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山本周五郎[未収録]時代小説集成
「少年少女譚海」、「講談雑誌」、「新少年」などの雑誌に発表された人情譚、怪異譚、冒険譚――。 文豪・山本周五郎による、これまで単行本に収録されなかった作品、流布版との異同の多い作品を一挙集成! 長篇2作品、短篇19作品、幻の作品群が姿を現わす! 山本周五郎が戦前に発表した時代小説は、探偵小説ほど未発見の作品は多くない。それでも散逸が激しい「講談雑誌」や少年雑誌、注目される機会が少ないマイナー雑誌や専門誌などに掲載された作品は、埋もれたままになっている。 本書には、『山本周五郎探偵小説全集』にも、〈周五郎少年文庫〉にも収録されていない、周五郎が戦前に発表した時代小説の中でも特に珍しい作品ばかりを収録した。その多くは単行本未収録で、単行本が底本として流布している作品の初出誌版、逆に初出誌が底本として流布している作品の初単行本版なども収めた。興味のある方は、バージョン違いの作品を比較してみるのも一興である。(「編者解説」より) -
山本周五郎[未収録]ミステリ集成
「少年少女譚海」掲載の冒険譚から、「新少年」掲載の短篇ミステリ、「講談雑誌」掲載の艶笑譚まで――。 文豪・山本周五郎による、これまでの全集/選集に収録されていなかったミステリを大集成! 長篇3作品、短篇10作品、すべて単行本初収録! 〈周五郎少年文庫〉の完結直後、山本周五郎の作品を蒐集されている小林俊郎氏から所有している周五郎作品のリストをお送りいただいた。そのリストには「少年少女譚海」、「新少年」を中心に、単行本未収録の二〇作品のタイトルと初出誌が記されていた(その中には長編連載『幽霊要塞』の全巻号揃もあった)。早速、小林氏に連絡を取ったところ、貴重な雑誌を貸していただくことができ、本書『山本周五郎[未収録]ミステリ集成』』の刊行に繋がった。 本書は、『山本周五郎探偵小説全集』にも、〈周五郎少年文庫〉にも収録されていない、周五郎が戦前に発表した探偵小説の中でも特に珍しい作品ばかりを収録した。全作が単行本初収録で、底本はすべて初出誌である。(「編者解説」より) -
深夜特急(1~6)合本版(新潮文庫)【増補新版】
インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行ってみたい――。ある日そう思い立った26歳の〈私〉は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。途中立ち寄った香港では、街の熱気に酔い痴れて、思わぬ長居をしてしまう。マカオでは、「大小(タイスウ)」というサイコロ博奕に魅せられ、あわや……。一年以上にわたるユーラシア放浪の旅が今、幕を開けた。いざ、遠路二万キロ彼方のロンドンへ!「あの旅をめぐるエッセイ」が新たに追加された【増補新版】。 ※当電子版は令和二年七~九月発行の新潮文庫(新版)『深夜特急』1~6の全六巻をまとめた合本版です。『深夜特急2―マレー半島・シンガポール―』収録の高倉健氏との対談「死に場所を見つける」は当電子版には収録しておりません。 -
合本 山本周五郎名品館【文春e-books】
