坂井希久子のレビュー一覧
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居酒屋ぜんや シリーズ1-4
林家只次郎の姪、お栄の巻。
桃の節句の当日、晴れ着を着るのが嬉しくてたまらないという子供らしいお栄。幼いながらもよく周りを見、観察し、どう対処すれば良いか、きちんとわきまえ、行動できる聡い子。しかし、意地や長年のわだかまりが大人を素直にさせまいとする。真っ直ぐな、キラキラとして見えるお栄が、私にも眩しく羨ましく思える。自分自身も意思を軽々変えない事が芯を貫いているのだと勘違いしたり自分に言い訳していたりする節があるんだろうなと自省した。もっと素直になろう。
そして、最後の1ページ。なんて思わせぶりに終わり方。用心棒の重蔵、何者なのか。気になるー。
ヅケ鰤のちらし寿司、大根と人参のひらひら煮、浅蜊と干葉の白味噌仕立て、玉子ふわふわ、鰯の梅煮、芹と京葉の浸し物、蕗の薹の天麩羅、里芋と大根のこっくり煮、霰豆腐、鰻もどき(豆腐)、空也豆腐、薄墨豆腐の茶巾絞り吸物仕立て、浅蜊と菜の花の白和え、蕗の醤油漬け、玲瓏(こおり)豆腐、春牛蒡の南蛮漬け、ふきと厚揚げの煮浸し、菜の花と馬鹿貝のぬた、明日葉と海老の天麩羅、深川飯、独活の胡麻和え、こごみの酢味噌和え、若竹煮、蛤の杉焼き、かるめいら。 -
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食いしん坊の出戻り娘が江戸の鰻の美味しさを店ごとにランキング付けをしようというお話。
江戸時代の娘はもっと奥ゆかしく早々に嫁に行くものなのだが、このお話の主人公は食べすぎが元で離縁されるほどの食いしん坊。
そしてある時鰻店の番付のかわら版を見かけるのだが、それはなんと広告料の多寡で決まった番付だった。それを見て憤慨したお嬢様はさて…。
江戸の風俗を感じながら、でもやっぱりメインは鰻!
以前『う』という鰻だけを扱った漫画があったが、それに匹敵する様な鰻小説。
読んでいるだけでうなぎを食べたくなりました。
主人公のおふみの人柄や食いしん坊な所は愛らしいし、それを後押しする鍵屋は頼もしい。版元は段々と憎めなくなってくるし、女中は甲斐甲斐しくていい。登場人物みんななんかいいんだな。
最後は人情噺の様に落ちついてホッとする。楽しく読めるいい作品でした。
お富美さんの他の番付作成も読みたいな。シリーズ作品として続いてくれないだろうか。
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お酒にまつわるアンソロジー。アンソロジーというのは好き嫌いのわかるモノだな。
定食屋「雑」がお気に入り。私もこんな定食屋のちょい無愛想だけど、余計な気を遣わせないおばさんに憧れる。そして主人公はお酒に詳しいけど、飲み方の許容範囲が狭い女だ。彼女が徐々に変化していくのが気持ちいい。コロッケ美味しそう。
そしてbarきりんぐみ。保育園のママ達はこんなに仲良しばかりでは無いが…底通してるのは子育てしながら働く大変さを知ってるコトだ。息抜き無しには本当にやっていけない。仕事が大変という人はもちろん居るが、24hワンオペを何年もやるのが子育て。正直記憶がない。こんなきりんぐみでもない限りやってられないよな。 -
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ネタバレいい!
やっぱりこのシリーズはいいです
お仕事小説の色合いが強いかな?
蔦吉と麻吉の姉妹もとても魅力的
芸者さんは昔のアイドルみたいな立ち位置なのかなー
一応遊女とは違って、芸を売るのが芸者ってことですもんね
ただ、この件にしても右近の先読みの鋭さや余裕がちょっと行きすぎてるような
もう少し慌てたりしてもいいのかなと思うけど、妾腹という自分の出自のコンプレックスから、投げやりになっているのか?
それにしては仕事へ真摯に向き合ってるしなあ、といろいろ背景が謎
そのへんもおいおい語られていくんだろうか
刈安がまた出てきていて、でもまた鋭い視点で物を言っていて、立ち位置が分からなくなってきた… -
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大嵐の後、只次郎の友達だった又三の死体が見つかります。死体は女と一緒に引き上げられたので心中とみなされ、当時の規則で弔いもままなりません。しかし、その死体には不審な点があり、一気にきな臭い展開に。只次郎は情報収集のため賭場に通い始めます。
すべて「お妙を守るため」内密に行われていましたが、そんなことは一切望んでいないお妙はおかんむり。事件の真相すらも嘘でごまかす只次郎には読んでいて「やっちまったな」と呆れてしまいました。
とはいえお妙のために色々動いてくれた只次郎に、意地を張ってお礼が言えないお妙。ますます「響子さん(めぞん一刻)」っぽくなってますね。そんな二人に気を利かせるお勝姐さんはさすがです。
最後に和解して「一生茶飲み友達」に納まったこの二人。結ばれるんだよね?
