あらすじ
居酒屋「ぜんや」の馴染み客・升川屋喜兵衛の嫁・志乃が子を宿して、もう七月。「ぜんや」の女将・お妙は、喜兵衛から近ごろ嫁姑の関係がぎくしゃくしていると聞き、志乃を励ましにいくことになった。心配性の亭主に外出を止められ、姑には嫁いびりをされているとこぼしてしまう志乃だったが、お妙の特製手鞠ずしを食べて盛り上がり……。不安や迷いを抱えている人々も、お妙の心を込めた料理で笑顔になる。丁寧で美味しい料理と共に、人の心の機微を濃やかに描く傑作人情小説第三巻。
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居酒屋「ぜんや」シリーズ、3作目。
本作は良かった。
作中で紹介される料理も美味しそうだし、それにまして人情味溢れるお話には、ほこっとする要素が満載でした。
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居酒屋ぜんやシリーズ第三弾。
今回は一冊通じて大きな謎が一つ解ける……感じかな?
今回もサクサクっと読める短めのお話が五つ。文体も軽いしキャラも良くて好きなシリーズだなぁ。しみじみ。
以下ネタバレ
又三ーーーーー!!ってなりました、初っ端から。
そして、ようやく駄染め屋が捕まりましたね。拷問の様が中々で、柳井殿はやはり食えないお方だ。そこがいいんだけど(私は柳井殿推し)
たぶん佐々木殿がラスボスなのかな?かなりやな奴だなー。
お妙さんが意外と子供っぽい性格で、なんか良かった(笑)完璧すぎる美人より欠点がある方がいいよね。
お志乃ちゃんとこも無事に落ち着きそうやし。てかたぶん升川殿は尻に引かれるよな(笑)
次も楽しみ。
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このシリーズは料理が旨そうだし、人情味あふれる話は
読後感がほっこりさせてくれて、とっても好き。
特に超感動とか、泣ける、とかというわけじゃないけど
なんかあると読んでしまうクセになる面白さ。
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一連の謎が解明され、男女の機微も深まるシリーズ最初の盛り上がりとなる第三巻だが、とりわけ蕎麦打ちの場面では過不足なく手順を説いて、さすがは野球を全然知らずに野球小説をものにした(二巻のあとがき)という作者らしい手練れぶり。寄せ鍋もいいけれど……と言いつつお妙が只次郎に給仕する金目鯛の鍋のなんとも美味しそうなこと。
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ちょっときな臭くなってきました。
けれども、文体が穏やかですね。
それは、主人公の只次郎のおかげ。
なんとかして、幸せになってほしいものです。
これから、お妙さんとの関係はどうなることやら。楽しみです。
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今回も次から次へと事件が続くのだが。
又三の不審死を探ろうとする只次郎。
剣など使えないこうした危ないことにはおよそ向かない男だ。
だが、お妙の危険だと思うと、無理にも立ち向かう勇気はある。
お妙がナイショごとに気がつき、怒っているらしい。
只次郎も、お妙の心を慮りの嘘を重ねてしまう。
ぜんやの煤払いには常連客も手伝ってくれる。
続く長屋の独り住まい、寝たきりの婆さんの部屋も一緒に大掃除をするためだ。
掃除がおわり、二人きりになった雰囲気がなかなか良さげ。
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2022/3/11
只次郎よかったね!ちゃんと意識してもらってるよ!