没後50年、いまもなお読み継がれる巨匠の傑作短篇から、沢木耕太郎が選び抜いた名品。山本周五郎の世界へ誘う格好の入門書であり、その作家的本質と高みを知ることができるシリーズ4冊を便利な合本で! 生涯、膨大な数の短篇を遺した山本周五郎。その大半がいまだに読み継がれ、多くの読者に愛され、また後進の作家たちに多大な影響を与え続けている。山本周五郎作品に深く傾倒する沢木耕太郎氏が独自の視点と切り口で4巻36篇を選び、各巻の末尾に斬新かつ詳細な解説エッセイを執筆。 第1巻「一丁目一番地のひと」(周五郎作品に登場する女性像を分析する。) 第2巻「彼らを輝かせるもの」(男女が貫く「意地」をキーワードに作品世界に迫る。) 第3巻「寒橋のまぼろし」(「情」の万華鏡とも言うべき作品世界の魅力を解き明かす。) 第4巻「悲と哀のあいだ」(微妙に意味合いの異なる「悲」と「哀」を、周五郎はいかに描いたか。) -
山本周五郎 愛妻日記
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 昭和5年、27歳の周五郎は、煩悶の日々を送っていた。世界大恐慌の煽りを受け、日本もまた出口の見えない不況にあった時代。文壇デビューは果たしたものの、思うような作品を生み出せずに苦しみ、焦り、金銭的にも追い詰められて、自暴自棄になる日もあった。しかし、転機は恋と結婚によってもたらされる。周五郎は、最愛の妻に貧しい暮らしをさせていることに心を痛めながらも、真摯に小説と向き合う過程で、「読んで面白い小説」に活路を見出していく。妻への愛情を糧に、自分の為すべき仕事に辿りつくまでの若き周五郎の日常と心情が赤裸々に綴られた、第一級の文学史資料。(監修・竹添敦子) -
一瞬の夏(上下)合本版(新潮文庫)
強打をうたわれた元東洋ミドル級王者カシアス内藤。当時駆けだしのルポライターだった“私”は、彼の選手生命の無残な終りを見た。その彼が、四年ぶりに再起する。再び栄光を夢みる元チャンピオン、手を貸す老トレーナー、見守る若きカメラマン、そしてプロモーターとして関わる“私”。一度は挫折した悲運のボクサーのカムバックに、男たちは夢を託し、人生を賭けた。 ※当電子版は新潮文庫版『一瞬の夏』上下巻をまとめた合本版です。 -
天路の旅人(上下)合本版(新潮文庫)
この希有な旅人のことをどうしても書きたい――。第二次世界大戦末期、敵国の中国大陸奥地まで密偵として潜入した若き日本人がいた。名は西川一三。未知なる世界への好奇心に突き動かされた男は、極寒の雪道、延々と続く砂漠、幾重もの峠、匪賊の襲撃や飢えを乗り越え、八年に亘り中国北部からインドまで果てしなく長い路を歩み続けた。二十五年の歳月を経て結実した超大型ノンフィクション。 ※当電子版は新潮文庫版『天路の旅人』上下巻をまとめた合本版です。 -
日本残酷物語
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 日常的な飢え、虐げられる女や老人、掠奪やもの乞いの生涯、山や海辺の窮民…ここに集められた「残酷」な物語は、かつての日本のありふれた光景の記録、ついこの間まで、長く貧しさの底を生き継いできた人々の様々な肖像である。 -
文藝春秋
■■■昭和百年 美しき日本人50■■■ 私を捨て、利に流されず、節を貫き、誠を持った日本人の記録 上皇ご夫妻(山根基世)/堀田善衞(佐伯泰英)/石橋湛山(石破茂)/安室奈美恵(今井絵理子)/樹木希林(箭内道彦)/緒方貞子(鈴木規子)/川村隆(西山圭太)/渡辺和子(保阪正康)/北の富士(吉田賢)/坂根正弘(杉本りうこ)/横田滋(横田拓也)/今村均(岩井秀一郎)/中村哲(藤田千代子)/坂本龍一(浅田彰)/古島一雄(堀川惠子)/斎藤隆夫(村瀬信一)/金子勇(東出昌大)/石牟礼道子(いとうせいこう)/三上信夫(三浦英之)/畠山重篤(畠山信)/谷川俊太郎(尾崎真理子)/伊東正義(泉宣道)/茨木のり子(後藤正治)/山口百恵(中川右介)/岡田啓介(早坂隆