国内文学作品一覧
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-「これからも満ち欠けをくり返すなかで、ひとを愛し、つれづれにこの世の色や音、美酒を味わい楽しみ、今ここ、を生きて句をつくり、歌をうたって歩いてゆきたい」(あとがきより) 川柳総合誌「川柳マガジン」主催の「第15回川柳マガジン文学賞」大賞受賞記念出版。川柳界の芥川賞と呼ばれる同賞で大賞を受賞した著者が、受賞作品10句を含む代表作品を掲載。 【第15回川柳マガジン文学賞大賞受賞作品】 白衣着る天使ではなく人として 泣きむしのナース泣く場はわきまえる いのちを守るチーム茶髪もおばちゃんも 傷つけるだけにはすまい針を刺す 毒になる薬くすりになれる毒 死に近い場所で際立つ生きる意味 いのちには教えてもらうことばかり 生きて死ぬ人みなひとの手をかりて 重々しくも軽々しくもない看取り 白衣ぬぎその日の味の酒をのむ
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-川柳と二人三脚の27年、80余年の人生を1句1句、丁寧に形にしてきた著者。掲載された333句は、著者みずから全国各地の大会や所属結社の入選句、約4,000句超から時間をかけて選び抜いた入魂の句が揃う。その内容は、ふるさと岩手への想い、自然の賞賛、愛する家族への想い、半生を彩ってきた仕事への想い、人生への夢や希望のことなどバラエティに富み、まさに著者の「生きてきた証」と呼べる作品群である。「第一章 妻と薔薇」「第二章 旅好きの雲」「第三章 夢紀行」の3章構成。 持て成しも気兼ねもしない里の風 口下手も身の上話なら聞ける 妻と薔薇どちらも二番にはできぬ 大切な夫に毒味してもらう 敗者でも勝者でもなく職終える 妻のこと抜きに自分史綴れない 喝采を浴びた記憶のない軍手 人生のゲーム一点差がつづく どの顔も不真面目そうでホッとする この空の続きに捨てた里がある
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-我が句は我が子。17音に人生を投影させて輝き出す、さまざまな想い。岸和田市在住。 地元の健老大学から始まった川柳は良き師や仲間に支えられ楽しいものとなった著者。これまでに詠んだ一句一句が我が子のようにいとおしく、作品を残したいという思いから編まれた作品集。 そのうちにきっといいことありますよ 狙ってた席にライバル座ってる 心配事ないのか君はよく笑う 飾らない人柄なのに華がある 子育てが終わり女を取り戻す 種牛のプライドもなく殺される お茶ですとペットボトルが並べられ 野良猫に餌をやる人にらむ人 まな板は家の盛衰知っている ひらがなのやさしさほしい私です
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-「川柳はウガチである」という主張のもと、数々の川柳句会・大会で優勝、上位の常連として名を連ねる達吟家の待望の川柳句集。 「題をどのように消化するか、題との距離をどう測るか。句会の句は題と格闘したり遊んだりして作る句であり、その面白さは題を省いてはわからない」と語る著者は、雑詠(自由吟)よりも軽く扱われがちな句会吟の復権を本句集で果たしたいと宣言。 川柳研究社幹事、東都川柳長屋連店子、NHK学園川柳講座講師などで活躍中。 第1章は雑詠、第2章は「句会吟・いろはかるた」と称して課題別に句会吟を掲載。さらに巻末に課題索引を掲載する著者らしい構成に注目が集まる。 「言葉のセンス」と「ダンディズム」が堪能でき、課題吟の作り方のお手本句集として必携の書。 スーパーの籠に男が磨かれる ナマズからアポが取れない地震学 青い鳥みたいな顔で妻が居る アメリカの庭に咲いてる日章旗 次世代に白紙委任をして寝よう ハコモノが役所の前科まで喋り 妻の皿僕がほどよく煮えている 出会い系怖いマッチがおいてある 人事部のパソコン僕を出庫する 山頭火後ろ姿がステキです
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-静かに感動が満ちてくる、一句ごとに味わう人生の壮大なドラマ。川柳総合誌「川柳マガジン」主催の「第14回川柳マガジン文学賞」大賞受賞記念出版。 川柳界の芥川賞と呼ばれる同賞で大賞を受賞した著者が、受賞作品10句を含む283句を掲載。「ニアミス(受賞作品)」のほか「迷い」「生きる」「明日へ」の3章構成。 「川柳は人間を詠む文芸であり、年を重ねることで人生経験の蓄積ができ、それだけ守備範囲が広がっていくものと思います。高齢になっても若い句を詠むことが出来ます。(中略)川柳という趣味を続けることで、人生の中で一本の線が出来ているということが言えます。」(あとがきより)。 【第14回川柳マガジン文学賞大賞受賞作品より】 諦めたものが大きく見えてくる 群青の何かが足らぬ空の色 青空にあなたは何を描いたのか オン・オフのはざまに疑問符が詰まる それらしい顔して手探りで歩く ニアミスになろうなろうとする言葉 手に触れた言葉が森になっていく 本心が出てしまうからほどけない 見つからぬようジャガ芋の中にいる 人間の臭いぬめりになっていく
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-時代の風をつかむ確かな眼力、読者の胸奥に迫りくるアイロニー。時事川柳を愛し、一般川柳も愛する著者は「川柳さろんGunma」世話人として活躍中。「第一章 宛名書き」「第二章 追われる如く追う如く」「第三章 現代民話集」の3章構成。川柳というフィルターを通して、人間や社会の美しさから醜さまでを著者が暴き出す。ドキリとさせる痛烈な諷刺が小気味よい。シュワシュワと清廉な泡を吐きながら、甘くそして時折ピリリと効かせる、ジンジャーエールのように誰からも永く愛される好著として輝きを放つ。 団塊が団塊のまま老いてゆく 宛名書き様の字だけがうまくなり 君の愚痴ジンジャーエールの味がする 定年の胸にも滾るものがある カタカナ語その説明もカタカナ語 リストラは完璧だった社も消えた 休耕地いきなり街が生えてくる 折り鶴も羽ばたくでしょう平和なら 倒れても微笑の消えぬ野の仏 笑いとは何かと問えば笑えない
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-自由と平等、人間賛歌、言霊への畏れ―書家・四井汀花としても活躍する著者待望の第一句集。 ひら仮名を効果的に用いる「やまとことば」の遣い手としても評価が高い著者は、「書にも絵にもそして歌にも、優れた天分を持たれて生きる才媛であり、然してなお生き足りぬ思いの人生を流麗に生きる菅田が彷彿とする」と序文で赤井花城が記すように、静かな面(おもて)に秘める青春、沸々たる内面の激しさを句に託して、一人間としての懐の深さを表現する。 《こぼすまじこのぬくもりのひとしずく》 《一芸を持って人生生き足りぬ》 《限りない優しさ種の無いぶどう》 《ふり向けば支えてくれる手の数多》 《八月の夾竹桃は焔の匂い》 《問い詰めることはするまい男の背》 《恋衣脱ぐたび女深くなる》 《ほうほたる知らずや父と母の恋》 《たまゆらのはかなきことのうつくしき》 《雪月花帰らぬ刻を愛おしむ》
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-大空に解き放たれた、川柳という名の千羽の鶴たち。遠い恋の思い出、愛する家族のこと、妻として母としての自分、日々の暮らしで生まれる心の葛藤を詠んだ「第一章 約束はまだ」。70歳まで現役で看護師として務めていた著者が医療現場で経験したこと、感じたことを、川柳というフィルターに通して、時に臨場感あふれる十七音として綴られた「第二章 靴の音」。平成8年開催の国民文化祭とやまの文部大臣奨励賞受賞作《立ち直るチャンスを呉れた平手打ち》が収録された「第三章 夢の途中」。 妻だからいつも味方と限らない ひとつでは無力だと知る千羽鶴 立ち直るチャンスを呉れた平手打ち それなりの秘話もあります皺の数 羽根ひとつ眠らせてあるノラの家 胸中のほたる温存して暮れる 天の川君を探してくたびれる 雪の白宥めることも知っている 人間を少しぼかして撮るさくら 家計簿がピタリゆっくり眠れそう
