長岡弘樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『教場』は、2013年ミステリーベスト10の第1位になった短編ミステリ小説。
あっさり展開のなかに「え?」と思わせるトリックがあって、とっても面白かった!
著者の長岡弘樹氏は山形県在住。
文体や展開に派手さはなく、物語の核心をトリックに置いているところも、警察モノなのも、横山秀夫臭がぷんぷんして、こういう物語は好きだ。
教官の風間公親が、警察学校で起こる事件をそれとなく解決する物語で、ドラマ版だとキムタクが演じているからオーラたっぷり。
原作小説では、まるで風のようにやってきて、事の真相をあっさりと見抜く、冷徹なのか紳士的なのか本性がよくわからない正体不明の白髪教官といった感じ。
この -
Posted by ブクログ
『傍聞き』で小学生だった葉月が高校生へとぐんと成長しております。それもそのはず、葉月 中学生編の『緋色の残響』を飛ばしたようです!
どんまい!
こちら5編からなる短編集。
それぞれの章で葉月が高校生から一人娘の親になるまでが描かれています。葉月とシングルマザー刑事の母 啓子がお互いの行動や言葉から閃きを得て事件を解決していきます。
今回も犯人と謎解きのヒントは話の序盤でわかるので、親子の会話からどうやって犯人逮捕まで繋げるのかを楽しむ感じなんでしょうね。
とはいえ葉月の成長に合わせて葉月の周りで事件が起きるので、身近な人ばかりが被害者だったり加害者だったりで あの少年名探偵でさえも(ba -
Posted by ブクログ
長岡弘樹『つながりません スクリプター事件File』ハルキ文庫。
映画製作現場で活躍するスクリプターの真野韻を主人公にした連作短編ミステリー。
相変わらず読者などには全くお構いなく、置いてけぼりを喰らわせるような描写が連続する。何時も以上に訳が解らず、余りにも欲張り過ぎているような感じで、連作短編ミステリーとしては成立していないような気がする。
主演女優が映画で縊死による自殺を図るシーンの練習で起きた事故、カースタントマンから転身した男優が付き合っていた女性と別れようとして揉める事件、撮影所近くで起きた轢き逃げ事件。次々と事件は起きるが、全てが放置されたまま物語はどんどん進んでいく。