)/田村正和(上沼恵美子)/星野道夫(新井敏記)/小津安二郎(平山周吉)/木谷明(水野智幸)/本田靖春(清武英利)/やなせたかし(梯久美子)/島田叡(佐古忠彦)/森英恵(下重暁子)/田中一村(谷口博文)/林明子(福音館編集者)/黒田博樹(倉義和)/徳岡孝夫(土井荘平)/大谷恭子(島崎今日子)/桜井政博(永田泰大)/岩村昇(石川信克)/羽生善治(北野新太)/丸川正人(泉秀一)/内館牧子(三田佳子)/河井寛次郎(鷺珠江)/大滝詠一(萩原健太)/上岡龍太郎(トミーズ雅)/山野井妙子(柏澄子)/小泉今日子(近田春夫)/土光敏夫(出町譲)/大谷翔平(冨田英揮) 【高市早苗研究6】 ◎高市インフレ「プランB」なき危険な賭け 渡辺努×塚口直史 ◎高市さん、日本をどうしたいのですか 田中眞紀子 ◎林・石井を粛清した高市独裁の罠 赤坂太郎 【特集「睡眠」は最高の健康投資だ】 ◎ラスカー賞・柳沢正史に真山仁が聞く「デキる奴ほどよく眠る」 ◎夜、目が覚めてしまうアナタへ 渥美正彦 ◎かんたん“快眠体操” 池谷敏郎 ◎「睡眠薬」正しい減らし方 三島和夫 ◎82歳の「不眠半世紀」 椎名誠 ◎KADOKAWA秘密文書入手 夏野剛「のし上がり」の代償 本誌編集部 ◎無人機戦争──ウクライナ現場ルポ 飯沼賢一 ◎本木雅弘 60歳の告白「晒された家族」の婿として ◎黒柳徹子×篠崎史紀×片山杜秀 窓ぎわから見たN響100年の秘密 ◎「俺たちの箱根駅伝」を10倍楽しむ 爆笑ウラ話 池井戸潤×大泉洋 ◎【グラビア】日本の顔 大泉洋(俳優) ◎石川祐希 日本バレーを変えた男 田中夕子 ◎豪雨はもう異常気象ではない 坪木和久 【連載】 ◎【新連載 第2回】世界と戦う「AIインテリジェンス」 成果を生むAI実装、二つの条件 伊藤錬 ◎成田悠輔の聞かれちゃいけない話 17 ゲスト 内田光子(ピアニスト) 「音楽は教育じゃない、体験よ」 ◎有働由美子対談 94 西川美和(映画監督)私たちの知らない戦争 ◎底線思考 4 穴の空いた世界 佐橋亮 ◎忘れ得ぬ「昭和人」 4 後藤田正晴の逡巡 保阪正康 ◎古風堂々 90 大いなる狼狽 藤原正彦 ◎日本人へ 277 塩野七生 ◎ベストセラーで読む日本の近現代史 158 佐藤優 ◎言霊のもちぐされ 25 山田詠美 ◎ラファエルの羅針 7 柚月裕子 ◎ゴルフ春秋 21……ほか -
五辯の椿
天保五年の正月、むさし屋喜兵衛の寮から火の手が上がり、焼跡から三人の焼死体が見つかった。三人は、長く結核を患っていた当主喜兵衛と、妻おその、娘おしのと認められる。一方その年の晩秋、江戸の町では殺人事件が相次ぎ、骸の傍らには必ず椿の花弁が残されていた。被害者はいずれも殺されて当然と思われるような悪名高い男たちばかり。この一連の事件に、与力青木千之助が捜査に当たる。聞き込みの末に若い娘の影を掴むが、果たしてその娘とは・・・・・・。法で罰することのできない、けれど到底許しがたい罪をどう裁くべきか――昭和の文豪・山本周五郎渾身の傑作長篇。(エッセイ/澤田瞳子、編・解説/竹添敦子) -
山本周五郎名品館
没後50年、いまもなお読み継がれる巨匠の傑作短篇から、沢木耕太郎が選び抜いた名品。 山本周五郎の世界へ誘う格好の入門書であり、その作家的本質と高みを知ることができる傑作短篇集の決定版! 生涯、膨大な数の短篇を遺した山本周五郎。 その大半がいまだに読み継がれ、多くの読者に愛され、また後進の作家たちに多大な影響を与え続けている。 市井に生きる庶民の哀歓、弱き者の意地、男と女の不思議など、特に時代小説に傑作が多く、その数も膨大なものがある。 