坂井希久子のレビュー一覧
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居酒屋ぜんやの前主人であり、お妙の夫であった善助が殺された原因が明らかになる今巻は、物語として大きな山場を迎えました。
なんかちょっと「めでたしめでたし」と言った風情の終わり方だったので、うっかり只次郎くんのことを忘れていたよ、ごめん。笑
自分が思っていた人物が、そのとおりのひとだったし、時代劇とかでありがちな、悪者はいかにも悪そうなカオをしているっていう、ある意味お約束的な結末で、心穏やかに読み終えることができました。
名鳥ルリオの美声と柔らかな春の兆したっぷりの陽光が(見えないのに感じられる文章ってすごいな、といまさら気づく)、次巻が最終巻なのかなぁという予感を感じさせます。 -
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「居酒屋ぜんや」シリーズ、もう第五弾!
季節感たっぷりあふれる料理が美味しい「ぜんや」
亡くなった夫の店を引き継いで、お妙が料理の腕をふるっている。
鶯の鳴き合わせで一家の生計を支える、武家の次男・林只次郎。
太物屋菱屋のご隠居。
亡き夫・善助の姉で、居酒屋を手伝ってくれるお勝。
そして、少し前からぜんやの用心棒を務める謎の浪人・草間重蔵。
常連さんの、江戸の大店の主たち。
ひとつの謎は解決されたが、重蔵の正体も気になるところ。
そこへ、最初の頃からどうも気になる、お妙の夫・善助の素性。
医者の娘であった、というお妙の医学の知識が、だんだんとクローズアップされてきている。
ミステリとしても -
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オリンピック代表から外されることになった峰子が、妊娠、出産、子育てを経て再びオリンピックを目指す。
妊娠と出産と子育てを経験した女性として、共感する感情がたくさんあった。近くに峰子がいたら、そんな風に思うのはあなただけではないのだと声を掛けたいと思った。
辻本に対する感情は私の理解を超える部分があったけど、オリンピックを目指すくらいの選手だから、根性も感情も強くて粘り強くて感動する。
これは実話なのかな。
読みながら探し続けていた、最後にさりげなく書かれた結果に、涙が流れた。
市民ランナーの端くれとして、またマラソンしてみようかな、という気になった ^_^ -
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てっきり真田広之と鈴木保奈美共演の同名映画の原作だと思い込んでいました。1994年の映画でしたから、かれこれ20年以上前のこと。そちらはヤクルトスワローズの選手という設定でしたが、こちらはまったく別物の阪神タイガースの選手という設定。阪神ファンならまちがいなく笑います泣きます。
主人公は2001年から2010年まで阪神タイガースに野手として在籍していたという仁藤全(アキラ)。一軍で活躍することはほとんどなく、「二軍の帝王」と呼ばれたまま退団。ヒーローインタビューを受けたことなどないけれど、一部の人の心に強烈な印象を残した選手。彼とつきあいのあった人物が彼について語るという形式が取られています -
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ネタバレ亡き夫・善助と営んでいた居酒屋「ぜんや」を一人で切り盛りする美人女将・お妙。
その妙にひそかに思いを寄せる、武家の次男坊・林只次郎。
林家の飯のタネ、鶯のルリオ。
そしてもちろん、美味しいごはん。
居酒屋なのは分かっているが、どうも、「つまみ」というより、「おいしいごはん」と言いたくなるような、家庭的な雰囲気なのである。
妙は後家さんだが、湿ったところや隠微なイメージはどこにもない。
清潔で、ふんわり温かい…洗いたての白い手のひらのようなのである。
しかし、そこに不審な事件の影もちらつく。
読み終わってすぐに続きが読みたくなった。
すいません、次、いつ出ますか?
『花の宴』
花見に集まる -
Posted by ブクログ
前巻を読んでからだいぶ時間が経っているせいで、ちょっとどんなだったか忘れているところもあるけれど、妙がつくる料理への愛が、変わらずとてもやさしくて、ほっこりします。わたしも食べにいきたい!
とりあえず、きゅうりとタコの酢の物を食べたくなりました。
妙に狼藉を働いた後に行方知れずになっていた藍染屋がひょんなところで発見される。それも妙に恋慕する只次郎に。よりによって、お武家らしさ皆無で男らしさもなんだか足りない優男の只次郎に!
とひどい言いようですが、それは只次郎が憎めないからです。可愛さ余ってなんとかて言うやないですか。
幸いなことに只次郎は浅はかな男ではないので、なんとかなるんじゃないか
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