長岡弘樹のレビュー一覧

  • 緋色の残響

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    長岡弘樹さんといえば『教場』シリーズが有名だが、短編集「傍聞き」の中に登場したシングルマザー刑事の啓子と一人娘の菜月の親娘が印象に残った。この『緋色の残響』はそのコンビが全編の主役を飾る連作短編集であり。小学生だった菜月は中学生となり、新聞部に所属、今回も母親である啓子の追う事件の解決のヒントになる活躍をする。まあ、この母娘の周りで事件が起きすぎるし、凶悪な犯罪は起こらないが…

    テレビドラマ化したら面白そうかな。母の刑事役は吉田羊、娘は當間あみがいいなあ。←もう決めている(笑)

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    2025年09月03日
  • 教場2

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    「教場」を読んでから随分と経ってしまったけど、その第二作目「教場2」を読み終えた。
    今作の風間教場はかなり優しくなったような気がした。
    ストーリーはほとんど覚えてないけど、「1」の時はとても恐ろしい、容赦のない印象を受けたことはとても強く残っている。
    現実の教場は、この本のような状況なのだろうか。
    コンプライアンス的に絶対アウトじゃないかと思いながらも、説教も暴力も懲罰も何も知らない緩く甘い人間が警察官をやっているのも何だか恐ろしいなと、ちょっと現実を哀れむ1冊だった。

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    2025年09月03日
  • 新・教場

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     風間さんにまた会えました。
     今回は直接の指導から一歩控えて生徒との間に助教授がいる。風と凪、今回は名前の一文字が表す雰囲気を逆にするそうだ。関係ないが、鬼滅の刃で凪の技を持っている柱がいた。静かに相手をバッサリと切る点は近いかもしれない。切れ味は未だ健在だ。
     警察学校に入る前に表彰ものの活躍をした生徒。どこで確認するのか細かい情報と目の前の本人とを照合したであろう仮説。確定の判断をした根拠は風間さんでなければ起こらない発想だろう。
     スポーツに長けた者の執念と浅はかさ、永年の経験から確たる意思に基づいて実行する偽り。若輩者であるが故の過ちを見逃さない隻眼。長い目でみれば優しさに満ちた処置

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    2025年09月02日
  • 交番相談員 百目鬼巴

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    いかめしいタイトルとは対照的に、かわいい装丁と色味。著者の本は初読みだけど面白かった!なんとなく「可燃物」と雰囲気が似てるかなぁと思った。
    いろんな町の交番に相談員としてあらわれる百目鬼巴、見た目は普通で柔和なおばさん、という印象だけど推理力や洞察力が高く底知れない。最後まで彼女は何者なのか、ミステリアスなままなのが良い。
    どの編も日常の謎的な雰囲気だけどしっかり人が死ぬ。鍵となるアイテムやキーワードも各話バリエーションに富んでいて、短編だけど読み応えがあった。

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    2025年08月26日
  • 新・教場2

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    風間公親シリーズの最新刊。
    いつもながら風間教官の洞察力の凄さを思い知らされた。
    中でも会意のトンネルと金盞花の迷いがよかったと思う。

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    2025年08月24日
  • 新・教場

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    『教場』シリーズ第6弾。

    T県警警察学校教官に、捜査1課・刑事指導官・風間公親が着任した。

    野心と希望に燃えて、入校した生徒たちは風間の下で、何人が生き残れるのか⁇

    風間はどこまでお見通しなのか…
    風間にはすべてが見えているようだ。
    なぜ、風間がそれを…ということまで知っている。
    まるでその場で見ていたかのように。
    まるでその場で聞いていたかのように。
    こんな教官だったら、心休まる時はないだろう…

    そして、警察官の適性がないもの、他のことが向いていると思ったものに退校を命じる。
    ほとんど残らないのでは⁇と思ったくらいだ。

    相手の僅かな言動から嘘を見破る風間の観察眼は、恐ろしい程鋭い。

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    2025年08月15日
  • 新・教場2

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    警察学校の短編集。風間教室の面々が一見普通に見えたあるいはうまく隠したはずの事を風間によって明らかにされ予想外の結末を迎えていく。今回は十崎を捕まえたチームの風間の教え子達が警察学校へ講義に来るが、その内容も一つ一つの短編に関連していて面白かった。4.0

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    2025年08月14日
  • 交番相談員 百目鬼巴

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    定年後交番の相談員になった百目鬼巴が事件の真相を見抜く。が、ものごとをほじくり返すとろくなことがないからと、見抜くだけ。ずば抜けた洞察力でとても優秀で優しくいい人そうな反面、どことなく掴めない雰囲気で読めないところが怖いかも。交番勤務の警察官てこんなに事件ばかり起こすの…?ってくらい嫌な警察官が多くて不穏過ぎる。読みやすく知識が楽しく真相がわかる瞬間ゾッとさせてくれるのでとても面白い。淡々と、自分が犯した罪を暴かれたら恐ろしくなるだろうな。百目鬼さん、怖いです。でもとても頼りになる。シリーズ化してほしい。

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    2025年08月11日
  • 波形の声

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    短編集。
    ミステリの短編集って、あたりはずれが大きい(と思っている)。
    これはあたり。というか、長岡弘樹さんの短編ははずれなしだよね。

    なんとなく違和感のある話が続き、だんだん疑惑が確信に変わっていき、最後にそういうことかと納得できる。
    この本は繋がりのない短編を集めたものだけど、すべてそういうお話の構成になっている。
    波形の声っていうのは、本当にそんな実験で録音再生できるのか?
    最後の小学生からのメッセージは泣いた。一言だけでも、心にくるよね。