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-企業のトップをリタイア後、「川柳専心」の暮らしを楽しむ著者待望の第5句集。 つくばね番傘川柳会会長、技術士(情報工学)、東京玉野会会長、玉野ふるさと大使、おかやまビーチスポーツ協会顧問、おかやま観光特使など幅広い分野で活躍する著者は、47都道府県川柳踏破を達成するなど旅好き、散歩好き、歴史好きとして知られる。 五十音を課題に詠んでいく実験的な「課題吟あかさたな」のほか「京都逍遥」「江戸東京散歩」、母への思いを綴った「母百句」など圧倒的なスケールで迫る1冊。 ああ君もリタイアですか御同輩 彼女にはいいが妻にはしたくない 今もなお予算未達の夢を見る 左手がだるいと嘆く招き猫 舞妓はん待って久しい巽橋 伝通印悲恋の姫に会いにゆく 日本橋起点に立って明日の夢 スカイツリーどこから見てもいい男 ふるさとは柿が熟して母ひとり お袋はやっと青春取り戻す
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-飾らない言葉で、女性としての凜とした美しさ、強さを十七音に乗せて、達吟家として輝かしいキャリアを積んでいる著者待望の第1句集。 川柳作家の母の影響で、子供の頃から川柳に親しんでいた著者。中学を最後に川柳から遠ざかっていたが、夫が定年日に著者の母の影響で川柳を始めたことを契機に再開。すぐに頭角を現した著者は、作家として指導者として活躍中。タイトルは国民文化祭とくしま2012年で徳島県議会議長賞受賞作やさしさを土偶の乳房からもらうから。 花筏まだプライドを持っている やさしさを土偶の乳房からもらう 電気消すふっと白状したくなる 千羽目の鶴がきれいに折り上がる 両輪のリズム揃えて金婚譜 振り向けばまあまあでした女坂 生きている証わたしに影がある 煩悩が消えて魔法がかからない 老いらくの恋はとっても肩が凝る ピーマンの真ん中無効だと思う
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-川上大輪・富湖夫妻による30年余りの川柳人生の記録を一冊にした川柳句集。夫・大輪は川柳塔社副主幹、川柳塔わかやま吟社主幹などの要職につき、第5回オール川柳賞大賞など全国の大舞台で数々のタイトルを手中にしてきた誰もが認める実力作家として活躍中。 一方、川柳作家・大矢十郎を父に持ち、彗星のごとく現われて川柳界期待の星、大型新人と呼ばれた富湖は、第3回オール川柳賞大賞を受賞し、まさにこれからという時に病に倒れ、その才能を惜しまれつつ他界。人気句集の電子書籍化。 【川上大輪作品】 いい日だな机の上に何もない 家中の明かりを点けて一人きり 生まれても死んでも時刻告げられる 鉛筆の長さよ人の一生よ 大声を出すなよ空が落ちてくる 【川上富湖作品】 甘えたら低温火傷してしまう 赤い糸結び直した跡がある 親という皿が浅くて子が荒れる 思いやりだろう鏡が曇るのも 手が届きそうで過去にはまだ出来ぬ
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-好評の第1句集「なめくじら」の続編。書名の由来は「ほんの一つまみの塩を振り掛けられただけで、すーっと縮んでしまう程度の句」という著者の謙遜から生まれた。ところが読み進めるほどに、全編に漂う諧謔とユーモア、老いの現在地を自覚するペーソスが読者の胸奥にすーっと入ってきて感動を誘い、消えるどころか自然と「なめくじら」ワールドにはまってしまう不思議な魅力を持つ。易しい言葉が選択され、難解な表現も用いられていないため、誰もが川柳の醍醐味を味わえる1冊。 「暮しの章 そのⅡ」「世相の章 そのⅡ」「くすぐりの章 そのⅡ」の3章構成。 《お茶飲んでムセるとこから老いが来る》 《来たる年こそはこそはでもう傘寿》 《苦が続きちょっとの間だけ楽が来る》 《トイレから漏れてホントになる人事》 《ああ愉快イケメンだって歳をとる》 《カナヅチの散骨海はやめてくれ》 《新品のマスク外してクシャミする》
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-こよなく人間と酒、そして川柳を愛する著者の、平易な表現に染みこむ穿ちとユーモア。 磨き上げられた人間観察が十七音に活かされ、紡がれる。朝日新聞『朝日なにわ柳壇』への投句からスタートした著者は、現在、川柳塔社や川柳瓦版の会、川柳文学コロキュウムなど関西の錚々たる結社で活躍中。 川柳を楽しみ、時に苦しめられる著者の訪れを、ネオン街が今日も待っている。 《自動改札行きも帰りも裁かれる》 《下り坂登っていると思ってた》 《黄信号人生観を試される》 《飲みなはれあんたの金で好きなだけ》 《角砂糖三個コーヒーとは呼ばぬ》 《あしたにひびく酒ならきっとうまかろう》 《雲一筋空の高さを思い知る》 《かごめかごめ後ろは誰もいなかった》 《あとわずかいつも手を抜く僕がいる》 《ネオンきらきらちょっと漂うことにする》
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-己を信じて、孤高をつらぬく川柳の求道者である著者は、まるで空に向かって高く咲く凌霄花(のうぜんかずら)のように、強くたおやかである。 愛と女、喜怒哀楽、勇気と安心感、ときに諦念や妬心、殺意までのありとあらゆる心の動きや現象を、その研ぎ澄ました感性でするすると十七音に編み上げていく。 時実新子氏に師事し、大阪市生涯学習インストラクターとして活躍中。 《一茎に一花 やっぱり君が好き》 《愛された記憶を探す冬の指》 《返り血は覚悟ゆっくり紅を引く》 《少しずつ忘れきれいになってゆく》 《手を洗う神に許しを乞うように》 《清め塩誰も汚れてなどいない》 《子に頼る父の目尻が濡れている》 《あの世へと続く花火のあとの闇》 《盛大な拍手で送りひとり消す》 《ライオンでありたし今日も明後日も》
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-人生は晴れのち雨、雨のち晴れを信条とし、どんな時にも前を向く天晴流川柳。パティシエを天職として20数年、オーナーシェフとしても忙しい毎日をおくる著者。 第1章はまさに仕事人としての著者を詠んだ「ケーキ作りの半世紀」。繁忙期のせわしない作業室の様子、真心を込めてつくったケーキの甘い香りや味、驚きの職人技が手に取るように伝わってくる。第2章は「一人称」で、言葉の通り自分自身を掘り下げて、時に自虐的ともとれる句、愛する家族との絆などが盛り込まれている。第3章「天晴流川柳」は客観に重きを置き、社会性やユーモア性のある著者の持ち味が存分に活かされている。第4章は愛娘への普遍の愛情がリアルに描かれている。 妻の留守わたしは女装などしない 南こうせつに似たおばさんを知っている 歯を磨くようにケーキを作ってる 仕事以外ほとんどずぼらです私 目を瞑ってもできるケーキはおよそ百 還暦にもう何度目の反抗期 学歴を恥じる心を恥じている 横にしよ縦に歩いた道だから 一身上の都合で消した影法師 自慢ですちょっぴり私似の娘
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-ユーモア川柳作家として高い評価を得ている著者待望の第三句集。自ら「詠んでも」、自分や他人の作品を「読んでも」川柳は楽しいとかたる著者は一日一句を目標に掲げ、十七音を紡ぎつづけている。 著者の手にかかれば、何気ない日常の「あるある」から、他者には真似の出来ないユニークな視点で句材を拾い上げられ、あっという間にスパイスの効いた川柳が出来上がってしまう。「テレパシー」「新書体」「花見酒」の三章。 《歳聞かれ干支で答えてイケズする》 《百点を取ったらパパの子にされる》 《秋だもの髪も紅葉させなくちゃ》 《手始めにあなたの事を忘れたい》 《叱ってもいいかと孫の親に聞く》 《夕べの蚊ここで会ったが百年目》 《もう朝だ地球の裏で眠りたい》 《早寝早起き良い子になった六十路過ぎ》 《美しい指に見とれている手品》 《東京の砂漠で砂になっている》
