坂井希久子のレビュー一覧

  • ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや

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    さて、今日のレビューは人が思わず発してしまうひと言から、それが何を食べた時の言葉かを当てていただきましょう。

    はい、第一問です。

    『はふぅ』

    さて、これは何を食べたのでしょうか?…って、これじゃあわからないですよね。答えは『ふつふつと立ち上がる飯粒と、ほのかについたおこげの色』という『茶碗を手に取り』『口いっぱいに飯を頬張った』際に出た言葉でした。

    では、次にいきます。第二問。

    『ああ、あったまるぅ』

    さて、これは何を食べたのでしょうか?…って、皆さんのお叱りのお言葉が聞こえてきそうです。流石にこれだけでは分かりませんよね。答えは、『蓋を取ればふわりと湯気が上がり、

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    2023年08月07日
  • 虹猫喫茶店

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    ネタバレ

    6月の合同サイン会でのサイン本。

    旧帝大医学部合格を目指していたものの果たせず,獣医学部に進学した玉置翔はコミュ障気味で,大学でも一人も友だちができず暇を持て余していた。そこで暇を利用してバイトでもしようと学生課に張り出されていたバイト募集に応募する。向かった先は虹猫喫茶店。店内を猫が自由に闊歩しているがオーナーの鈴影サヨリは猫カフェではなく猫がいる喫茶店なのだと主張する。そして指示された仕事は町内で問題となっている猫屋敷の40匹近い猫の世話。猫屋敷には認知症らしい婆さんが一人暮らしだという。この老女を含め様々な理由で虹猫喫茶店に集う人々との交流を通してそれぞれがそれぞれの刺激を受けて変化し

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    2023年08月01日
  • 注文の多い料理小説集

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    2023/7/21

    食事を摂る人々の短編集。

    不倫やワンナイトを狙う男たちが若い女を連れてやってくるワインと寿司の店。
    そこへ赤子を抱いた女が「卒乳祝い」にひとりやってくる。
    柚木麻子「エルゴと不倫寿司」がインパクト強かった。

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    2023年07月22日
  • 妻の終活

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    妻が余命宣告を受けたことにより、亭主関白だった夫が妻の余命を受け入れ、徐々に変化していく様子がものすごく丁寧に描かれていて、感動した。
    特に、妻の尊厳に寄り添おうとする姿には、介護職をしている自分にも考えさせられる場面でした。

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    2023年07月22日
  • セクシャル・ルールズ

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    男女平等とは言いながら、実際には男には男らしい、女には女らしい立場が求められていて、本当に対等に生きて行こうとすれば生きにくい。
    このお話では、妻が働き、夫が家事育児をするという選択をした夫婦が、周りの無理解、ひいては何より自分達が自分達によって追い詰められていく。
    なかなか社会派なお話でした。
    ところで、坂井希久子さん、Wikipediaには官能小説家とありましたが、このお話は全く官能小説ではありませんので念のため。

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    2023年07月16日
  • 華ざかりの三重奏

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    今の60歳と昔の60歳では、そりゃ色々違うよね。
    今は非正規でまだ働き続ける人が多いんじゃないかな。
    今まで築いてきたキャリアそこで終わってしまう、その先の日々に不安を覚えるのは誰にでも起こりうるよね。
    こんな、老後…ていうほど60代は老いている訳では無いけど、こんなリタイア後の生活が送れたら楽しそう。
    自分の親とか家族とのほうがなかなか上手く付き合っていけないのは私にも身に覚えがある。
    桜井にちょっとイラッとしたけど、きっと彼にも彼なりの苦悩があるのでしょう。てか、こういうアホな男子クラスに1人はいるよね。デリカシーのないやつ。そのくせわりとクラスの中心で目立つやつ。

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    2023年07月16日
  • つるつる鮎そうめん 居酒屋ぜんや

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    「居酒屋ぜんや」のシリーズ、5作目。

    美人女将のお妙が美味しい料理を作る人気の店に、今日も常連が集まり‥
    小さな問題をお妙の知恵と季節の美味しいもので解決しながら、さらに大きな謎もじわじわと正体を見せ始めます。

    お妙に憧れている林只次郎は、貧乏旗本の次男。
    山王祭は町人の祭りなので、武士は街なかへは出ないのだとか、江戸時代の習わしが面白い。
    只次郎はこっそり町人姿で医者を探しに出かけるが。
    お妙は薬の代わりになるものを渡す。

    升川屋喜兵衛の嫁・お志乃が産んだ千寿の祝いの料理を頼まれ、出向いたお妙。
    家族の微妙なバランス、男親の鈍感さに笑っちゃいますが。さりげなく解決へ導くお妙です。

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    2023年07月15日
  • 蓮の露 花暦 居酒屋ぜんや

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    これからどうなるのかな。
    お花ちゃんには幸せになってほしいな。
    最初はのほほん?としたお話だったのに。
    いえいえ、目が離せなくなってます。

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    2023年07月08日
  • 雨の日は、一回休み

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    おじさんたちの切なくもコミカルな連作短編。
    最初はどのおじさんのたちの中にある凝り固まった考え方にうんざりしてたけど、どの話も読み進めると時代だったものね、おじさんも辛いよねとなぜか共感してしまい、応援したくなるから不思議だ。
    現実はそんなに簡単には変われないけど、なんとなく心がほっこりしてくる。
    年取ってもまだまだ人は変わろうと努力できるんだなと嬉しくなった。

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    2023年07月04日
  • 愛と追憶の泥濘

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    恋愛小説を読んでいたのに、最後はミステリーのような展開に。

