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寛政三年弥生。預かった鶯を美声に育てて生計を立てる、小禄旗本の次男坊・林只次郎は、その鶯たちの師匠役となる鶯・ルリオの後継のことで頭を悩ませていた。そんなある日、只次郎は、満開の桜の下で得意客である大店の主人たちと、一方的に憧れている居酒屋「ぜんや」の別嬪女将・お妙が作った花見弁当を囲み、至福のときを堪能する。しかし、あちこちからお妙に忍びよる男の影が心配で……。桜色の鯛茶漬け、鴨と葱の椀物、精進料理と、彩り豊かな料理が数々登場する傑作人情小説第二巻。
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Posted by ブクログ
居酒屋ぜんやシリーズ第二弾。今回も居酒屋女将ねお妙さんと武士の只次郎、それぞれの目線で語られる連作短編集。 軽いタッチの読みやすい文章に、優しいキャラクター、美味しそうなお料理と気楽に読めるシリーズながら、少し暗雲が立ち込め気味な感じもしたり。それもまた良し。シリーズ全体のキモになるのかな? 二...続きを読む話目は以前「まんぷく」で読んだ話(コレでこのシリーズを読み始めた)なんだけど、最初から読むと色々キャラクターの背景が見えて面白かった。 柳井殿、好きだなー(笑)女好きするタイプだよね(笑)
日々疲れた心を癒やしてくれる、そんな小説。 何も考えずに読めて、読んだ後はほっこりというか しやわせな気分にしてくれます。 おそらく連続して読んだならば、チョット物足りない感が あるかもしれないが、たまーにこんな本に出会うと いい話に心が洗われる気がするのであります。 ぜひとも読んでいただきたい...続きを読む、お勧めの一冊(シリーズもんだけど)。
坂井希久子さん、居酒屋ぜんやシリーズ№2「ふんわり穴子天」2017.1発行。№2を先に読みましたが、面白いです。神田花房町、美人の若後家女将・お妙が営む「ぜんや」を舞台にした物語。花の宴、鮎売り、立葵、翡翠蛸、送り火の5話。期待が大きく膨らむシリーズです!
前巻を読んでからだいぶ時間が経っているせいで、ちょっとどんなだったか忘れているところもあるけれど、妙がつくる料理への愛が、変わらずとてもやさしくて、ほっこりします。わたしも食べにいきたい! とりあえず、きゅうりとタコの酢の物を食べたくなりました。 妙に狼藉を働いた後に行方知れずになっていた藍染屋...続きを読むがひょんなところで発見される。それも妙に恋慕する只次郎に。よりによって、お武家らしさ皆無で男らしさもなんだか足りない優男の只次郎に! とひどい言いようですが、それは只次郎が憎めないからです。可愛さ余ってなんとかて言うやないですか。 幸いなことに只次郎は浅はかな男ではないので、なんとかなるんじゃないかなぁって思ってはいるけども、ますます続きが気になります!