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-「土俵に戻る花道はない。でも歩くしかない。生きるしかないのだ。」セカンドライフを送る人すべてに贈る、五七五の人生賛歌。野良猫が水を飲んでいる風景に発想を得て作った川柳を職場の仲間に披露したところ、思いがけず大きな反響があったという著者が退職後、本格的に川柳をライフワークと活動をはじめ生きた証を一冊にまとめた川柳句集。 暮らしの中のちょっとした気づきから社会諷刺、人生観にいたるまでの振り幅の大きい題材を、書名の通り「読者と響き合えるもの、共感できるもの」を意識しつつ、誰にでも分かる易しい言葉をつかい、個性ある視点で十七音で綴っている。また正義感や孫、クラス会、みちのくの旅、野田市に住んで、生き物とともに、という六つのテーマ吟も意欲的。 丸くない男の土俵そっとおり 愛の鞭力加減が難しい 見返りがたまには欲しい時もある 軟弱な地盤に立てた旗印 生きるには泣くか笑うか金が要る 捨てる人いて拾う人誉められる 人様をじっと見ている認知症 少子国九月生まれが少し増え 安心がかけ捨てられた保険料 フランスが日本部下に☆三つ
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-第1句集「ひびき」刊行から12年、第2句集「ひびきⅡ」から2年。川柳への情熱が高まる中、最愛の妻との死別という苦しみを経験し、夫婦そして家族とともに歩いてきた愛しい日々を川柳に昇華してきた著者。この「ひびき」シリーズは、まさに著者にとって人生第二章の自分史としてしっかりと足跡を残してきた。第一章「満ち潮」は平成28年、第二章「波静か」は平成29年、第三章「桜貝」は平成30年、第四章「追憶は愛」は平成31年、第五章「流れ」は平成15年から平成31年までの時事川柳をの作品を纏めたもの。偽りのない魂の輝きを刻む本句集は、一人の人間が織りなす人生模様がこんなに多彩であることに気づかせてくれる。 野の花へ語りかけてる老い孤独 ニンゲンに飽きて人生にも飽きる だんだんと幸せ色になるイチョウ あのころはなどとぼんやり日向ぼこ 人のため世のためという犠打ばかり マスクして潤んだ瞳だけを見せ ひとしきり老いの話に猫が乗り
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-第1句集「ひびき」刊行から10年。「人生の下り坂は山の端に沈む太陽のように転がり落ちて、体力も記憶力も劣化の一途をたどるばかり」の一文ではじまる「あとがき」には最愛の妻との死別が綴られ、一時は川柳から離れたほど埋めきれない著者の孤独が滲み出ている。 いつしか自分をさらけ出し、川柳に吐くことを再開した著者は、一日に一句を思いそれが山となった頃、川柳を通じての他者との響き合いを求め、人生の輝きを取り戻した。「2008年の章」から「2015年の章」までの8年間の魂の軌跡。 幸せにすると確かに言ったはず 晩酌に目刺しと妻のある平和 訳もなく泣いてレモンの味を知り 一歩前照らした妻の常夜灯 さよならをしたのに妻はいつもいる 花の名が知りたくなって墓参り 人生を騙し続けた万華鏡 にんげんに差をつけたまま日が暮れる 真ん中に母さんがいて丸くなり 夕やけの色になりたいだけである
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-ほのぼのして、ほんわかして、クスッと笑えて、ちょっぴりワサビも効いた、芯から心が温まる人情川柳。「そうそう」「あるある」と読者が思わず膝をポンと打つような、日常どこにでも転がっている句材でありながら、卓越した観察眼と的確な表現力に、著者の人情味がプラスされたとびきり上質なユーモア川柳に仕上げられている。本書が著者の必需品である小さなノートとたった一本の鉛筆から生み出されていることを考えると、川柳の可能性は無限に広がっているという大きな期待をかけたくなる魅力を有している。 第1章「女房と私」、第2章「定年後」、第3章「スマイル」の3章構成。 ゴマをする相手は女房だけになり 父の日はブブゼラの音にかき消され 泥酔の一部始終を見てる猫 鬼の面必要ないと妻に言う 一日がこんなに長い定年後 おもてなし受ける理由がわからない 白よりもグレーが似合うお金持ち 上記した猫が出てくる掘ごたつ 鏡見て口角上げる誕生日 おさらいをしないどうしがへぼ将棋
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-読む人の心に響く、原風景がここにある。古き良き風景と人情の中に育った、生粋の江戸っ子である著者の東京下町を舞台にした、人情味あふれる17音の物語。タイトルは小学生の時はじめて作った冬の夜豆電球も寂しそうより。 昭和の東京の風物詩や気丈な母親との思い出、蕎麦屋を営んでいた時代のこと、江戸っ子ならではのこだわりなどを平易な言葉で詠んだ句と文を13章に収録。 誰もが言葉にしたくてもなかなか出来ないもどかしい想いを、17音に凝縮して代弁する。 ト音記号のように食べてるスパゲティ 海に陽が沈むとジュッと音を立て 名を知ってそこここで目に止まる花 首を傾げてビクターの犬を見る 吸収合併されるすりへった石鹸 ラジオ体操のピアノの物憂げな スローモーションでどんぶり落ちてゆく 趣味ひとつわたしの隠し味にする いい休みだった一日雪が降り
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-人生いたる所に咲く、みずみずしい感性、極上のエスプリ。ユーモア精神に富み、会社の同僚から「川柳に向いているかも」と常々言われていた著者が、還暦の定年を機に川柳をはじめ本領発揮。傘寿の節目に、これまでに発表した句を纏めた待望の一書。 20年の間に川柳三昧の日々から、自分の体調と相談しながらマイペースに川柳を楽しむ日常へと変わってきた著者。日々の暮らしで感じる喜怒哀楽を深く、前向きに見つめ、十七音に昇華している。 警察犬シャネル5番に横を向き 少し貧しいくらいがいいと父が言う まだいけるもう一度だけ犬を飼う 近所ではとてもいい人逮捕され ゲートボール立ち見している定年後 ときどきは正しい時刻確かめる 目覚めたら岸が変わってるといいね 渋滞の因をなしたる取り締まり 枯れそうになるとせっせと本を読む 思いのほか長く生きそうあしからず
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-茨城県を代表する川柳結社「つくば牡丹柳社」初代会長であり、卒寿を越えてなお活発な創作活動を繰り広げる著者。 前期の章と題した「はしがき」と、私の人生川柳と題した「あとがき」の双方を、あえて散文ではなく川柳作品のみで纏めているところに、著者の並々ならぬ川柳愛、そして美学が浮かび上がる。作品の章は中期の章、後期の章の2章だて。難しい単語は一切用いず、人生の彩りを十七音に投影、味わい深い秀作が揃う。「あとがき」では、生まれ育った北海道での生活、就職、結婚、病気、転居、川柳との出合い、家族などを詠んだ44句を読み進めていく。一句一句はもちろん独立しているものの、あたかも秀逸な小説を読むように、連作として川柳を味わうことが出来る。 寒さだな人を羨んで悔いている A面の地声が大き過ぎないか 鉛筆を削り膨らむ好奇心 後期でも一番風呂は譲らない 良心を写すカメラになる両目 叱られた椅子に座って誉めている へそくりは終活用とはばからず つまらない客だパンダが欠伸する 物忘れ進みへそくりつくれない 無人駅何を祝うか福寿草
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-赤裸々な「私」をさらけだす、十七音の魂の記録。 豊橋番傘川柳会会長として活躍する著者が、激動の人生を乗り越えて、たどり着いた境地を詠む。なにげない日常を一本のエッセイに変える川柳の力を実感できる、四千余句から厳選した待望の第二句集。 《家に居るはずの夫と駅で会う》 《ぺこぺこの鍋が未だに捨てられぬ》 《砂山のトンネルで手をつないだ日》 《次の世も女で君に貢がせる》 《夫とは違う願いを流れ星》 《恋人が出来たと母からのメール》 《ネクタイはどう結ぶのと聞く娘》 《財布よく忘れる友だなと気付く》 《拗ねてる間に苺大福消えていた》 《背中見たままじゃ追われぬサバイバル》
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-日本を代表する結社のひとつ「ふあうすと川柳社」主幹、(一社)全日本川柳協会理事などの要職で活躍する著者の第一句集。 柳歴50年を越える氏の長い創作活動の中で、作者の師である北米川柳界の重鎮・山中桂甫が目を通した1990年頃から約20年にわたる作品が収録されている。 ふあうすとの指針とする「川柳は人間である」を底流に、抒情に富んだ唯一無二の句境に読む者すべてを誘う。 《明け暮れの疾さ心の雨季乾季》 《橋の名と川の名ばかり美しき》 《諦めの数は覚えていない指》 《幻と気付く旅路のさい果てに》 《アヴェマリア耳朶を流れて止まぬ雨》 《かすり傷ばかり知らない間に治る》 《いつからかもう天の川仰がない》 《わが胸の薄墨桜散り止まぬ》 《肩少し触れ今生をすれ違う》 《身一つを賭し守り抜く何を持ち》
