哲学・宗教・心理 - 中央公論新社作品一覧

  • 密教とはなにか 宇宙と人間
    5.0
    密教学界の最高権威が、インド密教から曼荼羅への変遷と展開、真言密教の原理、弘法大師の知恵、密教神話から、密教の発展、思想と実践について平易な言葉で説き明かす。科学、政治、経済などあらゆる面で混迷する不安な時代を生き抜くためのヒントを密教から見出そう。
  • 明末の文人 李卓吾 中国にとって思想とは何か
    4.0
    明末中国は既成の世界観が崩壊し、すべての価値観の再編が迫られる時代であった。五十歳を過ぎて「求道の巡礼」を志した李卓吾は、「知」と「言」の乖離する時代精神に抵抗して儒教の裏切者、異端と迫害され、ついに自刎した文人である。高踏的反俗性と草の根気質が合体した過激な言動は狂者を思わせたが、人間存在の意味を問う「性命の道」を貫いた後半生は中国哲学史の主流に連なり、そのラディカリズムは数百年を経て今日に蘇える。
  • 無意識の構造 改版
    4.0
    私たちは何かの行為をしたあとで「われ知らずにしてしまった」ということがある。無意識の世界とは何なのか。ユング派の心理療法家として知られる著者は、種々の症例や夢の具体例を取り上げながらこの不思議な心の深層を解明する。また、無意識のなかで、男性・女性によって異性像がどうイメージされ、生活行動にどう現れるのか、心のエネルギーの退行がマザー・コンプレックスに根ざす例なども含めて鋭くメスを入れる。
  • 無気力の心理学 改版 やりがいの条件
    4.1
    「どうせダメだ」――現代社会に蔓延する無気力。衣食住が満たされた豊かな環境というだけでは、「効力感」、つまり意欲的に環境に働きかける態度は生まれない。本書は、心理学の研究成果を広く紹介し、自律性の感覚、他者との交流、熟達のもつ意義など、さまざまな角度から効力感を発達させる条件を掘りさげる。さらに子どもも大人も、やりがいを持って生きられる教育や社会のあり方についてヒントを示す。
  • メタ認知 あなたの頭はもっとよくなる
    4.0
    あなたの知的パフォーマンスを高める―― 認知心理学、教育心理学の専門家が、賢い「頭の使い方」を指南! 頭のよさとは?/頭を上手に使う/気持ちを整え、やる気を引き出す/メタ認知はこうして育つ 自分の頭の中にいて、冷静で客観的な判断をしてくれる「もうひとりの自分」。それが「メタ認知」だ。この「もうひとりの自分」がもっと活躍すれば、「どうせできない」といったメンタル・ブロックや、いつも繰り返してしまう過ち、考え方のクセなどを克服して、脳のパフォーマンスを最大限に発揮させることができる! 認知心理学、教育心理学の専門家が指南する、より賢い「頭の使い方」。
  • メンタルヘルス 学校で、家庭で、職場で
    3.3
    人のこころの健康は、些細なことで損なわれることがある。メンタルヘルスとは、そうした人間のこころを安らかに保つためのさまざまな方策である。本書は、特に問題が起きやすい、学校・家庭・職場に対象を絞り、そこでいま、どのような変化が起きているのか、それがこころにどんな影響を及ぼしているかを報告する。長期間にわたる臨床現場でのデータをもとに、不調の原因から対処法までを概観する。
  • モチべーションの心理学 「やる気」と「意欲」のメカニズム
    4.1
    「やる気が出ない……」。職場で、学校で、家庭で、悩んでいる人は多い。自分だけでなく、他者のやる気も気がかりである。口でほめるのか、報酬を与えるのか、罰をちらつかせるのか。自らの経験と素朴な理論に基づいて対処しても、なかなかうまくいかない。そもそもモチベーションはどのように生じ、何に影響を受け、変化していくのか。目標説、自信説、成長説、環境説など、モチベーション心理学の代表的理論を整理、紹介する。
  • モナドロジー 形而上学叙説
    4.3
    全哲学史を通じて、もっとも博学博識の思想家といわれるライプニッツ。 その思想は、多元的、発散的、流動的なものの中に、すなわち多様そのものの中に、「調和」をもとめるものである。
  • 物語 京都の歴史 花の都の二千年
    3.3