山本周五郎作品に深く傾倒する沢木耕太郎氏が独自の視点と切り口で4巻36篇を選び、各巻の末尾に斬新かつ詳細な解説エッセイを執筆。 第1巻は「一丁目一番地のひと」と題して、周五郎作品に登場する女性像を分析する。 本書の収録作は以下の9篇。 「あだこ」(絶望した武士を立ち直らせるけなげな娘) 「晩秋」(仇である老臣の立派さ) 「おたふく」(かわいい女) 「菊千代抄」(男として育てられた君主の哀しみ) 「その木戸を通って」(ふっと来て、ふっと消えた女) 「ちゃん」(酔っ払いだが腕のいい職人の父親) 「松の花」(妻に死なれて初めて知る妻の偉さ) 「おさん」(自分の性に翻弄される女を追って) 「雨あがる」(おおらかな浪人とその妻) -
オリンピア1996 冠〈廃墟の光〉(新潮文庫)
近代オリンピック百年の節目となった1996年大会は、父祖の地アテネを押しのけ、グローバル資本を背景にもつスポンサーとテレビ局によってアメリカ・アトランタに持ち去られて開幕。著者は全日程をつぶさにレポートしつつ、五輪はいまや「滅びの道」を歩んでいるのではないかという仮説を抱くのだった……。一見華やかだが、巨体に悶え、岐路に立たされる五輪の姿を見出した最前線傑作ルポ。(解説・阿川佐和子) -
銀の森へ
成功の果てにある地獄じみた世界、奇跡のような輝き、静かな悲哀──映画はいつも私たちに思いもかけぬものを届ける。朝日新聞で15年続いた、映画評からはじまる名エッセイ二分冊のうちの一冊。1999~2007年までの前半90篇を収載。連載担当記者による解説入り。 -
銀の街から
映画の夢を文章で描きつくす。朝日新聞で15年続いた、映画評からはじまる名エッセイ・後編。文庫版あとがき収録。 -
オリンピア1936 ナチスの森で(新潮文庫)
1936年夏、ヒトラーはベルリン大会の開会を高らかに宣言した。それはナチスが威信を賭けて演出した異形の大会にして、近代オリンピックの原点となった――。著者は、そのすべてをフィルムに焼きつけて記録映画の傑作『オリンピア』を産み落としたレニ・リーフェンシュタールの取材に成功する。さらに、激しく運命が転回した日本人選手の証言によって大会を再構築した傑作ノンフィクション! -
敗れざる者たち
勝負の世界に青春を賭け、燃え尽きていった者たちのロマンを描く、 スポーツノンフィクションの名作が、待望の新装版に! 燃え尽きたいと望み続けついに叶わなかったボクサー、 栄光の背番号3によって消えた三塁手、夭折した長距離ランナーの「思い」、 良血馬達との決戦に臨むサラブレッ ド― “勝負の世界に何かを賭け、 喪っていった者たち”をテーマに書き継がれた6篇。 著者の原点ともいうべきスポーツ・ノンフィクシ ョンの金字塔! 沢木耕太郎が、徒弟修業中の自分にひとつの可能な道筋が見えてきた、と語る、自身の出発点ともいえる記念碑的作品。 解説・北野新太 -
柳橋物語
「この物語、年代を問わず全ての女のためにあるのかもしれない。そして、本気で女を愛せる男たちのためにも」(あさのあつこ・巻末エッセイより)。「待っているわ・・・・・・」明日上方へ旅立つ男からの告白に幼い感傷で応えてしまったおせんが、その一途さゆえに歩むこととなった苛酷な生涯を描いた恋愛小説の傑作「柳橋物語」、万年補欠とも称すべき武家の四男としての人生を堂々とまい進する青年とその家族の物語「ひやめし物語」、あまりの世間しらずに幽霊たちもたじたじ・・・・・・講談調の滑稽譚「風流化物屋敷」。人間の諸相を巧みに、鮮烈に描き出した三篇を収録。(エッセイ/あさのあつこ、編・解説/竹添敦子) -
さぶ
