ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
6pt
哲学とは何だろうか――。人間が世界と向き合い、自分の生の意味を顧みるとき、哲学は生まれた。古代から二一世紀の現代まで、人間は何を思考し、その精神の営為はどのような歴史を辿ってきたのだろうか。本書は、その歴史を「魂の哲学」から「意識の哲学」「言語の哲学」を経て、「生命の哲学」へと展開する一つのストーリーとして描く。ヘーゲル、シュペングラー、ローティの歴史哲学を超えた、新しい哲学史への招待。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
哲学史や哲学概論の本はこれまで何冊か読んできたが、これが最もわかりやすく、新書にしておくのはもったいないと思うほどである。 哲学史ではよく「元素(アルケー)」の説明から始まるが、これだけでは「だから何?それが何でプラトンとかの哲学につながったの?」という疑問で終わってしまう。実際、元素自体に関する考...続きを読む察はギリシアのみならず中国でも生まれているし、「タレスは万物の元素を水とした」などという事実の列挙だけではギリシアで哲学が発展した理由にはならない。 この本はその疑問に答え(本書p.36参照)、哲学全体の流れを一つの物語として淀みなく、かつ初学者にとってはかなり網羅的に記述している。また、アリストテレス哲学の基礎である「質料」と「形相」の説明がどの本を読んでも理解できなかったのだが、この本はその説明も手厚く理解することができた。 哲学史を気軽に一望できる本としてぜひ一冊持っておきたい本である。 参考までに、僕はこれまで『はじめての哲学史』『図説・標準 哲学史』等を読んできた。本書が難解だと思われる場合にはこれら(特に前者)を読んでから本書に取り掛かると良い。
哲学を「存在とは何か?」「人間とは何か?」ということを切り口にギリシャから現代まで俯瞰した本。非常に狭い範囲に論点を絞っているのでそれぞれの哲学社の思想をすべて網羅しているわけではないが、「存在」「人間」というものをどのように考えるかという哲学の最大課題を見事に描き出している。プラトンのイデア論、ア...続きを読むリストテレスの目的論、デカルトによる理性の発見、イギリス経験論、大陸合理論、カントの観念論、ショーペンハウアーの生の哲学、ニーチェの力の哲学、プラグマティズム、ラッセルの言語哲学、実存主義と哲学の大筋を理解するにはうってつけ。一つ一つの哲学書を読むよりその思想を生み出す土台となったそれ以前の哲学との流れとして理解できるので、分かりやすい。哲学が科学技術の進歩に影響を受けて形を変えてきたということもよくわかる。とは言っても内容を咀嚼するのには相当の努力が必要で、面白さも相まり珍しく2度読みした。人間は特別な存在なのか、言語というものはなぜ存在するのか、言語は社会の進化を促すのに大変有益であると同時に言語があるために哲学のようなある意味考えなくても良いことを考える宿命を人間は持ってしまったのではないかとつくづく考えさせられた。
まさに「物語」のように哲学の歴史を有機的に紡いでくれます。全くの初心者にはお勧めできませんが、それなりに哲学の知識を入れた後ならば 断片的な知識を結びつけるのに役立つと思います。
哲学が時代ごとにどのように発展してしたのかが概観できる。これまで漠然と知っていた哲学的な知識を、全体の中に位置付けて理解できる。必読!
哲学の歴史を、「魂」、「意識」、「言語」、「生命」へと展開する物語として描かれていることで哲学がどういった経緯をたどったのかがよく分かった。同時に、なぜ現代哲学が分かりにくいのかという事も理解できた。つまり過去の哲学に対する批判、反省を土台としているため、その土台が理解できていないから現代哲学が理...続きを読む解できないということである。哲学の歴史を俯瞰することを目的としているため細かい部分はバッサリ落としている。そのため哲学者それぞれの主張を読み解くためにはやはりその哲学者の著書を当たらなければならない。しかしながらその主張が何を土台としているのかを本書で扱っているため、理解の手助けになると思う。ただ、近代哲学、特に分析哲学は過去を土台としているものの、大きな断絶が存在しているようでやはり理解するのが難しい。さすがにその断絶を埋めることはできなかったが、断絶そのものの存在を認識できたのは良かったかもしれない。
哲学とは歴史である。そのことがよくわかる本だった。本書は、哲学史を一つの物語として語った本だ。歴史といっても、実際にはさまざまな細部があり、すべてを詳細に記述することはできない。本書が考える哲学史の展開のストーリーは、「魂の哲学」から「意識の哲学」、「言語の哲学」を経て、「生命の哲学」に向かっていく...続きを読む。 ある思想がどのように生まれ、どのように否定されるのか、ある人物はなぜこのような主張をしたのか、そして私たちは今なぜこのように考えているのか、などのことがわかるようになる。これまでの思想の全体像を理解したい人におすすめの本だ。