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-空に向かって凜と咲く花のように、人生の試練を一つ一つ乗り越えながら、川柳という表現手段において、岩手の地で確かな足跡を残し、後進を育成してきた著者。花巻川柳会会長として活躍する第一句集「秋桜」から20年、待望の第二句集。 著者にとっての「やすらぎ」は、川柳を書くことで得られる心の救い。詠まずにはいられない「吐露することのできる想い」は多くの人を感動へと導く。「今が旬」「癒しのフルコース」「下り列車」の三章構成。 《今が旬あなたの皿に乗ってみる》 《ふところの数珠をまさぐる現在地》 《骨密度まだしばらくは歩けそう》 《笑顔から始まる癒しのフルコース》 《素うどんのように連なる時は人は》 《涅槃図の隅でひっそり臓器授受》 《下り列車なんてやさしい音だろう》 《ももさくら静止画像が動き出す》 《犬かきで進んだ夏をふりかえる》 《目の前にあれば信じてしまう癖》
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-喜怒哀楽を受け止めてくれる十七音に惹かれて高校生から川柳をはじめ、制服姿で句会に参加していたという著者。その情熱は未だ衰えることを知らず、活動の幅はますます拡がっている。 本書は昭和五十五年頃から三十年間の作品を年代別に編んだ作品群であり、真摯な姿勢で川柳に、人生に向き合う著者自身が一句一句に宿る。読み進めていくと母そして妻、社会の中の一人、書家としての顔、さまざまな著者が立体的に浮かび上がってくる。「母の小旗」「和音」「さくら道」の三章構成。 《塩も砂糖も心配りで煮えている》 《ふともれた本音を聞いた耳の穴》 《ヘナヘナとさせる塩なら持っている》 《あと一歩押せば火がつく導火線》 《あいまいな返事を口の中でする》 《ひらめきを発酵させているごろ寝》 《サイコロは振れぬ告白遅すぎる》 《ころころと転がって来たこれが運》 《ていねいに洗いなかったことにする》 《心電図ほらねやましさなどはない》
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-短詩型文芸の世界を縦横無尽に飛び回り、現代川柳界が誇る智者による、川柳誌および柳俳交流誌に発表したノーボーダーな句集。 40年以上にわたり、川柳作家としてはもちろん、多数の評論、論文、鑑賞文を発表する評論家として常に第一線で活躍しながら、川柳の未来を誰よりも思考し、新しいものを受け入れる包容力を持つ著者。 第1章「ZからZへ」、第2章「健・祐・一・青のY」、第3章「三・冨・慎・美のX」、第4章「百白集―百人の感想集―」。 難解な言葉は使わず、冒険を恐れず、それでいて読者を不思議な共感へといざなう唯一無二の世界観に定評がある。第4章は「川柳作家全集 普川素床」を読んだ100名の感想集をまとめたもの。 これは頭ではありません私の帽子です 鼻の奥に灯りが見える春は眠い 一日をむすんでひらく酔いながら 影をクリーニングに出しぼんやり煙草 あとがきの死体をオキシフルで拭うv 抜いて差す釘一日はやわらかい 似ているとどうして笑っちゃうのかな めしを食う 影も遅れてめしを食う うしろまえなんだよきみのやさしさは 墓地いっぱいのこの人間の明るさは
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-川柳は言霊であり潜在意識であり 日常から非日常へといざなってくれる魔法の扉である。 (柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 大阪を代表する川柳作家・赤松ますみの渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「むらさきになったり透けてしまったり」。 一輪の花予言者のように咲く 迷宮へいざなう虹色の封書 ミステリーゾーンへ続くプロローグ 掬われて天女になってゆく金魚 むらさきになったり透けてしまったり エンドロールの先に流れている銀河 曼荼羅の縁を歩いているのです
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-川柳を続けるな 川柳を離れるな 原点を守り 新たな変化を遂げる(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 群馬を代表する川柳作家・秋山春海の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「風狂の男一匹野点傘」。 風狂の男一匹野点傘 麓から茶が届かない野点傘 野点傘寅さんの席空けておく 風の海花の小波野点傘 花入れは天下御作の野点傘 源氏名の客で溢れる野点傘 見送りは月登るまで野点傘
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-川柳は人間を詠む、と言われているので、 いつも好奇心を持って生活することが大切。 たくさん作って、たくさん捨てる。 多くの人の佳句をたくさん読む。(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 福井を代表する川柳作家・浅川静子の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「言える時たくさん言おうありがとう」。 言える時たくさん言おうありがとう 赦しあいきょうをまあるく温かく ふる里は川底にある胸にある 不揃いが店では買えぬ母の餅 落書きを消して机よさようなら 職を辞す背もたれだけの椅子をなで 麻痺の指のばして姑の爪を切る
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-(輪廻転生) 八年前から自分の雅号に、四代上の先祖の名前を語ることにした。 このインパクトが強い『熊四郎』の名に恥じないよう川柳道を全うしよう。喜んでもらえたら、自然と私の守護神として見守ってくれると信じている。 先代「熊四郎」は明治25年死去、私は昭和25年に誕生した。 この25年という年号にも(輪廻転生)を感じています。(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 島根を代表する川柳作家・熱田熊四郎の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「柱になれるか試し斬りをされる」。 柱になれるか試し斬りをされる 草臥れたオッサンぐっと缶コーヒー サンバのリズムで不燃物を燃やす 神ってた羚羊の足なでてやる 忘れずに精霊達もバトン持つ ときめいて許容範囲を越えている 毛も毛穴も戦う意志を見せておく
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-川柳はウガチである。 常識のメガネを外すと、真実が見える。 それを詠むのが川柳であり、ウガチである。(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 東京を代表する川柳作家・阿部勲の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「ほろ酔いがいい人生の酔い心地」。 改憲のアクセルそっとそっと踏む(アクセル) 記念日をどもって妻に叱られる(あやふや) 五時からの自前の声がよく笑う(息抜き) 息抜きを指にさせないスマホ病( 〃 ) 金の卵割ってしまった愛のムチ(勇み足) 改革のトゲに弱者が狙われる(痛い) 日中へ旗色を消す星条旗(板挟み)
