あらすじ
死んだはずの己が換生によって新たな肉体を得、今を生きている。そのことが、景虎の心に陰を落としていた。それが付け入る隙となり、彼は『玄奘蜘蛛』に捕らわれてしまった。人の心を糧とする蜘蛛は、見えない糸で景虎の心を絡め取り喰らおうとする。しかし、人とは相容れぬ場所に巣食う蜘蛛を退治するには、誰かが命を捨て霊体とならねばならなかった!? そのことを知った直江と晴家は…!?
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Posted by ブクログ
すっかり荒んでしまわれた景虎さま。
酒浸りの日々に喧嘩三昧。
その心の虚無が玄奘蜘蛛を呼び込み、
遂には囚われてしまう。
救い出すには霊体になるしかないと言われ、自決を選んだ直江さん…。
決して景虎のためではない。
任務遂行のため。
後見人だから。
私的感情では決してない。
そんなことを反芻してるけど、それ、言い訳だから。どう考えても景虎さまのためですから。
言葉にこころがないと言われた直江の言葉に、景虎さまがだんだん影響されていく様がたまりませんでした。
もし直江が敵ではなかったら、景虎さまはとっくに駄目になっていたのかもしれないですね。
味方ばかりの中でぬくぬく過ごしてたら廃人になってたかも。
謙信公、絶妙な人選。さすがです。
これまでは自分との闘いを強いられてきたけれど、今度は宿体の人生と向き合わなければならなくなった景虎さま。
どうにも隠しきれない高貴な所作が滲み出る様にうっとり…。
なんか、もはや直江には景虎さましか見えてないように感じるんですがどうなんでしょう?