あらすじ
“猫の世話をするだけの簡単なお仕事”こんな求人募集を見つけて僕は一軒の古ぼけた喫茶店を訪ねた。『喫茶虹猫』で待っていたのは、“猫バカ”で引きこもりの女主人と里親募集中の迷い猫たち。僕に任された仕事は認知症のお婆さんが棲む猫屋敷の掃除だったのに、いつのまにかワケあり客が持ち込む、“猫問題”に翻弄されていき……。寂しがり屋な人間と猫の不器用な愛の物語。
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Posted by ブクログ
自分は猫が好きなのか、猫を可愛がる自分が好きなのか。
猫の可愛いところが好きなのか、猫のどうしようもないところも含めて好きなのか。
そんなことを考えながら読んだ。
私は比較的、猫>人間の考え方を持っているので、喫茶店の店主サヨリさんの考え方に共感していた。
だからこそ、上記の考え方だけでは今の人間社会と猫は共存できないのだという現実も改めて突きつけられた。
猫は可愛い。そんな猫たちが今の人間社会で真に幸せな時間を過ごすにはどうしたらいいのか?
こんなにもスルスル読めるのに、猫を取り巻く社会問題についてもじんわりと考えさせられて面白かった。
続編があるなら是非とも読みたい。
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猫を通して人と人が関わって、成長していく。
一癖ある人が出てくるが、絶対悪な人は出てこない。
読みやすく、とても好きなお話だった。
話の中にきちんと保護猫や地域猫についての活動や実態が描かれていて勉強になりました。
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うちも保護猫を飼い猫にしているので、
感情移入しながら読んでしまいました。
でもそれを抜きにしてもとってもいいお話だった。
いろんな猫好きが出てきて、
獣医さんも保護猫団体も
多頭飼育崩壊のひともでてきて、
きちんと人間のエゴとか
ペットのことが描かれているところがよかったです。
いろんなひとに読んでもらって、知ってもらいたい。
自分の進路に悩んでるうじうじしてる系の主人公は
正直好きじゃないんだけど、
悩みながらも成長していく姿と、
素直なところが好感度が高くて、
最終的な読後感がとても良かったです。
サヨリさんのつくるナポリタンが食べたいー!
サヨリさんとみんなの成長を
まだまだ読みたい。続編を熱く希望!!
「まんぷく」の短編集から
気になった作家さんだったので読んでみました。
好きだわーーー。もっと読みたい!!
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猫カフェではなく猫がいる喫茶店。ワケあり店主にワケありバイト、猫のためを思えばの葛藤とそれぞれの思い。そして語られる生命の重み。良いお話でした。
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各Chapter冒頭の一文に、毎回「どうした?」「なにがあった?」「どういうこと?」と、反応したくなる始まりで面白い。そして、主人公翔の言葉には出さないが心の中でのツッコミもまた面白い。ふんだんに猫の仕草や行動が描写されていて、猫好き読者さんには、オススメの一冊だと思います。
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6月の合同サイン会でのサイン本。
旧帝大医学部合格を目指していたものの果たせず,獣医学部に進学した玉置翔はコミュ障気味で,大学でも一人も友だちができず暇を持て余していた。そこで暇を利用してバイトでもしようと学生課に張り出されていたバイト募集に応募する。向かった先は虹猫喫茶店。店内を猫が自由に闊歩しているがオーナーの鈴影サヨリは猫カフェではなく猫がいる喫茶店なのだと主張する。そして指示された仕事は町内で問題となっている猫屋敷の40匹近い猫の世話。猫屋敷には認知症らしい婆さんが一人暮らしだという。この老女を含め様々な理由で虹猫喫茶店に集う人々との交流を通してそれぞれがそれぞれの刺激を受けて変化していく様子を描いている。
サイン会時点では坂井希久子さんを全く知らなかったため,サインをしてもらう本に何を選ぶか迷った。タイトルに「喫茶店」と入るところが,私の好きなタイプの作品を予感させ,しかも動物が絡んでいるらしいところが決め手だったが,結果的に良い選択だったと言える。本当に色んなタイプの人が出てきて,とんでもない言動をしたりするのだけれど,結局本当に悪い人は出てこない,という所が良い。猫を飼ったことはないが,犬に比べて比較的気楽に飼っている人が多そうな猫飼育にも色々難しい問題があるのだなぁ。猫の魅力というのもおぼろげに伝わってくる。
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猫好きと名乗るほどでもないけど、主人公と同じで読み終わりにはなんだか愛しく思えるようになってきた。変わっていくのはいつだって人間で猫は変わらない。主人公が医学部落ちて獣医学部になって、結果的によかったなあ。素敵な居場所もできて、安心した。主人公が何事にも真面目に取り組むからこそ、信頼関係ができたんやな〜。猫の問題も学べた。
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温かい居場所…あきらめや先が見えない不安があっても目の前にあることに一生懸命、優しさと思いやりをもって取り組めば自然と素敵な仲間に出会え、自分の場所ができる。そんな1冊です。