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-川柳には「川柳味」がないといけない。そして、 (1)オリジナリティー(独創性・新鮮さ)、 (2)リアリティー(真実性・迫真力・本質)、 (3)シンプリシティー(簡素)、ディグニティー(品位・格調) が必要である。 (柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 大阪を代表する川柳作家・天根夢草の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「おばあさんにまだ惚れているおじいさん」。 病むひとに少し似ている酔芙蓉 テレビジョン両目が均等に疲れ 梅干しのすっぱさにさえ差異がある きっちりと台車の上に乗る柩 焼かれたら終わりもったいない柩 さまよえるお骨上げからもれた骨 焼香の感触残る指の腹
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-川柳は「元気の素」 川柳を趣味とする元気な後期高齢者の方々を見て、肖りたいと思う。高齢化が急速に進む中、国に依存することなく、自助努力で充実した人生を過ごしていきたい。社会に高くアンテナを張り、柳友と交わり、より良い作品作りに挑戦することは「元気の素」と信じている。(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 愛知を代表する川柳作家・荒川八洲雄の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「天高く白紙で君を抱き締める」。 天高く白紙で君を抱き締める 触れてくださいきっと私を好きになる 志高く東京駅に立つ 悩みごと心の留守が顔に出る 大の字で寝てるやましさ無いらしい 光陰や色香漂うのは瞬時 百冊の本よりプロのアドバイス
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-川柳とは親友であり悪友である。 いつもそばに居てくれ、私のあれこれを知り尽くした顔をして居座る。でも、時々その存在が鬱陶しくなり、離れて息抜きがしたくなる。川柳は素知らぬ顔をして待っている。そしてまた、ああだこうだと揉めながら、濃い時間をたっぷりと一緒に過ごすことになる。 ありがとう。腐れ縁かもね、川柳。(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 東京を代表する川柳作家・井手ゆう子の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「大笑いしよういつかはしぼむから」。 深い傷人に見せたくなる真昼 ヒトだけがまだ続けてる別れ歌 排水口あきらめながら潔く シリウスに尋ねる奴は元気かと レモン腐る孤独死なんか怖くない 感情線爪弾きながら冬ごもり 幼な子はちひろの色で駆けて来る
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-題詠だけの句会つまらぬ 居酒屋にても吟行のうち 嘘も方便法螺も愛嬌 上等ならば旨い佃煮 寄り添うならば成り切りも善し 大きなお世話しては後悔 敵に頭を掻かす時事吟 偶に煽るが危害与えぬ お奨めしてもしない強要 裾は分けるが袖は振れない 選は様々恨みっこなし 自ずと違う評と解説 短い曲を選ぶカラオケ 歌も話もまず聞き上手 表現者たる責任と自負 大器晩成夢は捨てない(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 東京を代表する川柳作家・植竹団扇の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「原発はゼロ尿酸値は8以下」。 葵とも菊とも縁のない家系 赤信号みんなで渡るから怖い 跡継ぎができて安泰ジャパネット 網棚に載せるとやがて不審物 ありのまま報道すると誤報です 会わぬまま別れることにした鰻 イケメンの武将の顎が頼りない
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-川柳は癒し 川柳は日常の喜怒哀楽を詠います。喜と楽、「喜び」と「楽しさ」は二乗、三乗に増えて膨らみますが、怒と哀、「怒り」と「哀しみ」は川柳に詠むことによって、加減乗除の「減」と「除」となり、だんだんと小さくなっていきます。気持ちの中に楽しさが増え、悲しさが減れば、人生を豊かにポジティブに彩ってくれます。川柳文化、川柳言霊の不可思議です。癒しの森で学び、楽しみましょう。(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 茨城を代表する川柳作家・太田紀伊子の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「力点をどの辺に置く余生の図」。 蹴っ飛ばす石も見つからない都会 打ち解けてからの敬語が減ってくる 人形は踊る電池のある限り 散ってから仲間を増やす花筏 孫の成長ノックする部屋ができ シャワー室には似合わない浪花節 追い越した時から次の的になる
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-今、川柳家は句会などで、鎬を削る如く人間の生き様を具現化し世に投影している。そうした人々はその作品に於て、十七文字には拘束されつつも巧みな穿ちのある言の葉を用い、社会の有り様を捉えて創作しているようだ。そしてその芸術面に於ける功績は、恐い事の横行する新世紀の世界でも、我が国土に聳え立つものが有るかに思える。私もこの世に生きて、この“かわやなぎ”の魔に触れ得た事を、一つの喜びとするものである。(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 群馬を代表する川柳作家・荻原亜杏の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「甦る剛き想いの失せはせず」。 川柳という部屋の鍵父は開け 川柳に生き川柳に終えた父 気高さも顕わになって父の老い 疑問符へ父の高志を悟らされ 父の手が濡れていたので拭いてあげ 利く方の手で父ヒゲを剃ってみせ 饒舌の笑わせる父かつて父
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-その人の心、そのものの心になって句をつくる、 即ち、人を愛し、ものを愛することが川柳である (柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 群馬を代表する川柳作家・荻原柳絮の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「とてもいい一日だった蝗とり」。 一つだけ茶碗洗って妻の留守 スーパーへ男が行けば無駄を買い 長男と話し出稼ぎまた出掛け 悪友はいきなり水を所望する 書かないで来て友達のいい弔辞 定年の公園に飽き閑に飽き 前ぶれもなく友が来る暖かさ
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-起承転結 どう咲いてどう散るか 深く静かに火種抱く(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 大分を代表する川柳作家・小代千代子の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「ぶり大根ことこと煮込む私も」。 十三夜今宵いのちを横抱きに 十五夜の月には百の選択肢 満月もやがては欠ける人も世も 高い高い山へ登ってゆくおとこ 長い長い橋を渡ってゆくおんな たましいを洗うとうすい涙色 ずぶぬれに濡れて明日が見えてくる
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-川柳の海を クロールで泳ぐひとがいる バタフライで泳ぐひともいる 川柳の海を ぼくは犬かきで泳いでいたい (柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 鳥取を代表する川柳作家・門脇かずおの渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「毒のあるさかなと祝う誕生日」。 鉄棒にとびついてみるお正月 いい風呂でお花畠になってゆく 眉間から生まれたものを茹でている 空が墜ちないか見張っているバケツ 大河に映るちっぽけな顔ひとつ 月の出が遅くて月を釣り上げる 日没や縄の電車は縄になる
