感が重かった。定年退職した百目鬼 巴。定年退職後は交番相談員をしている。60代の名前とは真逆の、穏やかそうな印象。とはいえ、周りで殺人起こりまくっても、淡々と、真相に到着する。長年の友人が殺されても淡々と、感情の起伏が感じられず、何か怖さがある。

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2025年09月16日

Posted by ブクログ

警察を定年退職し、OGとして非常勤の「交番相談員」として働く百目鬼巴が活躍する短編集。

みなさんの評価が高い長岡さんの代表作『教場』を読んだことがなく、ドラマも見たことがないので、長岡さんの警察が舞台の作品とはどんなものかと思い手に取った。

想像していたよりも単純であっさりしていて、ミステリー好きには物足りないと思う。どの短編も読み始めてすぐに先が何となくわかってしまう。ミステリー初心者には良いかもしれないけど。

シリーズ化されそうだから、これから謎の多い百目鬼さんの過去が明らかになるのかな。でも、次作が出ても読むかどうか悩みそう。

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2025年09月06日

Posted by ブクログ

読みやすいけどちょっと物足りない。短編集ゆえに伏線があからさまなのが多いからかな。『冬の刻印』と『土中の座標』は意外で良かった。
日常の謎が多いのかと思ったら、重い話ばっかりだった。フィクションだけど警察はこんなにやばい人ばっかりなのかと不安になる。

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2025年08月29日

Posted by ブクログ

百目鬼さんという交番相談員が事件を解決する短編がまとめられた一冊です。何気ない日常の一部に、犯人を見つける手がかりが隠されていて、推理の答え合わせをしながら読み進められるのが面白いです。よく読めば伏線だらけなので、きっと読みながら犯人を言い当てられるはず。

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2025年08月15日

Posted by ブクログ

百目鬼さんの洞察力と経験が事件を解決はするんだけど
なんか悲しい気持ちになった。
犯人が確かに悪いし同情できない動機だったりもするのに
なぜなのか、人間の愚かしさと哀れみを感じた。

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2025年08月09日

Posted by ブクログ

短編だからなのか、百目鬼さんの描写が少ないのでまだキャラが立っていないのが残念

あと設定上、仕方がないのか、警官は悪い人ばっかりだなと思いました

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2025年07月20日

Posted by ブクログ

ぞくっとする話ばかりだった。瞬刻の魔が一番面白かった。土中の座標は無理があるような、、でも百目鬼さんだったら出来そう。

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2025年07月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

警察を定年退職した後、非常勤の交番相談員として働く百目鬼巴。有能な警察官だった百目鬼は、行く先々で警察官が起こす事件を鮮やかに解決する‥。

1話目は、先輩からのパワハラが原因で自殺した親友の仇を取った、警官の話。百目鬼は、張本人に推理を披露するも、どうもしないと言う。あ、見逃すんだ、とちょっと引いてしまった。確かに同情の余地はあるんだけど。本当に「教場」と同じ人が書いたのか?とすら思ってしまい、テンション下降。

短編集だから、サクサク読める。でも事件の内容は重いし、短編のせいか百目鬼のキャラクターが立ち上がって来ない。もう少し長めの話で、百目鬼の人となりをもっと深掘りしてほしかった。
唯一、カミツキガメの出てくる話は警官が悪さをするわけではなく、後味が良い。こういう話をもっと読みたかったと思う。

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2025年07月05日

Posted by ブクログ

やはり長岡作品は肌にあわない。百目鬼巴というキャラは良いと思うし、事件自体も無理のないものだが、その推理力と千里眼のような特異さは無理筋で荒唐無稽さが際立つ。不自然な謎解きを見せられているようでだんだん不快になる。次は面白いかもと思い「教場」から何冊か読んだが、もう読まないだろう。

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2025年07月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【収録作品】裏庭のある交番/瞬刻の魔/曲がった残効/冬の刻印/嚙みついた沼/土中の座標

警察を定年退職し、非常勤の交番相談員として働く百目鬼巴は見た目はふつうの優しげなおばさんだが、卓越した洞察力をもっている。
交番内部でのパワハラ、脱法ハーブ、逆さ眼鏡、意外な場所に残されたメモ、カミツキガメ、似顔絵の伝え方と、短編でテーマがはっきりしており、フェアに描かれているので、展開は読めるが、それでも十分面白い。

そして「教場」シリーズと異なり、交番相談員という立場や「ものごとをほじくり返すと、ろくなことがない」という考えから、「見逃す」という選択肢もあるのがいい(もちろん、甘い見逃しではなくて)。

ただ、「土中の座標」は、もう一ひねりして結末をひっくり返してほしかった。

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2025年06月21日

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