あらすじ
ベストセラー『教場』『傍聞き』の短篇の名手が贈る、心震える9つのミステリ短篇。
人を救うことはできるのか――
和佐見消防署消防官たちの9つの物語。
雨の翌日、消防司令の今垣は川べりを歩く女性と出会う(「石を拾う女」)。
新米の土屋と大杉は「無敗コンビ」だった(「白雲の敗北」)。
女性レスキュー隊員の志賀野が休暇中に火事を発見(「反省室」)。
西部分署副所長の吉国は殉職した息子のお別れ会で思い出を語るが……(「逆縁の午後」)ほか5篇
巧みな手法と豊かな蘊蓄とが、複雑な人間関係と心理の綾をより鮮やかに浮かび上がらせ、
ミステリを超えた味わいを生み出す。
※この電子書籍は2019年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
『119』をかけるのは
火事・救急・レスキュー
どんなときも、すぐに駆けつけてくれる。
時には命がけで私たちを守ってくれる。
消防署で過酷な任務で働く人たちの
様々な事情や、家族や日常を垣間見たようなストーリー
Posted by ブクログ
警察学校を描いた小説『教場』で有名な著者の作品。
この作品は、タイトルからも分かる通り、警察ではなく消防を描いている。ただ、その内容は、『教場』と同じように単なるヒーローものではなく、消防官を一人の人間として描いており、日々の葛藤に深く切り込まれていることが興味深い。
消防官を描いたヒーローものなら、他にもありますが、そうではなく、人間として消防官を描いたというところが良かったです。
Posted by ブクログ
消防士は無敵のヒーローなんかじゃない。
人命救助の最前線にいるからこそ、悩み苦しみもがく……登場人物の顔や姿が防火服を通して見えてくる。
消防士をテーマにした連作短編集
お仕事小説ではあるが、さすが警察小説でも一味違う作者、読む手は止まることが無い。
短いながら、けっこう濃いドラマだった。
Posted by ブクログ
最近、山火事や民家が焼ける火災など火事の事件が多いなと感じているが、そんな火事やレスキュー、救助に活躍する消防署員をフィーチャーした作品が本作です。
この小説は全9編の短編から成っていますが、消防士や救急隊員の活躍や苦悩、そこにある人間ドラマが描かれている数少ない消防ミステリーのひとつだと思います。警察小説は有名な作品が多いのに消防をテーマにした作品が少ないのは扱う現場の違いに拠るものなのかもしれません。警察は起きた事件を捜査するが、消防の現場仕事は火災であれ、急病人であれ現在進行形の事案が多いと解説でも説かれています。
それは火災の凄惨な現場から鎮火作業は元より巻き込まれた要救助者を救うことや急病人を救助することが当たり前の使命であり、それがもし自分のミスで失敗したりするとトラウマになりあげく消防士の精神を傷つけることになるという。
本作はそうした命を救う職業の最前線にいる消防士の活躍や苦悩や葛藤を描いた素晴らしい作品で、細かく仕組まれた伏線やその回収に消防ミステリーとしての面白さを感じる短編集でした。
Posted by ブクログ
単にヒーローの活躍物で終わらない、等身大の消防士達の苦悩や迷いとその生活。
9つの短編が描き出す消防士達のドラマ。
同じ人間として、共感と尊敬を感じます。
良書。
Posted by ブクログ
――怖がるなとは言わない。だが、恐怖を他人に感染させるな。 消防学校時代の担任教官が、たった一度だけ口にしたそんな言葉がいまでも忘れられない。(「白雲の敗北」より)。ベストセラー『教場』『傍聞き』の短篇の名手が贈る、心震える9つのミステリ短篇。人を救うことはできるのか――和佐見消防署消防官たちの9つの物語。雨の翌日、消防司令の今垣は川べりを歩く女性と出会う(「石を拾う女」)。新米の土屋と大杉は「無敗コンビ」だった(「白雲の敗北」)。女性レスキュー隊員の志賀野が休暇中に火事を発見(「反省室」)。西部分署副所長の吉国は殉職した息子のお別れ会で思い出を語るが……
Posted by ブクログ
石を拾う女/白雲の敗北/反省室/灰色の手土産/
山羊の童話/命の数字/救済の枷/
フェイス・コントロール/逆縁の午後
消防署員をめぐる九つの物語
要救助者の命も自分の命も同じ一度しかない いのち
その重さにどうやって折り合っていくのか……