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独身で子供のいない可南子は、もうすぐ還暦を迎える。これまでは仕事一筋に頑張ってきたが、定年退職したあと、どう生きればいいのか途方に暮れている。そんな中、子育てと介護を終えたかつての友人・芳美から、一緒に暮らさないかと誘われて…。それぞれ人に言えない悩みを抱える迷える六十歳たちは「人生の問題」にどう向き合うのか?
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Posted by ブクログ
還暦を迎えた女性が友人とシェアハウスする話。いくつになっても青春は送れる。心温まる話。先行き不安な人に。
同僚と老後の話をすることがあります。 年金ちゃんと貰えないよね、老後の生活が心配とかなどなど。話をしてると暗くなります。 レビューでこの作品を知り、どんな老後なんだろうと思い読んでみました。 最初はこの設定は無理があるのでは?中学時代の親友といっても、全然会ってもない二人がいきなり同居できるの?ヤ...続きを読むギを飼っている親戚に話を聞いていたので、ヤギってこんなに人に懐くのかな?など、モヤモヤしながら読んでたけど、面白い、面白かったです。この三人がどうなるのか気になってどんどんページを捲ってた。 還暦を迎えようとしてる時に同窓会があり、そこで久しぶりに会った、よっさんとタケコの二人。タケコが退職して、一緒に住むことになり、好きな漫画を読んでダラダラ過ごす。そこへ中学二年生の詠人とヤギのユキ、そして三人目の還暦を迎えた漫画好きの香織が加わる。三人は漫画を読み、詠人は勉強、ユキは庭で草を食べる。このまったり感が私は好き。そんな生活が続いてたけど、ある目標ができ、その目標に向かって三人がパワフルに動く。そんな三人が羨ましかったし、読んでて微笑ましかった。 読み始めは、どうなんだろう?と思ってたのに面白いと思ったのは、三人の漫画好きがたぶん私の心を捉えたんだと思う。私も漫画が好きだから、共感できるところがいっぱいあった。好きな漫画を語り合いたいとかはまさにそうで、話をしたら止まらないかも。高校生になったらオタクと思われるからこっそり読んだとかは、ちょっと私の時代とは違うのかな?私の高校時代は、好きな子は堂々と漫画を読んでた。ただ、女子は女子の漫画、男子は男子の漫画を読む雰囲気だったから、女子が男子の漫画を読むとオタクと思われてたかもしれない。私はジャンプの漫画は大人になってから堂々と読めるようになったかな。『NARUTO』を大人買いした時はドキドキしたな。 私より上の世代の方々が読んでた漫画や漫画家さんが出てきたので、私はよく分からない方が多かったけど、それでも気になるのが"テオ"。三人を魅了してる"テオ"って一体何者?と気になる。『時の旅人』という漫画の登場人物らしいけど、還暦を迎えてもキャーとなる"テオ"を見てみたいかも。 面白かったけど、現実は甘くないぞと肝に銘じておこうと思いました。
久しぶりに、すがすがしい「青春小説」を読んだ気持ちだ。 定年過ぎてからの青春、いいじゃない。 恋ではない絆、友愛、そして趣味。これが人生と心を豊かにするのだ。 東京でアパレルの広報として働いている可南子(たけこ)は、中学の同窓会で、中学時代一番仲の良かった芳美(よっさん)と再会する。 定年退職後、...続きを読む東京を離れてよっさんの家で同居することになる。 ふたりの共通の趣味は昔の少女漫画だ。 私も40で、家族揃って漫画好きだったので、年齢の割に古い漫画を知っている方だとは思う。 萩尾望都先生大好き!動物のお医者さん大好き!ガラスの仮面大好き! 私はあしべゆうほ先生の「悪魔の花嫁」も大好きなんだけど、よっさんはデイモスは好きでしょうか。二人と語り合いたいくらい、昔好きだった漫画のことをぶわーっと思い出した。 ヤギの散歩をしている中学生のえいと少年、ひとりぽつんと庭の花を眺めていた香織さんも訪れるようになり、よっさんの家は楽しい場所になっていく。 そしてラスト、まさかまさかの、同人即売会に参戦。 同人サークルさんとの交流もできて、よっさんとタケコのオタクライフはこれからもっと楽しいものになりそうな予感。 漫画小説お笑い音楽など共通の好きなものを思う存分友だちと語り合えた日々。それは私にとっては高校時代だった。 高校時代の友達に、この本を勧めたい。 60過ぎたら一緒に暮らそうねっていうメッセージに受け取られてしまうだろうか。考えすぎか。 年々、新しいことにチャレンジするのが億劫になり、惰性で生活を続けているところがある。 タケコが東京を離れて、田舎のよっさんの家に移り住んだことは、さらりと書かれているものの、実際にはすごくエネルギーのいる所業だ。 だけど、それを選択していなければこの本に書かれているような経験は全くなかったのだ。 よっさんは引きこもりのまま、タケコは東京で仕事をせずになんとなく日々を過ごしていただろう。 もちろん、えいと少年にも香織さんにものすたるじあさんにも出会うことはなかったわけだ。 よっさんとタケコに出会ったことで、えいとの生活も、香織さんの人生も豊かになったと、私は思う。 そう考えると、なにかをエイヤっと始めることってとてもエネルギーがいるけど、その分の効果も大きいんだなと思った。 そして、「時の旅人」という実在しない漫画作品の「テオ」という不老不死主人公(金髪碧眼の美少年)を通して、不老不死の悲しみのようなものを追体験した。 時の旅人、深い漫画だよ。 山下和美の不思議な少年も、様々時代に転生しながら不老不死だけど、あの漫画の少年は「人間って不思議だ」と言いながら人間を観察して客観視していた。テオは、人間との絆、心の交流を持ちたい、魂のパートナーを探しているようだから、よけい切ない。 本当、漫画って語れるよね。