保護猫についても考えさせられます。
Posted by ブクログ
猫ファーストな喫茶店オーナーと猫と人びとのお話。猫好きさんに読んで欲しいのはもちろん、これから猫と暮らしたいと考えている人には是非読んで欲しい。
猫ファーストなサヨリさん、地域猫活動家のおばさま、誰が正しいのかというより社会として愛玩動物とどう向き合うのかが問われている気がした。
人間の子供にさえ差し伸べる手が足りない中で、動物たちに差し伸べられる手はもっと限られている。
日本の動物たちが幸せに暮らせますように…
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「猫カフェ」ではなく、あくまでも一時的に猫を保護して里親を探している「喫茶 虹猫」。
猫至上主義のオーナーのサヨリさん。美少年の常連ヒカルくん。地域猫活動家のおばさま。多頭飼いで問題ありのお婆さん。クセが強く暑苦しい動物病院院長…と、かなり個性豊かな面々による物語。
人間と猫が共存していくうえで浮き彫りとなる猫問題諸々についても、作中触れながら楽しませてくれました。
猫好きにはたまらない一冊だと思います。
Posted by ブクログ
不本意ながら獣医大に入った翔。
虹猫喫茶店でバイトすることになって、サヨリさんと出会ってよかったね。
しかし、周囲の人物が揃いも揃って強烈すぎる。
クールビューティで猫こそ全てのサヨリさんとか、サヨリさんに夢中の獣医師相田とか。
そんな環境でもまれて翔が変わっていけてよかった。
心愛ちゃんも、桜子ちゃんも、『虹猫』と出会えてよかった。
猫の避妊手術などの問題なども考えさせられる、たくさんの猫にニマニマするだけの作品でないのがいい。
猫と人が、いい関係を築いていけるといいと思う。
Posted by ブクログ
軽く読めそうだけれどペットに関する現代の問題にも目を向けさせる、ウマイ構成で読み応えがあった。
極端な性格の人たちばかり登場するけれど、彼らが集まると不思議と常識的なコミュニティになっているのがおもしろい。主人公含めそれぞれの成長物語にもなっている。
Posted by ブクログ
猫屋敷の世話をするために喫茶店の依頼でバイトで雇われるお話
猫とのかかわり方について考えさせられる
作中の言葉で、猫は1万年前から変わらない 変化しているのは人間の方だ というのが心に残る
ペットとしての猫は日本でも平安時代からいるみたいだし、世界を見れば古代エジプトよりもっと前、それこそ1万年前から存在しているよう
確かに猫そのものは変わらず、猫に関わる人間の環境や姿勢が変わっているだけだな
いつ頃からだったか、野良犬というのはとんと見かけなくなった
でも、猫は野良猫なのか飼い猫なのか地域猫なのかわからないけど今でも見かける
完全野良は論外として、地域猫という存在も人によっては賛同できないのですねぇ
猫の生態を歪めてしまうけど、完全室内飼いを推奨という理屈もわかる
妊娠している猫の堕胎についてもそう
胎児の状態で処分するのか、仔猫として結局処分されるのとどっちがいのか
もちろんそのまま生きていくのが一番いいんだろうけど、飼う人のキャパシティはあるわけで
結局、猫の幸せって何なんだろうね?
それが、虹の橋で待つような飼い主に出会えるかどうかではなかろうか
あと、獣医の役割は動物を助けることではなく管理することというのに納得
その辺の現実と自分の持ってる理想とのギャップに悩む学生さんはいるんだろうなぁ
Posted by ブクログ
本当は、人間が自分たちは地球で一番偉いと思って、管理人気取りで他の生き物たちの居場所をどうこうしようとしていることが一番問題なんだろうけど…
そんな大風呂敷を広げたところで全く現実的ではない。
人は、身近で手の届くことから関わっていくことしかできないのだ。
医学部志望のはずが、一浪してやっと一つだけ受かった獣医大に入った玉置翔(たまきかける)は、動物に対する周りとの温度差について行けない。
空いた時間で「猫の世話をするだけの簡単なお仕事」というバイトに応募するが…
個人的な感想だけれど、犬好きの人たちに比べて、猫好きは引きこもりでコミュ障的な人が多いように感じる。
そんな人たちが人とのかかわりを少し広げて行けたり、猫と人の関係、人に管理されるしかないペットの、命と幸せについて考えたりする物語だ。
そして、自分の進むべき道に迷っている若者が成長するという王道でもある。
理想と現実の違い、頭でっかちで行動が伴わない学生、思い込みが激しすぎるボランティアなど、ちょっとした困りごともきちんと描かれている。
…こう書くと堅苦しいようだけれど、個性的な猫たちと、個性的な人間たちがたて糸と横糸になって織りなす、楽しくて温かい気持ちになれる物語。
翔の雇い主であり、“猫のいる喫茶店”『虹猫』の女主人・鈴影サヨリに寄り添う・黒猫のタイ、謎の美青年・ヒカルにしか懐かない白猫のアイ、臆病で極度の引きこもり、居るのに気付かれなかったサビ猫サビ子…
翔が世話を任された、荒れ放題の猫屋敷、東丸おばあちゃんのところの約40匹の猫たち、サヨリにぞっこん(死語)で、暑苦しくてかっこいい動物病院の院長・相田先生、翔の憧れ、同じ大学の一年生・桜子ちゃん、地域猫の保護活動に力を入れるオバサン・伊澤さんなども、それぞれ個性的。
個人的には、すぐに貰われて行ってしまった、貫禄があるデブ猫・豚丼が気になる存在でる。
そして、読み終わった日、ナポリタンを作りました!