なんでも器用にこなす栄二と、お人よしだが愚鈍なさぶ。二人は幼いころから仲良しで、いつも栄二はさぶの兄貴分だった。だが、無実の罪で栄二が石川島に流されたことをきっかけに、その関係性に陰りが見え始める。自分は陥れられた、ここを出たら復讐してやろうと世間を恨んでばかりいる栄二は、島の罪人とも口を利かず、会いに来たさぶのことも冷たく突き放した。しかし、大あらしから島を守るための防波堤を作る作業中、栄二はうっかり足をすべらせて生き埋めとなってしまう。普段は冷たく接していた罪人たちが、どうしてこんな自分のために危険も顧みず、躍起になって助けようとしてくれるのか。徐々に心を開いていく栄二だったが――。1人の男が精神的な成長を遂げる感動物語。 -
天路の旅人
この希有な旅人のことをどうしても書きたい――。第二次世界大戦末期、敵国の中国大陸奥地まで密偵として潜入した若き日本人がいた。名は西川一三。未知なる世界への好奇心に突き動かされた男は、極寒の雪道、延々と続く砂漠、幾重もの峠、匪賊の襲撃や飢えを乗り越え、八年に亘り中国北部からインドまで果てしなく長い路を歩み続けた。二十五年の歳月を経て結実した超大型ノンフィクション。 -
テロルの決算
本作はもはや伝説。沢木耕太郎の最高傑作がついに電子書籍化! あのとき、政治は鋭く凄味をおびていた。ひたすら歩むことでようやく辿り着いた晴れの舞台で、61歳の野党政治家は、生き急ぎ死に急ぎ閃光のように駆け抜けてきた17歳のテロリストの激しい体当たりを受ける。テロリストの手には、短刀が握られていた。社会党委員長・浅沼稲次郎と右翼の少年・山口二矢――1960年、政治の季節に交錯した2人のその一瞬、“浅沼委員長刺殺事件”を研ぎ澄まされた筆致で描き、多くの人々の心を震わせたノンフィクションの金字塔。第10回(1979年)大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。 -
秘文鞍馬経
信玄の秘宝を求めて、三組が三つ巴の抗争を展開する道中物。 (※本書は2018/9/6に発売し、2022/1/7に電子化をいたしました) -
繁あね 美しい女たちの物語
繁あねは女のエッセンスである。――山口瞳(作家)艶やかに、ときに凜とし、ときに意地悪く――。作家が見つめた女という生き方とは。木場の畔に暮らす作家の私。釣竿をおろす私に突然声をかけてきたのは、繁あねだった。年は十二、三、妹と二人両親に捨てられ、肌にはひどい腫れ物があり、その生い立ちのため人に対して好戦的であることから、町でもその娘を引き取る者はいなかった。少女から女に変わる途上の繁あねとの会話を通し浮かび上がる、その生の在り方や人間の美しさ。表題作「繁あね」のほか、「この女とは一緒にいてはいけない……」そう思い別れた女・おさんへの複雑な思いから、その消息をたずねる男。おさんは、移り住んだ家に次々に男を引き込んでいると聞くが……。女の生を通し、人の心、男女の想いのありようを艶やかに描き出した名作「おさん」など。女性の美しさ、その生の在り方を艶やかに描く名作七篇。 -
深夜特急
インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行ってみたい――。ある日そう思い立った26歳の〈私〉は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。途中立ち寄った香港では、街の熱気に酔い痴れて、思わぬ長居をしてしまう。マカオでは、「大小(タイスウ)」というサイコロ博奕に魅せられ、あわや……。一年以上にわたるユーラシア放浪の旅が今、幕を開けた。いざ、遠路二万キロ彼方のロンドンへ! 山口文憲氏との対談「出発の年齢」を収録。「あの旅をめぐるエッセイI 孤寒」が新たに追加された【増補新版】。※本電子書籍は、令和二年七月発行の新潮文庫(新版)を底本としています。 -