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-人と時代へ据えるまなざし。(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 群馬を代表する川柳作家・河合笑久慕の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「ヒトゲノム俺はやっぱり俺である」。 ヒトゲノム俺はやっぱり俺である ドン・キホーテ川柳という武器を持ち 川柳に袖を引かれた曲がり角 木の椅子の温みに森へ誘われる 花の影俺を見ている俺がいる 遺伝子のきしみが響くピンセット 題名があってうなずく抽象画
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-根底に人間愛を (1)根底に人間愛を…愛あっての喜怒哀楽。機微であり、同時に他人や草木、万物への愛の表現を込めて創りたい。 (2)個性と品格を…その人らしい、自分らしい内面性、主観性を重んじ、同時に品格と文芸性ある句を創りたい。 (3)一元的、説明的ではなく…多元的な広がりと深みある句を創りたい。(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 石川を代表する川柳作家・北村幽犀子の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「玉子の曲線を人が割り続け」。 おやまあアレッくるりコソコソすたすたすた おほほほほコロコロアハハハわはははは でもしかし だからといって そうとしか ポッカポカかんかんハラハラひゅうひゅうひゅう トントントンどんどんガタガタバリンバリン これだけは きっとそうだよ もちろんさ 優しさがまぁるい風を呼び起こす
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-自分と向き合うためのエッセンス その日そのときの思いや行動を言葉で編みつづけていくための―。(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 青森を代表する川柳作家・北山まみどりの渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「笑うから奥へ奥へと通される」。 告白が済んだらモネの絵で眠る 想い出を抱きしめてやる芽吹くまで 離れても一緒にいても蛇行する したたかなブーケになっていく途中 真っすぐに歩いて見えぬことばかり いちまいの空です辿りつく先は 待つことは美徳でしょうか罪ですか
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-赤ちゃんは みな天使 お父さんお母さんの 愛を信じ 家族たちの愛に 包まれて生まれた すくすく伸びる ひとりひとりが 五七五の種を撒き 川柳と共に育ち 苦を愉しみに変え 涙を笑顔に変える こどもは 日々に育つ宝 川柳も 共に伸びる宝 みな元気よく 健やかに(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 福島を代表する川柳作家・熊坂よし江の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「とつきとおか神にいただく呱々の声」。 胎動の強さ明日には花となれ 身ごもって夢描く画布の無限大 とつきとおか神にいただく呱々の声 天を衝く産声家系図が伸びる ぎゅっと掌にちちははの愛握りしめ 無影灯無垢の絆を光らせる ふわふわの五体祝って射す朝日
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-川柳とは何かを考え続けることができるのも、 川柳の楽しみの一つである。(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 大阪を代表する川柳作家・桑原道夫の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「うつくしく強く地球を蹴る遊び」。 あけがたの街灯の灯は昨日の火 街灯の照らす範囲を舞う雪よ 冬のベンチ人が通ると人を見る 満開の桜のなかの電線や うそ寒くなるまで公園の花見 さくらから去ってさくらを振り向かぬ 壺焼きに砂の混じれる団欒や
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-川柳は家族です (柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 大阪を代表する川柳作家・小島蘭幸の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「樹齢千年もう美しくなるばかり」。 生きてゆく音があふれている野原 水が澄む忘れることはいいことだ 最後の最後の一雫が効いた 梅さくらいいことばかりあるように 春は朧よ笛吹きながら泣きながら 電気代も水道代も春になる わたくしを洗う水平線に立つ
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-川柳は、哲学であり芸術である。 人間の喜怒哀楽を詠む作品から自分の生き方を振り返り、これからの生きる指標にし、より好い生き方を学んでいく哲学であり、また、美しい日本語に触れ、豊かな情操を育む芸術でもある。 (柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 福島を代表する川柳作家・駒木香苑の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「まだ君の指紋拭けない花しおり」。 蘊蓄はどうあれ十指解き放つ 曖昧な答えを笑う磨り硝子 飴一つ貰いルーキーらしくなり いじめかもしれぬ小石が磨かれる 浮かぶ瀬もあるかとピエロ演じきる AIと共存させる近未来 パッと咲く桜に恋をする美空
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-川柳は本音の私(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 東京を代表する川柳作家・後藤育弘の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「プライドをはがすレタスの葉のように」。 飼い主が見えずうっかりいじめかけ 誇ってた勤め先今傷となり ペットだと思えば楽な俺の世話 音声を変えてもなまり変えられず 客一人でも説明はガイド調 スイングをこっそりしてる警備員 質屋さん保管良いのでまた頼み
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-私の川柳は紛れもない分身である 理想から無様な私の総てを、投影している 時に綺麗に飾り、時に屈辱挫折を詠む 競吟に阿ることなく、淡々と詠む 私の心を通して、ほろり吐き出す一行詩である(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 富山を代表する川柳作家・坂下清の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「微酔の頃思い出す休肝日」。 手習いに秘かに期するところあり 母の味見事に継いだ妻がいる 爽やかにつかず離れず毬の栗 世の憂さを飲み込んでなお蒼い海 大寒に命ふるわす芽吹きあり 微酔のバンザイ響く上り線 恩なんて死語と言いつつ返し待つ
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-川柳とは自己変革の歴史であり それは主に風刺短詩である。(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 岩手を代表する川柳作家・佐藤岳俊の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「雪が降る二人で生きて行けと降る」。 白鳥が来ました稲株掘っている 核を持つ国が核兵器を怖れ 大衆の田螺は今も泥を這う 核兵器禁止反対被爆国 叩かれて木魚故人の声になる しゃべりだす土偶の声を待っている カタツムリきっと走っているんだね
