長岡弘樹のレビュー一覧

  • 教場2

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    「教場」を読んでから随分と経ってしまったけど、その第二作目「教場2」を読み終えた。
    今作の風間教場はかなり優しくなったような気がした。
    ストーリーはほとんど覚えてないけど、「1」の時はとても恐ろしい、容赦のない印象を受けたことはとても強く残っている。
    現実の教場は、この本のような状況なのだろうか。
    コンプライアンス的に絶対アウトじゃないかと思いながらも、説教も暴力も懲罰も何も知らない緩く甘い人間が警察官をやっているのも何だか恐ろしいなと、ちょっと現実を哀れむ1冊だった。

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    2025年09月03日
  • 新・教場

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     風間さんにまた会えました。
     今回は直接の指導から一歩控えて生徒との間に助教授がいる。風と凪、今回は名前の一文字が表す雰囲気を逆にするそうだ。関係ないが、鬼滅の刃で凪の技を持っている柱がいた。静かに相手をバッサリと切る点は近いかもしれない。切れ味は未だ健在だ。
     警察学校に入る前に表彰ものの活躍をした生徒。どこで確認するのか細かい情報と目の前の本人とを照合したであろう仮説。確定の判断をした根拠は風間さんでなければ起こらない発想だろう。
     スポーツに長けた者の執念と浅はかさ、永年の経験から確たる意思に基づいて実行する偽り。若輩者であるが故の過ちを見逃さない隻眼。長い目でみれば優しさに満ちた処置

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    2025年09月02日
  • 交番相談員 百目鬼巴

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    いかめしいタイトルとは対照的に、かわいい装丁と色味。著者の本は初読みだけど面白かった!なんとなく「可燃物」と雰囲気が似てるかなぁと思った。
    いろんな町の交番に相談員としてあらわれる百目鬼巴、見た目は普通で柔和なおばさん、という印象だけど推理力や洞察力が高く底知れない。最後まで彼女は何者なのか、ミステリアスなままなのが良い。
    どの編も日常の謎的な雰囲気だけどしっかり人が死ぬ。鍵となるアイテムやキーワードも各話バリエーションに富んでいて、短編だけど読み応えがあった。

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    2025年08月26日
  • 新・教場

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    『教場』シリーズ第6弾。

    T県警警察学校教官に、捜査1課・刑事指導官・風間公親が着任した。

    野心と希望に燃えて、入校した生徒たちは風間の下で、何人が生き残れるのか⁇

    風間はどこまでお見通しなのか…
    風間にはすべてが見えているようだ。
    なぜ、風間がそれを…ということまで知っている。
    まるでその場で見ていたかのように。
    まるでその場で聞いていたかのように。
    こんな教官だったら、心休まる時はないだろう…

    そして、警察官の適性がないもの、他のことが向いていると思ったものに退校を命じる。
    ほとんど残らないのでは⁇と思ったくらいだ。

    相手の僅かな言動から嘘を見破る風間の観察眼は、恐ろしい程鋭い。

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    2025年08月15日
  • 交番相談員 百目鬼巴

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    定年後交番の相談員になった百目鬼巴が事件の真相を見抜く。が、ものごとをほじくり返すとろくなことがないからと、見抜くだけ。ずば抜けた洞察力でとても優秀で優しくいい人そうな反面、どことなく掴めない雰囲気で読めないところが怖いかも。交番勤務の警察官てこんなに事件ばかり起こすの…?ってくらい嫌な警察官が多くて不穏過ぎる。読みやすく知識が楽しく真相がわかる瞬間ゾッとさせてくれるのでとても面白い。淡々と、自分が犯した罪を暴かれたら恐ろしくなるだろうな。百目鬼さん、怖いです。でもとても頼りになる。シリーズ化してほしい。

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    2025年08月11日
  • 波形の声

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    短編集。
    ミステリの短編集って、あたりはずれが大きい(と思っている)。
    これはあたり。というか、長岡弘樹さんの短編ははずれなしだよね。

    なんとなく違和感のある話が続き、だんだん疑惑が確信に変わっていき、最後にそういうことかと納得できる。
    この本は繋がりのない短編を集めたものだけど、すべてそういうお話の構成になっている。
    波形の声っていうのは、本当にそんな実験で録音再生できるのか?
    最後の小学生からのメッセージは泣いた。一言だけでも、心にくるよね。

    自分自身も、小学2年の時に短期間だけ(担任の妊娠出産で)臨時で来てくれてた先生いたなぁと思い出す。
    名前が「みか」だから、皆「みかん先生」って呼

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    2025年08月03日
  • 教場X 刑事指導官・風間公親

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     コロンボ風、古畑風の推理過程を読者に楽しませてくれる話の運び。煽る風間と見抜く若手の思考のタイマンはどの話も面白かった。若い優秀な頭脳が背水の陣になると急激に回転して一気に事実にたどり着く瞬間は読み手も本人になったかのような爽快感を味わえる。
     隻眼の鬼講師が教場に来た背景がさりげなく記されていた。

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    2025年08月03日
  • 殺人者の白い檻

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    あくまで冷静な筆致で淡々と進む物語が最終盤で急展開する。この作者にしては珍しい長篇だったが、命を預かるドクターとナース兄妹の心情も描き一気読みでした。

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    2025年07月29日
  • 新・教場

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    厳しい任務につくべき生徒は、やはり選別しなくてはならないし、選別から漏れたものの人生を壊してしまってはならない。組織における教育というものについて、深く考えさせられるシリーズだ。
    ただ、小説としては型にハマりすぎているため、この先の展開をどう創るか、作者としては難しそうだ。

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    2025年07月26日
  • 新・教場

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    風間教官の教場デビュー。これまでと違い主人公は全編通して2年目の助教。教える立場でもあり、教わる立場でもある。というのが、読者の目線に近いのか…

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    2025年07月19日
  • 新・教場

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    シリーズ6冊目 
    時系列で言うと「0」「X」に続く3番目
    初赴任時から切れ者教官だったのね...

