坂井希久子のレビュー一覧

  • 華ざかりの三重奏

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    会社勤めを長年していると、いずれ訪れる定年後の身の振り方に思いを馳せずにはいられない。
    昔とは違い現代では定年の年齢も、再雇用等もあって60歳から延びつつあるけれど、やっぱり60歳は社会人にとって一つの区切りの年齢だと思う。
    そこから残りの人生をどう生きていくのか。お金・健康・生きがい…考えることは尽きない。定年後の時間が長ければ長いほど、より楽しく幸せなものにしていくため生き方を模索していかなければ、と焦るばかり。

    そんな人生の転換期・60歳を迎えた中学時代の同級生との二人暮らしを描いた物語。
    同い歳の女性の二人暮らしはほんと理想的。私もできればこんな老後を迎えたい、と何から何まで羨ましか

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    2023年11月25日
  • つばき餡 花暦 居酒屋ぜんや

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    ネタバレ

    今回は熊吉が奉公している薬種問屋俵屋の若旦那とお花ちゃんの友人である海苔屋『宝庄』の養女お梅の縁談話から。

      俵屋に奉公していた長吉がお花を巻き込んで、大騒ぎになってしまったことから俵屋では婚礼話どころではなくなってしまい、六月もお梅は宙ぶらりんの状態。

      そのための話し合いをぜんやですることになるんですが、お妙の料理を食べているうちに自然といい雰囲気になり、これからもぜんやで一緒に食事をすることに(*^^*)

      ですが、ここで終わらないところが……。
      二人が帰り、貸し切りの紙をお花が剝がしていると造りのいい駕籠がやってくる、そこから降り立ちたのは只次郎の姪で、大奥勤めをしてい

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    2023年11月17日
  • 泣いたらアカンで通天閣

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    大阪新世界のラーメン屋。放蕩親父・ゲンコと一人娘・センコ、そして商店街の鬱陶しいほどの人情話。不倫、シングルマザー、育児放棄の話があるが、コテコテの関西弁で笑いに変わってしまう。願わくば、生まれてくる子供の父親がカメヤでありますように。

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    2023年11月17日
  • 華ざかりの三重奏

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    ネタバレ

    よかった。飾り立てない盛りすぎない嫌味のないいい意味でリアルな3人のストーリー。少女漫画が物語の中心にはあるけど、中年女の悲哀や諦念やおかしみ、そして希望も盛り込まれた内容に好感が持てた気がする。
    泣いたり感動したりはないけど,どこか心地いい。

    あるあるがたくさん。

    がんばれとエールを送りたくなる。

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    2023年11月05日
  • 雨の日は、一回休み

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    おじさんを描いたお話!?面白そう!と思って、手に取りました。そしてタイトルはどんな意味なんだろう?と。
    仕事の話がメインだったけれど、そう、仕事の大部分を支えているのは世間のおじさん達なんだよなぁと。おじさんはおじさんなりに悩んでいて、でも何でそうなってしまったのかわからなかったりしている。共感できそうでできなかったり。
    おじさん側の視点と周りの視点と、どちらを批判するでもなく淡々と描かれていてとても読みやすかったです。ちょっと笑えて、ときには突っ込みたくなる、楽しい一冊です。

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    2023年10月28日
  • 江戸彩り見立て帖 粋な色 野暮な色

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    前巻からの『流行り色を作り出す』という難題と進退に決着。
    江戸での浅葱色の評価の厳しさや、名前を変えるだけで映える色の面白さ、そして東女彩と京男右近のやり取りも冴え渡り楽しい今巻でした。

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    2023年10月21日
  • 華ざかりの三重奏

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    60歳、色々事情があったりなかったりの三人の女性がルームシェアのようなことになる。
    そこに不登校気味の中学生男子とヤギが加わり、だらだらと時間も他人の目も気にせず少女漫画を読みふける!最後には作品への熱が同人誌作りにまで発展していく。

    なんて羨ましい!自堕落万歳!
    老後の面倒は配偶者でも子供でもなく、友人というのはアリかもしれない。
    老々介護になるのが目に見えているのが難点だけど。

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    2023年10月07日
  • 華ざかりの三重奏

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    飲み物と軽く摘める食べ物をテーブルに置いて一日中自堕落に漫画を読む!いーじゃないですかぁ!
    したい!その生活!漫画でなく小説で!
    歳を重ねてくると老後のあれこれが心配になるけれど、そういった問題はちょっと横に置いて…自堕落な自分を他人の前にさらけ出せるって結構すごい事(個人的な思いです)引け目なく羞恥心を超えてその姿を、その時間を、共に過ごせる人ってそうそういない気がする。
    何十年振りにかつての友人と再会し、学生の時の関係性が蘇り自堕落な時間を共有出来るってなんか面白いし羨ましい(笑)
    オタクだからこその特権!という気がする。
    本好きの自分も似たようなものだ。
    引きこもって本を読んでいる時間は

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    2023年09月27日
  • 華ざかりの三重奏

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    楽しく読めた。
    ありそうで、現実にはたぶん無い話だけど。まぁ、これ小説だから。
    読んでハッピーな気分になれれば十分。

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    2023年09月24日
  • 華ざかりの三重奏

