坂井希久子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「居酒屋ぜんや」の新シリーズ第3弾。
すっかり代替わりが終わって、熊吉とお花がダブル主人公として立ってきた。
熊吉は俵屋の若旦那と共に上方に商談に行って、新しいものをたくさん目にしてきた。
その上で、若旦那を支えて頑張りたいと思う。
頼りない、と皆に心配される若旦那の美点を、誰よりも知っているのが熊吉なのだろう。
お花は娘らしさを増してきたが、いまだに母親に捨てられた心の傷と、本当の親でないお妙・只次郎への遠慮が消えない。
お妙と只次郎が大好きで、ずっと今の幸せが続いてほしい。
知り合いの赤ちゃんが可愛くても、自分が我が子を持ったら愛せる自信がない。
友人の縁談が聞こえても、それが幸せなことなのか分からない。
自分も年頃になったら無理に嫁に行かされて、この家を出なくては行けないのだろうか?
お花はただひたすらに、お妙と只次郎の子供でいたいのだ。
そこへ、別人のように変った実母のお槇が現れて、お花の悩みは更に大きくなっていく。
『声はすれども』
熊吉と若旦那は、薬の委託販売の商談に上方へ行っているが、少々帰りが遅れている。
吟味方与力を引退した柳井様が久しぶりに『ぜんや』に現れ、年末年始は防災に気をつけなさいと注意して行った矢先、俵屋に熊吉を名乗る偽物が訪れた。
『七色の声』
熊吉は若旦那を伴って、深夜に俵屋に帰り着いたが、なかなか戸を開けてもらえない。
『くれない』
京土産の紅を想う人に渡せずに持ち歩いている若旦那に、熊吉は歯がゆい思い。
お花は、実母のお槇と再会する。
散々自分を虐待した母が、猫撫で声で話し、唇に紅まで塗ってくれたが、また会いたいと言われ、困惑する。
『縁談』
女性が苦手だった若旦那が、初恋に揺れている。
周りが余計なことをしないようにと必死で若旦那の気持ちを守ろうとする熊吉のオカン味がやばい。
『時鳥(ほととぎす)』
ほととぎすは鶯の巣に卵を産みつけ、代わりに鶯の卵を巣から落とすという。
自分の子を世話せず、他人に育てさせて平気でいるおっ母さんのようだとお花は思う。 -
Posted by ブクログ
「女ともだち」がテーマの短編小説アンソロジー
既に出尽くした感のあるテーマですが、昨今のSNSを取り入れた短編は8篇全て新鮮で面白かったです。
なんでも真似して来る女性を描いた村山由佳さんの「COPY」
女性あるあるです。
そしてそこに惹きつけておきながらのラストの急展開にはドキっとします。
坂井希久子さんの「ト・モ・ダ・チ」はイヤミスを連想させるどろどろした話で、もはやホラーの様にも思えて怖かった。
千早 茜さんの「卵の殻」は繊細な女性心理が描かれていて女性の執着がただただ恐ろしい。
「サバサバした女なんていないよ」のセリフが印象に残ります。
子供時代の競争意識、嫉妬心を描いた大崎 梢さんの「水底の星」
大人になってからの友人作り、在り方を繊細に描いた額賀 澪さんの「こっちを向いて」読み終えてタイトルを見るとなるほどと思えます。
柔らかい気持ちになれた阿川 佐和子さんの「ブータンの歌」
情景が絶えず浮かび、二人の女性の微妙でありながらイイ感じの距離感を感じた嶋津 輝さんの「ラインのふたり」
ややこしい人間関係ながら、こういうのも有りなのかと妙に女同士のリアルを感じた森 絵都さんの「獣の夜」タイトルがナイスマッチです。
怖さあり、優しさあり、嫉妬、憎悪、女ともだちには様々な感情が蠢いている事を改めて実感すると共に、親友、本当の意味で真友に出会うのは伴侶を見つけるより大変かも知れないと思った短編集。
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