家族物語 おもかげ抄
ひとつの家族には、ひとつの物語がある。何をするにも妻のことを最優先にする「甘次郎」と呼ばれる浪人の孫次郎。梶派剣術の使い手でもある彼は、ある日、多勢に無勢で追い込まれた武士を助太刀する。その縁から剣術指南として召し抱えられることになるが……。孫次郎の告白と、妻への思いを哀切を込めて綴った表題作「おもかげ抄」、流行の変化と職人気質の間に苦悩する男をあたたかく受け入れる家族を描く「ちゃん」、吝嗇家として町内でも噂される母親とその子ども達が必死になって働き続ける理由は……。本当の優しさとは何か、その問いに向き合い描かれた「かあちゃん」など、さまざまな家族の姿をとおし、それぞれの愛のかたちを浮かび上がらせる感動の七篇。 -
ちいさこべえ
火事で実家の工務店「大留」が焼け、両親をなくした若棟梁・茂次は、「どんなに時代が変わっても人に大切なものは、人情と意地だぜ」という父・留造の言葉を胸に大留再建を誓う。 そこに、身寄りのないお手伝いのりつ、行き場を失った福祉施設の子供達が転がり込んできて……ひげもじゃ若棟梁の崖っぷち人生劇場幕開き―― 山本周五郎の名作時代小説「ちいさこべ」を望月ワールド全開で新解釈する挑戦意欲作! -
若き実力者たち
ノンフィクションの巨星、沢木耕太郎のデビュー作! 小沢征爾、市川海老蔵(のち十二代目團十郎)、唐十郎、山田洋次、尾崎将司……。1970年前後に華々しく登場し、常に時代を騒がせ、リードし続けた12人の若きヒーローたち。彼らの多くは、今も輝きを失っていない。20代半ばだった著者が若き日の彼らの実像に迫り、新たな人物ノンフィクションを確立した画期的作品。この40年の意味を今また問い直すために――。 -
決定版 山本周五郎全集
時代小説、人情小説の名手・山本周五郎の初期から最晩年までの傑作小説を、長編・短編100作品以上収録した山本周五郎全集の決定版です。 ■目次 【長編小説】 青べか物語 青べか日記 赤ひげ診療譚 狂女の話 駈込み訴え むじな長屋 三度目の正直 徒労に賭ける 鶯ばか おくめ殺し 氷の下の芽 栄花物語 思い違い物語 季節のない街 虚空遍歴 五瓣の椿 さぶ 正雪記 新潮記 ちくしょう谷 天地静大 ながい坂 柳橋物語 日本婦道記 阿漕の浦 壱岐ノ島 糸車 梅咲きぬ 尾花川 おもかげ 髪かざり 菊の系図 郷土 笄堀 小指 忍緒 障子 萱笠 墨丸 竹槍 二十三年 花の位置 春三たび 風鈴 襖 二粒の飴 不断草 頬 松の花 蜜柑畑 桃の井戸 箭竹 藪の蔭 雪しまく峠 横笛 寝ぼけ署長 花も刀も 彦左衛門外記 風雲海南記 風流太平記 明和絵暦 樅ノ木は残った 第一部 第二部 第三部 第四部 山彦乙女 楽天旅日記 【短編小説】 雨あがる いさましい話 鵜 嘘アつかねえ 落ち梅記 おばな沢 おもかげ 和蘭人形 おれの女房 女は同じ物語 蒲生鶴千代 菊屋敷 菊千代抄 桑の木物語 寒橋 しじみ河岸 しゅるしゅる 城中の霜 末っ子 歔欷く仁王像 戦国会津唄 だんまり伝九 ちいさこべ 契りきぬ 竹柏記 梅雨の出来事 つばくろ 伝四郎兄妹 峠の手毬唄 年の瀬の音 鳥刺しおくめ 泥棒と若殿 長屋天一坊 七日七夜 日日平安 はたし状 初午試合討ち 花宵 春いくたび 半之助祝言 半化け又平 美少女一番乗り ひとごろし 百足ちがい 屏風はたたまれた 梟谷物語 武道宵節句 誉れの競べ矢 身代り金之助 水戸梅譜 めおと蝶 夕靄の中 夜明けの辻 陽気な客 義経の女