    桓武天皇により平安京遷都が行われて以来、京の都は千年もの長きにわたり日本の中心だった。貴族の邸宅や寺社が立ち並び、都市の基礎が作られた王朝時代。武家政権が興り戦乱の舞台となるとともに、商工業が発展した中世。豪商が生まれ、学問・文化の興隆著しかった近世。今も多くの人が訪れる寺社・名社の縁起をひもときつつ、花の都と詠われた京の歴史を一望する。カラーの歴史地図を付した。
  • 物語 哲学の歴史 自分と世界を考えるために
    4.4
    哲学とは何だろうか――。人間が世界と向き合い、自分の生の意味を顧みるとき、哲学は生まれた。古代から二一世紀の現代まで、人間は何を思考し、その精神の営為はどのような歴史を辿ってきたのだろうか。本書は、その歴史を「魂の哲学」から「意識の哲学」「言語の哲学」を経て、「生命の哲学」へと展開する一つのストーリーとして描く。ヘーゲル、シュペングラー、ローティの歴史哲学を超えた、新しい哲学史への招待。
  • ものぐさ精神分析 増補新版
    3.5
    人間の本能は現実との接触を失っており、適応の機能を果たさない。 本能の代わりに自我がその機能を果たさなければならない。 ――日本は黒船来航ショックを病因的精神的外傷とする精神分裂病質である、と診断した「日本近代を精神分析する」以下、歴史、性から自己まで、五つのテーマに迫る唯幻論の代表作。 〈解説〉伊丹十三 〈対談〉橋本治 (目次より) 歴史について 日本近代を精神分析する/吉田松陰と日本近代/国家論/日常性とスキャンダル 性について 性の倒錯とタブー/エロスの発達/性欲論/性的唯幻論/恋愛論/何のために親は子を育てるか 人間について 擬人論の復権/時間と空間の起源/言語の起源/現実と超現実/精神分裂病 心理学について 一人称の心理学/心理学者の解説はなぜつまらないか/心理学無用論 自己について ナルチシズム論/自己嫌悪の効用/セルフ・イメージの構造/自我構造の危機/詩人のなりそこね/我発見被殴打的根本原因/忙しい人とひまな人/一期一会/わたしの原点 あとがき 解説 伊丹十三 対談「幻想と妄想」 橋本治×岸田秀
  • 山伏 入峰・修行・呪法 [復刻版]
    -
    兜{と}巾{きん}、白衣の結{ゆい}袈{げ}裟{さ}、錫{しゃく}杖{じょう}をつき、笈を背に法{ほ}螺{ら}貝{がい}をふく、いまでも出羽三山、大峰山中に出没する山伏・・。年二回先達に従って入{にゅう}峰{ぶ}し、水断、穀断、懺悔、相撲などの苛酷な修行で体得した験力により、加持祈祷の呪法を行なう彼らのなかには、中世の最盛期を過ぎると修行を忘れ、まじない師に堕するものもあらわれた。本書は、民間信仰に仏教が結びついて完成された修験道の真髄を、山伏の奇怪な行事、生態のなかにさぐる。
  • 遊学 Ⅰ Ⅱ (合本)
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    中公文庫『遊学Ⅰ』『遊学Ⅱ』を合本したものです。既存電子書籍版と内容に変更はありません。 古今東西より選ばれし知の巨人たち149人を評じた松岡遊学の原点。伝説の雑誌「遊」より生まれた渾身の著。 Ⅰ巻はピタゴラスからエジソンまで。 Ⅱ巻はユイスマンからマンディアルグまで。
  • 友情を疑う 親しさという牢獄
    4.2
    友人とは何か、友情とは何か――このような問に私たちはどのような答を与えることができるだろうか。たとえば、友人が悪事に手を染めた時、私たちはどのように行動すべきなのか。本書は、アリストテレス以来、二千年以上にわたって、哲学者たちの頭を悩ませてきた友情の問題が、「公共性」をめぐる問題の一部であることを示し、現代において友情のあり方が社会に看過し難い影響を与えていることを指摘する。
  • ユートピアだより
    -
    自然はその美をほしいままにし、労働は喜びで、強制される教育はなく、議会も裁判所もない社会――詩人、工芸家、政治思想家モリスが、その生涯の経験のすべてを結晶させた名作。
  • 理趣経
    4.2
    真言宗のなかで秘伝にされてきた理趣経――セックスの本質は生命力を積極的に生かし、人類に奉仕する立場にふり向けること。無我の境地に立つとき、欲望は浄化され清浄となる、と説き、現代を生きる我々に、何を目指して生きるべきかを明快に示す密教入門の書。  295ページ
  • 理想の国へ 歴史の転換期をめぐって
    4.2