あなたは、『ああ、うまぁい!』という声を聞いてどんな食べ物を思い浮かべるでしょうか? 飽食の時代を迎えた私たちは、食べ飽きるほどに豊かな食生活を送れるようになりました。逆に食べすぎによって肥満や成人病に悩む人がいるという時代のあり様は飢饉の中に飢えに苦しむ人たちが当たり前にいた時代からすると隔世の...続きを読む感があると思います。 そんな私たちの”食”への欲求は限りを知りません。より美味しいものを探して、情報を得て食べ歩きをする先にグルメといった言葉も当たり前に聞くようになりました。しかし、美味しいものを食べたいと思う気持ちは決して今の世の私たちだけのものではありません。この国にかつて生きたお江戸の人たちだってその気持ちに変わりはなかったはずです。 さてここに、お江戸の時代、『神田花房町』に店を構える『居酒屋ぜんや』を舞台にした物語があります。女将のお妙が供するあんなものこんなものの魅力にすっかり虜になるこの作品。美味しいものに時代の違いはないことを納得するこの作品。そしてそれは、彩り豊かな料理の数々と、お江戸の人たちの人情が魅せる坂井希久子さんの傑作シリーズ第二作な物語です。 『ホー、ホケキョ』と、『蒼天に吸い込まれるような鳴き声が』する中に『男たちは目を瞑り、それを肴に盃を傾け』るという『弥生十日』。『音の高さも文句も、申し分ねぇ』、『惜しむらくは、「ケキョ」の「キョ」が「チョ」になるところなんですが」、「なんのなんの、このくらいなら「キョ」に聞こえますよ』と『酒と鶯の声をたっぷり味わって』、『誰しも自分の鶯が一番だと思』いつつ語り合う男たち。『とそこへ、只次郎の籠桶の鶯が鳴きはじめ』ます。『まるで手本のように三音見事に鳴き分けて、紛れもなく「ケキョ」で結ぶ』『愛鳥ルリオ』。『やっぱりルリオにゃ敵わねぇなぁ』、『ええ、当代一の鶯でしょう』と持ち上げるのは『ルリオをつけ親とする、贔屓筋』の面々。そんな中、『心配なのは後継ぎですね』と『痛いところをついてきた』『菱屋のご隠居』に、『はぁ。今年こそはと思っちゃいるんですが』と『頬を掻き、言葉を濁す』只次郎。『飼い鶯の寿命はたいてい八年ほど』という中、『ルリオを拾ってから、もうすぐ五年になろうとしている』という只次郎は、ルリオのことを『ただの愛玩鳥』とは思っていません。『百俵十人扶持の林家の家計を支える、稼ぎ頭』である『ルリオの死は、林家の逼迫をも意味』します。『老いて声が痩せてからではもう遅い。その前になんとしても、後継となる若鶯を育てる必要があ』ると思う只次郎。そんな中、『まぁまぁ。今日明日のことでなし、そう焦らず。まずは弁当でも食べましょう』と『物腰柔らかな俵屋の取りなしで、座が弛』みます。『お妙さんのお手製だそうですよ』と言う『俵屋に促され、供の手代が春慶塗の提げ重を差し出』すと、『各々の手元に配られ』、『「おお」とどこからともなく感嘆の声が上が』ります。『一の重はあさりの入った若竹煮、玉子焼き、うどの白和え…』、『二の重は椎茸のすり身詰め、木の芽味噌の田楽、ヨメナのお浸し…』、『三の重は梅の甘露煮に、長芋のきんとん。甘味…』という内容は、『決して華美ではない』ですが、『料理の盛りつけや色の組み合わせに、「ぜんや」の女主人らしい細やかな心遣いが感じられ』ます。『なんてぇかこう、お妙さんの料理は見るだけでも和むねぇ』と『相好を崩すのは色男の升川屋』。そんな升川屋に『お志乃さんは江戸の桜は初めてでしょう。花見に連れてってやんないんですか』と『ふとした思いつきで尋ね』る只次郎に、『ああ、まぁ、そのうち。そんなことよりほら、早く食べましょうぜ』と『あからさまにはぐらか』す俵屋。『不満』を覚えつつも、『周りが箸を取ったので、この話題はひとまず終い』となり、『只次郎も負けじと箸を伸ば』します。『ああ、うまぁい!』と『椎茸のすり身詰めを口に含み、喜びの声を上げ』る只次郎。