年下男の守ってあげたい欲求と年上女の心配ががちょっと喧嘩したけど、只次郎は言うだけじゃなくてちゃんと行動してるからね。
立派なもんだよ。
いいなぁ、キュンとする。
そして相も変わらずおいしそうな料理の数々。
ぜんや行きたい。
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「居酒屋ぜんや」シリーズ、3作目。
こまやかな気遣いのできる女将のお妙が出す美味しい料理に、ほっこり。
ただし、背景にあった事情が表に出てくる巻で、サスペンスは強まってます。
大嵐で雨漏りが起き、てんやわんやになる長屋。
そんな時期、行方知れずになっていた又三が発見される。それも、思いがけない形で…
又三が、人にお妙の素性を探るよう頼まれたと話していたことを思い出して、悩むお妙。
常連でお妙に憧れている旗本の次男・林只次郎は、お妙の不安を解消しようとするが、ほとんど弟ぐらいにしか思われていないので、危ないことはするなと止められる。
しかし、武士ではあり、鶯の鳴きつけという仕事であちこちに出かけるのも慣れている只次郎。
探りを入れるために賭場へ出向く役を引き受けることに。
普段はへらへらしている只次郎だが、か弱いお妙を守ってやりたいと燃えて、不安にさせまいとわかってきたことを隠し、お妙を怒らせてしまう。
かなり自由に育ったお妙は実は勝ち気で、大人だからそんなに面には出さないだけなんです。
ぎこちないやり取りにも、少~しずつ距離が縮まる感じが(笑)
お妙の義姉のお勝や、只次郎の兄嫁の父である柳井殿らは茶々を入れつつも見守るのでした。
升川屋喜兵衛の嫁・お志乃が妊娠中で外へ出られないため会いに行くお妙とお勝。
嫁姑の仲がおかしくなり、お志乃は孤立しているらしい様子。
夫の升川屋はお志乃を大事にしているつもりなのだが、ピントがずれている(笑)
手毬寿司という可愛くて美味しそうな料理と、嫁姑の仲をうまく取り持つお妙の優しい手さばきに嬉しくなりました。
長屋の煤払いなど、当時の季節の行事も話に組み込まれてありありと描かれ、面白いです。
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居酒屋ぜんやシリーズ3巻
ぜんやの女主人お妙を巡る謎は取り合えず解決だが真相はまだまだ奥深そう。
お妙さんの作る料理は本当にどれも美味しそう。
周りの人達もお妙さんの料理に癒され、笑顔に。
只次郎さんとのこの先も楽しみ。
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ひとまず事件は解決?
お妙の亡夫の死因にはまだ何か隠されていそうだし、それに只次郎の父の上役が一枚噛んでいそうではある。
手鞠ずしや寄せ鍋が食べたいなぁ。
相変わらず、お菜の描写が美味しそうで!
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1977年生まれ、坂井希久子さん「ころころ手鞠ずし」居酒屋ぜんやシリーズ№3、2017.9発行です。「居酒屋ぜんや」を営む夫と死別した美人女将のお妙27歳と旗本次男坊で鶯の飼育をしている林只次郎21歳、お互い意識しながら、それゆえにか率直な物言いができなくて・・・。大嵐、賽の目、紅葉の手、蒸し蕎麦、煤払いの5話。最終5話でやっと二人のあたたかい世界が出現します(^-^) なお、死んだ夫の姉、お妙の義姉、お勝の存在がこの物語を引き締めています。
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ご飯も美味しそうだけど、それよりもそれぞれの心の機微に惹かれます。
嫁姑問題はなんとかなりそうで良かったけど、お妙さんの周りのきな臭さはまだまだ解決しないだろうし、亡夫は何か見たのか知ってしまったのか気になる。
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又三の死は予感があったけど・・・、又三の死の謎を追って賭場にまで潜入する只次郎。分かっていても色々隠してしまう只次郎に腹を立てるお妙。普段は「商人になりたい」と口に出していても根っこは武士なのかな。好きだから守りたい、て気持ちもあるんだろうし。そんな男心がわからないお妙にちょっとイラッとしたけどさすがお勝さん、うまく捌いてくれる。
ころころ手鞠ずし、かわいくてお土産にいいね。
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内容(「BOOK」データベースより)
居酒屋「ぜんや」の馴染み客・升川屋喜兵衛の嫁・志乃が子を宿して、もう七月。「ぜんや」の女将・お妙は、喜兵衛から近ごろ嫁姑の関係がぎくしゃくしていると聞き、志乃を励ましにいくことになった。心配性の亭主に外出を止められ、姑には嫁いびりをされているとこぼしてしまう志乃だったが、お妙の特製手鞠ずしを食べて盛り上がり…。不安や迷いを抱えている人々も、お妙の心を込めた料理で笑顔になる。丁寧で美味しい料理と共に、人の心の機微を濃やかに描く傑作人情小説第三巻。
