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Posted by ブクログ
初めての経口抗癌剤・レスクランが肺癌によく効くということで業界では評判であったが、レスクランには間質性肺炎という副作用がつきものであった。多少の副作用は仕方がないと思われていたが、レスクランの構造を少し変えただけで副作用が全くなく、そしてレスクランよりもよく効くという「MP98」が天下製薬で開発中とされ、注目される。人体への投与実験においても副作用が出ることはなく、開発は問題なく最終段階まで進み、あとはほぼ申請をするのみ、これで一気に巻き返しができると意気込んだ天下製薬であったが、研究員の柳川は長期投与の観察中に不測の事態に直面し、愕然とする。マウスがある朝大量出血を起こし、全匹同時に死んでしまったのだ。それと同じ頃、O大学の女医・倉石祥子は、レスクランを投与していたにも関わらず死亡した患者の病理解剖の結果に疑問を抱いていた。
現役医師が執筆したとだけあって、医療部分にはどんどん引き込まれる。新薬認可の過程や、製薬会社と大学病院の影の部分も非常に興味深い。が、対比してそれ以外の部分がものすごくおそまつに感じる。医師側から真相を探る人間として、頭がキレて美人なO大学の女医・倉石祥子、そして事件を捜査する刑事として、医学部出身なのに宝石鑑定士になり、その後刑事になったという超変わり者・岩谷乱風(見た目は茶髪を後ろに束ね、耳に大きなピアス)が登場するのだが、この2人が明らかに物語の雰囲気を読めていない感じ。個々で登場する時はそれぞれそこそこキャラもしっかりしていた感じだったのに、2人が出会ってしまってからはそれも崩壊、TPO考えないただのバカップルにしか思えず。ずっと問題視してきた「MP98」を初投与した患者が亡くなったその後に、勢いで告白して浮かれ気分でデートの約束してる場合か!?あとミステリとしても、連続殺人の犯人は発見されたものの、その人物が一体誰だったのか、正体不明のまま警察が捜査を打ち切るという結末もいただけない。全体として評価が落ちてしまうのがもったいない。
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