『玉子焼きは出汁がじゅわっと。なんだか飲み物みてぇだ』、『ヨメナの野趣もまた、外で食べるとひとしおですね』と感想を述べ合う面々。『旨い料理人は人を寡黙にしておかない』という中、『満面に笑みを広げ、次々と盃を干す』面々。そんな中、『ルリオがまた第一級の喉を披露し』ます。そして、『なにもかも、旨かった』と『料理をひと通り味見して』『ふうと満足の息を吐』く只次郎は、『そういえば』『近ごろ又三を見ないんですが』と『口を切』ります。『鶯の糞買い』という又三は『いつもなら七日に一度はやって来るのに、お妙を妾にと望む御仁がいると明かしたあの日から、めっきり姿を見せなくな』りました。『「ぜんや」にも行っていないようで、「又三さんはどうしていますか」とお妙も気にしてい』ます。『おや。うちには一昨日来ましたけどね』と『首を傾げたのは三文屋』。『又三さんがどうしたんですか』と、『不思議そうに』する俵屋。そんな二人に『事情を話し、又三を見たら教えてくれと頼』む只次郎は、『こうやって手をこまねいているうちに、お妙が人のものになったらどうするつもりだ』と思います。『もしも「ぜんや」がなくなってしまったら。そして二度とあの笑顔を拝めないのだとしたら』、『この憂き世のなにを楽しみに、生きてゆけばいいのだろう』と思う只次郎。そんな只次郎を”食”の幸せに包み込む『居酒屋ぜんや』の美味しい料理の数々と庶民の暮らしが描かれていきます。 “寛政三年弥生。預かった鶯を美声に育てて生計を立てる、小禄旗本の次男坊・林只次郎は、その鶯たちの師匠役となる鶯・ルリオの後継のことで頭を悩ませていた。そんなある日、只次郎は、満開の桜の下で得意客である大店の主人たちと、一方的に憧れている居酒屋「ぜんや」の別嬪女将・お妙が作った花見弁当を囲み、至福のときを堪能する。しかし、あちこちからお妙に忍びよる男の影が心配で…”と内容紹介にうたわれるこの作品。シリーズ累計45万部を売り上げたという全10巻からなる坂井希久子さんの人気シリーズ第二作となります。 そんなこの作品は、”時代もの”としてお江戸の街を舞台に展開されていきます。まずは、時代を特定する幾つかの表現から見てみましょう。 ・『寛政の世となり奢侈が諫められ、あまり派手な身なりをしていては町奉行所に引っ張られかねない』 ・『今から十七年前に、杉田玄白らによって刊行された「解体新書」に同じ言葉が散見される』 ・『田沼主殿頭のころに奨励された蘭学も、松平越中守はお嫌いなようで、昨今では取り締まりを強めている。そのご改革はまるで、前の時代を打ち消したいかのようである』。 はい、舞台は昨今功績が見直されつつもある田沼意次の時代を経て、江戸時代後期、寛政の改革が進められる世の中、贅沢禁止令が発布され、質素倹約を常とする世の中が舞台となります。そんな中に『神田花房町』に店を構える『居酒屋ぜんや』が登場します。この作品の冒頭には主な登場人物が紹介されていますが、真っ先に登場するのはそんな『ぜんや』に通う『旗本の次男坊』只次郎であり、『ぜんや』を切り盛りする女将のお妙がその次に登場します。このあたりが『ぜんや』で供される料理の数々を読者に、より美味しそうに見せる役割も果たしていると思います。では、そんな『ぜんや』で供される料理を見てみましょう。まずは『鮎』です。 『踊り串を打ち、遠火でじっくり焼いた鮎である。小振りなので二尾、炙り直して角皿に盛る。彩りに青楓を散らし、蓼酢の小皿をちょんと添えた。 「うわぁ、いい焼き色ですねぇ」「頭からいけますよ」「そうですか。では」』 時代が変わろうが『鮎』は『鮎』です。この表現から美味しそうな『鮎』が目に浮かびます。 『勧められるままに、只次郎は頭から齧りつく。さくりさくりと嚙むほどに、唇の両端がきゅうっと持ち上がった。「うっまぁい」しみじみとした呟きである。「なんです、この歯触りは。口の中に硬いものがちっとも残りませんよ。