    コロナ禍、ロシアのウクライナ侵攻……人類史レヴェルの危機に直面し、私たちは正念場を迎えている。今こそどんな未来を選び取るのかが問われているのだ。この歴史の転換期にあたり、天皇論や三島由紀夫論など対話を重ねてきた二人の知性が、新たな日本のアイデンティティを模索した。蔓延する「日本スゴイ」論を、鍛え抜かれた言葉と思索の力で徹底検証。将来世代のことを視野に入れ、環境、ジェンダー、平和など、あくまで理想を追求し続けるために我々は何をなすべきか、国を愛するとはどういうことかをラディカルに問うた「憂国」の書。  なお本書の元となった対話は、平成の天皇(現・上皇)が退位を宣言した後の二〇一九年一月、コロナ禍中の二〇二〇年八月および二〇二一年三月、そしてロシアのウクライナ侵攻最中の二〇二二年四月に行われた。
  • 臨済録
    5.0
    仏に逢うては仏を殺し、祖に逢うては祖を殺せ。既成概念に縛られず、あえて斬り捨てて自由を得よ。動乱の河北地方に灰燼の中にぬっくと立ち上った臨済義玄の熱喝が千年の時空を超えて問いかける。威に拠らず、個々の人間主体を無条件に肯定し、その完全な発揮を求める。禅語録の最高峰を読み下し・原文・平易な口語訳・わかりやすい注釈で構成。関係人物在世年表・法系図付 目次 一仏法の相手 すずしい樹蔭 虎のひげ 二山奥に松を植える 三生き埋め 四若もの 五居ねむり 六泥棒の悪知恵 七一日にどのくらい食べる 八北方に持ちがいのある寺がある 九河南でなければ 一〇脱体制の聖者 一一三人の修行僧 一二二人のお客さま 一三施主の食事 一四臨済の小わっぱ 一五本もののロバ 一六普化の鈴 一七普化の別れ 一八何事もなかったと思わねばよいが 一九四つの場合 二〇丸木の柱 二一もち米 二二三つの方法と十二種の経典 二三答えても三十棒、答えんでも三十棒 二四千の手と千の顔 二五黄金の粉 二六世間のおきて 二七ダルマの墓 二八仏法の相手 二九よもぎの枝でなでてもらうように 三〇杏山との対話 三一二はい目のよごれ水 三二禅板と蒲団 三三径山の五百人の僧 三四ひとりもやりすごさぬ 三五維摩と傅大士 三六家と過程 三七渾崙の山 三八弟子を認めず 三九正直な考え 三つの仏身 眼に出ると見るという ヤージュニャダッタ 四〇何事もないのが高貴のお方だ 心の根本真理 四一本ものの出家 四二仏を説き伏せよ 禅宗の考え 四三名目にとらわれてはならない 四つの変わりようのない境地 四四四つの要素を使うもの 五台山に文殊はいない 四五自から信ぜよ 一人前の男 四六三種の明るい眼の浄土 偉大な友人 何を修理するのか 四七悟りは自由の条件にすぎない 六つの神通力 師家と弟子と 戒律も経論も一時の応急手当て 物にたよらないでやって来い すでに起こった事は気にかけるな 菩提樹と無明樹 主と客の四つの出会い まっくらがりでそれ自から光るもの 修行者の三つの型 おらが仏法 衣裳についてまわるな 早口競争は仏法と何のかかわりもない 四八祖師や仏の師となる 四九光をはねかえして逆に相手を照らせ 五〇大通知勝仏という仏 奈落の底におちる五つの罪 五一無明は父である 文殊はゴータマを殺そうとした 正直な考えだけを求めよ 何かを説きたてたらもうすかたんだ 五二竜光をたずねる 五三黄檗を背負う 五四大慈との対話 五五襄州華厳をたずねる 五六ある尼僧との対話 五七翠峯との対話 五八象田との対話 五九明化との対話 六〇どちらへ行かれる 六一鳳林との対話 六二金牛との対話 関係人物在世年表 法系図 解説『臨済録』と『歎異抄』 柳田聖山 索引
  • 倫理学入門 アリストテレスから生殖技術、AIまで
    3.8
    善と正の違いは何か。権利と義務の関係とは――。本書は、倫理学の基礎からはじめて、法、政治、経済、宗教と倫理を関連づけながらその意義を再考する。アリストテレスやカントらによる5つの主要理論を平易に概説。さらに、グローバル経済、戦争、移民、安楽死、環境破壊、人工知能など現代社会の直面する難題について倫理学の観点から考察する。社会契約論や功利主義にかんする10の図解と26名の思想家のコラム付き。
  • リヴァイアサンI
    4.0
    自然状態では万人が万人と闘って死滅する。 これを恐れた人間が契約によって創りだした国家を、巨大な怪物リヴァイアサンにたとえ、その根拠を探求した政治学の古典中の古典。 二十五章までを収める。
  • 歴史を精神分析する
    4.5