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思ってたんと違う!
たくさんの問いかけがあって、それに正解や成長を無理やりに結びつけることなく、それでも確かにある変化を清々しく描いている、良い小説だと思います。高校生くらいの時に読みたかった。
猫は割とでてきます。
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本当は医学部に行きたかったのに、学力が足りずに仕方なく獣医学部に行った大学生。その場に馴染めず鬱々とした暮らしをしていた彼がアルバイトすることになったのが虹猫喫茶店。そこは猫ファーストのお店だった。
不本意な生活をしていた大学生がアルバイト先で理不尽な扱いをされつつ、だんだんと仕事に馴染み、成長していく話。
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喫茶店でほっこりかと思いましたが思っていたのとは違く、猫の去勢や保護に関しては描いていました。人間のルールなので猫にとってはたまったもんじゃないですよね。でも野放しも難しいし…
考えさせられる内容でした。
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医学部を目指して一浪したが、全敗。唯一合格した獣医学部に進学することになった玉置翔。「猫の世話するだけの簡単なお仕事」という求人を見て、「喫茶 虹猫」で働くことに。猫カフェの仕事かと思いきや、認知症の高齢女性の家へ向かうよう指示されて…。
猫の多頭飼育崩壊を起こしている偏屈なお婆さん、引き取った猫を返そうとする飼い主、地域猫活動家、獣医学部の女子大生、子猫を捨てようとする小学生の女の子、虹猫の常連の美青年。さまざまな人間たち、個性豊かな保護猫たちと関わっていくうちに翔の心境も変化していく。初めは正直親に学費出してもらってるのにそれってどうなのという言いたくなる様子の翔が成長していく様子がいい。
『…手術で仔猫を殺すのと、どっちが残酷かは分からないけど、生まれたばかりの命を奪うよりは心情的にマシってことで、僕らは前者を選んでる。…』
人間は現代の人間社会で暮らすためのルールを猫に当てはめている。去勢して生殖能力を取り上げたり、堕胎したり。それでも、色んな事情があっても人は猫と暮らしたいんだなぁ。何か色々考えさせられてしまった。
Posted by ブクログ
一癖も二癖もある人達が猫(こちらも癖のある猫ちゃん達ばかり…笑)を通して心を通わせていく様子が心地よい。
『喫茶虹猫』…猫の居場所でもあり人の居場所でもある。
ほんのり気持ちが温かく、柔らかくなる。
心の拠り所なんだなぁ〜きっと。
Posted by ブクログ
〈猫の世話をするだけの簡単なお仕事〉という求人募集に惹かれて訪ねた『喫茶 虹猫』。猫バカな女主人と里親募集中の迷い猫に囲われながら、僕は本当にやりたいことを見つける。寂しがり屋な人間と猫の不器用な愛の物語。
ただ猫可愛がりのお話ではなく、きちんとペット問題に対して問題提起しているところに好感が持てる。猫と人間の関係は歴史も古く、これからも失われることはない。同じ生き物として互いに幸福になれる制度やしくみを築く必要性を感じた。
Posted by ブクログ
出先で読む本が無かったので手に取りました。虹猫かぁ~ 虹のたもとで猫が待っていてくれるってのは良いなぁ。ウチの猫たちは待っていてくれるだろうか。飽きて寝てそうだけど。
地域猫とか野良猫の不妊処置だとかきれいごとだけじゃすまないよなぁと思う事と、でも結構フィクションだし綺麗に解決しつつあるねぇという感想が半々でした。猫も20年近く生きる時代だからおいそれと新しい子をホイホイとか飼えないもんなぁ…
それにしても、大学入学の際に溶け込めなくて友人が出来なかったのはわからなくはないけどトイレで昼食食べなくてもいいんじゃない?とか思いました。そういう感覚、よくわからないなぁ…