国内ミステリーの検索結果
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凍った太陽 高城高全集2
入院中、同室となった男に、盛り場で雀荘を経営する妹の安否を確かめてほしいと頼まれた大学生の〈私〉は、戦後の焼け跡が広がる仙台の街を、彼女の影を追ってひたすらにさまよう。米兵相手の特飲街に、彼女はいた。だが、そこには危険な男たちの影がうごめいていた――。米兵が闊歩する戦後の仙台を舞台に、日本ハードボイルドの黎明を飾った「X橋付近」ほか、日本人娼婦と米兵の炎熱の夏の悲劇を乾いた筆致で活写した「ラ・クカラチャ」、北海道の原野に消えた友の追跡行を描く「淋しい草原に」、そしてひとりの〈運命の女〉を追う連作「由利」シリーズなど11作品に、エッセーも収録した、高城高、珠玉の短編集! -
双頭の悪魔
娘を連れ戻してほしいのです――山間の過疎地で孤立する芸術家のコミュニティ、木更村に入ったまま戻らないマリアを案じる有馬氏。要請に応えて英都大学推理小説研究会の面々は四国へ渡る。かたくなに干渉を拒む木更村住民の態度に業を煮やし、大雨を衝いて潜入を決行。接触に成功して目的を半ば達成したかに思えた矢先、架橋が落ちて木更村は陸の孤島と化す。芸術家たちと共に進退きわまった江神・マリア、夏森村に足止めされたアリスたち――双方が殺人事件に巻き込まれ、川の両側で真相究明が始まる。読者への挑戦が三度添えられた、犯人当て(フーダニット)の限界に挑む大作。妙なる本格ミステリの香気、有栖川有栖の真髄ここにあり。 -
〈家庭の天使〉を殺す時間 ――ジェンダーの視点で読み解く日本ミステリ史
ミステリ史の「死角」を撃つ ヴァージニア・ウルフは、女性作家にとって最大の困難は、〈家庭の天使〉を殺すことだったと述べた。 「家庭という名の〈密室〉」に潜む、女性たちの叛逆。 かつて女性は社会の〈周縁〉であり、探偵小説もまた、 文学の〈周縁〉だった――。 戦後女性探偵作家たちはなぜペンを執り、なぜ消えたのか? ジェンダーの規範に挑戦し、既存の枠組みでは回収しきれない「社会の歪み」を炙り出した彼女たちの探偵小説は、抑圧に対する切実な〈抵抗の文学〉だった――。 忘れられた先駆者たちの足跡を丹念に辿り、日本ミステリ史の空白を埋める渾身の文芸批評。 【目次】 はじめに 序章 「孤独な自転車乗り」――男性原理のミステリ小説の系譜 シャーロック・ホームズ譚から『容疑者Xの献身』まで 第一章 レジスタンスとしての探偵小説――深尾登美子 第二章 子宮という〈密室〉、あるいは戦場――四季桂子 第三章 自己実現としての〈団地マダム殺し〉――大貫進こと藤井禮子 第四章 彗星のごとく現れて消えた、謎の大型新人――松原安里こと松原一枝 第五章 〈家庭の天使〉を殺す時間――夏樹静子 あとがき 【著者】 二沓ようこ 福岡市中央区在住。文芸批評、エッセイを新聞・雑誌に多数連載。「文学批評 敍説」所属。日本詩人クラブ会員。福岡県詩人賞、福岡市文学賞(評論部門)受賞。 詩集『火曜サスペンス劇場』(ミッドナイト・プレス刊) 『夏樹静子と福岡』(福岡市文学館刊)