栄花物語

栄花物語

902円 (税込)

4pt

徳川中期、時の先覚者として政治改革を理想に、非難と悪罵の怒号のなか、頑なまでに己れの意志を貫き通す老中田沼意次――従来、賄賂政治の代名詞のような存在であった田沼親子は、商業資本の擡頭を見通した進取の政治家であったという、新しい視点から、絶望の淵にあって、孤独に耐え、改革を押し進めんとする不屈の人間像を、時流に翻弄される男女の諸相を通して描く歴史長編。

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栄花物語 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    賄賂政治で悪名高い田沼意次を、幕府の経済基盤の再構築を目指す政治家ととして描いています。旧態然とした武家社会にこだわる松平定信と新しい時代に即した理想を掲げる意次の対立は、現代の政治に似たところがあって興味深いです。

    0
    2012年10月04日

    Posted by ブクログ

    初めての山本周五郎、堪能できた。
    田沼意次の政治を善しとして、逆に白河侯、松平定信を復古を目指す悪として描き出している点に特徴がある本作。

    しかし、青山信二郎と河合(のち藤代)保之助を主人公(だと僕は解したい)として物語は進んでいく。この二人は「その子」という女性に人生を翻弄され、はじめは信二郎と

    0
    2010年01月22日

    Posted by ブクログ

    ソンやらトクで物事を判断している限り、どんな情報も自分の血肉にはならない。
    情報は、黄ばんだ白い、ブヨブヨとした脂肪に簡単にその姿を変えて、本当の自由を味わうだけの体力をあなたから奪う。
    背骨は痩せ細るばかりだ。

    「社会」は準備されているものではなく、自分の脳と体を駆使して、出来るだけ美しく

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    山本作品はどれも面白い。この時代にはその子のような存在が武家の娘としていたのか?
    何にしても人間を生き生きと描写する山本作品は素晴らしい。

    0
    2017年08月23日

    Posted by ブクログ

    『樅の木は残った』と言い、どうしてそこまで体制維持に腐心するのか理解できない面は否定できないが、本当に愚劣な、もとい正確を期せば「犬」のように世に阿る人間への怒りがこの作家を支える骨の一つかと。田沼意次を軸に据えるというのは余程性根が座っていないと出来ない芸当、かつ締め方も苦渋に満ちていて、この作家

    0
    2017年02月25日

    Posted by ブクログ

    歴史上は悪評のある田沼意次が、評価の高い人物として描かれていて、しかも無理がなくしっくりくる物語となっている。自分の好きなことをしないと良い人生とは言えないとする一方、人との関わりの中で、また日常の環境の中で生きている、ということをモチーフとしている。13.8.13

    0
    2014年03月11日

    Posted by ブクログ

    耐え忍ぶがテーマの根底にあるか。
    通説の中にある悪評高き歴史上の人物に光を当て直し、人間的魅力を強く引き出す事を旨とした周五郎。本作品田沼意次の人間と生活に焦点をあてた筆者渾身の力作。武家生活が困窮を極める中経済政策を推し進めるため旧態依然の反田沼体制に追い詰められていく様を描く。時代を先取りした改

    0
    2013年06月15日

    Posted by ブクログ

    よく悪い政治家の代名詞として挙げられる田沼意次の話。現世の評価とは完全に違って、幕府財政の改革者として描かれている。案外こちらのほうが真実味があるかもしれない。
    歴史というのは権力者によって語り継がれていて、ある意味恣意的なものだと思うし、世に言う名君が築き上げた現代がこうして行き詰まっている。実際

    0
    2011年07月25日

    Posted by ブクログ

    タイトルと田沼意次のつながりがわからなかったのは自分の力不足。でも,やはり政治の世界は努力しても報われるものではない。でも,何とかしようとする気持ちが痛いくらいわかる。今の政治家には望めそうもない。

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    山本周五郎の長篇小説『栄花物語』を読みました。
    『日日平安―青春時代小説』、『松風の門』に続き、山本周五郎の作品です。

    -----story-------------
    非難と悪罵を浴びながら、意志堅く改革に取り組んだ老中田沼意次を描く感動の歴史長編。

    徳川中期、農村が疲弊し、都市部の商人が力を持

    0
    2022年11月05日

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