鮎ってたいてい、顎のあたりがごりごりするじゃないですか」「ええ。ですから、顎から焼くんです」「なんと!」』 『亡き良人、善助から教わった焼きかた』で焼いたことを説明するお妙は、『鮎はなんといっても、丸齧りが一番ですから』と言うと『うふふと笑』います。時代を超えても人が美味しいと思うもの、そしてその食した感覚は変わらないのではないか、そんな風にも思います。次は、このシリーズ第二作の書名にもなっている『穴子』も見ておきましょう。 『「うっ、まぁい!」口からほくりと湯気が上がる。さくりとした衣と、淡泊な白身のふわりとした食感がたまらない。じゅわっとにじみ出る胡麻油の風味。衣が軽く、大きめに頰張ったひと口が瞬く間に消えてしまった』 はい、『穴子の天麩羅』の登場です。こちらも美味しそうですね。そんな中に『よろしければ、こちらもどうぞ』と、お妙があるものを差し出します。 『鰹出汁に、味醂と醬油を利かせたつゆだ。浸すと熱々の天麩羅がしゅわっと音を立てた。口に含めばつゆをたっぷり吸った衣と、ふわふわの穴子が混じり合う。ぴりりと辛い夏大根が、最後に味を引き締める。「うぅん、これまたいっそう」』 『目を瞑り、ゆっくりと味わ』う只次郎という場面が描かれていきます。『ふんわり穴子天』と書名につけられたこの作品の”食”の醍醐味を見せつけてくれる表現が続きます。今の世の中、”食”を前面に押し出した作品は数多の作家さんが手がけていらっしゃり、押しも押されぬ人気コンテンツとなっています。そんな中にあって、”お江戸の食”を扱うこの坂井さんの『居酒屋ぜんや』シリーズはその設定自体で大きな個性を打ち出しているのみならず、時代が変わっても美味しいものは変わらない、そんな根源的な”食”の魅力を私たちに伝えてくれるものでもあります。これは、もうたまりませんね! さて、そんなこの作品は五つの短編が連作短編を構成しています。簡単にそれぞれの内容に触れておきましょう。 ・〈花の宴〉: 鶯の『鳴きつけ』を生業にする只次郎は『後継ぎ』問題に頭を悩ませています。そんなある日『北町奉行所の与力、それも花形の吟味方』の柳井に『ぜんや』のことを話してしまい…。 ・〈鮎売り〉: 『どうか、お願ぇします』と懇願する『歳は十二か三』という娘に『傷モンの鮎なんざ願い下げなんだよ!』と怒鳴る『川魚屋の主人』。そんな場に前に出たお妙は…。 ・〈立葵〉: 『高山様の婿が、山崎殿の次男坊に決まったぞ』と父から言われた只次郎。『父の上役の』高山の『さらに上役の佐々木』から『進物にするゆえ声のいい鶯を二羽ほど育てよ』と言われ…。 ・〈翡翠蛸〉: 『お志乃さん!』と、『お供の女中の姿もな』く、一人で現れた志乃を『ひとまず中へ』と『ぜんや』へ招き入れたお妙。そんなお妙を見て『お妙さん、うちもう嫌やぁ』と泣き出す志乃。 ・〈送り火〉: 『ちょっと、なんでいるんですか!』と『ぜんや』の『小上がりで胡座をか』く柳井に文句を言う只次郎。それに『休みの日にどこで酒を飲んでようと、俺の勝手』と顔を顰める柳井。 それぞれの短編はお江戸の街の日常を淡々と描く中にすべてがすべてほっこりとした物語で魅せていきます。現代の世とは異なれどそこには、間違いなくごく当たり前の庶民の暮らしがあることに気付かされもします。そんな中にハッとさせられるのが季節の表現の数々です。 『植えた覚えのない立葵が、雨に打たれて揺れている。丈の高い花である。梅雨入りするころに下から順に咲きはじめ、梅雨が明けるころには上まですっかり咲き揃うという。薄紅色の花はまだ半ばほど。皐月二十日、両国の川開きまであと八日を残すところとなったが、雨の降り止む気配はない』。 季節の移り変わりを言葉の節々に感じる中に物語は展開していきます。そして、そんな物語を彩るのが上記した『居酒屋ぜんや』でお妙が供する”食”の数々です。時代が変わっても人の”食”に対する思いは変わりません。