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シリーズ3巻目となると、登場人物もお馴染みになり、名前を聞いただけでありありと見た目を想像できるようになる。また悲しい思いはすまいと、深く心を開くことを避けているお妙さんが、只次郎に対して怒ったり拗ねたりする様子が、本人も知らないうちに心を開いているように思えて微笑ましい。シリーズ通しての謎解きも少し進んで、続きが気になる。いつもながら料理の描写も見事で、ご飯の前に読むとお腹がすいて、出汁の香りがほんのりとたってくるような思いがする。
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シリーズ3作目。
1作目で出てきた駄染屋がやっと捕まえられた。それでも残る謎があり、背景が分から無いので作品に暗い影を落としたまま。殺された者もいるので美味しい料理に没頭出来ない。
恋愛についても内緒事は嫌だと言っていた女将のお妙に背き、嘘を吐いた旗本の次男坊。不器用だなと思ってしまう。関係がギクシャクするのは相思相愛だからなのか? 町人同士の方が合ってそうに思うのだが。
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居酒屋ぜんや シリーズ3
小十人番士の旗本の次男坊・林只次郎は、鶯が美声を放つよう飼育して、その謝礼で、一家を養っている。
一方的に憧れている、居酒屋「ぜんや」の女将のお妙は、美人で、料理上手。
行方不明になっていた、糞買いの又三が、心中に見せかけて殺された。
犯人として、駄染め屋が捕まり、只次郎の父親の上司である佐々木の命令であったと、白状する。
駄染め屋が、佐々木から、お妙を見張るように言われていたと言う謎が残る。
只次郎とお妙の相手を思いやる、ぎこちなさが、微笑ましい。
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シリーズ第三弾。
ストーリーも少しずつ進んできている模様。
お妙さんと只次郎の仲も進展・・してるのかしら??笑
きちんと話をしてくれない只次郎にイライラしたり、これでもう来てくれなくなるのかもと不安になったり。
少しずつ存在は大きくなってきているのかも^^
お妙さんの強情っぷりにヤキモキしつつ、こちらも楽しみに見守ろうかと♪
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馴染み客の喜兵衛の嫁・志乃の嫁姑関係の不仲を聞き、
お妙は志乃を励ましに行く。不満をこぼす志乃だったが、
お妙特製手鞠ずしを食べて盛り上がり…。
丁寧で美味しい料理と共に、人の心の機微を濃やかに
描く人情小説第3巻。
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シリーズ第三弾。
又三の死と、駄染め屋&佐々木様の関わりを秘密裏に探る、只次郎。
お妙を気遣いすぎるあまり、本当の事が話せず、それが却ってお妙を怒らせてギクシャクした感じになってしまいます。
お妙も結構強情なところがあるのですね(人間だものww)。
やっぱり「ぜんや」は和気あいあいとした雰囲気でいて欲しいです。
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相変わらず、料理は美味しそうだし、只次郎は本当に美味しそうに料理を食べるなぁ。
とりあえず今回は駄染屋が捕まり、又三殺しも白状したが、佐々木様がお妙を見張らせた理由はまだ不明。
これからもお妙を、陰ながら見守るだろう只次郎が健気だ。お妙も意地を張らずに上手くいって欲しい。そうは言ってもお妙の頑固さも好きだけど…
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シリーズ第三弾。今作はお妙の視点での描写が多いせいか,どことなく男の不甲斐なさが目につきました。
あらすじ(背表紙より)
居酒屋「ぜんや」の馴染み客・升川屋喜兵衛の嫁・志乃が子を宿して、もう七月。「ぜんや」の女将・お妙は、喜兵衛から近ごろ嫁姑の関係がぎくしゃくしていると聞き、志乃を励ましにいくことになった。心配性の亭主に外出を止められ、姑には嫁いびりをされているとこぼしてしまう志乃だったが、お妙の特製手鞠ずしを食べて盛り上がり…。不安や迷いを抱えている人々も、お妙の心を込めた料理で笑顔になる。丁寧で美味しい料理と共に、人の心の機微を濃やかに描く傑作人情小説第三巻。
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居酒屋ぜんやシリーズ、第3弾。
以前、ぜんやに押し入った駄染め屋の消息を追う只次郎。
大川に心中死体が上がったり、只次郎が賭場に潜入調査に入ったり、なかなかのサスペンスである。
その分、ご飯が美味しく感じられないこともあって、残念。
その中にあって、升川屋のお志乃のエピソードは、お妙の料理が人を幸せにするという、この作品の要が描かれていて、ホッとしました。
男ってのはまったく、しょうがない‼︎
という、鼻息も吹きましたが。
町人と打ち解け、むしろ町人になりたいとさえ思う只次郎と、侍の矜持をどうやっても守り抜きたい旧友とのすれ違いは、少し切ない。
頼りになる義姉のお勝さん、個性豊かな長屋の住人達、そして菱屋のご隠居をはじめとする常連さんたちを見ていると、本当に江戸の町人文化っていいなあ〜と思えてくる。
いちばん美味しそうだったのは、雑炊です。
やはり、平らかな気持ちで食べるものは美味しい。
しかし、お妙の周辺には新たな謎が生まれたようです。