あらすじ
〈おとうちゃん、おおきに、ありがとお。うっとうしいほど、愛してくれて……〉大阪・新世界のどん詰まりに店を構えるラーメン屋「味(み)よし」。亡き妻から店を引き継いだ店主のゲンコは、商売に身を入れず遊蕩三昧、かつて評判だったラーメンの味もガタ落ちで、閑古鳥が鳴いている。OLをしながら店を支えるしっかり者の一人娘センコは頭を抱える毎日だ。そのうえ、最近、ぼんやりしてきた店番のおばあやんも気にかかる。そんなある日、この町を嫌って東京に出て行ったセンコの幼馴染、質屋の息子カメヤがひょっこり帰って来た……。痴話喧嘩も色恋沙汰もみんな筒抜けのご近所さん。浪速のシンボル・通天閣が見下ろす下町商店街でデコボコ父娘が繰りひろげる、鬱陶しいけどあったかい、抱腹と感涙のとびっきりの人情物語。TVドラマ化、舞台化もされた評判作、待望の電子化!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
大阪・新世界のどん詰まりに店を構える「ラーメン味よし」。放蕩親父ゲンコの作るラーメンはえらく不味くて閑古鳥が鳴いている。しっかり者の一人娘センコは頭を抱える日々だ。最近、ぼんやりしているおばあやんも気にかかる。そんなある日、幼馴染の質屋の息子カメヤが東京から帰って来て…。下町商店街に息づく、鬱陶しいけどあったかい、とびっきりの浪速の人情物語。
大阪人情モノに外れ無しやな!
Posted by ブクログ
購入前、新喜劇を見ているように面白いという評がたくさんあるのに、「泣いたらアカン」? 表紙絵も影がある。読んで分かりました。面白いんだけど、何かしら手放しで笑い飛ばせない今や過去をもっている人たちのドラマなんですね。ストーリーにそぐわぬ細野さん絡みの(とカメヤへの切り替えが早すぎる)センコに不快感を覚えましたが、これも、「そこ」につながのですか。でも、ちょっと奔放すぎるかな。続編があれば読む…んじゃないかな。さておき、あだ名とは言え、ツレコミはダメでしょ、ツレコミは(笑)
Posted by ブクログ
よくある頑固親父とその娘の下町の物語だが、その舞台が、馴染みの通天閣界隈とあって、親近感湧きまくりのくせして、私にはこんな人と人との距離が近い関係性は無理やと、思いながら。
Posted by ブクログ
自分の地元の関西弁バリバリで、吉本新喜劇的な掛け合いの連続で、笑ってしまった。一人一人の個性的なキャラが立っていて面白かった。続編が出てほしい。
Posted by ブクログ
大阪新世界のラーメン屋。放蕩親父・ゲンコと一人娘・センコ、そして商店街の鬱陶しいほどの人情話。不倫、シングルマザー、育児放棄の話があるが、コテコテの関西弁で笑いに変わってしまう。願わくば、生まれてくる子供の父親がカメヤでありますように。
Posted by ブクログ
なんともベタな題名と思いつつも、帯に北上次郎氏のコメントが「つい読みふけってしまうのである」とあったのて読んでみたが、まさにその通りであった。主人公の父親の破天荒ぶりとえらくまずいラーメン屋主人という設定には、「そないな人おらんやろう」とツッコミたくなるが、大阪下町の人情話なので、「まあ、おらんとも言えへん」として許容。カメヤのキャラクター設定が良く、こんな風に大切な人を守れたらと思う。
Posted by ブクログ
中盤からとても面白くなった。
「血ぃ繋がっとっても子供を捨てられる親はおるし、繋がってなくても実の子以上に愛せる男もおる。アンタをこんなええ子に育ててくれた奴のこと、もうちょっと信じたらんか?」
この言葉は、この話を表してる。
大阪の人情と、らしさに何度もぐっときた。
あとは、カメヤが素敵。内面の優しさと男らしさにキュンときた!
Posted by ブクログ
かなり前のことになりますが、夫の転勤で関東地方に住んでいたことがあります。
大阪出身と言うと、「大阪弁じゃない!」、「浜ちゃん(ダウンタウン)としゃべり方が違う!」と言われること度々。
さらには、大阪の人の挨拶は「もうかりまっか?」「ぼちぼちでんなぁ」なの?等々。
若かりし頃、東京に遊びに行ったとき、友人と大阪弁でしゃべっていると視線を感じたし…
東京で就職した友人が帰省したさい、標準語でしゃべっていてビックリ。
大阪弁は肩身が狭いと言っていたっけ…
ダウンタウンが売れて、吉本印天然素材が売れて…
大阪弁はとてもメジャーになったと勝手に思っています(笑)
その一方で、大阪弁のイメージが独り歩きしてる、と感じることも。
祖父母が使っていた大阪弁の中には現在は使われなくなってきているものも多いし…
と、この本とは関係のないことを書いてしまいました。
というのも、この本、こてこての大阪弁で書かれています。
ちょっとこてこて過ぎると思わないこともないのですが…(笑)
この本の舞台は大阪、新世界の北端にある北詰通商店街。
主人公のセンコの実家はこの商店街で「ラーメン味よし」を営んでいる。
おせっかいでうっとおしい近所のおっちゃん、おばちゃん。
そうそう、大阪のおっちゃん、おばちゃんってこんな感じやったなぁ~
と、子どもの頃を懐かしく思い出しました。
中盤からどんどんひきつけられて、最後は涙腺が…
Posted by ブクログ
居酒屋ぜんやシリーズで知った坂井さん、
独特の湿り気が感じて好きだけど、こてこての大阪弁が渦巻くこと作品は面白いけれど、ちょっとクドイ感も…。
面白いお話であることには変わりありません。
Posted by ブクログ
大阪・新世界の下町商店街を舞台に、鬱陶しいけどあったかい浪花の人情が身にしみる涙と笑いの家族小説。
もう思いっきり「じゃりん子チエ」の世界観。しっかり者の娘と放蕩親父が織り成すナニワのドタバタ劇は、私たちの世代にとってあのアニメしか思い浮かばないのである。でもそこは流石に坂井さんの筆力で、アニメでは出せない空気を感じとることができる。
Posted by ブクログ
コテコテである。
”人情小説”と言えば時代小説の独擅場の感があるが、大阪の新世界界隈を舞台にすれば現代小説でも人情喜劇が描けるんだ。
嫁が早逝してから味が不味くなったラーメン屋「味よし」の娘千子と父親の賢悟。センコとゲンコの二人と半径1キロメートル位の界隈を描いた物語。
意地っ張りで、頑固で、照れ屋で思ってることと反対の事をしてしまう優しい面々のドタバタ喜劇。
寛美さんの松竹新喜劇のような雰囲気。
よってたかって気ぃつかって、お節介な親切する様は半村良の「雨やどり」の雰囲気を思い出した