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-呑むもよし 遊ぶなおよし ほどほどに やがてに練れよ 身と心 これは川柳ではない。しかし、私が二十歳になった時、父がハイボールを作ってくれながら、手渡してくれた一句である。時々脱線はしてきたけれど、いつも頭に残っている父の有り難い言葉である。(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 東京を代表する川柳作家・佐藤朗々の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「黄昏れた顔は似合わぬエンマさま」。 喜怒哀楽全て神サマ仏さま 気を鎮め硯の海に浸す筆 こりもせず旅と酒とで午の年 遠くても逢えば心が通う仲 火傷などたまにはしたくなる元気 ナベと釜三畳一間から歴史 たらいまわしされて電話に出てるトゲ
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-川柳とは、十七音に思いの丈を凝縮して 「心」や「魂」を表現する一行詩である。(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 愛知を代表する川柳作家・柴田比呂志の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「ふるさとの空は限定品だろう」。 花切手貼る日のくるぶしが軽い コーヒー香るほどの贅沢 椿咲く また逢えるいつかの町の始発駅 手品師が哀愁というハトを出す 花見酒魚眼レンズの底で酔う トロッコの何か淋しい人に似て 遊園バスに乗ると海からくる匂い
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-川柳とは山登りの如し 山は無言喜怒哀楽を包み込む 人生の歩みと同じ山歩き 山ひとつ越えると次の山が見え(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 富山を代表する川柳作家・島ひかるの渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「生きてゆく力となった山がある」。 御来光富士から拝む古希の夏 生きてゆく力となった山がある 越した山数え今年も十二月 ふる里へ移り余白に色を足す 丸薬の恋しき父の仕事場よ 売薬の紙ふうせんにある情け ササユリに父想い出す山歩き
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-それぞれの味を纏って連なる川柳の山々。 中でも魅力を秘め険しく聳え立つのは、 ナンセンス・ユーモアの山。(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 鳥取を代表する川柳作家・新家完司の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「あきらめたとき美しくなるこの世」。 手を上げて渡るだあれもいない道 誰ひとりきづいてくれぬひとりごと 霧が出て街は水族館になる さくら咲く今は死にたくない季節 自転車に春の空気を入れてやる ともだちを数えて歩く花の下 花の下にっぽんじんは靴を脱ぐ
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-川柳は頭のスポーツ! 脳の活性化に、 よく読み、よく知り、よく作る。(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 新潟を代表する川柳作家・菅沼匠の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「雑音を遁れて咲いた水中花」。 新人と古参仲良く混ぜご飯 二世紀をハチ公生きて変わらない ここ掘れワン掘れば掘るほどボロが出る 石が浮くやはり褒められたんですか おみくじに一喜一憂雑魚の群れ 雑音を遁れて咲いた水中花 突き出せば妥協しやすいトコロテン
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-川柳とは人間を5・7・5の17音字で詠う、 エッセイのようなもの。(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 北海道を代表する川柳作家・鈴木厚子の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「愛はしなやかにあなたへループパス」。 愛はしなやかにあなたへループパス まあるくまるくまあるくなあれ言霊よ 笑ってるあなたの側の風が好き 何があっても幸せそうな顔をする 常備薬愛と涙とことだまと 四季巡る女をすこし衣更え 話そうか時効になったあの話
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-わずか十七音で長編小説にも負けぬ ドラマが詠める川柳は、人生の応援歌です。(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 愛知を代表する川柳作家・鈴木順子の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「夢心地の君へびっくり水を差す」。 本籍へ出せぬ手紙を書いている 寒かった事だけ覚えてる別離 弁当を隠して食べた日の涙 金平糖やっと妹泣き止んだ 紙風船あの時母は泣いていた ご飯だよそんな絆に支えられ 私にもあった青りんごにエール
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-退屈をする暇がない五七五(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 神奈川を代表する川柳作家・妹尾安子の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「この道で良かったアナタにも会えた」。 そこらじゅう打楽器にする父の酒 戦友に出会えたかしら黄泉の父 ガソリンを満たして降りる親心 贅沢を知らない母の良い笑顔 ビンタよりこたえる母の忍び泣き こんなこと母の苦労に比べたら 一つしか無くても母は呉れたがる
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-期待に違わず、 しかし、予想を裏切る――― そんな句を作っていきたい(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 青森を代表する川柳作家・高瀬霜石の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「楽しいに決まっているさ曲がり角」。 ニッポンの朝よテレフォン・ショッピング 暗算ができなくなった消費税 未来永劫上がり続ける消費税 全国津々浦々――活断層 カタカナで書くと悲しくなる地名 地震には負けない地震国である ときどきは逆さまに貼る世界地図
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-いい川柳を 作るには いい人でなければ ならない(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 愛媛を代表する川柳作家・田辺進水の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「生きているだけで交響曲になる」。 やがて神がトレードに出す青い星 巻き付いていたのは十字架の尻尾 満点の夫婦ひとりは五十点 湯加減がぴったりこの人に決める 婚活も佳境シオマネキの右手 三界をゆらりゆらりと駱駝の背 悠久の風とひとつになる駱駝
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-川柳に 照らされながら 生かされる (柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 広島を代表する川柳作家・田辺与志魚の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「逃げのびてラストシーンの中にいる」。 中ぱっぱ母は享年九十二 人情を絡めて焦げたフライパン よく笑う顔に馴染んだ丸い鼻 ちょっと目をはなせば影が太り出す 真っ先に動いていつも損をする 手の届く範囲で五欲飼い馴らす 欠点を隠して蟹の横歩き
