長岡弘樹のレビュー一覧
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『教場』シリーズ第6弾。
T県警警察学校教官に、捜査1課・刑事指導官・風間公親が着任した。
野心と希望に燃えて、入校した生徒たちは風間の下で、何人が生き残れるのか⁇
風間はどこまでお見通しなのか…
風間にはすべてが見えているようだ。
なぜ、風間がそれを…ということまで知っている。
まるでその場で見ていたかのように。
まるでその場で聞いていたかのように。
こんな教官だったら、心休まる時はないだろう…
そして、警察官の適性がないもの、他のことが向いていると思ったものに退校を命じる。
ほとんど残らないのでは⁇と思ったくらいだ。
相手の僅かな言動から嘘を見破る風間の観察眼は、恐ろしい程鋭い。 -
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短編集。
ミステリの短編集って、あたりはずれが大きい(と思っている)。
これはあたり。というか、長岡弘樹さんの短編ははずれなしだよね。
なんとなく違和感のある話が続き、だんだん疑惑が確信に変わっていき、最後にそういうことかと納得できる。
この本は繋がりのない短編を集めたものだけど、すべてそういうお話の構成になっている。
波形の声っていうのは、本当にそんな実験で録音再生できるのか?
最後の小学生からのメッセージは泣いた。一言だけでも、心にくるよね。
自分自身も、小学2年の時に短期間だけ(担任の妊娠出産で)臨時で来てくれてた先生いたなぁと思い出す。
名前が「みか」だから、皆「みかん先生」って呼 -
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百目鬼巴(どうめき ともえ)
県警本部の各課を渡り歩き、定年後に非常勤で交番相談員として勤務する彼女。名前のイメージとは裏腹に穏やかな性格だが、実は刑事部長ですら頭が上がらない推理力を持つという…
「教場」を読んで以来の長岡弘樹さん。
交番を舞台に起こる事件を綴った連作短編集。
登場人物が少ないので犯人は察しがつくが、ふとしたところから真相にたどり着く百目鬼巴の観察力と洞察力に、読者も“犯人”もただひれ伏すのみ。「教場」では読みにくく感じた場面転換も、今回はスムーズな話運びに寄与しているように感じた。百目鬼巴、シリーズになりそうな予感…
◆裏庭のある交番
酸素×硫黄 混ぜるな危険
◆瞬刻 -
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通勤電車内で読む時は、乗り過ごしに注意!
短編小説の面白さは、手早く結果(満足感や感動、ちょとした恐怖やスッキリ感など)が得られること、それが実感できる本。
だからこそ、ラスト近くで読み止まらない。
この作家の短編は、小説のアイデア“そのもの”であって、描いた物語たちがキレキレなリズムに乗って一つ一つミステリーの醍醐味となって、読者を夢中にさせる。
7つの短編は「血縁」ということに何某か関わったストーリーで、親子、兄弟姉妹のちょっとした絡みがミステリーを盛り上げる。
(最後のお話「黄色い風船」はちょっと遠いが)
けっこう重い話ばかりなんだけど、読後は軽い。 -
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大好きな警察小説のアンソロジー。
新たな作家さん発掘も兼ねて。
①佐々木譲さん『弁解すれば』
初めましての作家さん。
これはシリーズ作品の1つ。
他者の心に協調し過ぎてしまう警察官の話。
続きが気になるので今後読む予定
②乃南アサさん『青い背広で』
こちらも初めましての作家さん。
人気シリーズ主人公の若かりし頃の話のよう。
シリーズのファンで無いとあまりピンと来ないかも。
③松嶋智左さん『刑事ヤギノメ』
こちらも初めましての作家さん。
面白かった。けど、短編ではもったいないかも。長編で読みたい。
今のところシリーズは無さそう。
④大山誠一郎さん『三十年目の自首』
こちらも初めましての作 -
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長岡弘樹『巨鳥の影』徳間文庫。
あの手この手で伏線を張り巡らし、結末を読んで思わず二度読みさせるようなミステリー短編の名手による8編収録の短編集。当然、当たりの短編もあれば、外れの短編もある。そういう意味で全てが当たりの短編だった『傍え聞き』は類稀なる傑作だったと言えよう。
『巨鳥の影』。缶詰工場で発生した三百万円の盗難事件を巡るミステリー。記述されていることのどれもが伏線のようにも思える。聞き慣れない鳥の鳴き声、ギャンブル好きの先輩刑事の借金、携帯電話のブラインド・タッチ・メール。予想は半分当たり、半分外れた。なかなか見事なプロットである。
『死んでもいい人なんて』。何という結末なの