又三は只次郎に居酒屋を紹介してくれた人物ですね。子供の頃の悲惨な経験をエピソードにした回もあり、幸せになってほしいと願うなかで、こんな結果になってしまい、残念でした。 -
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神田にある居酒屋「ぜんや」を中心とした江戸の舞台で、ドタバタと人情が交錯するグルメものです。オーディブルで聞き流しているのですが、深いことは考えずに当時の江戸の様子を思い描いて楽しんでいます。
夫が亡くなって2年も経たないお妙に、余計なお世話を焼く大家の奥さん。それを知っている元夫の姉のお勝は、「あんたが幸せなのが一番だから」と声をかけます。普段はぶっきらぼうなお勝姉さんの優しく人情が滲む言葉には、不覚にもほろっときてしまいました。
豊満ボディで加えて嫉妬しいのおえんさんが好きな登場人物です。ぜんやで只次郎たちとワイワイ料理をつつきあっているシーンが楽しみです。 -
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フォロワーさんの本棚から美味しそうな匂いにつられ手に取った作品。
タイトルからガッツリした料理と美味しいご飯のグルメ小説かと思いきや人間の毒や業のスパイスがピリッと効いた人間味溢れる話だった。
特に面白かったのは柚木麻子の『エルゴと不倫鮨』、高級料理で女性をつまみ食いしようとした男達が、ある女性の注文によって食いっぱぐれてしまうのがなんとも滑稽でスッキリした後味が爽快!
伊吹有喜の『夏も近づく』も良かった。
拓実の優しさと美味しいご飯のセットが、葉月の心に刺さった棘の傷を癒してくれる。
まさに「心の栄養」を与えてくれる一編。
『味の分からない男』が不穏な話で後味が悪かったぶん、『どっしりふわふわ』が焼きたてのパンと美味しいコーヒーが出てきたような
最高のお口直しだった。
そして最後はまんまと「隠し味(仕掛け)」に騙されてしまった。
どの話も結構なお手前でお後がよろしゅうようで御馳走様です。和洋折中楽しませていいただきました。 -
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居酒屋ぜんや シリーズ2-2
熊吉の巻。
俵屋(売薬商)に奉公している熊吉。同じ奉公人で幼い頃から寝食を共にし互いに励まし合い精進してきた親友(だと思っていた)長吉との仲違い。熊吉の気持ちは一方通行だったのかと思いながらも、出奔した友探しが一段落する『茸汁』はお花や只次郎の思いやりに涙腺が緩んだ。人の温かさが美味しい料理と共に身に染みた。
酒問屋升川屋の一人息子、千寿の家出「身二つ」もなかなか面白かったー。
なにも言わないくせに、不機嫌の理由を察してほしいと思ってしまう。(お花)
「仕事ですよ。息抜きと言う、仕事のね」(只次郎)
「お腹がいっぱいになるとね、草花が綺麗に見えるよ」(お花)
嫌いな奴と一緒でも、一人ぼっちよりはましなのだ。(熊吉)
鰯の梅煮、五目豆、出汁巻き卵、烏賊と若布の胡麻和え、胡瓜の醤油漬け、蓮餅、薩摩芋の味醂煮、鰯の揚げ(p59)しん薯、海苔を巻き込んだ卵焼き、隠元の胡麻和え、栗の甘露煮、五目おこわ、おはぎ、茸汁、焼き椎茸、赤貝の漬け込み、芹と人参の辛子和え、槍烏賊のわた焼き、蒟蒻の味噌漬けと梅酢漬け、鰤のアラ煮。 -
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十九歳のお富美は姑から「あの嫁は飯を食べすぎる」という理由で婚家から離縁され実家の大店である結納品問屋 嘉吉屋に戻される。
おまけに読売に米俵を丸呑みする太った女の絵とともに離縁を面白おかしく書き立てられてしまうのだった。
しかし本人は たいしてこたえていない。むしろ実家に戻れば気兼ねなく食べられる。読売に書かれたことも本当のことだから別に怒ってもいない。
しかしそんなお富美の怒りを買ったのは 店から受け取った金で順位を決めた不正な鰻番付だった。
「本当に美味しい店だけを他人様に薦めたい」
お富美は 忖度なしの鰻番付作りを決心する──。
今まで こんなしょうもない理由で離縁されたヒロインがいただろうか(笑)
普段は自他共に認める おっとりした
“箱入り” なのに 食べ物のことになると人が変わってしまう 筋金入りの “ぐるまん” だ。
シリーズ化されるんだろうか…?
江戸のグルメはまだまだあるからな〜
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