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-句は自己主張である。 不可解な句は読む人への誤魔化し、 素直な句は読む人への優しさだと思う。 大衆もその句を理解できる句であり、 普遍文学でありたい。(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 佐賀を代表する川柳作家・田原せいけんの渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「万華鏡虚飾の世界覗かせる」。 万華鏡虚飾の世界覗かせる 喜怒哀楽メリハリつけて生きている 原寸のままで見せたいお葬式 ブレンドがよい珈琲も人間も 忘れるから頭がパンクせずにすむ 痛恨の極み弔辞の嘘を聞く 核のある国に平和は訪れぬ
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-川柳という文芸にかかわっていまを生きる。その中に生活実感をともなう生きがいが生まれる。 表層ではない、人間存在の根幹にかかわるところまで掘り下げる川柳の追求こそが、文芸を通しての自己実現につながるものといえるのではないか。(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 和歌山を代表する川柳作家・たむらあきこの渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「乱調も足さねば生が錆びてくる」。 きみの告白がきのうの靄になる 行間を読んでもきみが拾えない 安い神を買うこともある水たまり 過去ばかり出しては媚びてくる日記 きのうの穴でてくる神か虫なのか やがて堕ちゆく独りに炎える夏の風 石のほどけるまでを独りの旅にいる
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-七転八起 転んでもころんでも起きあがる 人生も川柳道もまた同じ 川柳への心意気をずっと持ち続けたい(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 宮崎を代表する川柳作家・主税みずほの渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「神様の正面でするギブアップ」。 魂はなべて陽のさす杜をむく さわやかに父の墓標の一行詩 メルヘンの世界そろそろ母の舟 カラフルな指先にある千の傷 背伸びした愛はもともと負の予感 大人への入り口があり娘去る 独り居に決断せまるなごり雪
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-川柳に入口はあっても出口は無い。 壁はあるが左右へ奥へどんどん拡がっていく。 立ち位置をしっかり見極めながら進むのみである。(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 千葉を代表する川柳作家・津田暹の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「枯れ葉さらさら明日考える明日のこと」。 皇室はいいなと思う那須葉山 マニュアルが無くても桜咲いて散る 雑草の種に大らかなる大地 這い上がる勇気を呉れる壁の蔦 ガーデニング心の中にしたくなり 不揃いの蜜柑ジュースに化けて出る ささやかな抵抗ぎんなんが爆ぜる
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-ウイットに富む明るい句が好きだ 風刺や皮肉の効く句に出会いたい 心の襞を揺さぶる句にも魅せられる そんな句を私も作りたい 自由に思いのままを綴ってみたい(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 徳島を代表する川柳作家・土橋旗一の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「年収に触れず職種は農と書く」。 叱られてそれでも好きなママの膝 着飾ったママが主役の入園日 見送りの笑窪がパパのエネルギー 群れたがるメダカにもいる変り種 ポケットに夢見る獏を飼っている ヒューズひとつ直しもできぬ文科系 助手席の笑いが睡魔追い払う
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-継続は力と龍も虎も励 始まりは簡単そうな五七五でしたが、次第に奥の深さに気づき、書けなくなりました。辰年や寅年の大先輩はとにかく沢山読んで沢山書きなさい、そうしたら何かが見えてきますと激励してくれました。実際そうでした。今でもスランプに落ちた時はスランプ句、調子いい時はお調子句、五七五の駄句迷句と日々楽しんでいる最中です。 (柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 台湾を代表する川柳作家・杜青春の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「炎天下台湾全土焼芋化」。 始まりは簡単そうな五七五 四苦八苦ようやくできた駄句迷句 この句どうチチチ・チチチと鳴く守宮 ねんねんころりあなたもころり彼岸花 経験を積んであなたを捨てました 大根をおろしあなたを引き立てる 一粒の飯に神ありという祈り
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-量は質を呼ぶ スポーツや絵画の世界でよく使われる言葉であるが、川柳界では「多作多捨」がよく使われる。 一方で「下手な鉄砲も数打てば当たる」という見下げた言葉もある。川柳作家を目指す皆さんに言うのは憚られるが、浅学のわたしにはピッタリと実践している言葉である。(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 山口を代表する川柳作家・富田房成の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「不離不即うすむらさきの中にいる」。 不離不即うすむらさきの中にいる 愁眉が開いてまた時が流れ出す 洗われて洗いやさしくなってゆく あの虹を抱く山裾に君が住む 活きているフリーハンドで引いた線 明日開く花に踏まれた痕がある 糸口が見つかるまでは剥ぐキャベツ
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-ライフ イズ ポエム 川柳もまたポエムである。(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 福岡を代表する川柳作家・中山仁美の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「今生のシテをとことん舞い終える」。 日めくりのその日その日を旬にする 夢売りがこぼして行った夢拾う 一日一善心に小さい虹を抱く さわやかに第二志望で生きている 四捨五入すれば幸せ組にいる 喝采は無いが真っ赤なバラを買う 人間に生まれて夢を見ています
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-川柳に助けられたこと数多。 川柳は恩師であり、我が子でもある。(柳言より) 短詩型文芸界に燦然と輝く、ベスト・オブ・ベスト川柳! 47都道府県から川柳界を代表する最精鋭の第一線作家による柳言と秀句集、圧巻の川柳作家ベストコレクションシリーズ200。 宮城を代表する川柳作家・西恵美子の渾身の作品群! 本書のサブタイトルになっている作品は著者の代表作「人を待つ人が桜を待つように」。 炎を熾し炎を鎮めては生きている あの時私は掌中の砂だった 父を乗せぽんぽん船がゆく薄日 玉子酒とろりこの世の真ん中で 一枚のハンカチにある干潟 幕間になって手違いだと気づく カチンコの澄んだ音色や誕生日