あらすじ
現代から遡ること四百年。戦国時代。越後では、鮫が尾城の怨霊の噂が広がっていた。家督争いで敗死した敵の大将・景虎。彼が景勝への怨みを抱え、城へ近づく者をとり殺し、様々な災いを招いているのだと。そんな景虎を鎮め導くため、僧侶がひとり鮫が尾城へ向かうが…!? 景虎と直江。“運命のふたり”が出会い、壮絶荘厳な物語を紡ぎ始める。もうひとつの「炎の蜃気楼」がついに登場!
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Posted by ブクログ
すべての始まりの始まり。
ここから彼らの苦しく切ない400年が始まる…。
大怨霊と化した景虎さまの残念・怨念が凄まじい。
色部さんに懲伏され、天の闇界で謙信公にとうとうと説かれ、この世とあの世の秩序を守るために再びこの世で生を開始しながらも、精神と肉体の齟齬感に苦しめられる景虎さま。
怨霊の巣窟と化した越後でまた苦しむ景虎さま。
痛々しい。
そんな景虎に優しく手を差し伸べつつも厳しい言葉でわが身を省みよと叱責する色部さん、かっこよすぎです。
そして、そこでいじけて終わらないのがやっぱり景虎さまだなぁと。
ぼろぼろになりながらも前を向いて歩き出そうとする姿が、高耶さんだった。
ああやっぱり高耶さんは景虎さまなんだって、なんかそんなことを思った。
越後に戻って、御館の跡に立った時に景虎さまが流した涙がとても心に突き刺さって、号泣してしまいました。
いくら主だからとはいえ、自分のために沢山の人が犠牲になり命を落としたとなると、正気ではいられないですよねぇ…。
そんなに沢山の人の人生、背負えない。
人の上に立つって、相当の覚悟が必要…ですね。
直江、ちょこっと出てきましたが、北条の血が大っ嫌いなんですね。
後見人だけれど景虎の監視役だと言い切ってるし、馴れ合うつもりなんか全くない空気むんむんで、直江って元来こういう強気でプライド高い人なんだよね…ってことを目の当たりにしました。
ここからこの主従がどう変わっていくのか、楽しみです。が。最初っからいがみ合いで始まりそうな主従関係、この先お互いを認め合っても尚いがみ合い続けてますけど、やっぱりそういう宿命なんでしょうか…?