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〈おとうちゃん、おおきに、ありがとお。うっとうしいほど、愛してくれて……〉大阪・新世界のどん詰まりに店を構えるラーメン屋「味(み)よし」。亡き妻から店を引き継いだ店主のゲンコは、商売に身を入れず遊蕩三昧、かつて評判だったラーメンの味もガタ落ちで、閑古鳥が鳴いている。OLをしながら店を支えるしっかり者の一人娘センコは頭を抱える毎日だ。そのうえ、最近、ぼんやりしてきた店番のおばあやんも気にかかる。そんなある日、この町を嫌って東京に出て行ったセンコの幼馴染、質屋の息子カメヤがひょっこり帰って来た……。痴話喧嘩も色恋沙汰もみんな筒抜けのご近所さん。浪速のシンボル・通天閣が見下ろす下町商店街でデコボコ父娘が繰りひろげる、鬱陶しいけどあったかい、抱腹と感涙のとびっきりの人情物語。TVドラマ化、舞台化もされた評判作、待望の電子化!
...続きを読むPosted by ブクログ 2022年07月25日
なんともベタな題名と思いつつも、帯に北上次郎氏のコメントが「つい読みふけってしまうのである」とあったのて読んでみたが、まさにその通りであった。主人公の父親の破天荒ぶりとえらくまずいラーメン屋主人という設定には、「そないな人おらんやろう」とツッコミたくなるが、大阪下町の人情話なので、「まあ、おらんとも...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年09月06日
かなり前のことになりますが、夫の転勤で関東地方に住んでいたことがあります。
大阪出身と言うと、「大阪弁じゃない!」、「浜ちゃん(ダウンタウン)としゃべり方が違う!」と言われること度々。
さらには、大阪の人の挨拶は「もうかりまっか?」「ぼちぼちでんなぁ」なの?等々。
若かりし頃、東京に遊びに行ったと...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年10月25日
大阪・新世界の下町商店街を舞台に、鬱陶しいけどあったかい浪花の人情が身にしみる涙と笑いの家族小説。
もう思いっきり「じゃりん子チエ」の世界観。しっかり者の娘と放蕩親父が織り成すナニワのドタバタ劇は、私たちの世代にとってあのアニメしか思い浮かばないのである。でもそこは流石に坂井さんの筆力で、アニメでは...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年03月02日
コテコテである。
”人情小説”と言えば時代小説の独擅場の感があるが、大阪の新世界界隈を舞台にすれば現代小説でも人情喜劇が描けるんだ。
嫁が早逝してから味が不味くなったラーメン屋「味よし」の娘千子と父親の賢悟。センコとゲンコの二人と半径1キロメートル位の界隈を描いた物語。
意地っ張りで、頑固で、照れ屋...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年11月01日
大阪、新世界は北詰商店街における人情物語。キャラクターもさることながら、一章一章どの話にもぐっとくるものはあり、またストーリーを通しても心にこみあげるものはあった。
でも、こういう人情ものって、いかに読者に共体験をさせられるかが重要なんじゃないかという気がしていて、それを考えると大阪という地理的なズ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月25日
内容(「BOOK」データベースより)
大阪・新世界のどん詰まりに店を構える「ラーメン味よし」。放蕩親父ゲンコの作るラーメンはえらく不味くて閑古鳥が鳴いている。しっかり者の一人娘センコは頭を抱える日々だ。最近、ぼんやりしているおばあやんも気にかかる。そんなある日、幼馴染の質屋の息子カメヤが東京から帰っ...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年11月03日
中盤からとても面白くなった。
「血ぃ繋がっとっても子供を捨てられる親はおるし、繋がってなくても実の子以上に愛せる男もおる。アンタをこんなええ子に育ててくれた奴のこと、もうちょっと信じたらんか?」
この言葉は、この話を表してる。
大阪の人情と、らしさに何度もぐっときた。
あとは、カメヤが素敵。内面の優...続きを読む
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