    戦争、薬害エイズ事件などで、官僚はなぜ国家や国民の利益に反する行動をしたのか、アメリカは何ゆえに日本への原爆投下を謝罪しないのか、どうして日本人はアジア人の中で英語がいちばん下手なのか……歴史的事件の背景にあるものを精神分析の手法で考察。(『官僚病の起源』を改題。)
  • ロラン・バルト 言語を愛し恐れつづけた批評家
    3.9
    『恋愛のディスクール・断章』『記号の国』で知られる批評家ロラン・バルト(一九一五―八〇)。「テクスト」「エクリチュール」など彼が新たに定義し生み出した概念は、二十世紀の文学・思想シーンを次々と塗り替えた。デビュー以来、文学言語のみならず、モードから写真、日本論に至るまで華麗な批評活動を展開。晩年には「小説の準備」へと向かった、この多彩な思考の全体像を端正な文体によって浮き彫りにする。
  • 論語
    3.0
    二千五百年の長きにわたり読み継がれ愛されてきた、孔子やその弟子たちの言行録。 簡潔・素朴でありながら深い含蓄のある言葉の数々には、生きる智恵が詰まっている。 中国古代史の大家である訳者が、新解釈を交えつつ、新注・古注に照らして懇切な解説を付した完訳版。 情味あふれる訳文や解説から、人間・孔子のありよう、弟子たちの豊かな個性が鮮明に浮かび上がる。 原文・読み下し付き。〈巻末エッセイ〉倉橋由美子
  • 論語 - 真意を読む
    3.5
    『論語』の研究は近年大きな転換期を迎えた。竹簡資料が大量に古墓から発見され、成立や伝播について新たな解明が進んでいる。本書では、『論語』の記述をわかりやすく解説するとともに、新知見や成立背景にも踏み込み、さらに深い理解をめざす。読み過ごされてきた孔子の言葉についても積極的に考察を行った。『論語』が後世に伝えようとしたことは一体何なのか。通り一遍ではない、新たな古典の読みを提起する。
  • 論理哲学論
    4.5
    「すべての哲学は『言語批判』である」―― 西欧哲学2000年の歴史をほぼ全面否定する衝撃的な哲学観を提起したこの書が、20世紀前半の哲学地図を、完全に塗り替えてしまうことになる。
  • ローマ帝国の神々 光はオリエントより
    4.0
    古代ローマ帝国は、オリエントの進んだ文化や技術を積極的に取り入れた。エジプトやシリアなどを起源とする諸宗教も、皇帝から奴隷まで多くの信者を獲得した。当時、ローマ古来の神々はすでに形骸化していたため、新しい宗教が求められていたのである。イシス信仰からバール神、キリスト教、グノーシス主義、占星術まで、ローマ帝国全域で信仰された諸宗教の密儀と神話、信仰の実態と盛衰に光をあてる。
  • 忘れられた哲学者 土田杏村と文化への問い
    4.0
    西田幾多郎門下の哲学者、近代の可能性を追求した文明批評家、日本画家・土田麦僊の弟、自由大学運動の主導者……、土田杏村(一八九一~一九三四)。「文化とは何か」を問い、大正から昭和初期にかけて旺盛な著作活動を展開したにもかかわらず、戦後、人々の記憶から消えた。この〈忘れられた哲学者〉に光を当て、現象学と華厳思想に定位する「象徴主義」の哲学を読み解き、独自の「文化主義」の意義を問いなおす。
  • わたしを超えて ―いのちの往復書簡
    -
    僧侶でもある作家と、がんを体験したエッセイストが、般若心経、不動智神妙録、ユング心理学、量子論や心と体、生老病死について、一年間にわたり自在に思いを綴り合った往復書簡集。
  • 和辻哲郎座談
    -
    学友・谷崎潤一郎のほか、志賀直哉、高坂正顕、幸田露伴ら多彩な顔ぶれと自由闊達に語る。オリジナル編集による初の座談集。未収録三篇を含む全十篇。没後六〇年記念。〈解説〉苅部直 目次より Ⅰ  春宵対談(谷崎潤一郎)  旧友対談(谷崎潤一郎)  戦争と平和(志賀直哉)  世界史における日本の運命(高坂正顕)  緑蔭対談――若い女性に望むこと(柳田國男) Ⅱ  幸田露伴先生を囲んで(幸田露伴・徳田秋声・末広厳太郎・辰野隆・谷崎潤一郎)  日本文学に於ける和歌俳句の不滅性(幸田露伴・安倍能成・斎藤茂吉・茅野蕭々・寺田寅彦・野上豊一郎)  日本文化の検討(柳田國男・長谷川如是閑・大西克禮・今井登志喜)  漱石をめぐって(安倍能成・小宮豊隆・内田百閒)  文学と宗教(高坂正顕・竹山道雄・長與善郎)

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