    毎回ホントにこんな学生いるの?って感じですが
    変わらず面白かった
    ラストがさらっとしてるのは続編への布石なのかな

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    2025年07月10日
  • 巨鳥の影

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    八つの物語を集めた短篇集
    それぞれの最後のページを読み終えた時に
    なる程という思いだけでない何かが残っている。なに?これ

    四つ読んだところで
    何となく思い付いたのが
    物語の続きのイメージが浮かぶのだ
    それも複数
    ふーん。面白いじゃないですか☆☆

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    2025年06月23日
  • 教場0 刑事指導官・風間公親

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     ドラマは数話視聴済み。確かにスペシャルより連続ドラマ向きな内容だった。原作の方があっさりしていた。「仮面の軌跡」はトリック先行で、タブレットにサインを残すなんて理由はこじつけにしか思えなかったが、1番印象に残る。風間は初見で真相に到達しているのか。優秀すぎて恐ろしい。「三枚の画廊の絵」のように感情に揺さぶりをかけるような手法も用いることもできるなんて。冷徹なだけでなく、心の機微を知り尽くした風間に最早弱点は存在するのか。

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    2025年06月17日
  • 血縁

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    通勤電車内で読む時は、乗り過ごしに注意!

    短編小説の面白さは、手早く結果(満足感や感動、ちょとした恐怖やスッキリ感など)が得られること、それが実感できる本。
    だからこそ、ラスト近くで読み止まらない。

    この作家の短編は、小説のアイデア“そのもの”であって、描いた物語たちがキレキレなリズムに乗って一つ一つミステリーの醍醐味となって、読者を夢中にさせる。

    7つの短編は「血縁」ということに何某か関わったストーリーで、親子、兄弟姉妹のちょっとした絡みがミステリーを盛り上げる。
    (最後のお話「黄色い風船」はちょっと遠いが)

    けっこう重い話ばかりなんだけど、読後は軽い。

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    2025年06月17日
  • 球形の囁き

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    5編の連作短編集。シングルマザーの啓子と娘の菜月の物語。高校生だった菜月が大人になり新聞記者として刑事事件に関わる。母を尊敬してこれからもどんどん成長していってほしい。

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    2025年06月16日
  • 殺人者の白い檻

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    6年前に両親を殺害された脳外科医の敦也と看護師の奈々穂の兄妹の二人が主人公。そんな二人の前に犯人が患者として運ばれてきた。患者の正体を知らない敦也と正体を知る奈々穂。後半は物語が急展開する。人が生死をさまよう時に必要なのは人の温もり。二人がとった行動に感動した。

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    2025年06月12日
  • 戸惑いの捜査線 警察小説アンソロジー

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    大好きな警察小説のアンソロジー。
    新たな作家さん発掘も兼ねて。

    ①佐々木譲さん『弁解すれば』
    初めましての作家さん。
    これはシリーズ作品の1つ。
    他者の心に協調し過ぎてしまう警察官の話。
    続きが気になるので今後読む予定

    ②乃南アサさん『青い背広で』
    こちらも初めましての作家さん。
    人気シリーズ主人公の若かりし頃の話のよう。
    シリーズのファンで無いとあまりピンと来ないかも。

    ③松嶋智左さん『刑事ヤギノメ』
    こちらも初めましての作家さん。
    面白かった。けど、短編ではもったいないかも。長編で読みたい。
    今のところシリーズは無さそう。

    ④大山誠一郎さん『三十年目の自首』
    こちらも初めましての作

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    2025年05月27日
  • 巨鳥の影

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    長岡弘樹『巨鳥の影』徳間文庫。

    あの手この手で伏線を張り巡らし、結末を読んで思わず二度読みさせるようなミステリー短編の名手による8編収録の短編集。当然、当たりの短編もあれば、外れの短編もある。そういう意味で全てが当たりの短編だった『傍え聞き』は類稀なる傑作だったと言えよう。


    『巨鳥の影』。缶詰工場で発生した三百万円の盗難事件を巡るミステリー。記述されていることのどれもが伏線のようにも思える。聞き慣れない鳥の鳴き声、ギャンブル好きの先輩刑事の借金、携帯電話のブラインド・タッチ・メール。予想は半分当たり、半分外れた。なかなか見事なプロットである。

    『死んでもいい人なんて』。何という結末なの

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    2025年05月20日
  • 傍聞き

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     人間ドラマも謎も素晴らしい。短い物語なのに、こんなにも濃密。これぞ、短編ミステリの醍醐味と言える作品集だった。

     物語の要素が極限まで削ぎ落とされて洗練されており、とても読み易かった。
     尚且つ、収録作のどれもが技巧を技巧と思わせない自然な筆致で書かれている。
     はっきり「これが伏線だな」と分かっていても、騙されてしまうのが心地良かった。

     お気に入りは「迷走」。
     救急車内の緊迫感に手に汗握った。

    「傍聞き」はシリーズ化されているみたいなので読んでみたいなと思った。

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    2025年05月13日
  • 幕間のモノローグ

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    主人公南雲はそれなりに名の通った俳優である。
    役者が探偵という設定は珍しいというほどではないが、登場人物のほぼ全てが役者またはその関連者で完結するとなると、まぁ珍しい。

    一見“連作短編集”に見えるが、読み終わるとなるほど長編だったとわかる。

    演技と自己意識の狭間、現実とフィクションの境い目、こんなところを描写するなんて、ちょっと面白いお話しでした。

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    2025年04月27日