    自分自身も、小学2年の時に短期間だけ(担任の妊娠出産で)臨時で来てくれてた先生いたなぁと思い出す。
    名前が「みか」だから、皆「みかん先生」って呼

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    2025年08月03日
  • 教場X 刑事指導官・風間公親

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     コロンボ風、古畑風の推理過程を読者に楽しませてくれる話の運び。煽る風間と見抜く若手の思考のタイマンはどの話も面白かった。若い優秀な頭脳が背水の陣になると急激に回転して一気に事実にたどり着く瞬間は読み手も本人になったかのような爽快感を味わえる。
     隻眼の鬼講師が教場に来た背景がさりげなく記されていた。

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    2025年08月03日
  • 交番相談員 百目鬼巴

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    あまり暑すぎるから、簡単に読めて捻りもあるし、深い考察もいらないから、夏にはぴったり。
    悪い警官が多くて嫌になる。

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    2025年08月02日
  • 殺人者の白い檻

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    あくまで冷静な筆致で淡々と進む物語が最終盤で急展開する。この作者にしては珍しい長篇だったが、命を預かるドクターとナース兄妹の心情も描き一気読みでした。

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    2025年07月29日
  • 交番相談員 百目鬼巴

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    「百目鬼巴」…その名からは巨漢で強い漢を想像するところであるが、そんなこともない。むしろ人当たりがよく正義感全開と言うこともないという、名は体を表すというが、むしろ真逆ななんとも捉え所の難しい警察OBの女性。
    しかし、そんな彼女の推理力や洞察力は恐れ入る。
    私が事件を解決しますという探偵的な雰囲気もなく、淡々と何事もなかったように解決する。
    淡々とし過ぎてコミカルでもある。笑

    是非、続編及び現役時代の百目鬼巴の難解事件などを書いてほしい!

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    2025年07月28日
  • 新・教場

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    厳しい任務につくべき生徒は、やはり選別しなくてはならないし、選別から漏れたものの人生を壊してしまってはならない。組織における教育というものについて、深く考えさせられるシリーズだ。
    ただ、小説としては型にハマりすぎているため、この先の展開をどう創るか、作者としては難しそうだ。

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    2025年07月26日
  • 交番相談員 百目鬼巴

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    後味が良くない短編集。ですが、百目鬼さんいいなあ。好きになりました。
    百目鬼さんからの視点は描かれないのでどういう人物なのか何を考えているのかまったく分からないけど、私的にはそれが良かったです。
    と言ってもやっぱり交通相談員になる前はどんな刑事(?)だったのか気になる。
    シリーズものみたいなのでいずれ過去編も出てくるのかな。楽しみです。

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    2025年07月23日
  • 新・教場

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    風間教官の教場デビュー。これまでと違い主人公は全編通して2年目の助教。教える立場でもあり、教わる立場でもある。というのが、読者の目線に近いのか…

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    2025年07月19日
  • 交番相談員 百目鬼巴

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    百目鬼巴(どうめき ともえ)
    県警本部の各課を渡り歩き、定年後に非常勤で交番相談員として勤務する彼女。名前のイメージとは裏腹に穏やかな性格だが、実は刑事部長ですら頭が上がらない推理力を持つという…

    「教場」を読んで以来の長岡弘樹さん。
    交番を舞台に起こる事件を綴った連作短編集。
    登場人物が少ないので犯人は察しがつくが、ふとしたところから真相にたどり着く百目鬼巴の観察力と洞察力に、読者も“犯人”もただひれ伏すのみ。「教場」では読みにくく感じた場面転換も、今回はスムーズな話運びに寄与しているように感じた。百目鬼巴、シリーズになりそうな予感…

    ◆裏庭のある交番
    酸素×硫黄 混ぜるな危険

    ◆瞬刻

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    2025年07月17日
  • 新・教場

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    シリーズ6冊目 
    時系列で言うと「0」「X」に続く3番目
    初赴任時から切れ者教官だったのね...

    毎回ホントにこんな学生いるの?って感じですが
    変わらず面白かった
    ラストがさらっとしてるのは続編への布石なのかな

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    2025年07月10日
  • 交番相談員 百目鬼巴

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    県警のOBである交番相談員の百目鬼が、行く先々の交番で起こる事件を解決していくという短編集。
    短編って物足りないと感じることも多いが、この本は短編の良さがすごく生かされていて、スピード感がありどの話も面白かった。
    短編なのであっという間に事件が解決してしまうんだけど、どの話もわりとヘビーな内容。
    人間って怖いな…とゾッとするような話ばかりだった。

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    2025年07月02日
  • 交番相談員 百目鬼巴

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    ”どうめき ともえ”人の名前、読めないわっ。
    元警察官、見た目は普通の穏やかなおばさん、でもどんな難解な事件も解決していく只者ではない。
    交番にヘルプできてそこでおきる事件を(主に警官が犯人)
    彼女の観察力と推理力で解決していくさまはお見事。
    最後の「土中の座標」は囲碁の位置の数字で(電話のやりとりで)似顔絵を描き犯人の警察官の顔が描かれていたっていうのはほんまかいなと思ったけど、面白かった。
    古典の名画「陽のあたる坂道」を彷彿とさせるストーリーだった。
    これシリーズ化して欲しい。

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    2025年07月01日