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    スルスルスルスル読めてしまいました。
    定年を迎えた可奈子が、中学生の時の同級生の芳美の家で同居を始める物語。
    そこへ、ご近所に住む同居家族とうまくいっていない香織が加わり三人で始めたことは‥‥
    独身で仕事一筋に突っ走ってきた可奈子。義父母の介護をやり遂げ夫を亡くし子どもたちは独立して、今は一人住まいの芳美、息子家族と同居を始めて肩身の狭い香織。60歳の彼女たち。これからの人生をどう過ごしていけばいいのか。
    仕事や育児など、イヤでもやらなければいけないことがある毎日を過ごしている時には、こなさなければならないことが頭の中を占めていて、『あー!自分の時間が欲しい!』と思っていても、実際に24時間全

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    2023年09月24日
  • 市松師匠幕末ろまん 黒髪

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    艶めかしい三味線の師匠と稽古に来ている籠屋の三女たちの数奇な縁から始まる計略
    桜田門外の変の後、熱気冷めやらぬ幕末の江戸で、燻る水戸の浪士との関わりなど、読み応えのある作品でした

    図らずも水戸の英吉利公使館襲撃を知る事になり、多少の情が芽生えたにも関わらず、計画の杜撰さから覚悟の浅さを見抜いた途端、切って捨てる市松師匠に痺れます

    そして扉絵(?)の全体デザインがとても素敵でした

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    2023年09月21日
  • 蓮の露 花暦 居酒屋ぜんや

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    前巻の殺人未遂事件は複雑な人間関係が絡まって起こっており、更にいくつもの罠が待ち受け、お花の試練に胸が痛い

    時代小説なのにミステリー色の強いシリーズ構成は健在
    只次郎推しには嬉しい場面も

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    2023年09月21日
  • 華ざかりの三重奏

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    仲の良いおばあさんのルームシェアはあっても、おじいさん同士は難しいだろうなぁ。「手放すってしんどい。それが世の理だとわかってはいるのだけど。そんなことない楽」「いい歳して馬鹿みたい」「違うわよ。やっと馬鹿ができる歳になったのよ、私たち」「人生とは学びの連続だ」そうです。先週からスイミング教室に…。

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    2023年09月09日
  • 華ざかりの三重奏

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    同窓会をきっかけに再開した親友二人。一人は独身、一人は夫と死別、気ままな独り身同士、人生の終盤に同居を始める。
    こんな風に息のあった者同士で残りの人生を過ごせたら、そりゃ楽しいだろうなぁ、という。

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    2023年09月01日
  • セクシャル・ルールズ

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    すっごく皮肉がきいた本だなあ。
    男性の育児参加が推奨されてるが、
    世の中が変わらんと
    結局、何も変わらん。

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    2023年08月16日
  • セクシャル・ルールズ

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    ネタバレ

    とても興味深い内容。
    私は専業主婦なので、わかる、わかるーと、共感する場面がたくさんあった。
    まあ、本では、主夫だけど。

    一度離婚したことにより、全てを晒しだして話し合えたことは、よかったなと思う。うらやましい。

    私も知らない間に、男だから。女だから。という古い価値観を持っていて、それを自分で自分に当てはめ、もがいている気がする…。

    色々と考えさせられる本だった。

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    2023年08月16日
  • セクシャル・ルールズ

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    古い価値観、偏見根こそぎはなかなか…。ただ“男だから”“女だから”と意識しすぎない事が肝要で、ある程度の役割分担は“生き物”としては自然なのでは?怒られちゃうか⁈「できれば残りの人生は、自分のために生きたいと母は言う」みんな自分のために生きてるんじゃないの?人のお世話するのも回り回って自分の為じゃないの…。陳腐な言い回し寂しすぎ坂井さん。それにしてもハラスメントモンスター怖すぎだけど、アルアルだ。

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    2023年08月16日
  • 華ざかりの三重奏

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    ネタバレ

    少女漫画オタクの、夢見る三人の還暦女性たち。
    定年退職を迎えた、独身キャリアウーマンの、竹下可南子(たけした かなこ)と、夫を亡くし大きな日本家屋で寂しい日々を送っている、大友(旧姓・西村)芳美(にしむら よしみ)は、中学時代の同級生だった。
    そして、芳美の庭の夾竹桃を切り落とした、畑中香織(はたなか かおり)は息子の家で居場所が無く・・・

    情熱的に語られる少女漫画愛に、作者自身の愛も感じられる。
    おひとり様が寄り添って老後を過ごすシェアハウスというのが、この頃よく扱われるテーマであることは確かだが、この作品は斜め上を行く展開。
    正直、とても愉快である。

    日本家屋の中の、二部屋ぶち抜いて改

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    2023年08月14日
  • ねじり梅 花暦 居酒屋ぜんや

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    ほっておけばどこまでも悪い方にばかり解釈してドツボにハマるお花の身に終盤あまりにもむごい悪事が降りかかる。立ち直れる性格ではない彼女を待ち受ける次巻の展開はいかに。

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    2023年08月12日
  • 蓮の露 花暦 居酒屋ぜんや

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    新シリーズになり、主役が若い二人に移ってからは食い足りない読後感が続いていたし、とりわけお花の愚図っぷりにはイライラしっぱなしだったが、本巻でようやく言動が吹っ切れた感じになり今後の活躍が楽しみに。やがて育ての親に待望の赤ん坊が産まれることで、またウジウジし出すというありがちな展開だけは勘弁してもらいたいが…

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    2023年08月12日