    学校司書として非常勤で働く主人公の莉歩。
    大企業勤めのイケメンの彼氏博之ができる。
    高スペックな博之と結婚して同級生を見返すことを夢見ているが、博之はEDだった。
    なんとか「まっとうな状態」に戻そうとする莉歩だったが、博之の秘密を知ってしまう。

    暴かれていく莉歩の本性。
    こんなに自分本位だったのかと驚くとともに、なんだ頭使えるんじゃんと感心するくらい前半と後半で人が変わってしまったかのよう。

    周りの人達も自分勝手で面白い。
    莉歩とそういう仲になってしまう同僚教師。
    莉歩にまとわりつくように絡む女子生徒。
    莉歩に好意を寄せる男子生

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    2023年06月20日
  • 女ともだち

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    ネタバレ

    女性作家8人による、「女ともだち」がテーマのアンソロジー。


    うむむむ、女の友情はもろいというけれど、こんなにすごぉ〜く気持ち悪くて、べとっとするものばかりだろうか…
    相手と『同じ』を競うような構図が、いくつもの作品に…あー、たしかに、『おそろい』スキだよなぁ…トイレ一緒に行ったりしてるよなぁ…
    いやはや。下手なホラーより怖い。
    どれも面白かった。

    その中で、「ブータンの歌」は、くすっと笑えて、阿川佐和子さんらしい軽やかさだった。

    「ラインのふたり」嶋津輝さんは初読。ちょっと山本文緒さんのような奇妙な迫力。
    他の作品も読んでみたい。

    「獣の夜」森絵都さん、爽やかな作品しか読んだことがな

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    2023年06月20日
  • セクシャル・ルールズ

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    妻がばりばりと働き、夫が専業主夫となる。
    そんな形があったっていいじゃないかと思うけれど、やっぱり世間の目はそれを簡単には受け入れてくれないし、
    何よりもその形を選んだはずの自分達の中にも根強い偏見は生きていた、という。
    こういった形の本がどんどん増えていけば、いつか多様性を構えずに普通にあるものといて受け入れられるようになるのかもしれない。
    読後感はとても良かった。

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    2023年06月16日
  • 雨の日は、一回休み

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    令和の定年世代の親父達の嘆き。
    同じ世代の私でも腹が立って『そりゃ、あなたが悪い!』と言いたくなることもあるし、『そうそう、昔はそうだったよね。』と、共感できるところもある。
    セクハラ、パワハラ…これくらいで?って思うことも多々ある。生きにくい世の中になったものだ。

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    2023年06月08日
  • セクシャル・ルールズ

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    専業主夫の夫とバリキャリ社労士の妻、ほのぼのホームドラマかと思っていたら途中からの展開が意外でした。

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    2023年06月05日
  • 虹猫喫茶店

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    ネタバレ

    猫好きと名乗るほどでもないけど、主人公と同じで読み終わりにはなんだか愛しく思えるようになってきた。変わっていくのはいつだって人間で猫は変わらない。主人公が医学部落ちて獣医学部になって、結果的によかったなあ。素敵な居場所もできて、安心した。主人公が何事にも真面目に取り組むからこそ、信頼関係ができたんやな〜。猫の問題も学べた。

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    2023年06月02日
  • 雨の日は、一回休み

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    おじさんは変われない?
    いや変われないおじさんはつらいだな

    時代と相手に合わせて生きる、自分だけの世の中じゃないんだから。と言われたような感じがした。

    なかなか哀愁があって、おもしろかった

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    2023年05月31日
  • 蓮の露 花暦 居酒屋ぜんや

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    花暦 居酒屋ぜんや シリーズ4

    薬種問屋、俵屋で、熊吉と共に、丁稚奉公していた、長吉が「ぜんや」の常連の旦那衆を狙った犯人と判明した。

    お花の母親と、大悪党の蓑虫の辰ら4人に拐かされたお花。

    お妙、只次郎夫婦初め「ぜんや」の常連、俵屋も、お花の捜索に力を貸した。
    そのおかげで、お花は無事に救出されたが・・。

    お妙を「おっ母ちゃん」となかなか呼べないお花。
    それを、暖かく見守る、お妙・只次郎夫婦。

    この作品は、辛い事件も多々あるが、温かい空気に包まれる。

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    2023年05月30日
  • セクシャル・ルールズ

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    一家を養う妻、家事・育児を担う夫。
    お互いの得意分野を理解し、納得して役割分担した進歩的な夫婦でも、壊れるときは壊れる。

    男とか女とか、夫なら妻なら、父親なら母親ならという価値観はかなり根深い。
    性別に関係なくと思っていても、長年刷り込まれた価値観は消えるわけではないし。

    途中まで、なんて出来た夫なんだろうと感心して読んでいたが、ある行動から一転してしまった。
    普段接するのが子供だけ、社会での妻の活躍を目の当たりのすると、考え方が狭く不安定になるのか?!いや、違うだろー!と、ドン引きしてしまった。

    一昔前のモラハラ夫のようになりかけた妻、家の中のことに無関心で無協力の夫に不満を溜め込む妻

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    2023年05月28日
  • 蓮の露 花暦 居酒屋ぜんや

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    居酒屋ぜんやシリーズ
    今回は中々辛い展開だった。
    お花ちゃんが拐かされ、熊吉らが必死になって捜索に走る。
    動機は熊吉、俵屋への恨み嫉み。
    お花は見つけ出されるも立ち直るには時間がかかる。
    心と体を癒す料理の数々に読む側も癒される。

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    2023年05月26日
  • 妻の終活

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    杏子さん、本当にできた女性ですね。
    昭和的考えの亭主関白男の旦那に見切りをつけずに最後まで支える。
    私には同じようなことが出来るのかな?と思いました。自分もですが、親の老後などかなり考えさせられる本でした。
    ただ嗚咽するほどの涙は全く出ませんでした

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    2023年05月22日