あらすじ
高耶(たかや)を探して阿蘇山中をさまよう風魔小太郎(ふうまの こたろう)は、島津の鎧武者に囲まれていた。次々と襲いかかる亡霊たちに、小太郎は神刀・嵐斬丸(らんざんまる)で立ち向かうが…。一方、高坂弾正(こうさか だんじょう)を八海(はっかい)にまかせ、高耶のあとを追う開崎(かいざき)/直江信綱(なおえ のぶつな)は、島津兵との戦いで瀕死(ひんし)の重傷を負った小太郎と出会う。「わたしという直江なら景虎(かげとら)様を裏切らない」と開崎に告げる小太郎。ふたりの「直江」の対決が始まろうとしていた!
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
今までぼんやりとしていたことが、ここに来てようやく鮮明になってきた印象。
機械人間だった小太郎が感情剥き出しにして闘う姿、壮絶でした。
景虎様になまえを呼んで欲しい、愛しい…って感情までもが芽生えてた小太郎、景虎様の魅力っておそろしい。
『直江』でなければならないから宿体にこだわり、どれだけボロボロになっても直江であり続けようとした小太郎が痛ましかったです。
高耶さんは疑心暗鬼も最高潮。
もう自分しか信じられないんだろうなあ。
でも千秋のことは信じて欲しかったよ。哀しいよ…。
それにしても、凍結法を用いてるとはいえ、譲のことはほったらかしだったんでしょうか。
軒猿にでも監視させとけばよかったのに。
譲が出てきた瞬間、あ…これ最悪なパターンだ……とますます気が重くなりました。
そして案の定の結果。
信長容赦ない。こわい。
神話や伝承って、後ろめたい真実を歪めてぼんやりさせてることが多いですよね。
鬼八伝説然り。
三池家が長年背負って来たものって…。
綾子ねーさん行方不明だし、千秋と高耶さんは一触即発状態で睨み合ってるし、直江と色部さんは新上杉だし……わたしの大好きな上杉夜叉衆カムバーーーーック!!!
Posted by ブクログ
小太郎がとても切ない。
読んでいる最中、残りのページ数で話が畳めるのだろうかと思ったら
なんと後編と銘打っているけれど終わらないという。
この辺りの掟破りっぷりや、当時はあまり気にならなかったがぽつぽつと地の文に混ざる
話し言葉など、若い筆者の勢いを良くも悪くも感じる。
開崎さん本体が非常に気の毒。