美味しいものを出されて嫌な顔をする人などいるはずもなく、そこには笑顔溢れる人の楽しげな姿が自然と浮かび上がります。そんな人の幸せな日常を沸々と感じさせてくれるのがこの作品の最大の魅力。人情溢れるお江戸の街を舞台にした”食”の魅力たっぷりに展開する物語。時代を超えて人の心を魅了するそんな物語の姿がここにはありました。 『旨い料理は人を寡黙にしておかない』。 『神田花房町』にある『居酒屋ぜんや』に集う人たちの姿を活き活きと描き出したこの作品。そこには、230余年前にも”食”の喜びと共に生きる逞しいお江戸の人たちの姿を描く物語がありました。今の世と変わらぬ”食”の魅力がたまらないこの作品。そんな世に人情味溢れる人たちの姿が彩りを添えるこの作品。 どこまでもほっこりとした物語の中に、登場人物一人ひとりを丁寧に描いていく坂井希久子さんの上手さを見る、そんな作品でした。
キュウリを武士が食べないとは初めて知りました。武士の面目にこだわる只次郎の父と兄、でも実際にはその俸禄では食べていけない悲哀。お栄の利発さは先々開花するのか。只次郎一家を養うルリオの後継者(?)はどうなるのか。 お妙に全く意識されてない只次郎が哀れ。
一つ一つが短編ですごく読みやすい。しかもその中で伏線も張られてるから、先が気になって面白い。食べ物もすごく新鮮に感じで楽しい。
前作と間が空いたから、いまいち思い出すのに時間かかった。 相変わらずごはん美味しそうだなぁ。 桜鯛の胡麻漬け、蛸の柔らか煮、穴子の天ぷら。 読んでるだけでお腹空く。 大きく物語が動かなくても面白い。 すごい。 それにしても全く男として意識してもらえてないのか…かわいそうに。そんなはっきり書かれ...続きを読むると思わなかった。だとしたらちょっとズルいひとだ。不思議と嫌いにならないけど。 若干の不穏さを残して次の巻へ。
「居酒屋ぜんや」シリーズ2作目。 ヒロインの性格がはっきりしてきて面白かったです。 美味しい料理に皆が集まってくる居酒屋を、今は一人で切り盛りしているお妙。 はっと目を惹く美貌だが自分ではあまり意識していないのは、2年ほど前に亡くした夫の善助を今も思っているのと、元々さっぱりした気性のよう。 夫の...続きを読む姉が給仕の手伝いに来ており、大して働かないが客に睨みを利かせる役どころ。 夫は二回り年上で、そもそも善助とその姉は妙の養い親だったのだ… 林只次郎は小禄の旗本の次男で、鶯の鳴きつけで家計を支えている。 食いしん坊で、妙の料理と優しい笑顔に魅了されているが、ほとんど異性とは意識されていない(笑) 今回は、まずは「花の宴」 花見に常連が集まった時のお料理。 只次郎がやや苦手とする柳井殿が登場。兄嫁の父であり、北町奉行所の与力、中年だがモテ男で粋。 「鮎売り」では、売れない鮎を抱えて困っている少女をお妙が助ける。 その気っぷの良さに、魚河岸の男たちが店までやってくる。 「立葵」 只次郎の姪のお栄は賢い子で、学問をしたいのだが、それは当時の常識ではない。 只次郎はこっそり教えることにするが… 「翡翠蛸」 升川屋の新妻・お志乃が食欲をなくしているという。上方の味を提供するお妙の工夫は‥ そして、夫に対してお志乃は? 「送り火」 穴子天が出てくるのは最終話です。 物語は基本、ほんわりした雰囲気で展開しますが。 背景には事件が隠れているよう。 人情噺だけど、年号もはっきりしているし、出来事は世相にも関係するのかな… じっくり読ませていただきましょう☆
シリーズの第2段。 相変わらず、お料理は美味しそう。 店主のお妙さんの評判は上がるばかりで、林様も気が気では無いことでしょう。 不審な人物もチラホラして、心配ごともあるけれど、美味しいものを食べる時は現実を忘れそう。
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