あ~、もう最高! もっと読んでいたかったなぁ。 読みはじめてすぐ「あ、これは好きな作品」という確信に近い予感。そういう直感はほぼ外れることがない。 独身でバリキャリの可南子。定年退職後の人生に思い悩んでいたのに、かつての少女マンガ好きの友人と同居生活を始めることになる。 縁側と庭のある一軒家でのシ...続きを読むェアハウス。 壁一面少女マンガの部屋。 同じ趣味、マニアックネタで笑い合える友。 24時間自由な自分の時間。 えっ、何この幸せな暮らし! 懐かしの昭和の少女漫画が作中に出てきて嬉しくなった。 「動物のお医者さん」大好きだった!ヤギと言えば「アルプスの少女ハイジ」だし、世代はずれてるけど「ガラスの仮面」は大人になってから読んだ。 いいなぁ、気心知れた友人との同居。 老後、趣味を目一杯楽しんで、自分のために生きる女性たち。 中学生に戻ったみたいなノリがめちゃくちゃ楽しそう! 私も中学時代はマンガ友だち、小説の推し作品について熱く語る友だちがいたから、当時の記憶が一気に甦りました。 読んでる間、ずっと楽くて読み終えるのがもったいなかった。 シリーズ化して欲しいなぁ。
今年に入って辛いニュースばかりの中、久しぶりに楽しい世界を味わえました。 可南子、芳美、香織。突如始まった、60歳を迎えた3人の同居生活(香織は今は通いだけど、いずれ同居しそうですね) 大親友だったとは言え他人同士が住むのだから一波乱も二波乱もあるんじゃないかと心配でしたが、マンガが大好きという共通...続きを読むの趣味で3人がどんどん活き活きしていくのが羨ましかったです。 同じ価値観の友達って大事ですね。それが芳美のいう「魂の結びつき」でもあるのかな(この「結びつき」説すっごく納得!) そしてマンガ生活を楽しむだけじゃなくて、不登校の詠人くんを何も聞かず迎え入れたり、にっくき桜井にも発破かけたり笑 「還暦」を「華寿」とも言うって初めて知ったけど字が素敵。 私が可南子たちの年齢になったとき、人生に「華」を感じられるように今から準備していきたいです。
漫画部屋がとにかく羨ましい! ベルばらやあさきゆめみしなど、出てくる漫画はほとんど知ってる! 漫画のタイトルが出てくるとそのストーリーだけじゃなく、当時の学校生活や人間関係なども思い出して、ジンワリする。 定年後、あんな風に日々過ごしていけたら本当に楽しいだろうなぁ。 小説に出てくる 「誰かをから...続きを読むかって笑いものにすることを、コミュニケーションと勘違いしている輩」「誰かをからかって、その場を盛り上げてるつもりになってる人」「周りを下げることで、己の矜持を保っている人」 職場にもいるので、そんな人にも心乱されないで過ごしていきたいなぁ。 今作も面白かった!
定年を迎える独身の可南子。退職後の生活について考えていた頃に、中学校の同窓会でかつての友人、芳美と再会。共通の趣味である少女漫画で再び友情に火がつく。可南子は、夫に先立たれ、子どもも自立して一人暮らしだった芳美のもとに引っ越して同居生活を始める。初老?の自由気ままな女性二人。好きなだけ漫画を読み、自...続きを読む堕落な生活を送る二人のもとに、同級生の桜井(住宅メーカーの)営業マン、不登校気味の詠人とヤギ、元花屋の香織さん、と色々な人が関わりながら日常が進んでいくストーリー。 最近、新聞で読んだけれど、高齢者のシェアハウスというものが最近増えてきているらしい。独居でもなく、施設でもなく、シェアハウスという選択肢が増えたのは興味深い。お互いのわがままがぶつかったり、年老いて病気や介護が必要になった時にどうするかという課題はあるけれど、もう家族の世話などから解放されて自分のしたいことを自分の気の合う人と一緒にするというのもおもしろいなと感じた。 もし続編が出たら読んでみたいと思った。
歳をとったら趣味が合う友だちとシェアハウス、なんてよく聞く言葉だが、この本はまさにそれが実現したかんじ。なんていい定年ライフなんだ!私もこういう生活をしてみたい。ただし、好きと言っても私には同人誌を作る熱量はないけど。長い定年後の人生、思いもしなかったことにチャレンジするのもアリだね。
私も還暦を過ぎて、65歳以降の人生をいかに生きるべきか…という問題を突きつけられているので、他人の生き方がすごく気になるんです。こんな老後なら楽しそうだけど。私にはないよなぁ。
アラカン女性3人の共同生活のお話。 読んでいて幸せな気持ちになれるストーリーでした。 自分も定年後にこんな生活ができたらなぁと憧れてしまいます。 漫画『マダムたちのルームシェア』とも似た感じ。 これまでの5、60代の女性達の「普通」の生き方だけではなく、もっと自由な生き方だってアリだよね、というメ...続きを読むッセージが、40代の私にとって響くというか、嬉しいものでした。
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