何か自分に不調があった時、「それは精神的な問題ですね」とか、「体が疲れているんだろう」などと私たちは心と体を分けて考え、それに応じた対処を取ることができる。また、自分に心があることは認めても、部屋の中にある椅子や机、その辺に転がっている石などに、心があるなどとはまったく考えない。心は動物に、しかも高...続きを読む等動物に、特有のものだと信じている。 しかし、それは当たり前のことだろうか。もし当たり前でないとしたら、なぜそう信じていられるのか。心とは、いったいどのように在るものなのか。 こうした問いのひとつの行き先がこの本にはある。これは、過去の哲学者たちが「心」をどのように捉えようとしてきたかの歴史=物語なのだ。 古代から現代へと至るその物語は四つの段階に分けられている。「魂の哲学」「意識の哲学」「言語の哲学」「生命の哲学」である。そしてこの物語の面白さは、これらが現代において、始発点へと回帰するという見方にある。 ――「魂から意識へ、意識から言語へ、そして生命へ―。これは簡単にいうと、一つのサイクルの物語である。哲学は魂という原理から出発して、意識や言語という近代科学と密接に結びついた考え方を経由して、生命というある意味では古代の魂にも似た原理へと戻ってきた。」(p.5) そして、この「心」への問いは、最終的には宇宙へと広がっていく。物理学を基本にして宇宙論が発展した今、私たちの心は宇宙に対してどう位置づけられるのか。それは、私たちの内面を問いながら、私たちを超え出るものを問うことになるだろう。 こうした無限の射程を含みながら、哲学における「心」の歴史=物語がこの本には明快に描き出されている。
物語として哲学史を語るというのは面白い試みだと思う。哲学史の本はえてして無味乾燥になりがちで苦手なのですが面白く読めました。ただ,自分が詳しくない部分は消化不良ではあります。やっぱり僕はジェイムス,ベルクソン,メルロ=ポンティあたりが好きなんだなぁと改めて。ホワイトヘッドがラッセルの師としてしか触れ...続きを読むられてないのは残念。
哲学は非常にとっつきにくい分野である。複雑な用語、難解な文脈、思想家同士のさまざまな影響関係など非常に分かりにくい。高等な言葉遊びのような感覚すらある。 また、哲学を知ってどうなるという思いもある。英語を学べばコミュニケーションができるし、工学を学べばテクノロジーの何かが分かる。料理法を学べばお...続きを読むいしく体にいい料理ができるようになるし、スポーツの技術を学べば試合に勝てるし、場合によってはそれが金にもなる。哲学はどうだ。いくら学んでも何一つ身につかない。体も健康にならない。コミュニケーション能力が上がるわけでもない。むしろ、哲学を学ぶあまり心身ともに不調をきたすという例もあるではないか。何のために哲学はあるのかと。 私にとって哲学とは上記のようなものだった。大学時代、哲学専攻の同級生を知識オタクの象徴とみなしていたことを白状したい。 しかし、最近少し考えが変わってきた。ものごとの基本的な考え方を知ることは、日常のすべての見直しにつながるということを実感するようになったのだ。同じものを前にしても、基本的な考え方、考えの出発点に立ち戻るとすべてが違って見えてくる。その意味において絶対に避けることができないものなのだと。 それにしても、哲学の専門書の敷居は限りなく高い。最近、新書や文庫化された哲学の啓蒙書を少しずつ読んでいるが、それでもやはり難しいものは難しい。でも、少しずつ分かってくると、次を知りたくなる。どうも哲学という分野はそういう意味で底なしのようだ。 本書は著者自身が述べるように、哲学の流れを物語として語るものである。ここでいう物語とは、一連のものと捉えるということであり、虚構性や創作性を意味するものではない。だから、一般的に言う通史のようなものだ。といっても単に時系列上に配置してもこの手の話はつながらない。関係のある思想群を並べて、相互の関係をつなげようとしている試みだといえる。本書では、大きな流れを、哲学の関心事という側面で、「魂」から「意識」「言語」「生命」へとのつながりと捉える。 各論に関しては先に述べたような難解さがどうしても付きまとう。それはひとえに私の知識と読解力の不足が原因であるが、その難を抱える私にも、全体の思想の流れを察することができるような構成にはなっているのはありがたい。 本書のサブタイトルは哲学が今後も生き続け、私たちの生活の中で何らかの意味を持ち続けることを願ってつけられている。様々な困難が待ち構える未来を考える上で、哲学は変わり続け、議論が続けられるのだろう。真理の探究は想像以上に厄介なものらしい。
3000年にわたる哲学の歴史を、主たるテーマの流れがどのようになっているか、なぜそのような流れに至ったのかという説明を重視して記述する。あたかも、ある川の流れを淵源から下流に向かって一体感を持った解説を行うような趣がある。 人類の知の営みのエッセンスともいうべき内容を、わずか1000円未満の本一冊...続きを読むに入れ込んでいる。ともすると倫理の教科書のような「スケルトン未満」の内容となったり、逆に一つ一つのパーツが虫眼鏡が必要なほどごちゃごちゃしてしまいそうなものだが、この本は大きな絵柄を見ることに心がけているので、読みやすく、かつ適度な知的刺激が得られると思う。著者と編集のGood-Jobだ。 例えてみれば、巨大なタペストリの見本織の端切れのようなものだろうか。陽と陰、抽象と具象、魂と元素、イデアと生物、科学と哲学、認識と神、心と体、差異と反復など、二元で対照される概念や方法論が、縦糸横糸として織り込まれて絵柄を作っていく様子が現わされていく。あるいはDNAの二本鎖のように綴りあわされ、動と反動、合一・止揚の動きが歴史の流れのなかでダイナミックに動いていくさまが描写される。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
物語 哲学の歴史 自分と世界を考えるために
新刊情報をお知らせします。
伊藤邦武
フォロー機能について
「中公新書」の最新刊一覧へ
「学術・語学」無料一覧へ
「学術・語学」ランキングの一覧へ
宇宙の哲学
宇宙はなぜ哲学の問題になるのか
経済学の哲学 19世紀経済思想とラスキン
ケインズの哲学
試し読み
世界哲学史1 ──古代I 知恵から愛知へ
パースの宇宙論
プラグマティズム入門
「伊藤邦武」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲物語 哲学の歴史 自分と世界を考えるために ページトップヘ